公開日:2024-12-10
窓ガラスの結露対策12選|原因と仕組みを知ってカビやダニを防ぐ
冬場に発生する窓ガラスの結露、毎日掃除するのは大変ですよね。
結露は放置するとカビやダニの温床となるため、適切な対策が必要です。
この記事では窓ガラスの結露対策を、0円でできるお手軽な方法、DIY、リフォームの3つのジャンルに分けてご紹介します。
結露が発生する仕組みや原因、具体的な結露対策の順番で、適切な方法が分かりやすい構成になっていますので、ぜひ快適な住まいづくりの参考にしてください。
・換気・室温調整・暖房器具の使い分けなど、すぐにできる結露対策は複数あります。
・結露防止グッズや珪藻土など、DIYで結露を防ぐ方法もチェックしましょう。
・本格的に結露を防ぐなら、ペアガラス交換や内窓の設置、断熱リフォームなどを検討するのがおすすめです。
■結露の原因と発生しやすい場所の傾向
結露とは、空気中の水蒸気が水滴に変わる現象のことです。
結露が発生する原因や場所の傾向を知ると効果的な対策を取りやすくなるため、チェックしておきましょう。
窓ガラスの温度差と水蒸気が結露の原因
窓ガラスに結露が発生するのは、室内外の温度差と空気に含まれる水蒸気が主な原因です。
※窓ガラスの結露の仕組み
- ①冬の外気温で窓ガラスが冷える
- ②窓ガラス周辺の室温が下がり、飽和水蒸気量が低下する
- ③空気中に含まれている水蒸気が水滴に変わり、ガラスに付着する
窓ガラスが結露しやすいのは外気の影響を直接受けるためで、上記のような仕組みで窓に水滴が付着します。
室内外の温度差で窓周辺の空気が冷やされると、含むことができる水蒸気量が減るため、窓ガラスに結露が発生するのです。
特に冬場は暖房で温められた室内の空気と外気温の差が大きくなるため、窓ガラスに結露が発生しやすい状態です。
また、室内の水蒸気が多い状態も結露が発生する原因になります。
※部屋の水蒸気量を増加させる原因
- 洗濯物の部屋干し
- 調理中の湯気
- 人間の呼吸や汗
- 観葉植物の蒸散
上記のような原因で室内の水蒸気量が増加すると、窓ガラスの周辺が飽和水蒸気量に達して結露が発生しやすくなります。
結露が発生しやすい場所
窓ガラス以外にも結露が発生しやすい場所は多いため、同時に対策が必要です。
※室内で結露が発生しやすい場所
- 窓ガラス/サッシ
- お風呂場
- 洗面脱衣所
- トイレの便器やタンク
- 押し入れ/クローゼット
- 家具の裏側
お風呂場・洗面脱衣所・トイレなどの水回りは、水蒸気が多いため結露が発生しやすい場所の1つです。
また、押入れやクローゼットの奥、壁に沿って設置した家具の裏側など、空気がこもる場所も結露が発生しやすいため定期的にチェックしましょう。
マンションは特に結露が発生しやすい
鉄筋コンクリート造のマンションは木造戸建て住宅より気密性が高く、室内の水蒸気量が多くなり結露が発生しやすい傾向があるので特に注意が必要です。
日当たりの悪い北側の部屋は特に結露が発生しやすく、窓ガラスだけでなくクロスの裏側や壁内部にカビが生えるケースも少なくありません。
マンションにお住まいで、いつも窓ガラスや玄関ドアなどが結露している場合は、特に対策が重要になります。
■窓ガラスの結露を放置するリスク
窓ガラスの結露はすぐに被害をもたらすわけではありませんが、放置すると次のようなリスクが発生します。
カビやダニによる健康被害
窓ガラスが結露して水滴が付くと、サッシや窓枠、カーテンなどにカビが生えたり、ダニがわいたりして健康被害のリスクが発生します。
カビやダニは適度な湿度がある場所を好む習性があるため、結露が発生する場所に生えやすくなります。
内装材の劣化
窓ガラスやサッシ自体は結露で濡れても問題ありませんが、周辺の内装材が劣化するリスクがあります。
例えば、窓ガラスから垂れた水滴が壁を伝うと、クロスが剥がれたり、下地の石膏ボードがふやけたりすることが多いです。
