公開日:2024-07-31 

【2024年】家庭用蓄電池の補助金|国&自治体や太陽光発電助成との併用でお得に省エネリフォーム

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2024年度の家庭用蓄電池に使える補助金

 

このコラムでは、2024(令和6)年度に個人住宅向けの家庭用蓄電池導入を検討している方へ、国と自治体(東京都・千葉県・神奈川県)それぞれの補助金情報をまとめて解説します。

 

マンションにお住まいで蓄電池を導入したい方や、戸建てリフォームで太陽光発電との同時購入をお考えの方におすすめの補助金活用方法も紹介します。

 

リフォームやリノベーションを機に、お得に住まいの省エネ化がしたいという方は参考にしてくださいね。

 

この記事のポイント

・2024(令和6)年度の家庭用蓄電池に対する補助金は、国が主導するDR補助金や子育てエコホーム支援事業を始め、東京都や千葉県、神奈川県など自治体単位でも実施されています。

・国と自治体の補助金は併用できるケースもあるため、上手に活用すれば初期費用負担を抑えて蓄電池の導入・運用が可能です。

・戸建てやマンションのリフォーム・リノベーション時に蓄電池や太陽光発電を導入するなら、信頼できる施工業者へ補助金の活用も含めて相談するのがおすすめです。

 

 

■【国】家庭用蓄電池導入に使える補助金(戸建て/マンション)

 

2024年度の国の家庭用蓄電器補助金制度

 

2024年(令和6年)で国が実施している、家庭用蓄電池の導入単独に対する補助金制度は以下の通りです。

 

  • ・DR対応蓄電池補助金制度
  • ・子育てエコホーム支援事業

 

1つずつ申請条件や補助金額を解説していきますね。

 

 

①DR対応蓄電池補助金

 

「DR対応蓄電池補助金」とは、電力消費者(需要家)が、国から認められた事業者からDR(ディマンド・レスポンス)対応の蓄電池を購入する際に補助金が受けられる制度です。

 

正式な補助金の名称は「令和5年度補正 家庭・業務産業用蓄電システム導入支援事業」と言います。

(参考)SII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)|令和5年度補正 家庭・業務産業用蓄電システム導入支援事業

 

DR(ディマンド・レスポンス)とは?

 

DR(ディマンド・レスポンス)のイメージ

(画像引用元)資源エネルギー庁ホームページ|VPP・DRとは

 

DR対応蓄電池補助金(以下DR補助金)は、2050年のカーボンニュートラル、2030年のエネルギーミックス達成に向けて、DR(ディマンド・レスポンス)への活用が可能な蓄電池の導入を促進することで、電力の安定供給に貢献することが目的です。

 

DR(ディマンド・レスポンス)とは、安定した電力供給のため、電力会社からの依頼に応じてピーク時に電力需要を少しでも抑える調整方法のことです。

 

需要家がDRに協力すれば、災害などで電力供給量を上回る電力需要が発生した場合に少しでも買電量(電力の購入量)を抑えて、大規模停電やブラックアウトを防ぐことにつながります。

 

DR補助金は最大補助額が60万円と金額が大きいため、DR対応蓄電池による社会貢献に関心がある方は積極的に活用したい補助金と言えます。

(参考)資源エネルギー庁ホームページ|DR(デマンド・リスポンス)

 

〈関連コラム〉

蓄電池導入で後悔しないポイント「やめたほうがいい・つけてよかった」それぞれの理由

 

申請条件

 

DR補助金を受ける条件は、主に以下のようになっています。

対象となる蓄電システム 国から認められた販売事業者からDR対応の蓄電池を購入する

(参考)SII|令和5年度補正 家庭・業務産業用蓄電システム導入支援事業|蓄電システム製品一覧

申請できる人 個人・法人・個人事業主のいずれでも申請可能

 

ただし、需要家(電気利用者)が直接申請はできず、申請代行者(販売事業者)による申請代行が必要です。

登録販売事業者を選ぶ際は、1社ではなく複数社から話を聞き、見積もりを取得して比較検討するようにしましょう。

(参考)SII|令和5年度補正 家庭・業務産業用蓄電システム導入支援事業|申請代行者(販売事業者)検索

 

補助金額

 

