公開日:2022-10-11 更新日:2024-12-19
中古住宅をリノベーションする費用を予算内に抑える為のポイント
中古住宅を購入してリノベーションし、理想の住まいを手に入れるという方法には、新築住宅より予算を抑えられるという良さがあります。
ただ、中古住宅の選び方やリノベーションの内容によっては、新築住宅と変わらないほどの費用がかかってしまうことも、予算内ではできたが理想の住まいにはならなかったというようなことも起こる可能性があります。
中古住宅をリノベーションする費用を予算内に抑える為には、どのような注意が必要なのでしょうか?
・築年数と家の状態によって変わるリノベーションの方法が分かります。
・リフォームの内容によっては中古住宅を安く購入してもトータルして注文住宅新築より高額になることがあります。
・全体の費用を抑える為にはリノベーションの内容に優先順位を決めておく必要があります。
・リノベーションを依頼する会社によって工事の品質と費用が変わります。
目次
中古住宅の価格は上昇気味
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中古住宅の価格は東京都では2021年度の9月、2022年度の2月に下落したものの、現在は上昇し続け、東京カンテイプレスリリースによると、2020年8月の段階では、前月比+8.1%で3,902万円という平均価格でした。
引用:東京カンテイ プレスリリース / 中古一戸建て住宅平均価格 2022年9月8日
今後の動向は専門家によって意見が様々で見通しはつきにくいのですが、現在の需要の高まりからみれば、上昇が続く傾向にあるのではないかと考えられます。
需要が高まっている理由には、コロナやウッドショック、ウクライナの紛争などにより、木材をはじめとする建築資材が高騰し、新築戸建て住宅の価格が年々上がっていることが挙げられます。
さらに、首都圏においては利便性の良い土地は見つからない、見つかったとしても高額すぎて手が出ないといった事情も考えられます。
2021年のフラット35の利用者調査では、首都圏での土地付き注文住宅にかかった平均的な所要資金は、5,133万円であるのに対し、中古住宅は3,152万円でした。そしてそのどちらも2020年度よりも上昇しています。
引用:住宅金融支援機構 2021年度 フラット35利用者調査
注文住宅の場合は、住宅性能の高さや建材など家そのものにかける費用と土地の価格で家づくり全体の費用が変わります。
一方、中古住宅の場合は、築年数と中古住宅の状態によって、リノベーションにかかる費用が変わります。
その為、費用を抑える為には、リノベーションの費用を抑えられる築年数と家の状態を見極めることが重要なポイントです。
築年数と家の状態によって変わるリノベーションの方法の違い
リノベーションは築年数と家の状態によって工事の方法が変わります。
築30年以上で家の状態が悪い場合:リノベーション費用は1,500万円以上
外壁、内装共にボロボロ、断熱性なし、耐震性は低い、給排水管も交換が必要、日当たりと風通しが悪いといった状態の中古住宅の場合には、構造部と基礎以外はすべて取り除くリノベーションが必要です。
絶対に住むのは無理だろう…と思われるような小屋でも蘇らせることができます。
新築以来ほとんど手を入れず住み続けてきた、新築時は周辺には2階建てと平屋の住宅しかなかったが、マンションが増え日当たりと風通しが悪くなっているというような住宅は、古屋付きの土地として更地よりも安く購入できる可能性もあります。
中古住宅の場合、築25年を過ぎると価格の下落がほぼ止まりますが、住宅の状態が悪く、取り壊ししか選択肢がないというような住宅は古屋とされ、土地の価格だけ、又は更地より安く査定されることがあるからです。
このような住宅には構造部の徹底的な耐震改修をして耐震性を確実にする、壁を取り払い日当たりと風通しを確保できる位置とサイズの窓を設けるなどのリノベーションをすることで暮らしやすさを得られます。
ただ、このリノベーションは非常に費用が嵩みます。
耐震補修に関わる費用は抑えられませんが、断熱材や窓、住宅設備機器、外壁や屋根、内装に使う建材によって費用が変わります。
少なくとも1,000万円以上かかり、2,000万円に上ることもあります。
2021年度の首都圏での平均的な中古住宅の価格3,152万円で購入し、2,000万円のリノベーション費用をかけると、平均的な土地付き注文住宅の価格5,133万円とほぼ同じになってしまいます。
この場合、中古住宅の購入価格は平均的な中古住宅の価格3,152万円よりも低い可能性が高いですが、全体の費用が注文住宅の新築に近くなることは否めません。
