公開日:2024-10-20  更新日:2024-10-25

再建築不可とは?リフォームできる条件と内容を解説|2025年建築基準法改正後のスケルトンリノベーション活用法

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再建築不可とは?リフォーム可能な範囲と条件について

 

土地探しの際に「再建築不可」という言葉を目にしたことはありませんか?

 

再建築不可物件は、法律上の基準を満たしていない建物で、通常建て替えはできませんが、スケルトンリフォームやリノベーションなら快適な住まいを実現させることが可能です。

 

今回は、再建築不可物件の特徴や買取時の注意点、2025年の建築基準法改正後の活用ポイントなどを詳しく解説します。

 

スケルトンリノベーションの相場や費用を抑える方法も紹介しますので、これから物件購入をお考えの方はぜひ参考にしてみてください♪

 

この記事のポイント

・再建築不可物件は、接道義務を満たしていないなどの理由で、建て替えや「建築申請」が必要な増改築はできない不動産のことを言います。
・2025年の建築基準法改正後は、再建築不可物件のリフォーム・リノベーションに影響が出る制限も増えるため注意が必要です。
・スケルトンリノベーションの費用を抑えるためには、設計や性能選びの優先順位を立てた上で、補助金や減税制度を賢く活用するのがおすすめです。

 

 

■再建築不可とは?物件の可能性と注意点

 

再建築不可とは?物件活用のポイントと注意点

戸建てリノベーションの事例を見る:Case111「ほっこりレトロStyle」

 

再建築不可物件は、建て替えなどによる新築ができない物件を指します。

 

主に、建築基準法で定められた「接道義務」を満たさない土地に建つ建物は、再建築不可物件である可能性が高く、リフォーム・リノベーションに関する制約もあるため注意が必要です。

 

それでは詳しく見ていきましょう。

 

 

再建築不可物件とは

 

再建築不可物件は、既存住宅を解体して新たに建物を建てたり、増改築したりするための「接道義務」を満たしていない不動産のことを言います。

 

接道義務は、建築基準法で定められた「敷地と道路」に関する法律で、災害時に救急車や消防車といった緊急車両を通すための避難の経路確保に対応しています。

 

敷地と道路(国土交通省)

 

(画像引用元)国土交通省|建築基準法制度概要集「敷地と道路(法第42~第44条)」

 

例えば、都市計画区域内における規定は、原則「幅員4m以上の道路(公道または私道)に接する、建物の敷地の間口を2m以上確保する」*というものです。

 

*特定行政庁が、建築基準法上の幅員を6m以上の道路として取り扱う区域では「6m以上の道路に間口が2m以上接した敷地」でなければならない。

 

上記の条件に合わない土地には建物が建てられず、以下のようなケースは再建築不可物件となります。

 

・建物の建つ敷地が、建築基準法上の道路に全く接していない

・建物の建つ敷地が、建築基準法上の道路と幅2m未満で接している

・建物の建つ敷地が、幅員4m未満の道路または私道にのみ接している

 

 

再建築不可物件となる理由

 

再建築不可物件の多くは、建築基準法が制定された1950年以前の建物、あるいは都市計画法が制定された1968年以前の建物です。

 

古い住宅地や狭い道に面している物件では、現行の建築基準法の要件を満たさない建物が多く、土地の区画整理や都市計画上の制約も影響してきます。

 

「接道義務」違反の他にも、再建築不可物件となる要因として以下のような理由が挙げられます。

 

・敷地上空に17万ボルト以上の高圧線が通っている。

・現在の建築基準法では同一の建物が建てられない「既存不適格物件」である。

・「市街化調整区域内」に建つ建物である。

 

なお、再建築不可物件かどうかは、役所の窓口または自治体のホームページで調べるほか、不動産仲介会社にリノベーションを視野に入れた査定を依頼する方法があります。

 

東京・千葉・神奈川エリアで約20年にわたり、8,000件超のリノベーション施工実績があるSHUKEN Reでは、「リノベーション向き物件を探している」という方向けの相談会も実施しております。

 

気になる物件や土地にどのような条件があるのか、どれくらいの規模で工事が可能なのかなど、はじめてのリノベーションでお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

 

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■再建築不可物件活用のメリット・デメリット

 

再建築不可物件の活用のメリットとデメリットを紹介

戸建てリノベーションの事例を見る:Case134「実家を住み継ぐ」

 

