公開日:2022-07-12 更新日:2024-07-04
中古住宅のリノベーションが失敗する原因
近年、中古住宅を購入してリノベーションという家づくりの人気が高くなっています。
新築住宅のような仕上がりになるのに、新築住宅より費用を抑えられることや、利便性の良い土地に立つ家が見つかる可能性があるからです。
その一方、中古住宅購入とリノベーションに多額な費用を使ったにもかかわらず、失敗してしまったというケースもあります。
新築より費用を抑えられるとは言っても、中古住宅購入とリノベーション費用を併せれば、相当な金額です。
絶対に失敗させてはなりません。
失敗する原因を避け、必ずリノベーションを成功させる為に気を付けなくてはならないことを確認していきましょう。
・中古住宅のリノベーションで失敗しないためには中古住宅選びが大切です。
・中古住宅の状態や周辺環境を調査することで失敗を避けられます。
・中古住宅のリノベーションを成功に導くことができる施工会社選びも重要です。
■リノベーションにかかる費用の失敗をさける
リノベーションでは、間取り変更の規模、内装に使う建材や住宅設備機器のグレードなどによってかかる費用が嵩みます。
ただ、これは打ち合わせの段階で調整し、予算の制限内に収めることができるので、費用の失敗には繋がりません。
最も怖いことは、中古住宅を購入後に、構造部の腐朽や配管などの劣化が発覚した時です。
中古住宅では耐震補強は必須項目ですが、構造部の状態によって耐震補強にかかる費用は大きく変わります。
シロアリ消毒や各種メンテナンスを定期的に行い、しっかりした換気計画がされていた住宅では、小規模な耐震補強で十分な耐震性を得られます。
一方、雨漏りを放置していた、シロアリ消毒を定期的にしていなかった、小屋裏や床下の換気が適切にされていなかった、浴室やキッチンなどからの水漏れがしていた…というような住宅では、構造部が腐朽し耐震性が著しく低下していることがあります。
物件を見学する際、時間帯による日当たりの変化や、間取り変更の制限などについては目に見える部分なので、確認しやすいのですが、構造部や配管の状態は確認できません。
その為、立地、日当たり、間取り変更の自由度がすべて良好という状態の中古の場合、耐震性や配管まで気が回らず、購入してしまうことがあります。
その結果、構造部から大幅に修復しなくてはならなくなり、新築より費用が嵩んでしまったという結果になることもあります。
このような失敗を避けるためには、購入前にホームインスペクションをすることが大切です。
ホームインスペクションとは、専門家による住宅診断です。
住宅の劣化状況を調査し診断します。
売主がすでにホームインスペクションをしている場合には安心です。
そうでない場合には、売り主にホームインスペクションをすることに対しての許可を得て、専門家にホームインスペクションを依頼することが、費用の失敗を避けることに繋がります。
中にはホームインスペクションを依頼することを嫌がる売り主もいますが、その場合にはその物件はやめておいた方が無難です。
また、駅近など人気の高い物件の場合、ホームインスペクションを依頼している期間に、他の買い手が見つかってしまうこともあります。
それを恐れるあまり、ホームインスペクションの必要性はわかっていたが、先に購入してしまい、結果的に後悔しているというようなケースもあります。
思いがけない出費で費用が嵩むという失敗を避ける為には、構造部や配管などの見えない部分のチェックが大切です。
参考資料: 国土交通省 既存住宅インスペクション・ガイドライン
参考サイト:「既存住宅インスペクション・ガイドライン」の策定について
■間取り変更の制限を確認しておく
事例を見る:Case 065 「じっくり こっくり 味わい深く」
ツーバイフォーの住宅と比較すると、在来工法の木造住宅は間取り変更の自由度が高い住宅です。
ただ、骨組みとなる柱と梁や、筋交いの入った耐力壁は動かせません。
また、外壁を残すリノベーションでは、窓の位置を変えたり、サイズを大きくしたりできません。
その制限の中でも、天井を取り払って小屋裏空間とリビングを繋げ開放的な雰囲気を創り出す、家族構成に合わせて部屋数を増やしたり減らしたりするなど、暮らしやすい家にできる可能性は十分にあります。