利便性の良い土地という面から考えて、ここしか選択肢がないという物件の場合にはこの方法も選択肢の一つです。
築30年以上で家の状態が良い場合:リノベーション費用は1,300~1500万円
家の状態が良い場合、構造部と外壁を残すリノベーションをします。
内容は、耐震改修、断熱改修、外壁塗装や屋根の葺き替え、間取り変更、給水管の交換です。
築30年以上の家では耐震改修は外せません。
ただ、定期的にメンテナンスやシロアリ消毒をしてきた住宅では、構造部に腐朽やシロアリ被害がない、又は少ないため、耐震改修にかかる費用がボロボロの住宅より抑えられます。
加えて、屋根や外壁を取り外さず、再塗装や葺き替えをするだけなので、外壁を取り除くリノベーションより費用を抑えられるからです。
ただ、この時代に建築された住宅には、現在のライフスタイルに合わない間取りと、断熱性の低さという問題があります。
現在は居室を細かく分けずリビング中心の間取りが人気です。
この間取りは現在の家族の暮らし方に合っていると共に、空気を循環させる間取りなので断熱性が高ければ、冷暖房の効率を上げ、省エネに貢献しやすい間取りでもあります。
その為、間取り変更と断熱性の確保は必須です。
また、給排水管を交換する為、水回りの位置も動かせます。
断熱材や住宅設備機器、外装に使う塗料や内装の建材のグレードを標準にし、リノベーション費用を1,300万円に抑えられれば、平均的な中古住宅の価格3,152万円で購入した場合、土地付き注文住宅を新築するより全体の費用が抑えられます。
築20年以上で水回りの位置を動かさない場合:リノベーション費用は1,000万円前後
築20年以上の住宅では外壁と屋根の塗装、クロスやフローリングの張替え、水まわりの位置は変更しない間取り変更、住宅設備機器の交換、断熱改修、耐震改修など、全体的なリノベーションをします。
外壁や内装の傷みが激しくても、給水管の交換や大掛かりな耐震補修は必要ないことがほとんどです。
また、中古住宅の購入価格も20年を過ぎると下落しきるので、平均価格より安い可能性が高いです。
築10年以上で外壁や屋根の塗装が必要なく水回りの位置を動かさない場合:リノベーション費用は数百万年
天井や壁のクロスやフローリングなど内装の張替え、住宅設備機器の交換、水回りの位置は動かさないリノベーションをします。
この場合、塗り壁にする、無垢材のフローリングにする、グレードの高い住宅設備機器にする、オール電化にするなど、住宅のグレードアップを図ると1000万円近くかかってしまうこともあります。
標準的なリノベーションであれば、数百万円で暮らしやすい家に生まれ変わらせることができます。
中古住宅の価格は築22年までは毎年平均的に下落していきます。従って築10年程度の中古住宅の価格は、平均的な価格より高くなります。
築10年以下で住宅設備機器の交換をしない場合:数十万円
外壁や屋根の塗装、内装の張替え、住宅設備機器の交換などをせず、ハウスクリーニングだけという場合には、10万円以下ですみます。
一方、水回りの住宅設備機器は衛生用品なので交換したいとなると、浴室やキッチンにそれぞれ100万円程度、洗面台やトイレも入れると全部で200万円程度かかります。
加えて、築10年以下の住宅はリノベーション費用をほとんどかけずに入居できる良さがありますが、購入価格は平均的な中古住宅の価格より築年数が浅いほど高額になっていきます。
中古住宅購入とリノベーションの費用を抑えるポイント
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中古住宅は築浅で状態が良ければリノベーションの必要がほとんどありませんが、購入費用が嵩みます。
築年数が長く住宅の状態が悪ければリノベーション費用が嵩みます。
中古住宅購入とリノベーションはセットで費用が決まるので、両方を合わせて予算内に収めなくてはなりません。
全体の費用を抑える為に必要なポイントを整理してみましょう。
住宅設備機器や内装の交換をしないと住む気になれない場合には築浅物件は避ける
どんなにきれいな家であっても他の人が住んでいた家に手を入れず住みたくはないという場合、築浅物件+リノベーションをすると、費用が嵩んでしまいます。
新築注文住宅より高額になることもあるでしょう。
リノベーションで住宅設備機器や内装を一新したいという希望がある場合には、木造住宅の法定耐用年数である築22年を過ぎていることを目安に中古住宅を選ぶことが費用を抑えることに繋がります。
とにかく安い中古住宅という観点だけで探すと失敗する
同じ地域にあり、同じような築年数の家であっても、販売価格が大きく異なる中古住宅には注意が必要です。
再建築不可物件であったり、同じ築年数の中古住宅に比べて住宅の状態が非常に悪かったりする恐れがあるからです。
