公開日:2024-04-14 更新日:2024-07-04
マンションリノベーションを自分でできる?プロに任せる?|メリット・デメリットや費用、工期を比較
DIYブームが高まる中、「自分でマンションリノベーションに挑戦したい」という方が増えています。
また、「費用を抑えるためにセルフリノベーションを検討している」方もいるかもしれません。
その場合、必ず知っておいて欲しいのが、メリットやデメリット、注意点・リスクについてです。
そこで、今回はマンションリノベーションを自分でやった場合とプロに任せた場合の違いを紹介します。
それぞれのメリット・デメリットと併せて、工期や費用も比較しますので、マンションリノベーションを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
・プロにリノベーションを任せる場合は、自分好みの施工事例が豊富な会社がおすすめです。
・リノベーション前提で中古マンションを買いたい方には、物件探しから資金計画、リノベーション、将来の売却相談までまかせられるワンストップリノベーションがおすすめです。
目次
■「都心部でも空き家が増加中」中古マンションリノベーションが注目されている訳
マンションのリノベーション事例を見る:Case114「暮らしやすさもおしゃれさも」
総務省の調べによると、2018年の全国の空き家率は「13.6%」と過去最高の割合を記録し、2023年には、人気の高い東京圏であっても「10.4%」ほどのストック住宅が空き家であると予測されています。(参考:総務省統計局|平成30年住宅・土地統計調査 調査の結果)
“空き家”と聞くと、真っ先に戸建住宅を思い浮かべますが、マンションを含む共同住宅の空き家率も着実に上昇しており、深刻な問題として捉えられているのが現実です。
最新の結果では、空き家全体のうち、共同住宅が「56.2%(475万戸)」を占めており、マンションごとの空室割合は、築年数が古いほど高い傾向が見られます。(参考:総務省統計局|平成30年住宅・土地統計調査|住宅数概数集計調査の結果)
このように、戸建住宅とマンション問わず、増加の一途を辿っている空き家問題に対して、政府が取り組んでいるのが「既存住宅・リフォーム市場の活性化」です。
既存住宅・既存マンションのリノベーションへ補助金を支給したり、減税制度を設けるなどの取り組みを通して、中古物件流通市場の拡大を促進しています。
少子高齢化が進行して住宅ストック数が世帯数を上回り、空き家の増加も生ずる中、「いいものを作って、きちんと手入れして、長く使う」社会に移行することが重要であり、政府としても、既存住宅流通・リフォーム市場の環境整備を進めていきます。
日本でもこれまでのスクラップ・アンド・ビルドから、リノベーションをして住み継ぐ時代に突入したのです。
この流れを受け、「中古マンションを購入してリノベーションする」「今住んでいるマンションをリノベーションして住み続ける」という方が急増しています。
■マンションセルフリノベーションのメリット・できること
マンションのリフォーム・リノベーション事例を見る:Case177「Full Life」
自らの手を動かしてマイホームを改装する「セルフリノベーション」には、以下のようなメリットがあります。
「工事内容によっては費用を抑えられる」
壁紙の張り替えや塗装などの表層的なリノベーションや、必要となる材料が少量の場合は、プロに任せるより費用を抑えられる可能性があります。
一方で、工事内容によってはプロに頼んだ方が費用が安くなるケースもあるため注意してください。
「自分のペースで進められる」
工事業者のスケジュールに左右されずに、休みの日だけ少しずつ進めたり、連休を使って一気に工事したりなど、ご自分のペースでリノベーションできます。
ただし、工事箇所によっては、工事を中断すると日常生活に支障が出てしまうこともあるため注意してください。
「他人を部屋に入れずに済む」
プロに工事を頼むと、家族以外の人がマンションの部屋を出入りすることになります。
住みながらのリノベーションですと、思うように外出できなかったりしてストレスを感じてしまうかもしれません。
「知識・スキルアップになる」
DIYが好きな方の中には、大工作業がしたいという方だけではなく、知識やスキルを高めたい方もいらっしゃいます。
セルフリノベーションがうまくいくと、今まで知らなかった工具の扱い方やマンションの構造、材料の種類などを知るきっかけになります。
「住まいに愛着が湧く、家族の想い出になる」
ご自身やご家族で仕上げたお部屋は、想いがつまった宝物になります。
少々失敗しても、それらに愛着が湧き、より一層マイホームが好きになることも多いでしょう。