内装材が劣化することでリフォームのタイミングが早まり、補修など余計な手間がかかるため費用も増加するリスクがあります。
■0円でできる窓ガラスの結露対策6選
ちょっとした暮らしの工夫やご家庭にある物の活用で、0円で手軽にできる窓ガラスの結露対策をご紹介します。
②室温を20℃前後に保つ
③水蒸気が発生しない暖房器具を使う
④除湿機能付き空気清浄機を使う
⑤浴槽やトイレのフタを閉める
⑥観葉植物や水槽を窓の近くに置かない
まずは手軽にできる結露対策を試してみて、効果が出ないならDIYやリフォームを検討してみるのがおすすめです。
①こまめに換気をする
一戸建て・マンションどちらの場合でも、こまめに換気をして空気を入れ替えるのが結露対策の基本です。
換気扇を回したり、暖房を付けている部屋の窓を定期的に開けたり、室内の空気の滞留を防ぎ、室温や水蒸気量を調整して結露を防ぎましょう。
お部屋の中に空気が溜まりやすい場所がある場合は、サーキュレーターなどで循環させるのも効果的な対策です。
②室温を20℃前後に保つ
エアコンやストーブなど暖房器具の設定温度を20℃前後に設定して、室内外の温度差を減らすのも効果的な結露対策です。
適度な室温をキープすることで窓ガラスとの温度差が小さくなり、結露の発生を抑制しやすくなります。
お部屋の広さや日当たりなどの条件で暖房器具の設定温度と室温に差が出ることもあるため、温度計を置いて確認するのが確実です。
③水蒸気が発生しない暖房器具を使う
部屋を暖める際に水蒸気が発生するストーブやファンヒーターの使用を避け、エアコンや電気ストーブを使うのも結露対策の1つです。
ストーブやファンヒーターは石油やガスなどが燃焼する際に水蒸気が発生するため、結露の原因になります。
ただし、エアコンや電気ストーブは水蒸気が発生しない反面お部屋が乾燥することもあるため、冬場はバランス良く活用するのがおすすめです。
④除湿機能付き空気清浄機を使う
ご家庭に除湿機能付きの空気清浄機があるなら、結露対策に有効活用しましょう。
除湿機能で空気中の水蒸気量を適切に保つことで、窓ガラスだけでなく壁や床の結露も防ぎやすくなります。
⑤浴槽やトイレのフタを閉める
お風呂の浴槽やトイレなど常に水が張っている場所は、フタを閉めることで水蒸気の拡散を防ぎ、結露対策につながります。
最後にお風呂に入ったときや、トイレで用を足したとき、こまめにフタを閉める習慣を付けましょう。
⑥観葉植物や水槽を窓の近くに置かない
水蒸気を発生させる観葉植物や水槽は、窓の近くを避けて風通しが良い場所に置きましょう。
換気扇や通風孔など空気が溜まりにくい場所を選び、水槽はフタを閉めることで結露対策になります。
■窓ガラスのDIY結露対策3選
前述した対策でも窓ガラスに結露が発生する場合は、ホームセンターやインターネット通販で手に入るDIYグッズの活用も試してみましょう。
②窓に結露防止グッズを貼る
③結露防止スプレーで窓を拭く
ただし、DIYで完全に結露対策するのは難しいこともあるため、後述するリフォームによる対策もあわせて検討してみてください。
①珪藻土グッズを活用する
ホームセンターやネット通販(EC)で購入できる珪藻土グッズは、手軽に取り入れられる結露対策として人気です。
珪藻土とは植物プランクトンである「珪藻」が化石になったもので、細かい穴がたくさん開いていて水分を吸い込む性質を持っています。
窓ガラスの下側に直接置いて結露した水分を吸い込ませることで、サッシやカーテンの裏側にカビが発生するのを防ぐ使い方が一般的です。
珪藻土が吸い込んだ水分は晴れた日に放出してくれるため、天日干しするなどお手入れをせず使えるのが魅力的。
ただし、珪藻土が吸収できる水分には限界があり、結露自体を防げるわけではないため、ほかの対策と組み合わせるのがおすすめです。
②窓に結露防止グッズを貼る
結露が発生する窓ガラスに直接フィルムや断熱材を貼るのも、代表的なDIY結露対策の1つです。
※窓の結露防止グッズの例
- エアーキャップ(プチプチ)
- 結露防止シート/テープ
