公開日:2025-01-08
エコキュートは後悔する?「やめとけ」といわれる理由を解説|メリットや選び方のポイントも紹介
「エコキュート」とは、空気中の熱を活用してお湯を沸かす家庭用給湯システムを指します。
エコキュートで後悔しないためには、あらかじめメリット・デメリットを踏まえながらライフスタイルに合うか十分に検討しておくことが大切です。
そこで今回は、エコキュートで後悔する理由やメリットを解説します。
エコキュートの後悔しない選び方もご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね♪
- ・エコキュートは後悔する?「やめとけ」といわれる理由・デメリットを解説します。
- ・給湯にかかる光熱費を抑えられるなど、エコキュートを導入するメリットをご紹介します。
- ・エコキュートの後悔しない選び方をお伝えします。
■エコキュートは後悔する?「やめとけ」といわれる理由・デメリット
まず、エコキュートで後悔する理由・デメリットを解説します。
「イメージと違った」「生活に合わない」といった失敗を回避するために、デメリットをチェックしましょう。
初期費用が高い傾向にある
ガス給湯器と比較してエコキュートは初期費用が高い傾向にあり、ブログやSNSなどで「想像以上に費用がかかった」と後悔を感じている方が見受けられます。
ガス給湯器とエコキュートの初期費用の相場は、以下のとおりです。
ガス給湯器とエコキュートの初期費用の相場
- ・ガス給湯器:10万~20万円
- ・エコキュート:30万~70万円
ただし、設置後の給湯にかかる光熱費については、ガス給湯器よりもエコキュートのほうが費用を抑えやすくなります。
ランニングコストに関しては「給湯にかかる光熱費を抑えられる」の章で解説します。
お湯切れのリスクがある
エコキュートは都度お湯を沸かすのではなく、基本的に夜間にお湯を沸かして貯湯タンクに貯める仕組みとなっています。
使用量によっては、貯湯タンクのお湯がなくなる「お湯切れ」を起こすリスクがあるのがネックです。
また、お湯を再度貯めることも可能ですが、時間がかかったり、日中に沸かし直すと電気代がかさんでしまったりする可能性もあります。
家族構成に合わない少なめのタンク容量を使用している場合はお湯切れを起こしやすく、ご家族がストレスを感じるかもしれません。
水圧が低下する可能性がある
ガス給湯器からエコキュートに変更する場合、水圧が低いことから物足りなさを感じるケースが見受けられます。
これは、水道管の水圧をそのまま利用できるガス給湯器とは異なり、エコキュートは一旦貯湯タンクに貯めるからです。
ガス給湯器とエコキュートの水圧の目安は、以下のとおりです。
水圧の目安
- ・ガス給湯器:500kPa程度
- ・エコキュート:180kPa程度
※「kPa(キロパスカル)」とは、圧力の大きさを示す単位です。
なお、水圧は170kPa以上あれば、家事や入浴をするのに問題ないとされているため、エコキュートで不便を感じる可能性は少ないでしょう。
動作音が騒音トラブルになる場合がある
エコキュートは稼働する際に、ヒートポンプユニット(室外機)から「ウーン」「ブーン」といった低周波音が鳴り、周辺環境によっては近隣住民の方と騒音トラブルになる場合があります。
エコキュートの動作音は40dB程度とされており、これは環境省の資料である「騒音の目安について」によると図書館の館内とほとんど同じです。
(参考:環境省|一般環境騒音について「騒音の目安について」)
図書館の館内と同等と聞くと静かな印象を受けますが、夜間に稼働するエコキュートを隣家の寝室近くなどに設置する場合、騒音トラブルが発生しやすくなります。
電力プラン変更の手間がかかる
エコキュートは、電気料金の安い夜から朝にかけてお湯を沸かして電気代を抑えるのが一般的です。
エコキュートを設置する際に、「電力プランを見直したい」と考える方も多いでしょう。
電気代を節約するには深夜電力が割安になるプランへ変更する必要があることから、手続きに手間を感じる場合があります。
また、近年は電力自由化によって料金プランが複雑化している傾向にあり、最適なプランを探したり、比較したりするのにも時間が必要です。
使用できる入浴剤が限られる
入浴剤の成分がヒートポンプユニット内部で蓄積すると故障の原因となるため、エコキュートではメーカーが推奨する入浴剤を使用する必要があります。
「お気に入りの入浴剤が使えない」「お風呂のリラックスタイムが満喫できない」と後悔を感じる方もいるかもしれません。
