公開日:2025-12-24
鉄筋コンクリートマンションの寿命は?耐用年数との違いや「あと何年住めるか」の判断基準

中古マンションの購入を考える際「あと何年住める?」「築古物件を買っても大丈夫?」など、住み替え先の将来性が気になりますよね。
不動産の場合、どれくらい住み続けられるかを判断するものさしとして「耐用年数」を使います。
ただし、耐用年数は建物の寿命を示すものではなく価値を知るための判断基準であるため、違いを理解しておくことが大切です。
そこで今回は、東京・千葉・神奈川で8,000件超の施工実績があるSHUKEN Re(シュウケン・アールイー)が、鉄筋コンクリート造マンションの法定耐用年数や寿命に影響するポイント、住み替え物件探しに役立つ情報を解説します♪
- ・鉄筋コンクリート造(RC造)マンションの法定耐用年数は47年ですが、実際は管理状態が良ければ100年以上住める「資産価値の高い」住宅です。
- ・ただし、耐用年数は減価償却や住宅ローン期間の決定に影響するため、中古マンション選びの際は、判断材料の1つにしておきましょう。
- ・築古RC造マンションでも適切な性能強化や間取り変更などを含むフルリノベーションで、理想の住み替え計画が実現します。
目次
■鉄筋コンクリート(RC造)の「法定耐用年数」と「寿命」の違い|47年で住めなくなる?

鉄筋コンクリート造マンションのリノベーション事例を見る:Case219「Enjoy Interiors」
鉄筋コンクリート造(RC造)のマンションは、耐久性や耐震性、耐火性が高く、コンクリートによる断熱性や気密性にも優れた建物です。
住み替え先にRC造などの中古マンションを選ぶの際は、「どれくらい住める」かを把握する目安として「耐用年数」を確認します。
まずは、異なる意味を持つ「物理的耐用年数」「経済的耐用年数」「機能的耐用年数」3つの耐用年数について理解しておきましょう。
3種類の耐用年数
耐用年数は、判断基準の目安として以下3つの意味に分かれています。
「物理的耐用年数」:
マンションなどの建物が物理的に使用できなくなるまでの期間を示し、意味合いとしては「寿命」に近い数字です。
ただし、立地や管理状態によっては、物理的耐用年数よりも長く使用され続けている建物も存在します。
「経済的耐用年数」:
建物の経済的価値がなくなるまでの年数です。
構造の劣化や修繕の有無などを総合的に判断するため、主に投資の場面で資産価値をはかる市場での基準となります。
「機能的耐用年数」:
建物の使用目的が、当初計画から変更するまでの年数、あるいは建築技術の革新や環境の変化、社会的ニーズの向上などにより市場価値が低下するまでの期間です。
なお、判断基準が異なる上記3種類の耐用年数では、税務会計上、不動産の価値が画一的に算出できないため、公平に資産の種類ごとに一律で判断するための「法定耐用年数」が定められています。
RC造マンションの「法定耐用年数」は47年
鉄筋コンクリート造の他、鉄筋鉄骨コンクリート造のマンションの法定耐用年数は47年です。
【構造別に見る「法定耐用年数」】
- ・鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造:47年
- ・鉄骨造:34年
- ・木造:22年
前にも述べたように法定耐用年数は、減価償却など税務会計上で使うための数字で、実際の建物の「寿命」とは異なります。
実際、47年を超えたマンションでも立地や管理状態によって問題なく住み続けられる物件が多く存在しています。
実際の寿命(物理的耐用年数)は68~100年以上
国土交通省の「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」報告書取りまとめ後の取組紹介では、鉄筋コンクリート造マンションの寿命は、平均68年、最長100年以上の調査結果が出ています。
そのため、RC造中古マンションを住み替え先に選ぶ場合は、法定耐用年数の確認だけでなく、実際に住み続けられる期間の見極めも大切です。
また、RC造は耐久性に優れた構造のため、住宅性能強化や間取り変更などのトータルアプローチが可能なフルリノベーションで、新築以上に暮らしやすい住まいに仕上げられるのもポイントです。
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■耐用年数は「住宅ローン」と「税金」に影響する

