公開日:2024-06-23 更新日:2024-07-04
戸建てスケルトンリフォームの費用相場|30坪前後の事例や後悔を防ぐポイントも解説
このコラムでは、戸建てをスケルトンリフォームする場合の費用相場を解説します。
戸建てスケルトンリフォームのメリット・デメリットや後悔を防ぐポイント、延べ床面積30坪前後のビフォーアフター事例も紹介します。
現在の住まいのデザインや間取りを一新したい方や、中古戸建てを購入してスケルトンリフォームでおしゃれな住まいを手に入れたい方は参考にしてくださいね。
・戸建てをスケルトンリフォームする費用相場は1㎡あたり16~22万円で、延べ床面積30坪なら約1,590~2,190万円が目安になります。
・スケルトンリフォームは住まいの機能性やデザインを一新できるのが大きなメリットです。一方で、既存の建物状態によっては工事内容に制限が出たり、想定外の費用が発生したりする可能性もあります。
・戸建てのスケルトンリフォームは、希望の間取りやデザインが予算内で実現可能か、リフォーム・リノベーションの施工会社と相談しながら検討するのがおすすめです。
目次
■スケルトンリフォームとは?
戸建てスケルトンリフォームの事例を見る:Case131「Living with Cats」
スケルトンリフォームとは、建物の骨組みだけを残して解体した状態(スケルトン状態)にしてから住まいを作り直すリフォームを指します。
天井・床・壁などを全て取り除き躯体のみの状態にするため、大掛かりな間取り変更や配管の修繕・更新、住宅性能の向上など、暮らしやすさを大きく改善できます。
戸建てのスケルトンリフォームの方法
戸建てのスケルトンリフォームの方法は大きく分けて以下の3通りがあります。
- ①内部のみスケルトンリフォーム
- ②外部のみスケルトンリフォーム
- ③内部+外部のスケルトンリフォーム
1つずつ特徴を解説していきますね。
①内部のみスケルトンリフォーム
建物の内部を全て解体して作り直すリフォーム方法です。
〈可能な工事〉
- ・内装や設備の一新
- ・間取り変更
- ・水まわりや階段の位置変更
- ・柱や基礎への耐震補強
- ・壁の内側に断熱材を入れる
建物の外部はそのままで内側だけをリフォームするため、トータルの費用を抑えながらも好みの内装で暮らしやすい住まいを実現できます。
②外部のみスケルトンリフォーム
建物の間取りは変更せず、外壁や屋根を解体して作り直すリフォーム方法です。
外壁や屋根の傷みが激しいなど、住宅の外部のみを一新したい場合に採用されることが多くなります。
〈可能な工事〉
- ・外壁の張り替え
- ・屋根の葺き替え
- ・玄関ドア・窓の交換
- ・外壁・屋根の断熱工事
外部のスケルトンリフォームで屋根や外壁に断熱材を施工すれば、建物の断熱性が大幅に向上するため、室内の温度差解消や結露防止に効果的です。
また、構造に影響を与えない範囲であれば、玄関ドアや外壁に面した窓の位置、大きさなどを変更することもできます。
③内部+外部のスケルトンリフォーム
建物の躯体以外をすべて解体して作り直すリフォーム方法です。
再建築不可物件やセットバック義務のある土地など、建物を取り壊して建て替えができない、建て替えると既存の住宅よりも狭くなってしまう場合などで選択されます。
解体の手間やリフォームの規模が大きくなるため、3つの方法の中で最も費用が高くなります。
〈関連コラム〉
スケルトンリフォーム・リノベーションとは|費用や後悔しないための注意点を紹介
戸建てをスケルトンリフォームするメリット・デメリット
戸建てスケルトンリフォームの事例を見る:Case144「アメリカンヴィンテージ」
戸建てをスケルトンリフォームするメリット・デメリットをまとめると以下のようになります。
メリット | デメリット |