下記3つのうち、最も低い金額が補助金額となります。

  • ①1台あたりの補助金基準額に初期実効容量を乗じた金額
  • ②家庭用蓄電システムの設備費と工事費の合計金額に補助率(1/3)を乗じた金額
  • ③補助金上限額【60万円】

 

購入する蓄電システムの種類によって補助金額が変わってくるため、「補助金計算ツール」で交付申請前に補助金額を試算するのがおすすめです。

 

交付申請から補助金がもらえるまでの流れ

 

①交付申請

②交付決定
申請してから交付決定までの期間:家庭用蓄電システムの場合およそ2~4週間程度
※申請内容に不備がないことが前提

③交付決定後システム購入契約を締結

④工事完了・引き渡し

⑤補助金受け取り

⑥蓄電池を活用したDRの実施

 

上記のように、DR補助金は交付が決定してから契約する必要があるため、必ず購入契約前に申請代行者(販売事業者)を通じて交付申請を行いましょう。

 

交付申請受付期間

 

公募期間(交付申請受付期間)は2024年4月10日(水)~12月6日(金)となっています。

※予算額に達した場合、申請受付期間内であっても交付申請の受付を終了

 

補助金利用時の注意点

DR補助金の活用を利用する際は以下の点に注意が必要です。

 

  • 申請代行者(販売事業者)として登録された業者でなければ申請ができない
  • 目標価格(設備費+工事費・据付費の税抜合計が14.1万円/kWh以下)を上回る契約に対しては補助金が適用できない
  • ・予算上限に達すると終了してしまう

 

目標価格は機器によって変わるため、補助金計算ツールで目安を算出するのがおすすめです。

 

DR補助金はすでに申請がスタートしているため、これから補助金の活用を考えている場合は事前に見積もりを取っておくなど早めに準備しておくことをおすすめします。

 

 

②子育てエコホーム支援事業

 

子育てエコホーム支援事業

(画像引用元)子育てエコホーム支援事業【公式】

 

子育てエコホーム支援事業は、子育て世帯・若者夫婦世帯による省エネ住宅の取得や、住宅の省エネリフォームに対する国の補助金事業で、要件を満たせば蓄電池導入にも助成が受けられます。

 

申請条件

 

子育てエコホーム支援事業では下記の①~③のいずれかの省エネ改修を含む幅広いリフォームに対して補助が受けられます。

 

〈リフォームで補助金が受けられる必須条件〉

  • ①開口部(窓や玄関ドア)の断熱改修
  • ②外壁、屋根・天井または床の断熱改修
  • ③エコ住宅設備の設置

 

上記のうち、③の「エコ住宅設備の設置」に蓄電池の導入への助成が含まれています。

 

さらに、上記いずれかの断熱リフォームと同時に実施すれば、住宅の子育て対応改修、防災性向上改修、バリアフリー改修、空気清浄機能・換気機能付きエアコン設置工事などに対しても補助が受けられます。

 

補助金額

 

蓄電池の導入に対する補助額は最大64,000円/戸となっています。

 

対象となる蓄電池は、定置用リチウム蓄電池のうち、一般社団法人環境共創イニシアチブにおいて令和4 年度以降登録・公表されている蓄電システムになります。

 

前章で紹介したDR対応蓄電池以外でも補助金対象になりますので、公式HPで対象製品をチェックしましょう。

(参考)子育てエコホーム支援事業【公式】|対象製品の検索

 

交付申請受付期間

 

子育てエコホーム支援事業の交付申請期間は2024年4月2日~予算上限に達するまで(遅くとも2024年11月30日まで)となっています。

 

申請は導入する住宅の居住者(工事発注者)ではなく、事業者登録を行っている施工会社(エコホーム支援事業者)が代理で申請する形になります。

 

エコホーム支援事業者ではない会社が施工した場合は補助金が利用できない点に注意しましょう。

(参考)子育てエコホーム支援事業【公式】|申請手続きの詳細

 

 

■【東京都/千葉/神奈川】家庭用蓄電池導入に使える補助金(戸建て/マンション)

 

東京都・千葉県・神奈川県の家庭用蓄電池導入に使える補助金制度

 

東京都、千葉県、神奈川県の自治体主導で実施している家庭用蓄電池に対する補助金を紹介します。

 

 

東京都の家庭用蓄電池補助金

 

【最大120万円+α】令和6年度 家庭における蓄電池導入促進事業年度

 

蓄電池システムの設置に対する補助事業です。

 

