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中古マンションは築何年まで住める?寿命と「築20・30・40・50年」の後悔しない物件選び

公開日:2024/08/25

中古マンションは築何年まで住める?寿命と「築20・30・40・50年」の後悔しない物件選び

 

中古マンションと新築マンションのどちらを購入するか迷っている方のために、中古マンションの寿命と築20・30・40・50年のマンションを選ぶ際のチェックポイントを紹介します。

 

住宅ローンや物件価格、リノベーションの費用相場についてもお話ししますので、「中古マンションを買ってから何年住めるのか知りたい」という方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

このコラムのポイント

● マンションの平均寿命や市場傾向を知ると、中古物件選びの参考になります。

● 中古マンションを選ぶ際は、築年数に応じて必要な点をチェックしましょう。

● 東京・千葉・神奈川でリノベーション前提の中古マンション購入を検討中の方は、物件探しから資金計画、設計施工までフルサポートするSHUKEN Reの「ワンストップリノベーション」にご相談ください。

 

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マンションの平均寿命と耐用年数|建て替え・取り壊しの時期

 

マンションの平均寿命と耐用年数|建て替え・取り壊しの時期

 

中古マンションの寿命には、2つの考え方があります。

 

  • ・物理的な「寿命」
  • ・減価償却できる「法定耐用年数」

 

それぞれ平均的な年数が異なりますので、詳しく紹介します。

 

 

物理的な「寿命」

 

マンションへ採用される鉄筋コンクリート(RC)造の寿命は、50年以上あるとされています。

 

また、国土交通省の資料では、固定資産台帳の滅失データからRC造系住宅の平均寿命を推定した結果「68年」となっています。(参考:国土交通省|期待耐用年数の導出及び内外装 設備の更新による価値向上について

 

実際に、東京都内でこれまで建て替えられたマンションの解体時平均築年数は「45年」です。(「東京都|マンションポータルサイトマンション建替法に基づく建替え・敷地売却事業事例一覧」より弊社にて算定)

 

そのため、寿命を全うせずに取り壊されたり建て替えられるマンションは少なくありません。

 

しかし一方、全国には築40年を超えるマンションの部屋が「125.7万戸」現存しているとされています。(参考:国土交通省|マンション建替え等の実施状況国土交通省|築40年以上のマンションストック数の推移

 

 

減価償却できる「法定耐用年数”」

 

寿命と似たシーンで使われる耐用年数ですが、厳密に言うと同じ意味ではありません。

 

耐用年数は法定耐用年数を指すことが多く、減価償却資産(不動産・車両・設備機器など)にかかった初期費用を決められた年数で分割して経費計上できる期間を指します。

 

構造種別によって期間が決められており、鉄筋コンクリート造(SC造)・鉄骨造(S造)・鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の住宅は「47年」です。(参考:国税庁|主な減価償却資産の耐用年数表

 

ポイント

マンションの「寿命」と「耐用年数」は等しくありません。

耐用年数はあくまでも資産価値を表す目安であり、寿命は管理状況やこれまでの改修内容によって変わります。

最近は、既存建物の活用や長寿命化が重要視されていることから、築年数でそのマンションの使用価値を判断せずに、維持管理をきちんとしているか個別評価する動きが進んでいます。

 

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売り出されている中古マンションの築年数

 

売り出されている中古マンションの築年数

 

市場へ出回る中古マンションの築年数は、年々上昇しています。

 

特に、新築マンションの値上がりとともに中古マンションの需要がさらに高まっている首都圏においては、新規登録される物件の平均築年数が2021年「26.84年」から2024年「29.99年」と約3年も上昇しました。

 

首都圏中古マンションの成約・新規登録築年数の推移

(引用:レインズデータライブラリー|マーケットデータ2024年1〜3月度

 

成約した中古マンションの築年数を見ると、築31年を超える物件が最も多いことが分かります。

 

首都圏で売り出される中古マンションの築年数

(参考:レインズデータライブラリー|マーケットデータ2024年1〜3月度

 

