ラーメン構造とは

【ラーメン構造】
1. 概要
「ラーメン(Rahmen)」とは、ドイツ語で「枠」や「額縁」を意味する言葉です(食べ物のラーメンではありません)。
その名の通り、柱と梁(はり)を強固に接合して「枠(フレーム)」を構築し、その枠全体で建物や地震の揺れを支える構造形式を「ラーメン構造」と呼びます。主に鉄筋コンクリート(RC)造や鉄骨(S)造の中高層マンションやビルで採用される、最も一般的な構造です。
2. 特徴とメリット(リノベーションの観点)
ラーメン構造の最大の特徴は、柱と梁で強度を確保している点にあります。そのため、室内の壁の多くは「間仕切り壁」となり、建物の構造的な強度とは関係ありません。
この特徴が、リノベーションにおいて以下の大きなメリットをもたらします。
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圧倒的な間取りの自由度
構造に関係のない間仕切り壁は、リノベーションで自由に撤去・移動が可能です。そのため、「壁を取り払って広々としたリビング(大空間)を作る」「キッチンの位置を動かしてアイランドキッチンにする」といった、自由度の高いプランニングを実現しやすいのが最大の魅力です。
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高い耐震性と耐久性
柱と梁が一体化した強固な枠で、地震のエネルギーをしなやかに吸収・分散するため、高い耐震性を持ちます。また、構造体がコンクリートで覆われているため、耐久性や耐火性にも優れています。
3. リノベーション時のポイントと注意点
自由度の高いラーメン構造ですが、リノベーション時には以下の点に注意が必要です。
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撤去できない柱と梁
間取り変更は自由ですが、建物を支える構造体である柱と梁は、絶対に撤去したり、削ったり、穴を開けたりすることはできません。プランニングは、必ずこの柱と梁の位置を把握した上で行う必要があります。
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室内に現れる「出っ張り」
ラーメン構造は、多くの場合、部屋の隅に柱が、天井に梁が「出っ張り」として現れます。リノベーションでは、この出っ張りをデザイン上のデメリットと捉えるのではなく、造作棚を設置して一体化させたり、間接照明を仕込んだりと、空間デザインの一部として上手に活かす工夫が求められます。
4. 対義語・関連語
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壁式構造(かべしきこうぞう)
ラーメン構造とは対照的に、柱や梁の代わりに、鉄筋コンクリート製の「壁(構造壁)」で建物を支える構造です。主に低層マンションで採用されます。こちらは壁自体が構造体であるため、撤去や移動ができず、ラーメン構造に比べて間取り変更の自由度は低くなります。
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