公開日:2024-03-10  更新日:2024-07-04

古いマンション一体どうなる?売却できる?寿命やデメリット、維持費についても

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「古いマンションは一体どうなる?」寿命やリノベーション・売却時の注意点、維持費ついても

 

「古いマンションに住んでいるが、今後どうすればいい?」「老朽化したマンションと新しいマンションのどちらを買えばいい?」とお悩みの方は多いでしょう。

 

そこで、今回は「古いマンションは今後どうなる?」という視点で、寿命やリノベーション・売却時の注意点、維持費などを詳しく解説します。

 

マンションリノベーションを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

 

この記事のポイント
・古いマンションにはデメリットだけではなく、メリットもあります。
・老朽化したマンションが建て替えになる場合は、一定の条件が当てはまるケースに限ります。
・古いマンションは築年数が古いほど売却しにくくなりますが、リノベーション会社の買い取り制度を利用すると売却しやすくなります。

 


 

 

■ “古い”中古マンションは増加傾向に

 

古い中古マンションは増加傾向に

 

2023年に首都圏で新たに売り出された中古マンションの平均築年数は「29.41年」にも上ります。(参考:公益財団法人東日本不動産流通機構|レインズデータライブラリー

 

つまり、およそ半数が築30年を超えているということです。

 

ちなみに、2022年末時点で築40年以上のマンションは約125.7万戸存在し、2032年にはその約2.1倍、2042年には約3.5倍にまで増加する見込みです。

 

築40年を超えるマンションの戸数

(引用:国土交通省|マンションに関する統計・データ等|築40年以上のマンションストック数の推移)

 

築50年を超えるマンションは、2021年時点で全国におよそ20万戸現存しているというデータもあるほどです。

 

内閣府の調べでは、2021年の総マンション戸数は約685.9万戸と言われているため、約20%が築40年オーバーの物件となります。

 

実際に、中古マンション市場における築31年以上の在庫物件率は増え続けており、2022年には45%を超えています。(参考:公益財団法人東日本不動産流通機構|レインズデータライブラリー

 

 

■ 古いマンションのデメリット|地震時の倒壊リスクや維持費

 

古いマンションのデメリット|地震時の倒壊リスクや維持費

 

老朽化したマンションに住んでいる方やこれから買おうとしている方が気になるのは、デメリットですよね。

 

では、それぞれ詳しく解説します。

 

 

「地震に弱い可能性がある」

 

1981年5月以前に建てられた旧耐震マンションのうち、これまで耐震改修がされていないマンションは、耐震性に不安があります。

 

ポイント
「旧耐震基準」が震度5程度の地震で倒壊しない程度の耐震性能であるのに対して、「新耐震基準」は震度6強〜7程度の地震で倒壊しない耐震性能が求められます。

 

また、耐震基準が切り替わってから40年が経ったため、新耐震基準建物であっても、高経年化による劣化が進み、設計時に想定された耐震性能を維持できていないマンションもゼロではありません。

 

そのため、古いマンションは地震に対して抵抗できる構造体であるか確認する必要があります。

 

ただし、近年は古いマンションの耐震改修事例が増えているため、「古いマンション=地震に弱い」とは限りません。(参考:東京都マンションポータルサイト|マンション耐震改修事例一覧

 

 

「住宅ローンの審査が通りづらい・金利が高い」

 

古いマンション、特に税法上の耐用年数47年に近い物件は、担保価値がほとんどないと判断され、住宅ローンの審査が厳しくなったり、融資を受けられなくなったりするリスクがあります。

 

万が一、審査が通っても、金利の高いプランしか選べない可能性もあるでしょう。

 

そのため、自己資金の少ない方ですと、購入のハードルは高めです。

 

 

「売却しづらい」

 

耐震改修されていて地震への安全性が向上していても、古いマンションは資産価値が少ないとみなされて買い手の住宅ローン審査が通りにくい点は否めません。

 