鉄筋コンクリート造マンションのリノベーション事例を見る:Case217「Retro×Pop」
鉄筋コンクリート造マンションの耐用年数は、住まいの寿命としての目線ではなく、資産として見た場合、「減価償却費の計算」や「住宅ローンの借入期間」に影響します。
減価償却費の計算と「法定耐用年数」の関係
鉄筋コンクリート造マンションで、耐用年数が取り上げられるケースの1つに「減価償却」が挙げられます。
「減価償却」は、不動産資産に対して築年数ごとの価値を費用として計上する制度です。
例えば、中古マンションの売却や投資などの際、法定耐用年数を基に定額法や定率法によって減価償却費を計算します。
マイホームとして住む場合は直接関係ありませんが、「住宅ローン控除」の適用条件や、将来売却する際の査定額に関わる重要な数値です。
「経済的耐用年数」は住宅ローンの借入期間に影響
また、住宅ローンの借入期間が、経済的耐用年数によって決まる点も押さえておきましょう。
中古マンションの購入に住宅ローンを利用する場合、融資の条件として経済的な価値を見るための「担保評価」確認が必要です。
ただし、多くの金融機関では「法定耐用年数-築年数」をローン期間の目安とする傾向があります。
しかし、近年は建物の評価を見直し、築古でも長期ローンが組める銀行も増えています。
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中古マンションの購入やリノベーション計画はもちろん、将来の資金計画についても、お気軽にご相談ください♪
■寿命が長いマンションの特徴|新耐震基準と管理状態

鉄筋コンクリート造マンションのリノベーション事例を見る:Case212「New Member」
鉄筋コンクリート造マンションの寿命を見極める際は、資産価値としての耐用年数以外にもチェックしておくべき条件があります。
耐震基準と耐震診断・補強の履歴
中古マンション探しの際は、震度6強〜7の大規模地震を想定した、1981年6月1日以降の「新耐震基準」であるかどうかも重要なポイントの1つです。
ただし、旧耐震基準の中古マンションでも耐震診断や適切な補強工事が行われている場合は、安全に住み続けられるケースもあります。
メンテナンスや修繕状況
RC造マンションの寿命に影響するポイントの2つ目に、定期的な修繕計画に基づくメンテナンスや修繕履歴があるかどうかも大切なチェック項目です。
これらが適切に実施されている建物は、劣化スピードが遅く耐久性や資産価値が維持されやすいのが特徴です。
特に、築古マンションを選ぶ場合は、管理組合の資料にて「いつ、どんな工事が完了したか」など確認しておきましょう。
過去の修繕履歴はもちろん、修繕積立金の納入状況からも将来の管理体制が調べられます。
住宅性能評価
また、住み替え先に選ぶマンションの寿命を知る指標として「住宅性能評価」の確認も必須です。
住宅性能評価は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づく制度で、特に「劣化対策等級」や「維持管理対策等級」は、建物の寿命を見極める上で重要な客観的判断材料です。
塩害や立地による外的要因
湾岸・海沿いエリアでの塩害の他、内陸部においても雨風による影響や日陰でのカビ発生など、建物の劣化や腐食が問題になるケースがあります。
立地や周辺環境によっては、このような外的要因がマンションの寿命に影響する場合があるため、中古物件探しの際は、現地での確認やプロ同行による診断が欠かせません。
SHUKEN Reでは、エリア特有の条件に合わせたメンテナンスや修繕履歴の確認、また将来の暮らしを支える最適なリノベーション計画が実現する「ワンストップリノベーション」を提案しています。
物件探しとリノベーションを1つの窓口で進められるため、地域やご家族の暮らしに合わせた効率的な家づくりが可能です。
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■築古RCマンションを「新築以上」にするリノベーションの可能性