再建築不可物件でリフォーム・リノベーションできる範囲は、以下のような工事です。

 

  • ・10㎡未満のリフォーム・リノベーション(防火地域・準防火地域に指定されていない建物)
  • ・基礎や柱、梁といった建物の基盤のみを残したスケルトンリフォーム・リノベーション
  • ・柱や梁、壁、床、階段、屋根などの主要な構造部を1/2まで残した取り替え工事
  • ・防火地域・準防火地域に指定されていない建物で10㎡以下の増築

 

まずは、再建築不可物件をスケルトンリフォーム・リノベーションする場合のメリットとデメリットを把握しておきましょう。

 

 

再建築不可物件の可能性に注目

 

再建築不可物件のメリットとは

 

再建築不可物件をスケルトンリノベーションする場合、以下のようなメリットがあります。

 

 

・相場以下で取得しやすい

 

再建築不可物件は、一般的な中古物件の相場よりも低い価格で購入できる可能性が高いのが特徴です。

 

リフォーム・リノベーション費用を考慮した上で、トータルコストを抑えたプランを検討したい方におすすめです。

 

 

・条件に合うリフォーム・リノベーションが可能

 

増改築に制限のある再建築不可物件でも、建物の条件によっては大規模な修繕や模様替えなどができる場合があります。

 

スケルトンリノベーションにより、内装や水回りの一新、窓・ドアの交換はもちろん、耐震補強や断熱性の向上など、現代のライフスタイルに合わせた快適な空間づくりも可能です。

 

 

・新築同様の住まいも実現

 

既存の建物を活かしたスケルトンリノベーションでは、住まいを新築に近い状態まで生まれ変わらせます。

 

現行の耐震基準や断熱性能を備えた住まいで、ご家族らしいデザインや居心地が楽しめる長寿命なマイホームを実現させましょう。

 

 

再建築不可物件の注意ポイント

 

再建築不可物件のデメリットと対策

 

再建築不可物件をリノベーションする場合は、以下のようなポイントにも注意しておきましょう。

 

 

・ローンが組めない場合がある

 

再建築不可物件の場合、物件の価値が不動産業界で相場の半値以下で流通されてきたこともあり、一般的な住宅ローンは組めないケースが大半です。

 

金融機関によっては、住宅ローンよりも高い金利で取り扱っている場合もあるため、事前に相談しておくのもおすすめです。

 

 

・建物の状態が把握しづらい

 

築年数が古い再建築不可物件の場合、建物の劣化や見えない部分の損傷など、事前に予測しがたい問題が発生するリスクがあります。

 

リノベーション前には、建物の外部・内部、床下や屋根裏などの調査が必要で、調査結果に応じた適切な補強・修繕規模を見極めた予算設計が大切です。

 

 

・耐震・断熱・防音対策などの必要性

 

再建築不可物件の場合、多くが築古物件である可能性が高く、現行の耐震基準や防火基準などを満たしていないケースが大半です。

 

そのため、スケルトンリノベーションでは居住環境を向上させるために、耐震補強や断熱・防音対策にかかる追加工事が必要です。

 

特に地震が多い地域では、耐震性向上に関する予算をしっかり確保しておくことをおすすめします。

 

〈関連コラム〉

「リノベーション」と「建て替え」を徹底比較|違いやメリット・デメリットを解説

 

 

■2025年「建築基準法改正」で変わる再建築不可の取り扱い

 

2025年「建築基準法改正」で変わる再建築不可物件のリフォーム・リノベーション

戸建てリノベーションの事例を見る:Case190「Passed down」

 

建築基準法改正の目的は、住宅の省エネ化促進や倒壊防止を強化させることで、適切な建築物設計や施工が求められます。

 

そのため、再建築不可物件のリノベーションにも影響が出る可能性があります。

 

 

再建築不可物件リノベーション時の「建築確認申請」

 

再建築不可物件でリフォーム・リノベーションできる範囲は、「建築確認申請」が不要な工事のみです。

 

確認申請は、既存物件が現行の建築基準法に適しているかを判断するものなので、再建築不可物件の場合は審査が通りません。

 

なお、確認申請が必要な建物であるかどうかを調べる際は、「四号建築物」に該当しているかどうかを確かめることで、リノベーション時の審査内容を簡略化、あるいは不要にできるケースが増えます。