また、買い手の多くは「少しでも寿命が長いものを」と考えるため、築40年を超えると、購入希望者が減るのも現実です。

 

そのため、比較的新しい中古マンションと比べると、売却に苦戦する可能性があります。

 

 

「税金の優遇措置や補助金の対象外になる」

 

築40年を超えた旧耐震基準のマンションですと、住宅ローン減税や贈与税の非課税制度、不動産取得税、登録免許税などの優遇措置や減税特例を利用できない可能性があります。

 

マンションを購入する際に、これらの制度を踏まえた資金計画を立てる方も多いため、注意が必要です。

 

また、リノベーション関連の補助金によっては、築年数によって対象外となる可能性もあります。

 

 

「修繕積立金が高い」

 

修繕積立金とは、共用部の大規模修繕工事費用を各区分所有者が少しずつ負担して積み立てる仕組みです。

 

マンションは古くなるほど修繕範囲が広くなるのが通常なので、築年数と比例して修繕積立金は値上がりします。

 

マンション修繕積立金と建築時期の関係

(引用:公益財団法人東日本不動産流通機構|首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金(2022年度)

 

また、古いマンションほど修繕積立金の回収率が低下している傾向も見られます。(参考:国土交通省|成30年度 マンション総合調査

 

修繕積立金が正しく回収されていないと、定期的なメンテナンスを実行できず、劣化が進んで寿命が縮まってしまうリスクも考えられるでしょう。

 

ただし、上のグラフでは、管理費は共用部が充実している新しいマンションの方が高いことも分かります。

 

 

「断熱性が低く光熱費が高くなりがち」

 

日本で建築物に関する省エネ基準(断熱基準)が初めて設けられたのは1980年のことで、1978年までは住宅金融公庫の作成した仕様書に「断熱工事」の文字すらありませんでした。

 

つまり、およそ45年前までは、建物における断熱性は重要視されてこなかったということです。

 

また、窓サッシや玄関ドアの寿命は20〜25年程度で、古いものですと気密性や断熱性はそれほど期待できません。

 

そのため、冷暖房効率が悪く、光熱費が高くなる可能性があります。

 

ただし、窓サッシや玄関ドアを大規模修繕の一環として既に交換しているマンションは少なくありませんし、専有部の断熱材は、スケルトンリノベーションをするのであれば追加・交換できます。

 

そのため、断熱性が気になる方は、購入前に過去の改修履歴を確認しましょう。

 

断熱されていない場合でも、事前に費用を知っておけば、リノベーション予算に組み込めます。

 

〈おすすめコラム〉

築年数の古いマンションはデメリットが多い?購入・リノベーション時の注意点

 

 

■ 古いマンションのメリット

 

古いマンションのメリット

 

古いマンションに対してネガティブなイメージをもつ方は多いかもしれませんが、もちろんメリットもあります。

 

 

「価格がリーズナブルで購入後の下落率が低い」

 

マンションは新築から年数が経つほど、どんどん価格は下落します。

 

下のグラフは、首都圏で取引されている中古マンションと築年数の関係を表したものですが、築26年を超えると、底値が見えてきます。

 

マンション築年数と価格の関係性

(引用:公益財団法人東日本不動産流通機構|築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2022年)

 

築31年を超える中古マンションは、平均で新築価格の30%以下になるという試算もあります。

 

同じ立地条件・広さのマンションを1/3程度の価格で買えるかもしれません。

 

そのため、古いマンションはリーズナブルな価格で買えて、その後の資産の目減りも少ないのです。

 

 

「好立地物件が多い」

 

これまで、日本では昭和40〜60年代にかけて、何度もマンションの建設ラッシュがありました。

 

当然、立地条件が良い場所からマンションは建てられるため、総じて古いマンションは利便性の高い場所に建てられている可能性が高いと言えます。

 

一方、新築マンションや築浅マンションは、埋め立てられた土地や古いマンションの建っていない余った土地に建てられるのが通常です。

 