中古住宅を見学する際に、取り外せる壁や天井についての説明を受け、間取り変更の限度を確認することが大切です。
その制限を確認せず中古住宅を購入してしまい、リノベーションを依頼したタイミングで、間取りの制限を知ることになると、思ったような間取りが実現しないという失敗に繋がってしまいます。
家族の暮らしに合いそうな間取りの中古住宅が見つかった場合には、間取りをそのままにして内装を一新するという方法であれば、費用が抑えられます。
従って、中古住宅の見学をする際には、どの程度まで現在の間取りが活かせるのかという方向からの視点も大切です。
■風通しの良い家を選ぶ
中古住宅の中には、風通しが悪く、家の中の空気環境の良さを保ちにくい状況の家もあります。
その場合、外壁を取り払い、窓の位置やサイズを変更する、天井を取り払って吹き抜けを設けるなどの方法で風通しに配慮した間取りにする、同時に外部からの視線への対策もし、プライバシーを確保する窓と間取りにするなど、大規模なリノベーションになる可能性があります。
外壁を取り払うリノベーションの場合、間取りの制限はほとんどなくなりますが、費用は非常に嵩みます。
しかしながら、風通しの悪いままでは、家の中の空気が循環せず、ジメジメする、結露が発生する、カビが生えるなど、家族の衛生状態が悪くなってしまいます。
加えて風通しの悪い家は、住宅の健康も維持し難いので早く劣化します。
風通しはその日の天候や時間帯によっても変わりますが、窓の位置や間取りによっても変わります。
中古住宅選びの際には、風通しの良い窓の位置や間取りであることを確認すると共に、天候の違う日や異なる時間帯に、何度か足を運ぶことも大切です。
■暮らしやすい周辺環境を選ぶ
周辺環境は暮らしに大きな影響があります。
駅から近く、まだ新しくてきれいな住宅が売り出されている…というような場合、周辺環境から暮らし難さを感じて、引っ越したというようなことがないとも限りません。
騒音を出す家族がいる、カラスやハトが来るなど、1回見学しただけではわからないことが多いです。
緑が多くて閑静な住宅街にある家だと思ったのに、時間帯によってはそうではなくなってしまうこともあります。
夜間になると、昼間は気にならなかった幹線道路からの走行音に悩まされることもあるかもしれません。
また、窓の位置によっては、隣家や通りからの視線が入り、プライバシーが保てないというような環境もあります。
騒音やプライバシー確保への対策は、気密性の高い窓や間取り変更によってもできますが、完璧に解決できないこともあります。
周辺の環境は時間帯や曜日によって変わる部分があるので、時間帯や日を変えて、何回か足を運んでみることで、周辺環境による失敗を避けられます。
■中古住宅のリノベーションで失敗しない為のまとめ
事例を見る:Case 009 「白いアイランドキッチンが主役の大人の家」
購入する中古住宅をあらゆる面から吟味することが中古住宅のリノベーションを失敗させない為の根本的な条件です。
目星をつけた中古住宅に対して、十分な断熱性や耐震性を持たせる、家族構成と家族の暮らし方に合った間取りにする、風通しと日当たり、プライバシーを確保するという3点を実現する為にかかる費用を正確に抑えた上で、中古住宅の購入を決めることが、失敗を避ける最大の要素です。
あとは、信頼できるリノベーション会社に施工を依頼し、相談しながら間取りや住宅性能、内装などの計画を進めていけば、リノベーションは必ず成功します。
中古住宅の選び方が不安という場合には、中古住宅の購入からリノベーションまでをまとめて進められるサービスを利用するという選択肢もあります。
♦中古住宅の状態と周辺環境をしっかり確認してから購入する
♦信頼できるリノベーションの会社に施工を依頼する
この2つが中古住宅のリノベーションを確実に成功させます。
東京・千葉・神奈川エリアで中古住宅のリノベーションをご検討の際は、私たちSHUKEN Reにぜひご相談ください。
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