公開日:2023-05-16 更新日:2024-12-19
中古住宅のホームインスペクションは購入後にリノベーションする場合でも必要?
中古住宅を購入するときの不安点として挙げられるのが、建物の劣化や不具合の程度ではないでしょうか。
購入後にリノベーションを行う場合、住宅にどのような不具合があるかによって費用に大きな差が出たり、希望する内容の工事ができないこともあります。
事前にホームインスペクション(住宅診断)を行うことで、住宅の欠陥の有無や不具合の内容を第三者の視点でチェックしてもらえるため、より詳細なリノベーション計画を立てることができます。
しかし、費用をかけてまで診断してもらう必要性はあるのかと思う方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、中古住宅購入後にリノベーションを行う際の、ホームインスペクションの必要性をお伝えします。
・物件を購入する前の最終的な判断の際に、ホームインスペクションは有効です。
・中古住宅購入後にリノベーションを行う場合でも、リノベーション計画を立てる際にホームインスペクションを受けることもできます。
・ホームインスペクションは、受ける目的を明確にして適切なタイミングで依頼することがポイントです。
■ホームインスペクション(住宅診断)とは?
ホームインスペクションとは住宅診断とも呼ばれ、その名の通り住宅に劣化状況や不具合などを検査することです。
住宅に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が、第三者目線で客観的に住宅の状態を判断します。
ホームインスペクションを行うと、次のようなことがわかります。
- ・不具合のある建物ではないか
- ・住宅の劣化はどのくらい進んでいるのか
- ・すぐにリフォームが必要な箇所はどこか
中古住宅を購入する際の内覧の際に、自分たちだけで物件を見ても建物の不具合に気付かないケースがほとんどです。
ホームインスペクションをすることで、その物件のコンディションが客観的にわかるため、購入の検討やリフォーム内容の詳細な打ち合わせができます。
検査内容
ホームインスペクションでは、具体的に次のような項目を検査します。
- ・外周り(屋根・外壁・バルコニー・基礎等)
- ・室内(壁・床・天井・階段・サッシ・ドア等)
- ・床下(束・土台・基礎の内側等)
- ・小屋裏や天井裏(梁・桁・小屋組・野地板等)
- ・設備(給排水・給湯・換気・火災報知器等)
▶参考ページ:診断項目・報告書 – 日本ホームインスペクターズ協会
壁や天井を剥がしたり足場を掛けたりすることはしないため、基本的には目視による診断です。
屋根や天井裏、床下などは見える範囲で判断します。
そのほかに、一般的に使われている計測機器を使って計測・触診・打診を行うことや、器具等の作動確認も行います。
より詳細な診断を希望する場合は、ホームインスペクターが床下に潜ったり専門的な機械を使ったりして調査することも可能ですが、オプション扱いのケースがほとんどです。
▶参考ページ:既存住宅インスペクション・ガイドライン|国土交通省
検査費用
一般的な戸建て住宅の検査費用は5~7万円が相場です。
ただし、専門的な機械などを使った詳細な検査を希望する場合は、10万円を超えることもあります。
各調査会社によって異なりますので、不動産会社やリフォーム・リノベーション会社に紹介してもらい、費用を比較してもよいでしょう。
ホームインスペクションの詳細については、こちらのコラムもぜひチェックしてみてくださいね。
・中古住宅購入前に検査は必要?気になるホームインスペクションと検査内容
・中古物件を購入する際に知っておきたい「ホームインスペクション」とは?|“不要”“必要ない”というのは本当?メリット・費用について徹底解説
■中古住宅をリノベーションする場合もホームインスペクションすべき?
中古住宅を購入後に、リフォームやリノベーションを予定している方も多いですよね。
このケースでも、ホームインスペクションを検討することもあります。
リノベーション前にホームインスペクションをするメリット
中古住宅を購入する前にホームインスペクションを行うことで、その建物を購入すべきかの最終的な判断材料になることは先ほどご説明しました。
もし、ホームインスペクションをして大きな修繕が必要とわかった場合、他の物件を購入する場合と比較して、どちらが理想の暮らしが実現できそうか、どれくらいの費用の違いになりそうか想定することができます。
診断を行うことで、より具体的に必要なリフォーム・リノベーションの内容や費用を知るためにも役立ちます。
リノベーション前提で中古住宅のホームインスペクションするときのタイミング
中古住宅を購入してリノベーションする場合、ホームインスペクションをおすすめするのは次のタイミングです。
- ・中古住宅の申し込みから契約までの期間
- ・契約から引き渡しまでの期間
中古住宅を購入する前にホームインスペクションを行うなら、申し込みをしてから契約までの間、もしくは契約から引き渡しまでの間に実施することをおすすめします。
ホームインスペクションは1回ごとに費用がかかりますので、複数の物件で行うことはなるべく避けたいですよね。
購入の申し込みの段階なら、その中古住宅の購入を前提に実施することができるので、ホームインスペクションを行っても無駄にはならないでしょう。
建物の構造体や床下などの状態が解体してみなければ判断が難しい場合や、どの程度のリノベーションをすべきかを決めかねている場合などは、引き渡し前のタイミングのホームインスペクションが適しています。
■中古住宅のホームインスペクションする際の注意点
中古住宅のホームインスペクションを行うなら、次の点に注意しましょう。
すべての不具合や欠陥を発見できるわけではない
ホームインスペクションは基本的に目視で検査をするため、必ずすべての不具合や欠陥を発見できるわけではありません。
大きな不具合がないと診断結果が出たから購入したのに、リノベーションのために解体をした際に新たな不具合が発見されるということもあります。
100%確実な診断ではないことを理解し、余裕をもったリノベーション費用の予算組みを行うようにしましょう。
他の購入者を優先されてしまうことがある
他にも同じ中古住宅を検討する人がいる場合、ホームインスペクションをしない購入者との契約を優先されてしまうこともあります。
売主が早く売りたいと思っている場合は、ホームインスペクションには1〜2週間かかるため、それまでに契約を進められる人が選ばれることがあります。
また、ホームインスペクションをするには、売主の了承が必要です。
売主の中には、ホームインスペクションをすることがリスクになると考えている方もいるため、ホームインスペクションを行うこと自体を断る場合もあります。
ホームインスペクションは必須ではありませんので、物件の状況に応じて必要性を判断する必要があります。
解体してからでないと建物の正確な状況が判断できない場合もあります。
物件探しの段階から“リノベーション向きの不動産知識が豊富な建築のプロ”にサポートしてもらいながら、リノベーション前提の物件探しをするのがおすすめです。
■まとめ
中古住宅のホームインスペクションは必ず行わなければならないものではありません。
しかし、診断を受けることで中古住宅を購入する際の判断材料になったり、リノベーションの計画をより具体的にすることができます。
自分にとってのメリット・デメリットを考えて、ホームインスペクションを実施するかを検討してくださいね。
また、物件探しの段階から“リノベーションを前提とした物件探しのプロ”に任せられるとより安心です。
信頼できる「ワンストップリノベーション」の会社に相談して、物件探しからリノベーションの設計・施工までアドバイスももらいながら購入計画を進めるとよいでしょう。
“SHUKEN Re”では、これまで培ったリノベーション前提の物件探しのノウハウと、豊富なリノベーション実績で得た建築の知見を踏まえて、お客様の理想の中古物件探しのお手伝いをしております。
オンラインでの無料相談も承っておりますので、「中古住宅を購入してリノベーションしたい」「ホームインスペクションについて詳しく知りたい」という方は、どうぞお気軽にご相談ください。