中古住宅のメリットデメリットと購入時の注意点5つ
憧れのマイホームを手に入れたいけれど、新築は費用もかかるしなかなか理想の土地が見つからない……。
そんな時におすすめなのが、中古住宅のリノベーションです。
設備を入れ替え、間取りを変更し、壁紙や床板を張り替えることでまるで新築のような状態に生まれ変わらせることができるリノベーション。
「中古」といえど、費用をおさえることができる、価値の目減りを防ぐことができる、条件に合ったエリアを見つけやすい、などメリットが多く近年ますます人気が高まっています。
これからは、すでにある資産を自分たち好みに改修し、ライフスタイルにあわせて住まいをつくっていく時代。
「リノベーション」という選択が、今まで以上にスタンダードになるでしょう。
そこで今回のコラムでは、中古住宅のメリットデメリット、購入時の注意点についてまとめてご紹介します。
これからの家づくりに、ぜひお役立てください。
・費用をおさえることができる、実物を確認できる、など中古住宅のメリットをまとめました。
・安心して住むためにも、リノベーションに適した物件選びと購入時の入念なチェックは重要です。注意点を参考に、納得のいく中古物件選びを進めていきましょう。
Contents
中古住宅のメリットデメリット
まずは、中古住宅のメリットとデメリットをそれぞれみてみましょう。
メリット
新築よりも費用をおさえることができる
国土交通省が令和3年に行った住宅市場同行調査によると、住宅購入価格は以下のようになりました。
- 新築注文住宅の購入価格…… 5,112万円(全国平均)
- 中古住宅の購入価格…… 2,959万円+リフォーム資金201万円(三大都市圏の平均)
参考:令和3年度住宅市場動向調査|国土交通省
https://www.mlit.go.jp/report/press/house02_hh_000173.html
新築と比べると、中古住宅は購入価格を大きくおさえることができます。
その分、設備の入れ替えや造作家具の購入費用にあてることができるのは大きな魅力でしょう。
資産価値の目減りが少ない
新築に比べて、資産価値の目減りが少ない中古住宅。
同じ年月所有しても、新築住宅よりも資産価値減少の幅をおさえることができます。
年月に応じて下がっていく価値に振り回されるのではなく、心地よさやライフスタイルに応じた間取り、デザイン性など、新たな価値を付け加える楽しさを味わいながら新生活を送ることができます。
実物を確認して購入できる
図面だけでは、部屋の広さや雰囲気は分かりにくいもの。
しかし中古住宅なら、実際に建ててある家を目で見て確認できるので、どのような家に住むのかをある程度イメージした上で購入できます。
隣家との距離や日当たり、風通しなどは特に完成しないとわからないことの方が多いですが、事前のチェックも可能に。
住み始めてからの暮らしをイメージした上で間取りも検討できるので、想像と違う……ということもなく安心です。
人気のエリアや場所に住むことも可能に
駅から離れている場所や狭小地など、これから注文住宅を建てるような場所は制限が多いケースが多々あります。
新しい街だと開拓していくため、生活していく上で不便に感じる部分もあるでしょう。
しかし中古住宅なら、比較的立地条件に恵まれた、ゆとりある家を新しい住まいにすることができます。
すでに街として成り立っており多くの人々が生活を成している場所なら、利便性や暮らしのサポートなどが整っているため安心して暮らすことができます。
趣き&味わいのある住環境
大切に住み続けられてきたからこそ滲み出る、味わい深い空気感をもつ中古住宅。
新築にはない雰囲気をもつ家なら、これから先も安心して暮らし続けることができます。
まだ住み続けることができる場所を、大切に受け継いでいくこと。
この想いが、これからの時代にますます求められるエコ意識と唯一無二の住空間の実現につながります。
デメリット
修繕コストがかかる
築年数が古ければ古いほどダメージが大きく、修繕コストがかかります。
設備の入れ替えだけでなく、水回りの修繕、配管工事など思わぬ箇所のダメージが見つかり、想定以上のリノベーション費用になることもあるでしょう。
また、築20年以上の住宅は断熱材が少ない、断熱材の密度が低い(隙間がある)といった状態のものも多く、大掛かりな断熱リフォームが必要になる可能性もあります。
どういった断熱工事をするのかによって費用は大きく変わってくるので、あわせて相談しておく必要があります。
耐震性の不安
築年数の古い物件は、耐震性に不安があります。
特に、新耐震基準が施行された1981年6月以前に建てられている場合、震度5強以上の地震に耐えられるつくりになっていないため、倒壊はしなくても損傷は受ける可能性も。
旧耐震基準で建てられている、一度も耐震工事がなされていない、といった場合、別途耐震工事が必要になります。