なお、入浴剤に制限があるのはお湯を循環させる「フルオートタイプ」で、以下の種類では好きな入浴剤を利用できます。
入浴剤に制限のないエコキュートの種類
- ・セミオートタイプ:自動でお湯張りする
- ・給湯専用タイプ:手動で給湯する
入浴剤にこだわりのある方やバスタイムを大切にしている方は、エコキュートの種類を踏まえて検討しましょう。
設置するのにスペースが必要になる
エコキュートは「貯湯タンク」と「ヒートポンプユニット」で構成されており、設置するには屋外に一定のスペースが必要です。
メーカーによっても異なりますが、貯湯タンクとヒートポンプユニットのサイズの目安は以下のとおりです。
貯湯タンクとヒートポンプユニットのサイズの目安
- ・貯湯タンク:高さ1,800〜2,200mm/幅430〜700mm/奥行630〜800mm
- ・ヒートポンプユニット:高さ650〜720mm/幅800〜900mm/奥行300〜360mm
貯湯タンクは容量の大きさに比例してサイズがかさむため、ご家族の人数が多い場合には広いスペースが必要になることを考慮しましょう。
エコキュートのスペースによって人が通りづらくなるケースもあるため、どの程度場所をとるかをあらかじめシミュレーションしておくことが大切です。
停電時にお湯を沸かせない
エコキュートの利用には電気が必要であり、停電時にはお湯を沸かせません。
ただし、貯湯タンクに貯まっているお湯は使えるため、短時間の停電であれば問題ないでしょう。
停電時にもお湯を沸かせるようにしたい場合は、エコキュートとあわせて太陽光発電と蓄電池も導入することをおすすめします。
■エコキュートを導入するメリット
続いて、エコキュートを導入するメリットを解説します。
デメリットよりもメリットが上回る方は、エコキュートの設置を検討してみてください。
給湯にかかる光熱費を抑えられる
エコキュートは空気中の熱を利用して効率よくお湯を沸かす仕組みなので、給湯にかかる光熱費を抑えられるのが魅力です。
使用量や地域など条件によっても異なりますが、他の給湯器と比較して光熱費を3分の1程度に抑えられるとされています。
また、割安な深夜電力を利用してお湯を沸かしている点も、エコキュートが光熱費を抑えやすい理由の1つです。
断水・停電時に生活用水として活用できる
エコキュートの貯湯タンクに貯まっているお湯・水は、断水・停電時に生活用水として利用でき、非常事態の際にも頼りになります。
生活用水とはトイレ・手洗い・洗濯などに使う水のことで、エコキュートによって「トイレの水が確保できない」といったストレスを回避できるのがメリットです。
なお、エコキュートのお湯・水は飲用水には適さないため、断水・停電時においても飲むのは避けましょう。
火災のリスクが少ない
ガスを使うガス給湯器と比較すると、エコキュートは電気を利用するので火災のリスクが少なくなります。
また、ガス給湯器は不完全燃焼を起こすと一酸化炭素が発生するのに対して、エコキュートは火を使わないため、一酸化炭素中毒の心配もありません。
これらの特徴から、エコキュートはお子さまやご高齢なご家族がいる場合にも、安心して利用できます。
補助金で費用負担を軽くできる可能性がある
エコキュートは「初期費用が高め」というデメリットがあるものの、国や自治体の補助金を活用して費用負担を軽減できる可能性があります。
補助金には上限や期限が設定されているのが一般的であり、エコキュートの設置を検討しはじめた段階で、利用できる補助金がないかチェックしましょう。
また、補助金の申請手続きを施工業者が実施する場合もあるので、施工業者が補助金申請に対応しているかを確認しておくことも大切です。
太陽光発電・蓄電池と相性がいい
エコキュート・太陽光発電・蓄電池の3つを組み合わせると、大幅な光熱費削減につながる可能性があります。
これは、蓄電池に太陽光発電でつくった電気を貯めておくことで、時間を気にせずエコキュートを使えるためです。
太陽光発電・蓄電池を設置すれば、給湯にかかる光熱費だけではなく、家全体の光熱費の節約に役立ちます。
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環境への負荷を軽減できる
ガスを使用しないエコキュートはCO2排出量が少なく、環境への負荷を軽減できます。
加えて、エコキュートでは熱を温度の低いところから高いところへ移動させるために使用する「冷媒」に、自然にある二酸化炭素を使用しているのも特徴です。