補助対象が国のDR補助金の対象蓄電池と同一のため、両方の補助金を併用すれば初期負担を大きく軽減できます。

(参考)クール・ネット東京|令和6年度 家庭における蓄電池導入促進事業

 

・申請条件

 

助成対象 助成対象機器の所有者
主な助成要件
  • ・都内の住宅に新規に設置された助成対象機器であること
  • ・令和6年4月1日から令和11年3月30日までの間に助成対象機器を設置すること
  • ・戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業の補助対象機器であること

(参考)ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス補助事業|蓄電システム登録済製品一覧検索

 

・交付申請受付期間
  • 事前申込:令和6年5月31日開始
  • 交付申請兼実績報告:令和6年6月28日から令和11年3月30日まで

 

・補助金額

 

補助金額の上限は太陽光発電システムがあるかどうかによって変わり、最大で120万円が助成されます。

 

条件 補助金の上限額
太陽光発電システムがある場合 以下のうちいずれか小さい額(※)

  • (a)蓄電容量(6.34kWh以上):15万円/kWh(100kWh未満)
  • (b)蓄電容量(6.34kWh未満):19万円/kWh(最大95万円)
  • (C)助成対象経費の3/4の額

※購入金額を超える場合を除く

上記以外 以下のうちいずれか小さい額

  • (a)蓄電容量(6.34kWh以上):15万円/kWh(100kWh未満)
  • (b)蓄電容量(6.34kWh未満):19万円/kWh(最大95万円)
  • (c)120万円
  • (d)助成対象経費の3/4の額
  • ・DR実証に参加する場合は上記助成額に10万円を加算
  • ・DR実証に参加しエネルギーマネジメント機器及びIoT関連機器を導入する場合は経費の1/2の額(最大10万円/戸)を加算

 

DR補助金と同様、補助金の交付決定後に契約を締結する必要があるため、施工業者に契約前に確認するようにしましょう。

 

【新築/建て替え】東京ゼロエミ住宅助成制度

 

東京都が独自に定めた省エネ性能の高い住宅「ゼロエミ住宅」を新築する場合に補助金が受けられる制度です。

 

リフォーム・リノベーションは対象外ですが、新築時に建築費や蓄電池・太陽光発電導入費等の助成が受けられるため、戸建てで建て替えとどちらにするか検討中の方は参考にしてください。

(参考)クール・ネット東京|令和6年度東京ゼロエミ住宅導入促進事業

 

・申請条件

 

助成対象
  • ・新築住宅の建築主(個人・事業者)
  • ・太陽光発電設備・蓄電池及びV2Hのリース事業者
主な助成要件
  • ・都内の新築住宅(戸建住宅・集合住宅等)
  • ・床面積の合計が 2,000㎡未満

 

・交付申請受付期間

 

  • 助成金の受付:令和6年4月1日から令和6年12月27日(金曜日)まで

 

・補助金額(戸建ての場合)

 

補助対象 補助額上限
住宅建設費 最大240万円/戸
蓄電池設置費 機器費、材料費及び工事費等の3/4を助成

(上限額)蓄電池の合計蓄電容量に応じた次の額

  • ・6.34kWh未満の場合:19万円/kWhかつ95万円/戸
  • ・6.34kWh以上の場合:15万円/kWh

 

23区や市町村の補助金

 

東京都以外に、23区や市町村など地方公共団体単位で助成事業を実施している場合もあります。

 

〈東京都の地方公共団体が実施している蓄電池補助金の一例〉

自治体名 補助制度 蓄電池の補助率や上限の一例
中央区 自然エネルギー機器導入費助成制度(太陽光発電・蓄電システム) 【一般住宅】蓄電システム1万円/kWh(限度額10万円)
港区 創エネルギー・省エネルギー機器等設置費助成(蓄電システム) 蓄電容量に応じて8万円/kWh(最大40万円)
世田谷区 世田谷区エコ住宅補助金
  • ・定置型:1万円/kWh
  • ・小型ポータブル:1万円/台
三鷹市 新エネルギー・省エネルギー設備設置助成金 5万円(太陽光発電設備との連携が条件)

 

都と地方公共団体の補助金は併用できるケースも多いため、蓄電池を設置するならお住まいの自治体の補助金も必ずチェックしておきましょう。

(参考)地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト

 

