公開日:2024-06-12 更新日:2024-07-04
【東京で投資用オーナーチェンジ物件を買う】価格推移や相場、メリット・デメリットを徹底解説
「東京でマンション投資を始めたい」「老後に備えて家賃収入の可能性を探りたい」という方も多いでしょう。
そこで気になるのが、“オーナーチェンジ物件”ですよね。
最近は、投資家の方だけではなく一般の方が自宅とは別に賃貸用として中古マンションや中古戸建住宅を購入するケースが増えています。
ただし、大きな買い物ですから、物件を簡単に決められませんよね。
そこで今回は、東京でオーナーチェンジ物件を買う場合に知っておいていただきたい「物件価格推移や相場」、「メリット・デメリット」、「戸建・区分マンション・一棟買いの違い」について詳しく解説します。
これから不動産投資を始めたい方や、既に始めているがさらに所有物件を増やしたい方は、ぜひ参考にしてください。
・オーナーチェンジ物件を選ぶ際は、利回りや自己資金、維持費、出口戦略など様々な視点が必要です。
・投資不動産の利益性を高めるためのリノベーションは、1998年創業以来、東京・千葉・神奈川で8,000件を超える施工実績のあるSHUKEN Reへご相談ください。
目次
■オーナーチェンジ物件のメリットとは
マンションの一棟リノベーション事例を見る:Case6「エコーレジデンス やまびこ社員寮」
オーナーチェンジ物件とは、賃借権を前オーナーから引き継ぐ形で売り買いされる物件を指します。
つまり、入居者が住んでいる状態のまま売り買いされる物件ということです。
そのため、オーナーチェンジ物件には、物件の所有権に加えて、貸主としての権利ももれなくセットで付いてきます。
では、オーナーチェンジ物件のメリットを詳しく紹介します。
購入後に入居者を募集する必要がない
オーナーチェンジ物件には既に賃借人が住んでいるため、購入後に改めて入居者を募集する必要がなく、手間や経費がかかりません。
また、新規入居者募集のためのハウスクリーニングやリフォーム費用も必要がなく、空室期間の損失リスクがない点も重要なメリットと言えるでしょう。
すぐに収入を得られて経営計画を立てやすい
入居者がいる状態で購入するため、購入して引き渡しを受けた直後から収入を得られます。
そのため、所有権が移転して支払いが発生する固定資産税などの租税やマンションの管理費・修繕積立金の支払い計画を立てやすい点がメリットです。
自己資金の少ない場合でも、比較的安定的に不動産経営を始められ、実質利回り(※)や初期費用の回収期間を実際のデータから算出できます。
※家賃収入から必要経費を除いた実際の利益率
ただし、入居者のいない一般的な投資用物件と異なるデメリットや注意点があるため、後悔しないためには、事前にそれらへの対策方法を把握しておきましょう。
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■オーナーチェンジ物件購入を後悔しないために知っておくべきデメリット・注意点
マンションの一棟リノベーション事例を見る:Case5「リノア北赤羽」
オーナーチェンジ物件は、不動産投資を始めたばかりの方でもリスクを抑えられる一方で、必ず知っておいた方が良いデメリットや注意点もあります。
購入前に物件の状態を確認できない
オーナーチェンジ物件は、入居者がそこで生活しているため、基本的には購入前に全室を内覧できる訳ではありません。
そのため、室内が予想以上に汚れていたり劣化していたりする可能性もあります。
賃料や契約内容は変更できない
入居者が前オーナーと締結した賃借契約を引き継ぐため、オーナーが変更したからといって、その内容は変更できません。
つまり、家賃を上げたり契約期間を変更したりできないので、購入前に条件をしっかり確認しておきましょう。
退去時の原状回復に関する条件や照明器具やエアコンなどの備品が故障した際の費用負担先などもチェックポイントです。
入居者がどんな人か確認できない
入居者が入っている状態で引き渡されるため、どんな人が借りているのかを詳しく知らないまま購入することになります。
そのため、入居者に家賃の遅延や滞納がある場合や、騒音・臭いなどの近隣トラブルが起きている可能性もゼロではありません。
購入後に入居者に退去してもらいたい場合も、日本では賃借人の居住権が強く認められているため、短期間で退去してもらうのは難しい点には要注意です。
入居者がいると売却に時間がかかる
オーナーチェンジ物件として売却する場合、買主は必然的に投資目的の方に限られます。
そのため、購入希望者の分母が狭まり、売却できるまで時間がかかる可能性があるのです。
逆に、中古戸建住宅や区分所有マンションを入居者が退去タイミングで売り出すと、投資目的の人だけではなく、マイホームとして中古物件を探している方のターゲットとなり、より裾野を広げて売却できます。
利回りを確認しないと負の資産になる
オーナーチェンジ物件を含む投資用不動産は、利回りがとても重要です。
利回りには「表面利回り」と「実質利回り」があります。
表面利回り=物件購入価格/年間家賃収入(%)
実質利回り=(物件購入価格+諸経費)/年間家賃収入(%)
戸建住宅、区分所有マンション、一棟買いアパート・マンションそれぞれの平均表面利回りは、以下の通りです。
(不動産種別) | (表面利回り相場) |
戸建住宅 | 5〜10% |
区分所有マンション | 3〜8% |
一棟買いアパート・マンション | 7〜10% |
表面利回りが5%でしたら、物件購入資金を回収するまでに20年かかる計算になります。
一般的には新築に近いほど物件価格が高く利回りが低くなり、築年数が経っている物件ほど利回りが高くなるのが通常です。
ただし、これはあくまでも好立地で空室にならないことが大前提です。