ポイント

築10年以内の築浅物件はあまり売り出されず、築21年以上が約半数を占めます。

そのため、立地・広さ・間取り・価格の選択肢が多い中から中古マンションを選びたい方には、築21年以上の物件がおすすめです。

ただし、築21年を超えていると大なり小なり専有部分の改修が必要なので、リノベーションを前提とした物件選びと予算計画を立てましょう。

 

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築20・30・40・50年|中古マンション選びのチェックポイント

 

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購入する中古マンションを選ぶ際、築20・30・40・50年の物件ではチェックポイントが少々異なります。

 

ここでは、築年数にフォーカスして後悔しない物件選びのコツを紹介します。

 

 

築20年の中古マンション

 

築20年以内のマンションは、市場のおよそ半数程度を占めます。

 

東京23区内の新築マンション価格が120〜150万円/㎡(2024年時点)と言われているのに対して、築20年程度のマンション価格はそのおよそ50%程度(76.1万円/㎡)です。

 

首都圏中古マンションの築年帯別㎡単価

(出所:首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況【2023年】をもとに弊社にて作成)

 

ポイント

マンションのフルリノベーション費用は「15〜20万円/㎡」なので、築20年程度の中古物件を購入して思い通りにリノベーションしても、新築マンション購入より価格を抑えられる可能性があります。

 

ただし、国土交通省の指標ではマンション共用部の大規模修繕工事は15年毎に実施することが推奨されているため、新築からこれまでに最低1度は外壁や屋上の改修を行っているか確認しましょう。(参考:国土交通省|長期修繕計画標準様式、長期修繕計画作成ガイドライン

 

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築30年の中古マンション

 

中古マンションの市場傾向を見ると、築30年前後の物件は最も多く売り出されており、物件の入れ替わりが多いため選択肢が多い点が魅力です。

 

ただし、キッチンやバスルームなどの住宅設備機器の寿命は15〜20年、給排水管やガス管、電気配線は20〜30年で取り替え時期になります。

 

そのため、築30年のマンションを選ぶ場合は、専有部分のリノベーション履歴も確認しましょう。

 

これまでどの範囲をやりかえたのか知っておくと、無駄のないフルリノベーション計画を立てられます。

 

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築40・50年の中古マンション

 

築40年を超える中古マンションは、人気の高いエリアでもリーズナブルに購入できる点がメリットです。

 

また、日本がバブル景気(1986〜1991年)中に建てられたマンションは、豪華な仕様になっているものも多く、新築マンションよりもゴージャスな造りの物件は少なくありません。

 

ただし、1981年5月以前に建築確認を受けたマンションは「旧耐震基準」に該当するため、現行の基準よりも耐震性が低いリスクがあります。

 

そのため、旧耐震基準である場合はこれまでに耐震改修や耐震補強工事が実施されたかどうかを確認しましょう。

 

実際に、ストックマンション戸数(いわゆる中古物件数)694万戸に対して、およそ103万戸(14.8%)が旧耐震基準マンションであるとされています。(参考:国土交通省|老朽化マンションの建替え等の現状について

 

ポイント

旧耐震基準のマンションは、住宅ローンの審査が通りにくかったり、税控除や補助金の対象から外されたりする可能性があります。

また、耐震改修・耐震補強がされていないと、早い段階で建て替え計画が持ち上がることも想定できるため、物件の詳細を十分確認してください。

 

そして、注意しなくてはいけない点が住宅ローンについてです。

 

金融機関がローンの融資をする際、対象物件の担保価値は取引事例比較法(※)で評価するため、取引数の少ない築40年以上の物件はその価値を低く見積もられがちです。

 

※取引事例比較法:過去に似たような条件で取引された物件の価格を参考に価値を決める方法

 

そのため、住宅ローンの審査が通る可能性が低くなるため、自己資金での購入が基本です。

 

また、既に平均的な取り壊しや建て替え時期に入っているため、既にそれらの計画が始まっていないかも確認しましょう。

 

ただし一方で、ホーマットアンバサダー南麻布(1971年竣工)や広尾ガーデンヒルズ(1983年竣工)などの“名作ヴィンテージマンション”と呼ばれる人気物件もあり、これらは徹底した長期修繕計画によって、今でもきれいな状態で現存しています。

