公開日:2023-08-13 更新日:2024-12-19
『平屋の中古住宅を買いたい』物件選びのポイント・注意点を詳しく解説
ゆったりとした住空間とバリアフリーな暮らしが手に入る「平屋」。
近年、新築の建築棟数が増えていると同時に、中古住宅市場においても人気が高まっています。
そのため、物件探しの際に平屋を見つけると“即買い”したくなりますが、ちょっと待ってください!
じっくり検討しないと後悔してしまうかもしれません。
そこで、今回は「平屋中古住宅」を選ぶ際のチェックポイントや注意点を紹介します。
平屋の魅力についてもお話ししますので、どんな住宅を購入するか決めかねている方も、ぜひ参考にしてください。
・平屋住宅が人気な理由は、性能面・生活面・持続可能面においてメリットがあるからです。
・中古の平屋住宅を選ぶ際には、間取りや価格だけではなく、土地の特性や構造まで、入念にチェックする必要があります。
・中古物件の物件探しから資金計画、リノベーションの設計施工までをトータルでプロにサポートしてもらえるSHUKEN Reの「ワンストップリノベーション」がおすすめです。
目次
平屋の中古住宅が人気な理由やメリットは?
国土交通省の建築着工統計調査によると、2022年に新築された居住専用住宅422,100棟のうち、1階建て、つまり平屋の住宅は57,022棟(約13%)あるとされています。(参考:国土交通省|建築物着工統計・2022年)
一見少ないと感じる方もおおいかもしれませんが、2012年の6%と比べると、かなり増えていることが分かります。(参考:国土交通省|建築着工統計・2012年)
つまり、それだけ平屋住宅の人気が高まっているということです。
では一体、平屋住宅の魅力とはどのような点なのでしょうか。
その①「耐震性・耐風性が高い物件が多い」
平屋は、2階建て以上の住宅よりも、耐震性・耐風性に優れています。
なぜなら、建物が高ければ高くなるほど重心が上がり、地震力や風力が加わった際に、揺れが大きくなるからです。
その点、平屋住宅の最高高さは10mで、さらに上層階の荷重がなく2階以上よりも軽量なので、地震による破損・倒壊を抑えられます。
建物高さが低いということは、台風などの強風による被害も受けにくいということです。
その②「老後まで住み続けられる」
2階建て以上の住宅ですと、老後に足腰が不自由になって暮らしにくくなる可能性は否めません。
ホームエレベーターや階段昇降機を後付けできるスペースがあればいいのですが、都心部の住宅ですとそれが難しい可能性もあります。
その点、平屋は階段がないため、将来車椅子の生活になったとしても、バリアフリー化しやすく、引越しを余儀なくされることが少ないでしょう。
また、小さなお子さんがいるご家庭でも、常に様子を見守れるため、安心して子育てできます。
つまり、若い世代から高齢世代まで、長い期間住み続けられるということです。
ライフスタイルや家族構成に合わせて転居を繰り返すよりも、トータルの住宅コストを抑えられるかもしれません。
その③「家事動線をコンパクトにできる」
「1階のランドリールームから2階のベランダに干しに行く」「2階の寝室に子供を起こしに行く」など、2階以上の住宅ですと、家事をこなす上でどうしても上下階を行き来しなくてはいけません。
その点、平屋はワンフロアで生活が完結するため、フロアを移動する必要がなく、家事負担を軽減できます。
ただし、廊下が長く回遊性のない間取りでは、平屋でも目的を果たすために遠回りしなくてはいけない可能性もあるため、リノベーションで改善する必要があるでしょう。
その④「土地が広くゆったりと暮らせる」
建築基準法では、敷地面積に対して建物を建てられる面積の割合が決められています。
これが、「建蔽(けんぺい)率」です。
この割合は、都市計画法の中で指定されている用途地域によって異なり、住宅系のエリアですと40〜60%です。
例:建蔽率上限が60%で延床40坪(約120㎡)の住宅を建てたい場合
2階建て = 30坪(約100㎡)以上の土地が必要
平屋 = 60坪(約200㎡)の土地が必要
つまり、平屋で生活に必要なスペースを確保するためには、2階建てよりも広い土地が必要になります。
そのため、平屋の中古住宅は、屋外がゆったりしており、庭や駐車場スペースが充実している物件が多いのです。
ここで注意しなくてはいけないのが、土地が広いということはその分、物件価格は同じ床面積の2階建て住宅よりも高くなる可能性が高いという点。
ただし、不動産価値は家屋(建物)よりも土地の方が下がりにくいため、エリアによっては長期的に見ると資産化できるという考え方もあるでしょう。
中古住宅でしたら、物件価格が新築よりも低いため、お得に平屋住宅を手に入れられます。
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平屋の中古住宅を選ぶ際のチェックポイントや注意点は?