また、表面利回りにはローン金利や修繕積立金・管理費、入居者が転居する際のリフォーム費用は含まれません。
そのため、オーナーチェンジ物件を含む投資用不動産を購入する際には、想定される諸経費を念頭におくことがとても重要です。
表面利回りだけで収支シミュレーションを進めると、結果的に所有すればするほどマイナスが増えてしまうケースも決して少なくありません。
【実質利回りを計算する上で必要な情報(戸建住宅)】
- ・固定資産税
- ・都市計画税
- ・賃借人と契約する際の仲介手数料
- ・不動産会社への管理委託費
- ・入居人が替わる際のクリーニングや軽微な改修費用
- ・内外装リフォーム(10〜15年周期)
【実質利回りを計算する上で必要な情報(区分所有マンション)】
- ・固定資産税
- ・都市計画税
- ・マンション管理費
- ・マンション修繕積立金
- ・賃借人と契約する際の仲介手数料
- ・不動産会社への管理委託費
- ・入居人が替わる際のクリーニングや軽微な改修費用
- ・内装リフォーム(15〜20年周期)
【実質利回りを計算する上で必要な情報(一棟買いアパート・マンション)】
- ・固定資産税
- ・都市計画税・賃借人と契約する際の仲介手数料
- ・不動産会社への管理委託費
- ・入居人が替わる際のクリーニングや軽微な改修費用
- ・外装りフォーム(10〜15年周期)
- ・内装リフォーム(15〜20年周期)
再生戦略・出口戦略を見極めるのが難しい
中古物件を購入して投資用不動産として活用する場合、購入後に大掛かりなリフォームが必要な物件は少なくありません。
その場合、たとえ高い利回りの物件であっても、一時的に利回り率が半減したりする可能性も十分考えられます。
その際に、自己資金で経営を継続できるのかシミュレーションしなくてはいけません。
リフォームローンを利用する場合は、その返済が可能かどうかの確認も必要です。
これら再生戦略を一般の方が購入前にシミュレーションするのは難しく、買ってから思わぬ出費で頭を抱えてしまわないように注意しましょう。
再生戦略と合わせて購入時から考えなくてはいけないのが、出口戦略です。
良い物件と巡り会えてある程度の年数不動産経営できたとしても、不動産の売り時を間違えると損してしまう可能性があります。
例えば、木造アパートを一棟買いした場合、常に満室であったとしても、築50年近くなれば建て替えを検討しなくてはいけません。
ところが、建て替え時期が近くなると売却しづらく、建物が古くなれば空室率が上がるリスクが高まります。
また、建物を壊して更地にして売り出すとしても、アパートが経つほどの広い敷地は、個人で購入を希望する人が少ないため、なかなか売却できないかもしれません。
そのため、早めにオーナーチェンジ売却をするか、購入時から建て替え資金を積み立てておくか、もしくは、将来更地にして売却するまでに、十分な収益を出しておくなどの出口戦略を検討する必要があります。
しかし、初めて不動産投資を始める方が具体的な計画を立てるのは少々ハードルが高いかもしれません。
その理由によっては、購入すべきかどうかの判断材料や価格交渉の材料になるかもしれません。
そして、購入前から利回りを上げるためのリフォーム計画を検討しておくのもおすすめです。
〈おすすめコラム〉
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■投資用オーナーチェンジ物件の価格推移と東京の価格相場
マンションの一棟リノベーション事例を見る:Case1「パルテラス富士見」
オーナーチェンジ物件も、新築物件・住宅用物件と同様に、価格は上昇を続けています。
国土交通省が定期的に公表する「不動産物価指数」を見ると、2009年と2023年の商業用不動産の物価指数は、「+57.4%」も高騰したことが分かります。
不動産物価指数とは、不動産の価値動向を表す指標で、国土交通省が2012年8月から公表しています。商業用不動産は、収益性のある物件を指し、賃貸物件がこれに該当します。
(出所:国土交通省|不動産価格指数(商業用不動産)のデータをもとに弊社にて作成)
上の表を見ると、2008年以降、リーマンショック後の2009年とコロナ禍のピークである2020年に商業用不動産が値下がりしましたが、それ以降は大きく価格が上昇していることが分かります。
ここで気になるのが、実際の不動産価格ですよね。
中古戸建住宅や区分所有型投資マンションの価格はインターネットなどで多くの不動産情報を確認できますが、相場が分かりにくいのがマンションやアパートなどの“一棟買い”です。
では、2023年に東京都内で売買取引された投資用マンション・アパートの価格を見てみましょう。
※1R〜1LDKの面積を25㎡以上と想定し、国土交通省|不動産情報ライブラリより2023年に東京都内で取引された延床面積200㎡以上の物件を抜粋
(構造種別) | (平均物件価格) | (平均平米単価) |
木造 | 1億4,730万円 | 64.7万円/㎡ |
鉄筋コンクリート造(RC造)
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造) |
2億2,193万円 | 82.8万円/㎡ |
軽量鉄骨造 | 1億3,290万円 | 61.1万円/㎡ |
鉄骨造(S造) | 1億4,782万円 | 55.9万円/㎡ |
【全体】 | 1億5,996万円 | 65.3万円/㎡ |
(出所:国土交通省|不動産情報ライブラリの検索データをもとに弊社にて算出)
このように、中古のアパートやマンションを一棟買いすると、構造種別問わず価格は1億円を超えてきます。
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■戸建住宅・区分マンション・一棟買いどれがいい?