このように、コスト面だけではなく精神的な満足が得られる点こそ、セルフリノベーションが人気な理由と言えるでしょう。
初めてマンションをセルフリノベーションする方や、DIY初心者の方は、まず以下の工事から挑戦してみるとよいでしょう。
・塗装工事
・壁紙の張り替え(ただし、下地の凸凹が目立つことも)
・シート系床材の上貼り工事(張り替えは難易度が高い)
それ以外の工事は、解体の時に配管や配線、共用部である構造躯体を傷つける可能性があります。
■マンションセルフリノベーションのデメリット・注意点・できないこと
マンションのリフォーム・リノベーション事例を見る:Case152「Stress-free!」
人気のセルフリノベーションですが、メリットがある反面、挑戦する前に必ず知っておかなくてはいけないデメリットもあります。
また、工事内容によっては、どんなに知識やスキルがあったとしても一般の方ではできないリノベーションもあるので注意してください。
「必ずしもコストを抑えられるとは限らない」
セルフリノベーションで抑えることができるのは「人件費」のみです。
材料費にも経費が上乗せされて高くなっていると思われがちですが、同じものでもホームセンターで買うより、業者用ルートの方が安いか値引き率が高い可能性は十分考えられます。
そのため、セルフリノベーションにすれば、どの費用も安くなるとは限りません。
「仕上がりがイメージと違う、納得できないケースも」
マンションのセルフリノベーションで往々にしてあるのが、「出来上がりがイメージと違う」というケースです。
特にリノベーションは既存の内装材などを撤去してから施工するため、下地の状態によっては新築以上に高い施工レベルが必要になります。
「体力と根気が必要」
塗装や壁紙の張り替えなど、比較的難易度の低い工事であっても、想像以上に体力が必要と感じる方は少なくありません。
また、リノベーションは総じて細かい作業が多いため、一日にできる工事量は限られます。
そのため、焦らず粘り強くプロジェクトを終わらせる根気が必要です。
「思うように進まないことも多い」
リノベーションは“解体してみて劣化がひどい”などの思わぬ事態が起こる可能性が高いため、プロでもスケジュール通りに進まないことがよくあります。
そのため、当初思っていた通りに進まないことも想定しておきましょう。
「工事に取り掛かる前の準備が大変」
きれいかつ確実にセルフリノベーションを完成させるためには、細かなプラン作成と材料・道具のリストアップが欠かせません。
“行き当たりばったり”で進めると、確実に失敗してしまいます。
そのため、工事期間だけではなく準備期間にも余裕を持っておきましょう。
「材料や工具の置き場、作業スペースに困る」
忘れてしまいがちなのが、材料や工具の置き場です。
マンションは共用廊下やベランダに物を置いたままにしたり、作業をしたりしてはいけません。
そのため、住みながらセルフリノベーションする場合は、工事範囲とは別に予備のスペースを確保しましょう。
「廃材の処分に困る」
壁紙を剥がしたゴミや小さな木材は一般ゴミとして出せる自治体が多いですが、ペンキなどの塗料やガラス、大きなパネル材などは「産業廃棄物」として扱われ、産業廃棄物処理場へ持ち込まなくてはいけない可能性が高いでしょう。
そのため、工事内容によってはゴミを運ぶために自動車やトラックが必要です。
「大きな物やゴミなどを搬入出する時に共用部の養生が必要」
大きな物を専有部へ運び入れる際や大量のゴミを運び出す際には、多くのマンションではエントランスやエレベーター、共用廊下を養生しなくてはいけません。
プラスチックパネルを床や壁に貼り付ける作業が必要で、その材料費もかかります。
養生の有無や範囲は管理組合規約で定められているので、必ず確認してください。
「管理組合への申請も全て自分でやらなくてはいけない」
マンションの専有部分で工事する場合は、管理組合へ工事申請をしなくてはいけないところが大半です。
その際、図面や仕様書、工程表が必要なケースも多く、それらも自分で作らなくてはいけません。
「急に発生したトラブルに対応できない」
既存の設備機器や内装材を解体撤去して思わぬ不具合が見つかった場合、専門家のように速やかに対処できない可能性があります。
水漏れ跡や結露によるカビなどを見つけて、結局プロに依頼したというケースも少なくありません。
「漏水や漏電のリスクが高まる」
水回りや電気関係の部位をリノベーションしなくても、内装材などを解体撤去するときに、配管や配線を誤って傷つけてしまう可能性があります。
「建築的知識がないと間取り変更は難しい」