鉄筋コンクリート造マンションのリノベーション事例を見る:Case185「Surprising Idea」
鉄筋コンクリート造のマンションは、実際の寿命が100年以上というデータもあることから、中古であっても基本的に構造体が丈夫で、フルリノベーションによる性能改善が有効な物件です。
フルリノベーションで住宅性能を底上げ
建物の構造自体が、耐久性や耐震性、耐火性に優れているため、築古マンションであってもリノベーションによる住宅性能改善で現行同様の安全性や快適性が実現します。
マンションの管理規約によっては、内部をスケルトン状態にした根本からの断熱強化や耐震補強が可能で、気密性も高められるため、湿気・結露対策にも有効です。
RC造に多い「ラーメン構造」を活かした間取り変更
RC造マンションは、「ラーメン構造」か「壁式構造」で建てられるのが一般的です。
中でも、柱と梁で構成されたラーメン構造の場合は、壁の撤去や再設計が可能なため、中古マンション購入後のライフスタイルに合わせた間取り変更に向いています。
近年人気の開放的なリビングダイニングや水回りとファミリークローゼットをつなぐ回遊動線など、自由な間取りプランをお考えの方におすすめです。
水回り設備や配管・配線更新で暮らし改善
築30以上の中古マンションになると、RC造マンションの構造は丈夫でも、キッチンや浴室、トイレなどの水回り設備や内部の給排水管、電気配線などの劣化が進んでいる可能性が高まります。
水回りの移動や間取り変更を伴うフルリノベーションでは、将来のメンテナンスにも備えた衛生面や安全性、快適性にも貢献する住まいのトータルアプローチで、新築以上の心地いい暮らしを実現します♪
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■鉄筋コンクリート造のマンション に関するQ&A
最後に、お客様からよく寄せられる質問をQ&A形式でまとめました。
Q. 築30年以上の鉄筋コンクリートマンションでもリノベーションに適した物件はある?
A. 築年数が古くても管理状態がいいRC造マンションの場合、リノベーションによる資産価値向上や長寿命化が見込めます。
物件探しの際に重要なチェックポイントは、メンテナンスや修繕の履歴、修繕積立金の納入状況から分かる将来的な管理体制などです。
端的で客観的な確認ポイントとしては、住宅性能評価書による判断も大切です。
Q. リノベーション前提で中古マンションを購入するならいつがいい?
A. ここ数年では、新耐震基準で建てられた状態がいい築20~30年前後の中古マンションの在庫数がまだ豊富にある状況です。
ただし、東京・千葉・神奈川を中心とした人気エリアでは、特に立地条件がいいRCマンションは争奪戦になりやすいのが特徴です。
住宅ローンの金利が上昇し始めた今は、物件購入+リノベーションにかかる費用の借入計画も含めた、早めの相談・計画の開始をおすすめします。
Q. 鉄筋コンクリート造マンションのリノベーションに向いている住宅会社選びのコツは?
A. RC造の場合、間取り変更しやすい「ラーメン構造」と壁の撤去に向かない「壁式構造」を見極めた物件探しやプランニングが自由度の高い家づくりのポイントになります。
また、中古マンションリノベーションでは、表面的な見た目では分からない内部の劣化や老朽化を把握した上での、断熱改修や配管・配線などの更新計画が欠かせません。
資金計画まで含めた仕上がり満足度が高い家づくりを実現するためには、これらをふまえたRC造リノベーションの実績豊富な会社選びが大切です。
特に、水回りの移動や間取り変更など、フルリノベーションによる総合的な見直しやアプローチを得意とする会社かどうかの見極めは、実際の事例やショールームでの確認がおすすめです
■まとめ
鉄筋コンクリート造の耐用年数には、物理的耐用年数や経済的耐用年数、機能的耐用年数といった異なる目安の期間設定があり、47年と定められた法定耐用年数は、資産価値としての基準です。
ただし、実際のRC造マンションの寿命の長さは管理状態による影響が大きく、中古物件探しの際は耐用年数だけでなく、過去のメンテナンスや修繕状況、内見による品質チェックが欠かせません。
東京・千葉・神奈川エリアでは、築20~30年前後の中古マンションの在庫数もここ数年安定しており、状態がいいリノベーション向き物件も多いため、トータル設計が可能な「ワンストップリノベーション」がおすすめです。
近年の上昇し始めた住宅ローン金利に備えて、早めの資金相談(FP)を始め、条件が良く将来性の高い中古マンションリノベーションで、快適な住み替え計画を実現させましょう。
SHUKEN Reでは、ファイナンシャルプランナーによる資金計画や約25年8,000件以上の施工実績を活かした柔軟性なプランニングで、希望予算に合う高品質な家づくりを提案いたします♪
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