梱包材として使用されるエアーキャップは、間に挟まれている空気層に断熱効果があり、室内外の温度差を緩和して結露を防いでくれます。
ただし、エアーキャップだと窓の外が見られなくなってしまうため、美観を気にするならクリアタイプの結露防止シートを使う方法もあります。
また、窓ガラス自体を断熱化してもサッシ枠が結露することがあるので、水分を吸い込む結露防止シートを貼って対策するのもおすすめです。
③結露防止スプレーで窓を拭く
最近は、窓に吹きかけて拭くだけで結露対策できるスプレーも市販されています。
結露防止スプレーは窓に薄い膜を張ることで、水分をはじいたり吸収したりして結露を防ぐ仕組みです。
簡単に結露対策できるのがメリットですが、持続期間は2週間~1か月前後と短めなので、定期的に作業する必要があります。
■窓ガラスの結露対策リフォーム3選
リフォームによる結露対策について、代表的な3つの方法をご紹介します。
マンション・一戸建てどちらでも取り入れやすい方法ですので、ぜひご自宅に合わせて検討してみてください。
②壁や床に断熱材を入れる
③調湿作用のある内装材を使う
①ペアガラス交換や内窓設置で窓の断熱性を高める
断熱性能が高いペアガラスへの交換や内窓の設置リフォームは、効果が高い結露対策です。
窓の断熱性を高めることで外気の影響を受けにくくなり、ガラスやサッシ周辺の空気が冷やされて結露が発生するのを防ぎやすくなります。
シングルガラスからペアガラスへの交換、内窓の設置は、一戸建て・マンションどちらでも取り入れやすいリフォームです。
また、結露対策だけでなく、快適性の向上や光熱費の節約などうれしいメリットもあります。
窓ガラス交換や内窓設置リフォームについては、こちらのコラムでさらに詳しく解説しています。
〈関連コラム〉
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②壁や床に断熱材を入れる
住まいの壁や床にリフォームで断熱材を入れて、お部屋全体の断熱性をアップするのも結露対策の1つです。
断熱性をアップすることで室温を均一に保ちやすくなり、暖房器具の設定温度を上げすぎて結露するのを防ぐことができます。
底冷えや局所的な寒さも解消できるため、光熱費の節約や快適性アップなどのメリットも得られます。
こちらのコラムで住まい全体の断熱リフォームについて詳しく解説していますので、参考にしてください。
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③調湿作用のある内装材を使う
リフォームによる結露対策としては、天井・壁・床に調湿作用のある内装材を使用するのも効果的です。
調湿作用とは、湿度が高いときは水分を吸い込み、湿度が低下すると放出する作用のことです。
※調湿作用のある内装材の例
- 無垢材のフローリングや建具
- 漆喰
- 珪藻土
- エコカラット
例えば、お部屋全体に無垢材のフローリングやドアを使ったり、壁を漆喰や珪藻土で仕上げたりするのが一般的です。
珪藻土グッズ単品だと効果が薄くても、お部屋の広い面積に塗ることで調湿作用による結露防止効果が期待できます。
エコカラットのような調湿作用のある建材を、壁の一部に使ってアクセントウォールにする方法もおしゃれですね。
内装リフォームやまるごとリノベーションの際に取り入れれば、結露防止だけでなくおしゃれな住まいづくりにも役立ちます。
■まとめ
窓の結露対策はさまざまで、ご自宅の構造や状況に合わせて適切に取り入れることが大切です。
まずはご自分でできる結露対策から取り組んでみて、解消できないようならリフォーム・リノベーションによる対策も検討しましょう。
SHUKEN Reは多くのリノベーションをお手伝いしてきた経験をもとに、一戸建て・マンションそれぞれに適した結露対策をご提案いたします。
おしゃれで快適な空間づくりを得意としていますので、結露のことはもちろん、なんでもお気軽にご相談ください。