公開日:2024-02-28  更新日:2024-07-04

原状回復リフォームの費用負担を減らす方法|工事の費用相場と業者の選び方を解説

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アパートの原状回復リフォーム作業中

 

賃貸アパートやマンション退去時の原状回復リフォームは、多くのオーナーが頭を悩ませるポイントです。

 

賃借人との費用負担や清算、次の入居者を受け入れるための準備、物件の資産価値を守るためのリフォームなど、考えるべきことが多いのです。

 

そこでこの記事では、賃貸オーナーが知っておくべき原状回復リフォームの基礎知識を分かりやすくまとめます。

 

原状回復リフォームの目的やリノベーションとの違い、費用相場など、賃貸経営で必須となる知識をしっかり把握しましょう。

 

この記事のポイント
・原状回復リフォームは建物を元に戻すことが目的、リノベーションは価値を高めることが目的です。
・経年劣化による建物の損耗の原状回復はオーナー負担となるため、家賃収入の中から費用を積み立てておく必要があります。
・ハウスクリーニング、内装張り替え、水回り設備交換など、原状回復リフォームごとの費用相場をチェックしましょう。

 

 

 

■原状回復リフォームの目的は主に2つ

 

原状回復リフォーム後のアパート

 

賃貸経営において、原状回復リフォームを行う目的は大きく分けて2つあります。

 

 

次の入居者を迎える準備

 

退去後の部屋の壁クロス張り替えやハウスクリーニングなど、次の入居者を迎えるための準備は原状回復リフォームの基本的な役割です。

 

空室が出たら必要な原状回復リフォームをすぐ見積もりし、なるべく早く内見できる状態にして次の入居者を見つけることが重要です。

 

原状回復に時間がかかると内見時の印象が悪くなり、契約や入居も遅れてしまうため大きな機会損失になります。

 

安定した賃貸経営を続けるためには、素早く対応してくれるリフォーム業者と付き合っておく必要があります。

 

 

賃貸物件の資産価値低下を防ぐ

 

原状回復リフォームには、経営する賃貸物件の状態を維持して資産価値の低下を防ぐ役割もあります。

 

適切にメンテナンスされていない賃貸物件は、どんどん状態が悪くなり資産価値が低下してしまいます。

 

原状回復リフォームを怠ると、売却時に買主を見つけにくくなったり、売却金額が下がったりする可能性があるのです。

 

 

■原状回復リフォームとリノベーションの違いは?

 

賃貸リノベーションで空室対策した事例

 

最近住宅業界で聞くことが多くなったリノベーションは、建物に付加価値を付けて利便性や居住性を高めることを指します。

 

原状回復やリフォームは、建物の性能や意匠性を元の状態に戻すのが目的です。

 

一方、賃貸物件のリノベーションは、間取りや水回りレイアウトの変更も含めて、空室対策をするのが主な目的になります。

 

築年数が経って入居率が低下し、原状回復リフォームでは改善できなくなってきたら、リノベーションによる空室対策も検討する必要があります。

 

リノベーションによる空室対策については、こちらのコラムで解説しています。

 

〈関連コラム〉

空室対策リノベーションの基礎知識|具体的なアイデアや成功のポイントも解説

 

 

■原状回復リフォームの費用負担は賃借人・オーナーどっち?

 

原状回復リフォーム前のヤニ汚れ

 

賃貸住宅では、建物の損耗が発生した原因によって賃借人・オーナーどちらが原状回復リフォームの費用を負担するか変わります。

 

原状回復の範囲について、国土交通省が定めているガイドラインをチェックしてみましょう。

 

原状回復とは

原状回復を「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義し、その費用は賃借人負担としました。そして、いわゆる経年変化、通常の使用による損耗等の修繕費用は、賃料に含まれるものとしました。

引用元:原状回復をめぐるトラブルとガイドライン

 

ガイドラインでは原状回復の定義や義務について、上記のように規定されています。

 

  • 使い方や管理が悪く損耗した部分、過失によって破損した部分⇒入居者が原状回復義務を負う
  • 通常の暮らしや経年劣化で損耗した部分⇒オーナーが原状回復義務を負う

 

入居者の過失による壁クロスの剥がれ

 

例えば、うっかり壁紙を破いてしまったケースでは、入居者が原状回復費用を負担します。

 

経年劣化による壁クロスの剥がれ

 

しかし、通常の暮らしをしていて壁紙が剥がれてしまった場合、原状回復費用はオーナー負担になるということです。

 

通常使用で劣化したり壊れたりする部分は原則的にオーナー負担となるため、原状回復リフォームの費用を家賃収入から積み立てておかなければいけません。

 

また、台風や事故による建物の破損など予測が難しい原状回復費用も、オーナー自身が負担する必要があります。

 

このようなケースでは、アパート取得に加入することが多い火災保険を活用できる可能性があります。

 

火災保険の対象は火事だけでなく、自然災害や盗難、事故なども対象になり、原状回復費用を抑えられることがあるのです。

 

原状回復に火災保険を使う方法は、こちらのコラムで解説しています。

 

〈関連コラム〉

火災保険が退去時の原状回復に使える?不動産オーナー必見の新基礎知識

 