初めから2,000万円程度リノベーションにかかることを想定している場合には、どんなに住宅の状態が悪くてもリノベーションで生まれ変わらせることができますが、1,000万円程度でリノベーションする予定であれば、予定外に費用が膨らむ結果になってしまいます。
リノベーションの内容の優先順位を決める
同じ床面積の中古住宅であってもリノベーションの費用はその内容によって大きく変わります。
全体のリノベーション費用の中で耐震と断熱に充てる予算は削ることができません。
一方、住宅設備機器や内装の素材は予算に合わせて削っても、自然災害への安全性と室温管理という観点からの省エネ性は損なわれません。
耐震改修:優先順位以前に絶対に削ってはいけない部分
断熱改修:暮らし始めてからの省エネ性に繋がるのでできれば高めておきたい部分:壁や床の断熱に力を入れるより、窓の断熱化の方が効果が高く費用を抑えられるなど、どのような方法で断熱改修をするか施工先と相談することが大切
住宅設備機器:標準仕様でも十分なので予算がオーバーする場合には高いグレードを選ばない
クロスやフローリング:自然素材が人気ですが、合成素材に比べると格段に費用が嵩みます。リビングだけ自然素材にする、無垢材の中でも価格を抑えられる樹種を選ぶなどの工夫が必要
予算オーバーしそうな場合には、絶対に譲れないことと削っても良いことのリストを作り、優先順位を明確にしておきましょう。
中古住宅探しの時点から専門家の手を借りる
暮らしやすい間取り、デザイン性の高い内装などはリノベーションを手掛ける会社によって大きく変わります。
ただ、それは結果であって、予算内で良い結果を出す為に最も大切なことは中古住宅選びです。
同時に中古住宅購入とリノベーションという組み合わせの中で、最も難しい部分が購入の際の中古住宅選びでもあります。
築年数だけでは測れない様々な要素がリノベーションの費用を変えるからです。
リノベーションを手掛ける会社の中には中古住宅選びから間取りや内装のプラン、リノベーション工事までの過程を全てワンストップでする会社があります。
ワンストップでする会社には2種類の会社があります。
全ての工程を自社で進める会社
プロデュースする会社
プロデュースする会社は、施工依頼を受けた後、デザイン、設計、工事などリノベーションに必要な業務を連携する会社に委託します。
その範囲までを自社でするかはその会社の方針によって異なりますが、他の会社に委託する分、自社でするよりも費用が嵩みます。
また、すべてを自社でするほどの連携がないこと、工事を委託する建築会社によって施工の品質が変わることなどの問題点があります。
全てを自社で進めるワンストップのリノベーション会社は、プロデュースする会社と比較すると、デザイン、設計、工事の品質が安定している、確実な連携力があるので伝言ゲームにならずプランから工事の仕上がりまで、こちらが希望したことが貫かれるという良さがあります。
予算と希望する中古住宅の立地条件、理想の住宅などを伝えた上で、全てを自社で進めるワンストップのリノベーション会社と一緒に中古住宅探しを進めることが、あらゆる失敗を防ぎ、理想の住まいの実現に繋がります。
中古住宅探しから理想の住まいの完成までをトータルしてお手伝いします
施工事例:海外のようなアンティーク感をまとう│詳しく見てみる
SHUKEN Reのワンストップリノベーションは、中古物件探しからスタートするワンストップサービスです。
家族だけで中古住宅を探してからさらにリフォームを依頼する会社を見つけるという方法は効率が悪い上に、予算オーバーになってしまったり、理想の間取りや内装にならなかったりする恐れがあります。
中古住宅購入とリフォームはセットで依頼するという方法が最も効率が良く失敗のない方法です。
中古住宅をリノベーションして家族の住まいにするという計画を効率よく進めるためには、物件探しからリノベーションまでを一括して依頼できる会社を探すことが早道です。
専門的な知識がないと判断し難い戸建て住宅の耐震性や、構造部の状態を把握した上での優良物件、家族の希望する間取りに変更可能な中古住宅に関する提案が受けられます。
提案された耐震や住宅の劣化状態に不安がなく、なおかつ理想の間取りが実現できる家の中から、家族が選んだ中古住宅を理想の家にする為の計画が作られていきます。
この方法であれば、後悔するような中古住宅を購入する心配がない上に、家族の暮らし方や価値観、好みに合った新しい住まいが実現します。
私たちSHUKEN Reは、中古物件探しからリノベーションまで一貫してお役に立ちます。
予算立てやローンの組み方などのご相談もお受けしているので、お気軽にお問い合わせください。