〈関連コラム〉

東京都のリフォーム補助金まとめ|対象工事と補助額をチェック

 

 

千葉県の家庭用蓄電池補助金

 

千葉県ネット・ゼロ・エネルギーハウス導入促進事業(令和6年度分受付終了)

 

県内の中小工務店が施工したZEH住宅を取得する場合に補助金を交付する事業です。

 

新築だけでなくリフォーム・リノベーションで戸建てをZEH化する場合にも利用できるため、ZEH化と同時に蓄電池を導入したい方に適しています。

 

補助上限
  • ・ZEH:上限100万円
  • ・ZEH oriented:上限50万円

 

令和6年度分は申請受付終了していますが、来年度以降も実施される可能性があるため、県のホームページ等で最新情報をチェックしましょう。

(参考)千葉県ホームページ|千葉県ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス導入促進事業(申請受付終了しました)

 

市町村の補助事業

 

市町村単位で実施している蓄電池導入に対する補助事業を紹介します。

 

自治体名 補助制度 蓄電池の補助率や上限の一例
千葉市 住宅用設備等脱炭素化促進事業補助金(住宅用設備関係) 10万円
松戸市 住宅用省エネルギー設備の設置に関する補助金 7万円
流山市 流山市住宅用省エネルギー設備等脱炭素化促進事業補助金 7万円(太陽光発電設備を設置している場合5万円加算)

 

 

神奈川県の家庭用蓄電池補助金

 

市町村の補助事業

 

自治体名 補助制度 蓄電池の補助率や上限の一例
川崎市 住宅用創エネ・省エネ・蓄エネ機器導入補助事業(スマートハウス補助金)(個人住宅 10万円/kWh(補助率1/2)・最大70万円/件
※太陽光発電設備と連系する必要あり
横浜市 横浜市省エネ住宅住替え補助制度住宅用省エネルギー設備の設置に関する補助金 要件を満たす省エネ住宅への住み替えに対して最大150万円

  • ・基礎額…70万円
  • ・市外から転入した場合30万円を加算
  • ・太陽光発電や蓄電池など再エネ設備を設置した場合50万円を加算

 

※掲載情報は記事執筆時の情報です。最新情報は各補助金HPで確認してください。

 

 

■蓄電池の補助金に関するよくある質問

 

蓄電池の補助金に関するよくある質問

 

【マンション/戸建て】国や自治体の補助金は併用できる?

 

DR補助金と子育てエコホーム事業など、国庫を財源とする補助金同士は原則として併用はできません

 

ただし、財源が同じ国庫の場合でも、補助対象設備が異なる場合は、それぞれの補助事業への申請は可能です。

 

また、国と地方公共団体の補助金との併用は可能なケースが多いので、上手に活用することで蓄電池導入の初期コストを大幅に抑えられます。

※実際に併用可能かどうかは各地方公共団体の補助金窓口へお問い合わせください。

 

 

【戸建て】蓄電池と太陽光発電を同時に導入するとお得になる?

 

戸建てのフルリノベーション時などに、蓄電池と太陽光パネルを同時に導入したいという方もいるかもしれません。

 

太陽光発電と蓄電池をまとめて設置すると商品価格や人件費の面で有利になり、別々に導入するよりも費用対効果が高くなるケースがあります。

 

蓄電池と太陽光発電両方の補助金を活用できれば、さらに初期コストを抑えられます

 

現在、太陽光発電設置に対する国主導の補助金はありませんが、自治体が補助事業を実施している場合もありますので事前にチェックしておきましょう。

 

 

■まとめ

 

2024(令和6)年度の家庭用蓄電池に対する補助金は、国が主導するDR補助金や子育てエコホーム支援事業を始め、東京都や千葉県、神奈川県など自治体単位でも実施されています。

 

国と自治体の補助金は併用できるケースもあるため、上手に活用すれば初期費用負担を抑えて蓄電池の導入・運用が可能です。

 

補助金の適用条件など複雑なケースも多いため、戸建てやマンションのリフォーム・リノベーション時に蓄電池や太陽光発電を導入するなら、信頼できる施工業者へ補助金の活用も含めて相談するのがおすすめです。

 

SHUKEN Reは、東京都・千葉・神奈川で多くのリフォーム・リノベーションをお手伝いしてきた専門店です。

 

経験豊富なスタッフが住まいづくりや補助金活用についてもサポートしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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