水回りの移設には、排水管の勾配(傾斜角度)に関する知識が必要ですし、その他、間取りを変える際にコンクリートの梁や柱を見落として、プランが成立しないケースもあります。
「日曜・祝日は工事できないマンションが多い」
「休日に少しずつセルフリノベーションを進めたい」という方が多いでしょう。
ところが、日曜・祝日や早朝・夜間の工事作業を禁止しているマンションは少なくありません。
「有資格者でないと工事できない部分がある」
電気工事やガス工事、設備工事の中には、有資格者でないとやってはいけない工事があります。
マンションは一部屋の漏電・ガス漏れ・水漏れで全戸に迷惑がかかる恐れもありますので、ルールを守ってリノベーションを楽しみましょう。
■プロに任せるマンションリノベーションのメリット
マンションのリフォーム・リノベーション事例を見る:Case182「Cinematic」
セルフリノベーションと併せて選択肢に上がるのが、「プロに任せる」という方法です。
自分でやるマンションリノベーションとは異なるメリットがあります。
「仕上がりがきれい」
プロに任せる一番のメリットは、仕上がりに狂いがなくきれいな点です。
塗装は塗装業者、壁紙は内装業者と分業しているリノベーション会社がほとんどなので、それぞれのプロがこだわりを持って施工します。
「セルフリノベーションより材料費を抑えられる」
セルフリノベーションにはかからない工事費が必要ではありますが、材料費はプロに頼む方が安い可能性もあります。
また、ビスや木材などの資材は他の現場分とまとめて揃える会社が多いため、材料ロスがなく経済的です。
「工期に大きなズレがなく、予定を立てやすい」
セルフリノベーションよりも人手が多いため、多少のプラン変更があっても、工期の遅れるリスクが少なく、引越しなどのスケジュールを早いうちに立てられます。
「管理組合への申請・共用部の養生・廃材処分まで全て任せられる」
リノベーション会社に任せると、管理組合への申請書類作成や提出、共用部の養生、廃材処分まで全て工事に含まれます。
それぞれにかかる細かな手間や費用を省けるため、諸経費だけではなくストレスも大幅に減らせます。
「急な工事変更やトラブルにも即座に対応してもらえる」
解体してみて想定外のことが発覚しても、プロなら臨機応変にプランを変更できます。
「効率的にリノベーションできる」
プロにプランを相談すると、既存のお部屋を生かしながらの効率的なリノベーションプランを提案してもらえます。
「日常生活を送っているうちに工事が進み、完工まで早い」
プロに任せれば、ご自身が仕事に行っている間にも工事が進み、短期集中でリノベーションができます。
「工事と併せて見えない部分の劣化や不具合もチェックしてもらえる」
既存の壁・床・天井を解体するのに併せて、配管や配線など見えない部分の劣化や、内部結露などを確認してもらえるため、自分では気が付きにくい部分も手直しできます。
「工事保証サービスなどのアフターサービスを受けられる」
リノベーション会社によっては、工事保証やリノベーション後の定期点検などのアフターサービスが受けられます。
「中古マンションの購入や資金計画を併せて相談できる会社もある」
会社によっては、リノベーション前提の中古マンション探しや住宅ローンなどの資金計画、将来の売却サポートまで相談できます。
物件購入費用とリノベーション費用を合わせたトータル予算が把握でき、効率的にマイホーム計画を進められる点が魅力です。
■プロに任せるマンションリノベーションのデメリット・注意点
マンションのリフォーム・リノベーション事例を見る:Case180「Maisonnette」
プロにマンションリノベーションを任せる場合も、事前にデメリットを知っておくことが重要です。
「人件費は必要経費」
いくら予算に限りがあっても、人件費は削減できません。
一方、材料費はプロの方が豊富な選択肢からチョイスできるため、コストを抑えられる可能性があります。
「プランの相談をする期間が必要」
マンションリノベーションを成功させるためには、プロに相談する場合でも、じっくりプランを検討する期間が必要です。
「リノベーション会社によってデザインのテイストが異なる」
リノベーション会社によって得意とするデザインが限られる可能性もあるため、事前に施工事例を確認しておきましょう。
ご自身のイメージと近い施工事例があるか、多種多様なデザインの施工事例がある会社がおすすめです。
〈関連コラム〉
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〈中古物件購入&リノベーション〉失敗しない不動産会社の選び方は?
■DIYとプロで工期・費用はどのくらい変わる?