事例を見る:Case154「Magical Renovation」
中古住宅の市場において、平屋は2階建て住宅よりも物件数が少ないため、見つけるとすぐに買いたくなってしまうかもしれません。
しかし、チェックポイントをしっかり押さえないと、住み始めてから後悔してしまいます。
では、特に重要な9つのポイントについて、詳しく見てみましょう。
その①「リノベーションで直せない致命的な問題がないか」
いくら立地や価格の条件を満たしていても、長期間住める状態でなければ意味がありません。
難しいのが、「古い=丈夫ではない・新しい=丈夫」とは限らないという点です。
築年数が古くても、きちんとメンテナンスされた家は劣化がそれほど進んでいないかもしれませんし、逆に築浅の物件でも構造体まで及ぶ不具合がある可能性は十分考えられます。
大切なのは、不具合や劣化がリノベーションによって直せるかを見極めることです。
建築基準法上は、主要構造部(壁・柱・床・梁・屋根・階段など)の一種以上を大規模に修繕もしくは模様替えする場合は、「建築確認申請」をしなくてはならず、工期が長期化してしまいます。(参考:建築基準法・第二条「用語の定義」)
建築確認申請が不要であっても、主要構造部の複数箇所を改修するとなると、工事がかなり広範囲に及ぶため、費用も増えてしまうでしょう。
費用がかさむほど中古住宅のメリットであるコスパが落ちてしまうため、購入を決める前にホームインスペクション(住宅診断)を受け、致命的な問題がないかを確認することがポイントです。
インスペクション費用は5〜7万円程度かかりますが、買ってからリノベーション費用がかさむよりお得ですよね。
物件探しの段階から建築的アドバイスをくれるリノベーション会社へ相談すれば、リノベーションの予算も立てやすくなるのでおすすめです。
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その②「日当たり・通風は良好か」
土地にゆとりがある郊外は別として、都心部の住宅地においては、周囲が2階建て以上の建物に囲われている可能性が極めて高いでしょう。
そうなると、建物高さの低い平屋は、日中の長時間、日陰になってしまうかもしれません。
また、風通しが悪いと、湿気がこもりやすく、構造部のシロアリ被害や腐朽を招いてしまいます。
隣近所に、物件より高い木が生えていないかもチェックポイント。
大量の落ち葉が屋根の上に落ちると、屋根材・雨樋の劣化が早まり、雨漏りをもたらしかねません。
できれば、時間帯・天候の異なるタイミングで複数回現地を訪れてみましょう。
その③「地面が湿っていないか・水捌けが悪くないか」
いくら住宅の条件が良くても、地面が常に湿っていたり、雨が降ると大きな水溜りができる敷地には要注意。
なぜなら、地面の水捌けが悪いと、床下の湿度が上がって土台や床組がシロアリに食われたり、腐ってしまうからです。
床下換気扇の設置や防蟻処理などである程度は湿気を軽減できますが、土地の状態によっては、それだけでは焼石に水の可能性もあります。
雨が降った後に現地を見に行くか、日陰になる時間帯の長い北面を中心に外部を確認してください。
その④「床面積が足りているか」
一般の方に多いのが、間取り図の表記だけで広さを想像してしまうケースです。
例えば、ファミリー世帯ですと3LDKあれば大丈夫と思う方も多いですが、それぞれの部屋が狭いと、いざ住み始めてから息苦しさを感じてしまうかもしれません。
そのため、物件を探す際には、必ず必要な床面積が確保できるかチェックしてください。
ここで参考になるのが、国土交通省の発表している「最低居住面積水準」と「誘導居住面積水準」です。(参考:住生活基本計画における「水準」について)
【最低居住面積水準】「世帯人数に応じて、健康で文化的な住生活の基礎として必要不可欠な住宅の面積に関する水準」
1人世帯 | 2人世帯 | 3人世帯 | 4人世帯 |
25㎡ | 30㎡(30㎡) | 40㎡(35㎡) | 50㎡(45㎡) |
※()内は、そのうち未就学児童が1名いる場合の面積
【誘導居住面積水準・一般型(戸建住宅)の場合】「世帯人数に応じて、豊かな住生活の実現の前提として、多様なライフスタイルを想定した場合に必要と考えられる住宅の面積に関する水準」
1人世帯 | 2人世帯 | 3人世帯 | 4人世帯 |
55㎡ | 75㎡(75㎡) | 100㎡(87.5㎡) | 125㎡(112.5㎡) |
※()内は、そのうち未就学児童が1名いる場合の面積
在宅ワークをする方や、ご自宅で趣味の時間を楽しみたい方は、「誘導居住面積水準」を参考にしてください。
そうすることで、住み始めてから“狭い”と後悔するリスクが抑えられます。
その⑤「水害のリスクは高くないか・土砂災害警戒区域内ではないか」
平屋住宅は、生活空間の全てが1階に集約されているため、床下浸水や床上浸水の際に生活を継続することが難しくなります。