 

ポイント

築50年近い中古マンションは、購入後に何年住みたいのかを事前にシミュレーションしましょう。

また、20年後・30年後には売却しにくいため、物件価格とリノベーション費用を合わせて無理のない資金計画になるかも要チェックです。

 

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リノベーション前提なら築20〜30年がおすすめ|物件価格とリノベーション費用の相場

 

リノベーション前提なら築25〜30年がおすすめ|物件価格とリノベーション費用の相場

 

中古マンションは、リノベーション済みの物件を除き、基本的には築年数が古いほど安く、専有部分の劣化は進んでいます。

 

そのため、築40年を超える物件は物件価格を抑えられるもののリノベーションが高くなり、築浅な物件はあまりリノベーションせずに済む代わりに物件価格が高くなりがちです。

 

ポイント

中古マンションを購入してからも20〜30年程度住み続けられ、物件価格とリノベーション価格のバランスが良いのが「築20〜30年」の物件です。

 

リノベーション前提で中古マンションを買う際に「築20〜30年」の物件をおすすめする理由は以下のとおりです。

 

  • ・致命的な劣化がある可能性が低い
  • ・築40年を超える物件よりも、断熱リフォームなど性能アップのための費用を削減できる
  • ・間取りを変更しづらい「壁式構造(※)」や、水回りを移動しづらい「スラブ下配管(※)」の物件が少ない
  • ・アスベスト(※)を含む建築材料が使われている可能性が低い
  • ・購入後の売却も視野に入れられる
  • ・建て替え計画が持ち上がるのはだいぶ先の可能性が高い

 

※壁式構造:柱と梁ではなく、壁で建物の荷重を支えているため、戸境壁だけではなく間仕切壁の一部も構造体となっており、解体や移動ができない。4階以下の低層マンションや古いマンションに採用されていることが多い。

※スラブ下配管:主に排水管が自分の家の床スラブ(コンクリート躯体)下を通っており、交換や位置変更する際は下の階の天井を開けなくてはいけない。築40年を超えるマンションに多い。

※アスベスト:石綿とも呼ばれる健康被害をもたらす材料で、1970~90年代初頭までは建築材料に多く含まれていたが、2004年から段階的に使用が制限され、2006年には全面使用禁止となった。古いマンションの吹付断熱材やユニットバスのパネル材に含まれている可能性がある。

 

 

物件価格とリノベーション費用の相場

 

では、築20〜30年の首都圏における中古マンションの物件価格とリノベーション費用の相場を紹介します。

 

【物件価格】73.99万円/㎡

レインズデータライブラリー|マーケットデータ2024年1〜3月度をもとに算出

 

【マンションのリノベーション費用】15〜20万円/㎡

 

(専有面積) (物件価格相場) (リノベーション費用)
60㎡ 約4,400万円 900〜1,200万円
70㎡ 約5,200万円 1,050〜1,400万円
80㎡ 約5,900万円 1,200〜1,600万円

 

仮に、購入・リノベーション後に20年住み続けるとすると、月々のコスト負担は以下のようになります。

※20年は、次のリノベーションを検討する時期

 

(専有面積)

(月々に分割した場合の住宅コスト)

60㎡ 22〜23万円/月
70㎡ 26〜27.5万円/月
80㎡ 29.6〜31万円/月

 

上記に加えて、住宅ローンの利子や固定資産税・都市計画税、管理費・修繕積立金を支払わなくてはいけないため、諸経費も含めて資金計画を立てましょう。

 

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まとめ:ライフプランと予算を見て物件の築年数を決めましょう

 

中古マンション市場には、築10年未満の築浅物件から築40年を超える古いものまで出回っています。

 

その中から理想にあう物件を見つけるために、リノベーションを前提にチェックポイントを押さえましょう。

 

そこでおすすめなのが、物件探しから資金計画、リノベーションまでまとめて相談できるワンストップリノベーションです。

 

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SHUKEN Re 編集部

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