マンションのリフォーム・リノベーション事例を見る:Case166「Design & Function」
「マンションリノベーションを自分でやるかプロに任せるか迷っている」という方の中には、工期や費用がどのくらい変わるのか気になる方は多いはずです。
では、それぞれの目安を比較してみましょう。
工期
塗装工事・内装工事など比較的セルフリノベーションしやすい工事であっても、一般の方とプロの作業スピードを比較すると、2〜3倍は違います。
また、プロの方が人手を揃えやすく、設備も整っているため、それ以上の差が出る可能性も決して少なくありません。
スキルの差を除いても、養生や資材の搬入出などにかかる時間も全く違うため、工事内容によっては自分でやると1週間かかる作業が、プロに頼むと1日で完了する可能性も十分考えられます。
工期を短縮したい方は、100%プロに任せる方が良いでしょう。
セルフリノベーションで焦って作業すると、思わぬ事故が起こったり、仕上がりの精度が下がったりするリスクがあります。
費用
工事内容 | セルフリノベーション
(材料費) |
プロのリノベーション
(材料費+工事費) |
壁紙張り替え | 800〜1,000円/㎡ | 1,000〜1,500円/㎡ |
塗装 | 500〜1,000円/㎡ | 2,000〜3,000円/㎡ |
洗面化粧台交換 | 5〜20万円 | 15〜30万円 |
洋室2部屋を1部屋に | 15〜25万円 | 30〜40万円 |
その他費用 | 共用部養生材
材料送料 廃材処分費 工具リース(購入費) |
諸経費として工事費の10%前後 |
内装材や設備機器の大半は、一般の方がホームセンターなどで購入するよりも、プロが独自のルートで仕入れる方が安く、手数料が乗ってもお手頃なケースは少なくありません。
ただし、取引がないメーカーのものは仕入れられず、海外製品などは個人でしか揃えられない可能性もあります。
■マンションリノベーションは結局自分でやるべき?業者に任せるべき?
マンションのリフォーム・リノベーション事例を見る:Case165「INDUSRIAL+PLANTS」
ここまで、セルフリノベーションとプロに頼む場合のメリット・デメリットを見てきました。
結局どちらにすればいいか決められない方のために、「マンションリノベーションを自分でするのがおすすめなケース」と「マンションリノベーションをプロに任せるのがおすすめなケース」の例を紹介します。
【マンションリノベーションを自分でするのがおすすめなケース】
- ・工事範囲が狭い(1部屋だけなど)
- ・工事の種別が少ない(内装工事や塗装工事だけなど)
- ・廃材が大量に出る工事ではない
- ・色々な工具が必要ない
- ・表層的な内装工事や小さなものを取り替えもしくは新規で設置する工事である
- ・完工までの期限がなく、マイペースに進められる
- ・コスト削減よりも思い出の一環として取り組みたい
【マンションリノベーションをプロに任せるのがおすすめなケース】
- ・工事範囲が広い(2部屋以上など)
- ・工事の種別が多い(いくつもの業種が関わる)
- ・工事範囲が狭くても、電気工事や設備工事を伴う工事である
- ・間仕切り壁を解体撤去するなど、廃材が大量に出る
- ・工事内容が複雑で管理規約のチェックが必要である(管理組合への審査が大変)
- ・効率的に短期間でリノベーションを完成させたい
- ・築年数の古いマンションで、隠蔽部も含めて既存の状態をくまなくチェックしたい
- ・プロの視点でプランを作成してもらいたい
- ・将来的な売却も視野に入れてリノベーションしたい
自分でマンションリノベーションするかどうか迷っている方は、これらそれぞれのケースにどれくらい当てはまるか確認してみてください。
それぞれのデメリットを補いながら思い通りのマイホームを手に入れましょう。
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■まとめ
マンションを自分でリノベーションするか迷っている方は、まずメリット・デメリットを確認するところから始めましょう。
工事範囲や内容によっては、プロに任せた方がコストパフォーマンス、タイムパフォーマンスが高いかもしれません。
ご自身の手を動かして思い出に残るリノベーションをしたい方は、プロに任せるべき工事とセルフリノベーションする工事を切り分けて組み合わせるのもおすすめです。
これから物件を購入する方は、リノベーション前提でマンション選びをサポートしてくれる会社を選びましょう。
SHUKEN Reは1998年創業以来、20年以上に渡って8,000件を超えるリフォーム・リノベーションを手がけてきました。
豊富なデザインの施工事例がありますので、プロとして必ずご満足いただけるプランをご提案します。
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