「物件の資産価値がない」とみなされる場合も
中古住宅は築後何年も経っているため、物件の資産価値がないとみなされる場合があります。
約22年で価値がゼロになるといわれており、固定資産税は安くなりますが、住宅ローンやリフォームローンを組むことが難しくなるケースも。
しかし、メリットの部分で前述したように視点を変えれば中古住宅には「資産価値が下がらない」という側面もあります。
価格をおさえて中古住宅を購入し、心地よい住環境を実現できるようリノベーションする方が、結果として価値のある投資ができると考えられます。
選ぶ物件によって資産価値は変わるので、資産価値が目減りしにくいリノベーション向き物件を見極めることが重要です。
▶︎リノベーション前提で中古物件の購入を検討している方はこちら
どのようなメリットデメリットがあるのかを確認した上で、中古住宅の購入を検討することが大切です。
〈参考コラム〉
中古マンションのメリットを伸ばす方法とは|購入ポイントと2つのデメリット
中古住宅購入時の注意点5つ
中古住宅を購入してリノベーションする場合、特に注意したいポイントを5つご紹介します。
注意点① 売りに出された理由を確認する
中古住宅が市場に出回る理由として挙げられるのが、相続や資産管理、住み替え、転勤、家族構成の変化などです。
転勤や結婚のための住み替えといったようなポジティブな理由ではなく、注意したいのはネガティブな理由です。
近隣トラブルや地盤の悪さといったような理由で売りに出されている場合、住み心地の悪さを感じたり高額な修繕費用がかかったりする可能性があります。
どういった理由で販売されているのか、よく確認しておきましょう。
注意点② 目に見えない箇所の劣化を確認する
雨漏りやシロアリ被害といった、表から見ただけではわからないような劣化や損傷がないか、確認しておきましょう。
リノベーション工事を進めていく過程で大きな劣化や損傷が見つかり、想定以上の修繕費用がかかってしまった……というケースは避けたいもの。
住宅の状態を詳細に把握している会社、修繕にどのくらい費用がかかるのかを明確に提示してくれるリノベーション会社を選ぶことが大切です。
〈参考コラム〉
中古マンションのリノベーションで後悔したくない!原因と対策は?
注意点③ 性能が気になる時はホームインスペクションを
ホームインスペクションとは、住宅診断のことです。
住宅に詳しいホームインスペクター(住宅診断士)が、専門家の視点で住宅の劣化状況や改修が必要な箇所、修繕時期やかかる費用などを見きわめアドバイスをくれるもので、住宅のコンディションを把握するものです。
購入を検討している中古住宅の状態がどうなっているのか、気になる場合はホームインスペクションを利用してみるのも一つの手段です。
注意点④ ハザードマップを確認する
住宅の状態だけでなく、土地やエリアについてもあらかじめ調べておきましょう。
地震や津波など、いつどんな災害が起こるかは分かりません。
災害の被害予測図が記載されたハザードマップをあらかじめ確認しておきましょう。
避難場所や公共施設が記載された防災マップも、あわせて確認しておくと安心です。
注意点⑤ 瑕疵(かし)保険について理解しておく
住宅の本来の機能や品質が備わっていないといったような重大な欠陥があった場合、生じてしまった損害に対して保険金が支払われる仕組みのことを瑕疵保険といいます。
瑕疵とは、傷や欠点、法律であるべき品質や性能が欠けていること。
瑕疵保険に加入していれば、購入した中古住宅に万が一瑕疵が見つかったとしても、保険期間に補修費用を負担してもらうことができます。
保険の種類によって、補償対象となる箇所や保険期間、支払い額の総額が変わります。
長く住み続ける以上、不安のない住宅を購入したいもの。
どのような制度、保険内容なのか事前に確認しておきましょう。
また、住宅取得時に利用したい制度は各種整っています。
あわせて参考にしてみましょう。
参考:安心して住宅を取得・リフォームするために国が用意した各種制度|国土交通省
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/jutaku-kentiku.files/kashitanpocorner/consumer/index.html
中古住宅を購入してリノベーションするなら……
中古住宅にはたくさんのメリットがあります。
「中古」を気にする方もいらっしゃいますが、安心して住むことができるような制度も整っていますし、リノベーションすれば新築としか思えないような状態に刷新できます。
理想の住まいが手に入るよう、納得のいく中古物件選びを進めていきましょう。
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