マンションのリノベーション・リフォーム事例を見る:Case161「BOOKSHELF」
オーナーチェンジ物件には、「戸建住宅」「区分所有マンション」「一棟買いアパート・マンション」と3種類ありますが、それぞれ傾向が異なります。
戸建住宅
購入資金 | 数百万〜数千万円 |
利回り | 集合住宅よりも高め
(購入資金に対する土地比率が多いため、数十年後の資産安定性は高い) |
維持費 | 管理費・修繕積立金の支払いはないが、内外装リフォームの費用を自身で積み立てておかなくてはいけない |
空室リスク | 月々の支出はないため、ダメージが少なめ |
入居期間 | 何度も更新するなど長くなる傾向がある |
耐用年数 | 築35〜50年
(前オーナーのメンテナンス履歴によって左右される) |
出口戦略 | オーナーチェンジ物件としての売却以外にも、居住用中古住宅や更地などの需要を見込める |
区分所有マンション
購入資金 | 数百万〜数千万円 |
利回り | 物件によって差が大きい
(立地が大きく左右する) |
維持費 | 管理費・修繕積立金の支払いはあるが、その分外装リフォームの費用を自身で積み立てずに済む
(ただし、専有部内のリフォーム費用は自己積立が必要) |
空室リスク | 管理費・修繕積立金の支出があるため、ダメージが大きめ
(ただし、これまでの空室歴がほとんどなければその心配は少ない) |
入居期間 | 間取りによって異なる
(ファミリータイプの2LDK以上は長めで、単身もしくは二人暮らし用の1LDK以下は短め) |
耐用年数 | 築50〜60年
(過去の大規模修繕工事履歴や今後の長期修繕計画によって左右される) |
出口戦略 | オーナーチェンジ物件としての売却以外にも、居住用中古マンションとしての需要を見込める |
一棟買いアパート・マンション
購入資金 | 数千万〜1億円以上と高額なため、ある程度まとまった額の自己資金が必要 |
利回り | 区分所有マンションよりは高めで、戸建住宅・区分所有マンションよりも大きな額の収入を見込める
(立地が大きく左右する) |
維持費 | 管理費・修繕積立金の支払いはないが、内外装リフォームの費用を自身で積み立てておかなくてはいけない |
空室リスク | 管理費・修繕積立金の支出はないが、空室率が上がると租税の支払いやリフォーム費用積立が難しくなるため、ダメージは大きめ
(ただし、これまでの空室歴がほとんどなければその心配は少ない) |
入居期間 | 間取りによって異なる
(ファミリータイプの2LDK以上は長めで、単身もしくは二人暮らし用の1LDK以下は短め) |
耐用年数 | 木造アパート:築40〜50年
RC造・S造のアパートやマンション:築50〜60年 (過去の大規模修繕工事履歴や今後の長期修繕計画によって左右される) |
出口戦略 | オーナーチェンジ物件としての売却か、更地にしてデベロッパーなどの法人に売る手段に限定される |
オーナーチェンジ物件の購入を成功させるためには、自己資金額や月々のローン返済額、耐用年数、出口戦略など、様々な視点で不動産会社とじっくり物件を選びましょう。
また、購入後は、より利益性を高められるリノベーションを実現してくれる建築会社へ相談することも重要です。
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■まとめ
オーナーチェンジ物件は、すでに入居者がいることから、空室リスクが低く、“初めての不動産投資”として挑戦する方も多いです。
ただし、利回りや再生戦略、出口戦略など、収益性やレバレッジ効果を見据えた物件選びが欠かせません。
また、購入後はより利益性を高める有効なリフォーム工事が必要です。
私たちSHUKEN Reは、1998年創業以来、東京・千葉・神奈川で8,000件を超えるリノベーションを手がけてきた実績があり、アパートやマンションの一棟リノベーションも行っております。
「将来的な不動産投資を検討している」という方向けの相談会も実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。