修繕積立金とは

修繕積立金

【修繕積立金(しゅうぜんつみたてきん)】

 

1. 概要

 

「修繕積立金」とは、分譲マンションの区分所有者(所有者)全員が、将来の大規模修繕に備えて毎月積み立てるお金のことです。マンションの「管理組合」が徴収・管理します。

 

これは、日常の清掃や共用部の光熱費などに使われる「管理費」とは明確に区別され、建物の資産価値を長期的に維持するための、いわば「マンション全体の貯金」です。

 

 

2. 主な使い道

 

修繕積立金は、マンションごとに策定された「長期修繕計画(通常10年〜30年スパンの修繕ロードマップ)」に基づいて、計画的に使用されます。

 

  • 主な大規模修繕工事の例

    • ・10〜15年ごと:外壁塗装、屋上防水工事

    • ・20〜30年ごと:給排水管の交換、エレベーターの交換・更新

    • ・その他:共用廊下・階段の補修、機械式駐車場のメンテナンス など

 

 

3. リノベーション購入時の最重要チェックポイント

 

中古マンションを購入してリノベーションする場合、専有部分のリノベーション費用(自己資金)と、共用部分修繕積立金(全体の資金)は、資金計画の両輪です。

 

修繕積立金の状況は、将来の家計に直結するため、物件選定時の最重要チェックポイントとなります。

 

  • なぜ重要か?
    リノベーションで室内を新築同様にきれいにしても、建物の「外側」(共用部分)の修繕が計画通りに行われなければ、雨漏りが発生したり、資産価値が大きく下落したりする恐れがあります。

 

  • 確認すべきこと
    1. 計画と積立額のバランス: 長期修繕計画に対して、現在の積立金総額や月額が順調か。将来的に大幅な値上げが予定されていないか。

    2. 滞納状況: 積立金の滞納者が多くないか。(滞納が多いと資金が不足します)

    3. 一時金の発生: 過去に資金不足で「一時金(月々の積立とは別に、数十万〜百万円単位で徴収される臨時費用)」が発生していないか。

  • 【注意】資金計画の落とし穴
    もし積立金が不足している物件を購入すると、リノベーション費用を支払った直後に、管理組合から「一時金100万円」を請求されるといった事態も起こり得ます。

 

逆に、計画的に積立が行われているマンションは、将来にわたって建物の健全性が保たれるため、安心してリノベーションを行い、長く快適に暮らすことができます。

 

4. 関連語

 

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