 

四号建築物は、建築基準法第6条の4(建築物の建築に関する確認の特例)で定められている規定で、以下の条件を有しています。

 

  • ・木造2階建て以下
  • ・延べ床面積500㎡以下
  • ・建物の高さ13m以下または軒の高さ9m以下
  • ・特殊建築物に該当しない
  • ・不特定多数が利用する建物でない
  • ・平屋(非木造建築物)の場合、延べ床面積200㎡以下

 

 

2025年、建築基準法改正による変更ポイント

 

この「四号特例」は、2025年の建築基準法改正により縮小されることが閣議決定しています。

 

主な改正内容は以下の通りです。

 

  • ・「新2号建築物」「新3号建築物」の新設により、大規模なリノベーションに対して、確認申請が必要なケースが増える可能性が高まる。

 

  • ・木造2階建てと延べ床面積200㎡超えの木造平屋は、「新2号建築物」に該当するため、審査省略特例の対象外となり、大規模な修繕・模様替えをする場合、確認申請が求められる。

 

  • ・延べ床面積200㎡以下の木造平屋は、「新3号建築物」に該当し、従来通り確認申請不要。

 

(参考)国土交通省|2025年4月(予定)から4号特例が変わります

 

四号特例の縮小により、リノベーション会社の設計・構造計算などの業務負担が増える可能性があり、提出書類や審査項目も増えるため、手続きに時間がかかり工期が延びることも考えられます。

 

それに伴い、規定に合わせた資材の調達や追加の工事費、人件費などがかかる点に注意が必要ですが、住宅の安全性向上における大きなメリットも忘れてはいけません。

 

〈関連コラム〉

リノベーションに「建築確認申請」は必要?費用と注意点は?

増築リノベーションの注意点と費用目安|戸建てスケルトンリフォーム事例も紹介

 

 

■再建築不可物件のスケルトンリノベーション費用

 

再建築不可物件のスケルトンリフォーム・リノベーション費用の目安

戸建てリノベーションの事例を見る:Case144「アメリカンヴィンテージ」

 

最後に、再建築不可物件をスケルトンリノベーションする場合の費用相場や、予算内で理想の住まいを実現するためのコツを紹介します。

 

 

スケルトンリノベーション費用の相場

 

再建築不可物件の場合、スケルトンリノベーションにかかる費用は、同じ規模の再建築可能物件よりも高くなる可能性があります。

 

建物の築年数や状態、必要な工事内容によって異なりますが、一般的な木造住宅のスケルトンリノベーションに必要な1㎡あたり16~22万円(延べ床面積30坪で約1,590~2,190万円)以上が目安です。

 

耐震改修や断熱材の交換のほか、シロアリ被害の補修や防蟻対策、配管や給湯器の更新など、追加工事個所や規模によって、大幅にトータル費用も変わってきます。

 

そのため、より正確な予算を立てるためには、事前に専門家による調査を依頼した上で、詳細な見積りを取得しておくことが大切です。

 

 

スケルトンリノベーション費用を抑えるコツ

 

再建築不可物件のリノベーション費用を抑えるためには、耐震性や断熱性など住まいの安全性を確保した上で、複数社の見積りの内容に優先順位を付けて慎重に比較してみましょう。

 

内装デザインや設備のグレードに関しては、選ぶランクによってコストを抑えられる可能性があります。

 

また、一部の工事は、国や自治体が提供する補助金や減税制度が利用できる場合もあります。

 

ぜひ、こちらのコラムも参考にしてみてください。

 

〈関連コラム〉

東京都のリフォーム補助金まとめ|対象工事と補助額をチェック

中古マンションの住宅ローン控除とリフォーム減税のポイント|2024年から変わる要件や期間をチェック

 

 

 

 

■まとめ:再建築不可物件で満足な暮らしをつくるスケルトンリノベーション

 

再建築不可物件は、建物の条件に合わせた適切なスケルトンリノベーションを施すことで、理想の住まいに生まれ変わらせることが可能です。

 

2025年の建築基準法改正により、活用すべき物件の条件も変わるため、将来性のある物件選びなど、予算に見合うリノベーション価値の見直しが必要です。

 

また、リノベーションにかかる費用や手続きについても、専門家に相談しながら慎重に進めていきましょう。

 

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