人工的につくられたフロン系の冷媒はオゾン層の破壊につながりますが、自然冷媒のエコキュートは環境にやさしい給湯器だといえます。
便利機能でご家族が安心して利用できる
メーカーによっても異なりますが、エコキュートには以下のような便利機能が搭載されている製品があります。
エコキュートの便利機能の例
- ・見守り機能:ご家族のお湯の使用状況をチェックできる
- ・通話機能:キッチンと浴室で会話ができる
- ・スマホ連携:スマートフォンから遠隔でお湯張りなどができる
- ・除菌機能:深紫外線でお湯を除菌する
見守り機能を備えたエコキュートを選ぶと、お子さまやご高齢なご家族の入浴をチェックでき、事故防止に役立ちます。
保証期間を延長できる
エコキュートは保証料を支払うと1〜5年のメーカー保証を最大10年間まで延長できることから、修理費用がかさむリスクを軽減できます。
なお、エコキュートの通常のメーカー保証期間は、以下のとおりです。
エコキュートの通常のメーカー保証期間
- ・リモコンユニット:1〜2年
- ・ヒートポンプユニット:3年
- ・貯湯タンク:5年
保証期間を延長するために必要な保証料はメーカーによって異なるので、購入前に確認しておきましょう。
■エコキュートの後悔しない選び方
最後に、エコキュートの後悔しない選び方をご紹介します。
ライフスタイルや家族構成を踏まえながら、それぞれのポイントをチェックしていきましょう。
ライフスタイルを考慮して電力プランを決める
エコキュートは料金が割安な深夜電力を活用してお湯をつくるため、夜間の料金が安くなる電力プランを契約するのが一般的です。
ただし、夜間の料金が安くなる電力プランの場合は、日中の料金が高くなる傾向にあり、昼間などに多くの電力を消費するご家庭は注意する必要があります。
どのような時間帯に電気を利用しているかご自身のライフスタイルを振り返って、最適なプランを選びましょう。
また、光熱費を節約したいと考える方は、太陽光発電・蓄電池の設置も検討しましょう。
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家族構成に合ったタンク容量を選ぶ
エコキュートでお湯切れを起こさないためにも、家族構成に合ったタンク容量を選択しましょう。
家族構成別のタンク容量の目安は、以下のとおりです。
家族構成別のタンク容量の目安
- ・2〜4人:370L
- ・4〜5人:460L
- ・6〜7人:550L
ただし、5人家族で頻繁にお湯を使う場合には460Lよりも550Lのほうがいいケースもあり、施工業者に相談してから選ぶのがおすすめです。
2階以上の場合は高圧タイプを検討する
浴室やキッチンが2階以上にある場合には、高圧タイプのエコキュートを選択すると、水圧面での後悔を回避しやすくなります。
一般的なエコキュートの水圧が180kPa程度であるのに対して、高圧タイプの水圧は300kPa前後で、2階や3階でお湯を利用する場合にも快適です。
また、シャワーの水圧が弱いケースでは、シャワーヘッドを低圧用タイプに変更する方法もあります。
周辺環境を踏まえて設置場所を決める
エコキュートの動作音によるトラブルやストレスを回避するためにも、周辺環境を踏まえて設置場所を決めましょう。
エコキュートの設置に向いていない場所の例は、以下のとおりです。
エコキュートの設置に向いていない場所の例
- ・寝室付近
- ・隣家に近い場所
- ・音が反射するような狭いスペース
また、フルオートタイプの場合、浴室とエコキュートの距離は最大15m以内であることが推奨されています。
国や自治体のリフォーム補助金を活用するとお得に導入できますので、施工業者に相談するのがおすすめです。
■まとめ
エコキュートを導入する際には、高額な初期費用がかかったり、水圧が物足りなかったりして後悔する可能性があります。
一方で、エコキュートには「光熱費を抑えられる」など多くのメリットがあるので、メリット・デメリットを比較しながら検討しましょう。
戸建てやマンションのリフォーム・リノベーション時にエコキュートを導入するなら、デメリットを丁寧に説明してくれて、解決策も提案してくれる信頼できる施工業者を選びましょう。
国や自治体の給湯設備等の導入補助金もありますので、導入プランを施工業者に相談しながら検討するのがおすすめです。
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