公開日:2022-09-01 更新日:2024-07-04
築30年マンションは何年住める?物件選びとリノベーションの費用実例!古くても長く住める家
築30年程度のマンションは、壁・床などの内装や、水回り設備などのリフォームが必要な時期になっています。
加えて、築30年前後の中古マンションは天井裏や床下の配管や電気配線などの交換時期であることも多く、
住んでからのトラブルを防ぎ、長く安心して住める家を手に入れるために「フルリリノベーション」を選ばれる方も少なくありません。
今回は、築30年程度の中古マンションの物件の寿命や、購入時におすすめのリノベーション工事の内容と工事費用相場を解説します。
SHUKEN Reで施工した、築30年程度のマンションのフルリノベーション施工費用実例も紹介しますので、
築30年程度の中古マンションの物件を購入してリフォーム・リノベーションをお考えの方や、現在築30年前後のマンションにお住まいの方は、ぜひ参考にしてくださいね。
・築30年のマンションを購入する際の物件選びのポイントや、リノベーションする場合におすすめの工事の費用相場が分かります。
・築30年のマンションをフルリノベーションした実例が見られます。
目次
■築30年のマンションはあと何年住める?
結論から言えば、築30年のマンションは、適切にメンテナンスされている物件ならあと40〜60年は安心して住めると言えるでしょう。
その理由は、国土交通省の調査報告によると、マンションに多いRC(鉄筋コンクリート造)系住宅の平均寿命は、経済的理由などで建て替えられる物件も含めると平均68年、物理的な寿命では117年と推計されていること。
適切なメンテナンス・リフォームが行われているマンションであれば、100年以上も十分住めるということになります。
参考:国土交通省「中古住宅の流通促進・活用に関する研究会」
築年数が古い中古マンションを購入するなら、
- ・自分たちはそのマンションに何年住むことになるのか
- ・マンションを長持ちさせるためにはどのようなリフォーム・リノベーションが必要か
などを踏まえた物件選びがとても重要になってきます。
■築30年のマンションのメリットと物件選びの注意点
中古物件の購入の際、築30年のマンションを選ぶメリットは、以下のような点が挙げられます。
- ・価格が安い
- ・資産価値が安定している
- ・立地条件が良い物件が多い
- ・新耐震基準で建てられている
- ・大規模修繕工事が済んでいる物件も多い
- ・管理状態が把握しやすい
- ・配管も交換時期のためスケルトンリノベーションがしやすい、など
築30年の中古マンションの購入を検討する際には、以下のような点に注意しておくとよいでしょう。
- ・大規模修繕工事はどの程度完了しているか
- ・修繕積立金はどの程度か
- ・建て替えの想定時期はいつ頃か
- ・日常の管理状況は適切か
- ・配管設備の老朽化の状況はどの程度か
- ・管理規約でリノベーションはどの程度可能になっているか
- ・将来的な売却は可能な物件か、など
中古物件の購入のチェックポイントはこちらのコラムも参考にしてください。
■築30年のマンションにおすすめのリノベーション&リフォーム工事
築30年前後の中古マンションを購入して住む場合、どんなリノベーションやリフォームが必要なのか、間取りごとに事例を紹介します。
リノベーションを前提とした中古マンション選び、すでにお住まいのマンションのリノベーションプランを考える際の参考にしてください。
・水回りの交換
事例を見る:Case15「キッチンが司令塔!ママから皆に目が届く!」
キッチン、トイレ、洗面化粧台、ユニットバスなどの水回り設備は、およそ15〜20年サイクルで点検・交換が必要になってきます。
<水回り設備の交換サイクルと交換費用の目安>
交換サイクル | リフォーム費用相場(工事費用含む) | |
---|---|---|
キッチン本体交換 | 約15~20年 | 100~300万円 |
レンジフード、IHコンロなどキッチン機器単体交換 | 約10年 | 20~120万円 |
トイレ本体交換 | 約15~20年 | 20~40万 |
洗面化粧台本体交換 | 約15~20年 | 15~30万 |
浴室ユニット本体交換 | 約15~20年 | 100~250万 |
給湯器本体交換 | 約15~20年 | 30~70万 |
出典:住宅産業協議会「設備商品のメンテナンススケジュール」より抜粋して弊社で作成
築30年前後の中古マンションを購入して住む場合は、水回り設備の年式や、物件のこれまでのリフォーム工事の履歴をチェックしましょう。
水回りがリフォーム済み物件の場合は、それぞれ何年前に交換したのかも知っておくと、住んでからのメンテナンス計画が立てやすくなります。
・配管の更新(給排水管・給湯管・ガス管)
マンションの給排水管・給湯管・ガス管などの配管は、共用部の場合築30年前後で更新工事が計画されていることが多いです。
各部屋(専有部分)の配管の更新は、マンションの管理規約にもよりますが、個人の判断に任されていることが多いため、
築30年の時点で、配管が更新されている部屋と交換していない部屋が存在する、ということになります。
築年数の古いマンションの配管は錆びやすい材質のことも多いので、交換せずに使い続けていると、
配管に穴が空いて漏水したり、内部で赤錆が発生して赤い水が出たりと大きなトラブルにつながるおそれがあります。
築年数の古いマンションをリノベーションする場合、専有部分の配管を全て交換する場合を想定して、