完全に水害リスクをゼロにすることはできませんが、できるだけ被害を受けにくい立地を選びましょう。
加えて、土砂災害警戒区域にも注意が必要です。
2階建て以上の住宅と比べると、平屋は被害が大きくなってしまいます。
水害リスクや土砂災害リスクの高いエリアは、国土地理院の運営している「重ねるハザードマップ」で概略を確認できますので、ぜひ参考にしてください。
(引用:重ねるハザードマップ)
その⑥「液状化リスクはないか・地盤改良されているか」
東京・千葉・神奈川で中古物件を探す場合は、必ず「液状化リスク」についても確認しましょう。
液状化は、主に同じ成分や同じ大きさの砂からなる土が、地下水で満たされている場合に発生しやすいといわれています。
そのような砂でできた地盤は砂の粒子が結びついて支えあっていますが、地震発生で繰り返される振動により、地中の地下水の圧力が高くなり、砂の粒子の結びつきがバラバラとなって地下水に浮いたような状態になります。
これが液状化です。
このような状態となると、水よりも比重が重い建物が沈んだり、傾いたりします。水の比重よりも軽い下水道のマンホールなどが浮き上がる場合があります。
液状化現象は、砂質地盤や河川・海に近いエリアで起こりやすいとされており、発生すると基礎が地表より浅い部分に埋められている木造住宅は、傾斜・沈下して、日常生活が送れなくなってしまうリスクがあります。
この液状化リスクのあるエリアは、各自治体のHPなどでマップとして公表されているため、候補のエリアが決まったら、必ず詳細を確認してください。(参考:東京都建設局|東京の液状化予測図 令和3年度改訂版)
その⑦「防犯面での配慮が足りているか」
平屋住宅の場合は、外からアクセスしやすい場所にいくつもの窓があるため、特に防犯面への配慮が欠かせません。
敷地境界に建てられている塀によって隠れやすい場所ができていないかや、樹木の裏に人が隠れられる場所がないかなどを確認しましょう。
簡単に変えられる場所であればいいのですが、隣家との間が狭い部分や、勝手口など侵入しやすい場所がある場合は、根本的な解決が必要です。
お手軽な方法ですと、侵入が心配な場所の屋外に砂利を敷くのもおすすめです。(参考:警視庁|侵入窃盗の防犯対策)
その⑧「外部からプライバシーを守れるか」
2階建て以上の場合はバルコニーに洗濯物を干しても道路から見えることを心配する必要はありません。
しかし、平屋の場合は庭の位置などによっては洗濯物が丸見えになってしまうことも。
また、南面が接道しており、そちらに庭がある場合は、開放的で日当たりのいいLDKにしたくても、窓から覗かれないか心配になる方も多いでしょう。
家の裏側に庭があっても、隣家の2階から丸見えであれば、それもやはり気になります。
そのため、特にプライバシー性を重視する方は、その家が周りからどのように見えるのかを確認してください。
その⑨「理想の間取りが実現可能か」
最後にチェックするポイントは、ズバリ「理想の間取りがリノベーションで実現できるか」という点です。
いくら機能面で問題がなくても、構造計画によって広々としたLDKができなかったり、完全なバリアフリーが叶わない可能性もあります。
そのため、物件探しの段階から“理想の間取りや求める機能”をリストアップし、それを踏まえて物件探しをしなくてはいけません。
ただし、それにはやはり建築的知識が必要です。
物件探しからリノベーションの設計施工までトータルでサポートしてくれる会社をおすすめします。
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売り出される中古住宅が増えている昨今、一般の方がその中から理想に合った好条件の物件を探すことは至難の業です。
残念ながら、購入してから“後悔”してしまう方は少なくありません。
そこでおすすめなのが、建築の知識が豊富な会社に物件探しをサポートしてもらう方法。
一般の方が見ただけでは気づきにくい欠陥や劣化も見つけてもらえますし、どれほどのリノベーションで直せるのかも提案してもらえます。
物件購入費用とリノベーション費用を合わせたトータルコストが把握しやすい点もポイントです。
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中古住宅を購入してリノベする流れを解説|ワンストップの魅力とは
まとめ:間取りだけではなく土地や性能までチェック!
人気の高まっている平屋住宅。
中古住宅の市場においても、物件数が年々増えています。
ただし、物件を選ぶ際には、間取りだけでなく、住宅の性能や土地の特性までもれなくチェックしなくてはいけません。
また、リノベーションでどこまで変えられるかを見極めて、物件価格+リノベーション費用のトータル的な予算組みも必要です。
しかし、それらを一般の方がご自身でやるのはとても大変ですよね。
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