そのため、交通利便性などの観点から見ると、古いマンションの方が有利と考えられます。

 

 

「選択肢が多い」

 

ストックマンション(既存マンション)の建築時期を見ると、1980〜2000年頃までは比較的多く、2010年以降は一気に戸数が減っています。

 

マンションの建築時期と戸数推移

(引用:国土交通省|マンションを取り巻く現状について

 

つまり、マンションを購入する際、建築時期の範囲を過去に広げるほど、物件の母数が増えるということです。

 

そのため、間取りや広さの選択肢も増え、より理想的な物件に出会える確率が高まります。

 

最上階やメゾネットなど特殊な物件を探す場合も、新築や築浅にこだわらないのがおすすめです。

 

▶︎中古マンションの物件探し相談はこちらから

 

 

■ マンションの寿命はどのくらい?築何年まで住める?

 

マンションの寿命はどのくらい?築何年まで住める?

 

古いマンションに住んでいる方やこれから購入しようと検討している方にとって、“マンションの寿命”はとても重要なポイントですよね。

 

2013年に国土交通省が公表した資料によると、国内のマンションの平均期待寿命は「68年」とされています。(参考:国土交通省|中古住宅の流通促進・活用に関する研究会

 

また、鉄筋コンクリート造の構造体としての寿命は、メンテナンス次第で理論上「150年」まで伸ばすことも無理ではありません。(参考:国土交通省|期待耐用年数の導出及び内外装・設備の更新による価値向上について

 

ただし、マンションが寿命を全うするためには、新築時から長期修繕計画に則って、定期的かつ適切にメンテナンスされてきたことが最低条件となります。

 

ポイント

老朽化しているマンションを購入する際、これまでの大規模修繕履歴はとても重要なポイントです。

これまで最低でも「12〜15年」間隔で大規模修繕工事が実行されてきたかを確認しましょう。

また、今後の修繕工事を行うために必要な積立金が計画的に回収されているかも忘れずにチェックしてください。

 

 

ワンストップリノベーションについてはこちら

 

▶︎中古物件探しから相談したい方はちらから

 

 

■ どんな古いマンションが建て替えになる?

 

どんな古いマンションが建て替えになる?

 

マンションは理論上150年以上の寿命が期待できるとされていますが、日本における最古の鉄筋コンクリート造マンションは、長崎県軍艦島にある30号棟で、それでも築107年(1916年)です。

 

つまり、まだ誰も築150年のマンションを見たことがないのです。

 

マンションは、通常、築40年頃から構造躯体の調査が始まり、建て替えか改修の検討が始まります。

 

建て替えが検討されるマンションの主な条件は以下の通りです。

 

  • ・長期修繕計画に基づく改修が行われておらず、構造躯体の劣化が激しい場合
  • ・定期的な修繕が行われてきたものの、地震などにより性能が低下していることが発覚した場合
  • ・1981年5月以前に建てられた旧耐震基準建物であり、根本的な耐震補強が困難な場合
  • ・築60年を超えている場合
  • ・大規模修繕費用のコストが、想定されている建て替えコストを上回っている場合
  • ・建物の劣化によって、周囲に甚大な被害をもたらすことが予想される場合

 

(参考:国土交通省|マンションの建替えか修繕かを判断するためのマニュアル

 

これらの条件に多く当てはまるマンションは、「検討」「決議」「計画」「資金調達」「設計」「施工」というプロセスを踏むことになります。

 

ただし、建て替えするためには、議決権を持っている人、つまり、区分所有者全体のうち4/5以上の賛成が必要です。(参考:建物の区分所有等に関する法律|第62条「建替え決議」

 

また、修繕積立金で資金をまかなえなければ、各区分所有者が数百万円から数千万円の工事費用を補填しなくてはいけない可能性もあります。

 

そして、計画がスタートしても建て替え終わるまでは10年程度、長ければ20年かかるケースもあるため、住民の高齢化が進んでいるマンションではなかなか賛成票を集められないケースも少なくありません。