|
|
スケルトンリフォームは住まいの機能性やデザインを一新できる一方で、既存の建物状態によっては工事内容に制限が出たり、想定外の費用が発生したりする可能性もあります。
戸建てのスケルトンリフォームは、希望の間取りやデザインが予算内で実現可能か、リフォーム・リノベーションの施工会社と相談しながら検討するのがおすすめです。
〈関連コラム〉
スケルトンリフォームのデメリットを知って後悔を防ごう|間取りビフォーアフターも
■戸建てのスケルトンリフォーム費用相場
戸建てスケルトンリフォームの事例を見る:Case116「やさしい色と光につつまれて」
戸建てのスケルトンリフォームの1㎡あたりの費用相場は16~22万円で、延べ床面積30坪なら約1,590~2,190万が目安になります。
ただし、戸建ては物件によって構造や建物状態が異なるため、耐震改修や雨漏りの修繕などの特別な工事が必要なケースもあります。
〈費用が追加される特別な工事の例〉
工事内容 | 費用目安 |
シロアリ被害があった箇所の補修・防蟻工事 | 5~10万円 × 1階の建坪が目安 (1階が20坪なら約100~200万円) |
壁内部の断熱材の交換 | 1,000円~4,000円/㎡
グラスウールなら1,000~2,500円/㎡前後、現場発泡ウレタン吹き付けなら2,000~6,000円/㎡前後など、断熱材の種類によっても費用が変わります。 |
耐震改修工事 | 戸建て全体で100~150万円前後
※筋交いや金物、構造用合板で補強する耐震補強リフォーム(木造2階建て、仮設、養生費および内外装の撤去、復旧費は除く) |
高効率給湯器への交換 |
+取り付け工事費用4~15万円 |
配管の更新 | 20~60万円 |
断熱・耐震補強リフォームや高効率給湯器の交換など、一部の工事は国や自治体の補助金が利用できる場合もあるため、上手に活用することでお得に住まいの性能をアップできます。
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■【30坪前後】戸建てスケルトンリフォームのビフォーアフター事例
SHUKEN Reでプランニング・施工した、延べ床面積30坪前後の戸建てスケルトンリフォーム事例を紹介します。
おしゃれなデザインや、間取りのビフォーアフターで暮らしやすさの変化にも注目してくださいね♪
【築20年/39坪】狭いキッチンを明るく使い勝手の良い間取りに大幅アップデート
コロナ禍の際にご夫妻で一緒にキッチンに立つ機会が増え、「狭さや動きにくさを改善したい」ということがきっかけで、築20年の戸建てリフォームを検討されたAさまご夫婦。
スケルトンリフォームで内装や水回り設備を一新し、間取り変更ではキッチンの使い勝手や快適性を中心に大幅アップデート。
BEFORE
AFTER
キッチンのスペースを広げて作業台の向きを変更することで、二人でも快適に作業できる空間に。背面カウンターや吊り戸棚などの収納も充実させました。
さらに、和室をリビングに取り込んだことで、LDKが一体となった明るくおしゃれな空間に生まれ変わりました。
戸建てスケルトンリフォームの事例を見る:Case181「Backyard」
また、窓にインナーサッシを設置して断熱性をアップさせたり、段差解消や手すり設置でバリアフリー化したりなど、暮らしの快適性も大幅に向上。
スケルトンリフォームによって、ライフスタイルの変化に合わせて住まいもアップデートできました。
建物 | 戸建て住宅(2階建て) |
工期 | 90日 |
築年数 | 築20年 |
延べ床面積 | 129㎡(約39坪) |
間取り | 3LDK + WIC |
リフォーム費用 | 約2,300万円 |
【築25年/25坪】空間を無駄なく活用して快適なプライベートスペースを追加!