 

■原状回復リフォームの種類と費用相場

 

賃貸物件で実施することが多い原状回復リフォームの種類ごとに、具体的な内容と費用相場をチェックしましょう。

 

ただし、原状回復リフォームの費用は建物の規模や状態によって変動するためあくまで目安です。

 

実際の経営計画では、見積もりを取って正確な金額を把握しましょう。

 

 

ハウスクリーニング

 

原状回復リフォーム ハウスクリーニング

 

入居者を迎えるために必要なハウスクリーニングは、物件の間取りや広さによって費用相場が変わります。

 

間取り 費用相場
1R・1K(1人向け) 3万円~
1~2LDK(1~2人向け) 5万円~
3LDK以上(ファミリー向け) 6万円~

 

居住人数や間取りで上記のような費用相場になります。

 

ただし、引っ越しや大掃除などの繁忙期、落としにくい汚れがある場合などは、通常より費用が高くなるケースもあるので注意しましょう。

 

ハウスクリーニング費用が敷金を超える場合は借主に請求することになるため、高額になる場合は理由も確認して伝えることが大切です。

 

 

内装張り替え

 

原状回復リフォーム 内装貼り替え

 

内装の張り替えは平米単価で表記されることも多いですが、6帖の部屋を想定して費用相場をチェックしてみましょう。

 

リフォーム内容 費用相場
壁クロス張り替え 5~6万円前後
クッションフロア張り替え 2~4万円前後
フローリング張り替え 8万円~

 

壁クロス張り替えは単価が安い業者もありますが、入居中に剥がれてきた場合、印象が悪くなり退去の原因になりかねないので注意しましょう。

 

床面はクッションフロアよりフローリングの方が、材料費・工事費が多めにかかるため費用相場は高くなります。

 

ただし、今のフローリングに重ね張りすれば、廃材処分費と工事費を減らしてコストダウンすることも可能です。

 

 

水回り設備交換費用

 

原状回復リフォーム ユニットバス

 

水回り設備は築20年前後を目安に交換時期を迎えるため、費用相場を把握して積み立てをしておきましょう。

 

リフォーム内容 費用相場
トイレ交換 10万円~
ウォシュレット交換 2万円~
洗面台交換 7万円~
浴槽交換 10万円~
3点ユニットバス交換 50万円~
キッチン交換 40万円~

 

賃貸住宅で多い水回り設備の交換リフォームは上記の通りです。

 

水回り設備は古くなると入居率の悪化につながるため、壊れる前に交換するのがポイントです。

 

 

外壁屋根塗装

 

原状回復リフォーム 外壁屋根塗装

 

アパートの外壁屋根塗装は10~15年に一度必要になり、怠ると雨漏りや柱などの腐食につながります。

 

リフォーム内容 費用相場
外壁塗装 200万円~
屋根塗装 100万円~

 

アパートの塗装費用は外壁屋根の面積や選ぶ塗料によって変動しますが、一般的な2階建て物件の場合上記のような相場になります。

 

外壁と屋根の塗装をセットで依頼すると足場を組む手間が1度で済むので、なるべく同時にメンテナンスするのがおすすめです。

 

塗装はまとまった費用がかかるため、家賃収入の中からしっかり積み立てをしておきましょう。

 

 

■原状回復リフォーム業者選びの考え方

 

原状回復リフォームの業者選び打ち合わせ

 

原状回復リフォームは、業者選びから施工まで管理会社に丸ごと任せているオーナーさんが多いのではないでしょうか。

 

しかし、安定した賃貸経営を目指すなら、物件の価値や魅力を高めるアイデアを持っているリフォーム業者を自分で選んだ方が良いケースもあります。

 

退去後の壁クロス張り替えを例に挙げると、前と同じ柄でただ新しくするのと、トレンドの柄やアクセントを入れるのでは入居検討者の心証が大きく変わるでしょう。

 

壁の一面だけ色や柄を変えるアクセントクロスにするだけでも、物件写真の印象が変わり、ポータルサイトの閲覧数や問い合わせ率向上が期待できます。

 

原状回復リフォームは価格の安さも重要ですが、賃貸ユーザーのニーズを把握し、工夫してくれるリフォーム業者を選ぶことも大切なのです。

 

特に、築年数が経ち入居率や家賃収入が低下してきた賃貸物件は、空室対策を得意とするリフォーム業者に相談するのがおすすめです。

 

 

■原状回復リフォーム、空室対策はSHUKEN Reへ

 

一棟リノベーションで新築のようなアパート

 

私たちSHUKEN Reは、多くの住宅改修で得たノウハウを活かし、原状回復リフォームによる空室対策をサポートする専門会社です。

 

単なる原状回復だけではなく、賃貸物件一つひとつに合わせたリフォーム・リノベーション計画で、入居率や家賃収入を高めるお手伝いをしています。

 

例えば、築年数が経ったアパートも、一棟リノベーションによって新築当時の入居率や家賃収入に回復させることが可能です。

 

安定した賃貸経営をしっかりサポートいたしますので、どんなこともお気軽にご相談ください。

 

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    SHUKEN Re 編集部

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