 

そのため、マンションの建て替え件数はそれほど多くないのが現状で、2004〜2023年の累計は282件(約23,000戸)、ストックマンション総戸数約694.3万戸に対してたった「0.3%」ほどです。

 

ポイント

マンションの建て替えは資金面でもハードルが高く、築40〜50年であればできるだけ大規模修繕を行なって維持し続ける方針の管理組合が大半です。

築50年近いマンションでも、きちんと管理組合が運営されていて修繕積立金が計画的に回収されていれば、必要な大規模修繕計画を実施できて、寿命100年も夢ではありません。

古いマンションをリノベーションして住む場合は、あと何年そこで生活し続けたいかを念頭におくことが重要です。

 

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ビルの建て替え年数はどれくらい?耐用年数を過ぎたビルの建て替え・リノベーション費用相場

 

▶︎古いマンションの購入やリノベーションに関するご相談はこちらから

 

 

■ 古いマンションは将来売却できる?売れない場合はどうすればいい?

 

古いマンションは将来売却できる?売れない場合はどうすればいい?

 

古いマンションを所有している方、もしくはこれから購入しようとしている方の中には、「将来売れるか心配」という方も多いはずです。

 

古いマンションのデメリットでも紹介した通り、建築年数の経っている物件は、売りにくくなります。

 

公益財団法人東日本不動産流通機構の調べによると、首都圏における中古マンションの成約率は、築年数の増加と比例して低下しています。

 

築31年以上の物件に至っては、15%程度しか売買が成約していないのです。

 

(引用:公益財団法人東日本不動産流通機構|築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2022年)

 

ただし、ここで諦めてはいけません。

 

古いマンションは、「買取再販物件」の仕入れとして、不動産会社やリフォーム会社などの法人が買い取る可能性もあります。

 

買取再販物件とは、いわゆる“リノベーション済み物件”です。

 

ある調査によると、2023年の中古住宅買取再販市場の規模は、戸建てとマンションを合わせると、2022年比2.4%増の4万2000戸で、そのうちのおよそ3/5が中古マンションとされています。(参考:矢野経済研究所|中古住宅買取再販市場に関する調査を実施(2023年)

 

新築マンションの価格が高騰する中、確実に“古いマンション”の需要も高まってきているのです。

 

ここで注目すべきなのが、建て替え計画が持ち上がっているマンションも売却できる可能性があるという点です。

 

好立地であれば建て替え後マンションの資産価値が高いと評価され、投資家を中心に購入するケースもあります。

 

「古いマンションの購入価格+建て替え時の区分所有者負担分」<「そのエリアの新築マンション価格」の式が成り立てばいいからです。

 

マンションを建て替える際には高層化する物件や容積率がアップする物件が多いため、専有部面積が建て替え前の1.4〜1.5倍になる可能性もあります。

 

昨今のように新築マンションの価格が上がっている時期であれば、マンションを建て替えたことで、資産価値が上がる可能性もゼロではないのです。

 

ポイント

古いマンションを買うかどうか迷っている方は、「物件の売却相談・買い取り制度」があるリノベーション会社を利用すると安心です

 

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■ まとめ:「古いマンション=価値がない」は間違い

 

古いマンションと聞くと、性能が低く価値が低いと思われがちですが、そうとは限りません。

 

物件の管理状況によっては築100年以上住み続けられる可能性もあります。

 

また、リーズナブルに好立地でマイホームを持ちやすいため、若い方から高齢の方までメリットは大きいでしょう。

 

ただし、物件を選ぶ際には、現状、将来性、リノベーション費用など幅広い視点が必要です。

 

そこで頼りになるのが、物件探しから資金計画、リノベーション、将来の売却までサポートできる実績豊富な会社です。

 

東京・千葉・神奈川で「マンションで快適に暮らしたい」という方は、多数のサポート・施工実績をもつSHUKEN Reへぜひお気軽にお問い合わせください。

 

 

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