中古で購入した25坪・3階建ての戸建てに7年ほど暮らしたタイミングで、内部を一新するスケルトンリフォームを実施した事例です。
BEFORE
AFTER
3人のお子さまのため、間取り変更では3LDKを4LDKに変更して、主寝室のほかに3つの子ども部屋を確保。
子ども部屋は3階の2つの個室をそれぞれ分割し、3部屋+フリースペースを設けました。
それぞれの個室は造作ベッドや室内窓をつけた壁で間仕切りすることで、限られた面積でも圧迫感を出さずに快適なプライベート空間を生み出しました。
寒くて湿気が多く物置部屋になっていた半地下の個室は、断熱性能をアップさせて快適な主寝室に。
戸建てスケルトンリフォームの事例を見る:Case154「Magical Renovation」
間取り変更や断熱性アップなど、スケルトンリフォームならではの手法をフル活用して、今のご家族に合わせた暮らしやすい住まいになりました。
建物 | 戸建て住宅(3階建て) |
工期 | 80日 |
築年数 | 築25年 |
延べ床面積 | 86㎡(約26坪) |
間取り | 4LDK + ワークスペース |
リフォーム費用 | 約1,300万円 |
■戸建てスケルトンリフォームで後悔しないためのポイント・注意点
戸建てスケルトンリフォームの事例を見る:Case144「アメリカンヴィンテージ」
戸建てスケルトンリフォームでよくある失敗例と後悔しないための対策を紹介します。
失敗例①希望通りの間取りにできなかった
戸建てのスケルトンリフォームは大幅な間取り変更が可能な点がメリットですが、構造の安全性に関わる部分の柱や壁は撤去できないため、希望通りの間取りにできなかった場合は失敗につながる可能性もあります。
また、キッチンや浴室、トイレ、洗面所などの水回り位置の変更も可能ですが、大幅な移動で新たな配管工事が発生して予算オーバーになってしまうという失敗も避けたいですよね。
対策:リフォームの施工会社に建物を事前チェックしてもらう
スケルトンリフォームを検討する際は、プランニングする前に物件の構造を施工会社に確認してもらい、希望の間取りが実現できるか判断してもらうのがおすすめです。
失敗例②損傷がひどく予算オーバー
建物の傷みが激しく、必要な補修が予想よりも多かったために、工事が終わってみたら予算を大きくオーバーしてしまうというケースです。
戸建てのスケルトンリフォームは、建物の傷み具合によっては建て替え以上に費用がかかる場合もあります。
予算内で希望の住まいを実現するためには、リフォームで対応可能な範囲かどうかを物件の目利きができる施工会社と相談しながら検討する必要があります。
対策:建て替えになる場合も踏まえて予算を組む
戸建てのスケルトンリフォームは、床下や基礎、壁内部の腐食やシロアリ被害など、工事が始まってある程度解体してからでないと分からないこともあります。
建物の土台となる基礎に問題があった場合は、スケルトンリフォームでは修繕が難しく建て替えでしか対応できないケースもあります。
築年数が古く内部の劣化が予想される戸建ては特に、建て替えが必要となる場合を考え、余裕を持って資金計画を立てましょう。
失敗例③工期が延びて希望時期に入居できなかった
想定外の追加工事が発生し、当初の予定よりも工期が延びたことによって、希望の時期に新居に引っ越しできなかった、仮住まい費用が余計にかかってしまうこともあります。
対策:入居までのスケジュールは余裕を持って計画する
スケルトンリフォームは工期が長引くケースも想定して、余裕を持って入居までのスケジュールを組みましょう。
また、工事が完了してからスムーズに入居するためには、必要な手続きや引越し業者をあらかじめ調べておくなど、早めに準備しておくこともポイントです。
さらに、仮住まいの期間や費用についても余裕を持たせておけば、想定外のケースにも対応しやすくなります。
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築40年の中古住宅は何年住めるか|スケルトンリフォーム・リノベ事例
■まとめ
戸建てをスケルトンリフォームする費用相場は1㎡あたり10~22万円で、延べ床面積30坪なら約990~2,190万が目安になります。
スケルトンリフォームは住まいの機能性やデザインを一新できるのが大きなメリットです。一方で、既存の建物状態によっては工事内容に制限が出たり、想定外の費用が発生したりする可能性もあります。
戸建てのスケルトンリフォームを成功させるには、希望の間取りやデザインが予算内で実現可能か、リフォーム・リノベーションの施工会社と相談しながら検討するのがおすすめです。
SHUKEN Reは、1998年の創業以来、東京・神奈川・千葉で8,000件を超えるリノベーション・リフォームの実績があります。
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