周辺の床や壁、天井の解体と再設置も含めてトータルで50~100万円程度の費用をあらかじめ見越しておきましょう。
・内装リフォーム
事例を見る:Case15「キッチンが司令塔!ママから皆に目が届く!」
築30年前後のマンションは、過去に壁紙や天井、床、建具などの内装リフォームがされているかどうかもチェックします。
一般的なクロスは5〜10年、複合フローリングは10〜15年が寿命と言われているので、交換するかどうかの1つの目安にしても良いでしょう。
内装の状態や、デザインの好みなどによって、現状をそのまま活かすのか、部分的に張り替え・塗装などをするのか、全て一新するのかを物件ごとに決めていきます。
<内装リフォームの工事費用相場>
- ・壁紙・クロス張り替え…700~1500円/㎡
- ・フローリング張り替え…1~5万円/畳
内装リフォームは、施工面積や壁紙・フローリングの種類によってもトータルコストが変わります。
・和室を洋室に変更
最近のマンションリノベーションでは、リビング横の和室を洋室に変更するリフォームが人気です。
<和室を洋室(6~8畳)に変更する場合の工事費用相場>
- ・畳をフローリングに張り替え…10~30万円前後
- ・天井・壁を洋室仕様に変更…10~30万円前後
- ・押し入れをクローゼットに変更…10~20万円前後
- ・ふすまをドアや引き戸に変更(場合によっては壁を作る、壊すが必要)…10万円前後
和室を洋室に変更する場合は、どの程度まで変更するかで費用が変わります。
6~8畳の和室を洋室にフルリフォームするなら、50~100万円前後が目安になります。
・間取り変更リフォーム
事例を見る:Case4「忙しい二人は休日はハンモックで癒される」
中古マンション購入時に、現状の間取りで実際に暮らすシミュレーションをしてみて、改善したい部分があるなら、間取り変更を検討しましょう。
マンションの間取り変更は、2部屋を1部屋にするリフォームや、水回りの移動、キッチンを壁付けから対面に変更、部屋を増やすなどの工事内容があります。
間取り変更を伴うマンションリノベーションの費用事例は過去のコラムで特集していますのでぜひチェックしてみてください。
・マンション断熱リフォーム
築年数の古いマンションで、結露や湿気などの問題が起きている場合は、断熱性を高めるリフォームも必要です。
マンションの断熱リフォームは、
- ・壁・床・天井に断熱材を施工する
- ・内窓(インナーサッシ)や断熱ガラスを入れる
- ・既存の窓サッシを交換する(マンション規約による)
などの工事内容があります。
マンション1室全体を断熱リフォームする費用は、実施する工事や断熱材の種類などによって変わってきますが、およそ50〜400万円前後が相場になります。
・省エネリフォームは補助金が出る場合も
断熱リフォームのような性能向上リフォームは、国や自治体の実施している補助金や助成制度を利用できる場合があります。
物件購入時に補助金制度を利用したい場合は事前に私たち施工会社に相談してくださいね。
参考HP:クール・ネット東京「既存住宅における省エネ改修促進事業・災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」
■築30年前後のマンションフルリノベーション費用・施工実例
・【約1400万・築27年】社宅を断熱&間取りリフォームで快適にアップグレード
築年数27年、8年間社宅として暮らしていた100㎡のメゾネットの住まいを購入し、いまの暮らしに合うようにアップデートした実例です。
8年間暮らして感じていた不具合を解消するため、水回り交換・内装フルリフォーム・和室を洋室に変更・断熱リフォームまで全て行い、暮らしやすさも快適性も大きく向上しました!
・【800万以内・築30年】間取り変更で二人暮らしに似合うおしゃれな住まいに
築30年、60㎡の中古マンションを、二人暮らしに合う間取りに変更したフルリノベーション実例です。
コンクリートの躯体あらわしと古材風のフローリングやキッチンカウンターの組み合わせで、ヴィンテージテイストのおしゃれな内装にリフォームしました。
キッチン・トイレ・洗面所・浴室の水回りも全て一新。
設備だけでなく、クロスや床材などの内装もお部屋全体で統一しています。
■まとめ
今回は、築30年前後の中古マンションの寿命や、築年数や物件の状態に応じて必要なリフォーム・リノベーション工事の種類と費用相場とその事例について解説しました。
築30年の鉄筋コンクリート造のマンションの平均寿命は、国土交通省の資料によると約68年~117年と推計されます。あと約40年~60年程度は安心して住めると言えるでしょう。
築年数が30年程度になると、マンション全体の大規模な修繕工事なども行われる時期になります。
築年数が古い中古マンションは、これまでのリフォーム履歴や、配管や電気配線などの交換状況、大規模修繕の実施状況などを踏まえて、現在の物件の状態をしっかりチェックして、最適なリノベーション工事の内容を決めることが必要です。
鉄筋コンクリート造の物件の寿命を最大限に生かし、長く住み続けられる家を手に入れるために、現在の物件の状態を正確に見極めることがポイントになりますので、ぜひ参考にしてくださいね。
SHUKEN Reは東京・千葉・神奈川を中心に、約20年間で8,000件を超えるリノベーション・リフォームの施工実績があります。
お客様の理想の暮らしを実現するために、中古マンションの物件探しから、フルオーダーメイドのリノベーション、メンテナンスまでトータルでお手伝いしています。
ご予算や理想のライフスタイル、住まいの条件などどんなことでもお気軽にご相談ください。