公開日:2025-04-23
【2025年】中古マンション・戸建てリノベーションで使える補助金制度まとめ|注意点や賢く使うポイントも解説
このコラムでは、2025年(令和7年度)にマンションや戸建てリノベーションで活用できる補助金制度についてまとめています。
リノベーション補助金を活用する際の注意点や知っておきたいポイントについても解説しますので、2025年にマイホームのリノベーションや中古住宅の購入+リノベーションを検討中の方は参考にしてください。
● 2025年の中古住宅リノベーションの補助金は、国が主導する子育てグリーン住宅支援事業、先進的窓リノベ2025事業、給湯省エネ2025事業などがあります。
● 「窓の断熱リフォーム」や「エコ設備の導入」など、省エネリフォームを含むリノベーションをすることで、お得に理想の住まいを実現できます。
● リノベーション補助金の活用を検討する際は、対象となる工事・補助額の違いをチェックした上で、ご自身の実施するリノベーションに対してより有利な制度を選ぶことがポイントです。
■中古住宅リノベーション・リフォームで利用できる補助金制度
【マンション・戸建て】住宅省エネ2025キャンペーン
(画像引用元)住宅省エネ2025キャンペーン【公式】
住宅省エネ2025キャンペーンとは、国土交通省・環境省・経済産業省の3省が連携して実施する、マンションや戸建ての省エネリフォームに対する補助金事業です。
区分所有のマンションや戸建てのリノベーションで利用できる事業は以下の3つです。
- ①子育てグリーン住宅支援事業
- ②先進的窓リノベ2025事業
- ③給湯省エネ2025事業
それぞれの具体的な補助内容や条件を分かりやすく解説していきますね。
①子育てグリーン住宅支援事業
子育てグリーン住宅支援事業は、戸建て住宅の新築や、マンション・戸建てのリノベーションで活用できる補助金です。
マンション・戸建てリノベーションの場合、窓などの開口部や躯体の断熱性を向上するリフォーム、高効率給湯器などエコ住宅設備の設置に対して、1戸あたり最大60万円の補助金が出ます。
対象となるリフォーム工事は以下のようになっています。
補助対象のリフォーム工事 | 補助上限額 |
---|---|
①開口部の断熱改修、②躯体の断熱改修、③エコ住宅設備の設置のうち、「2つ以上」のリフォームを実施する |
|
なお、上記の省エネリフォーム2つ以上と同時に実施する場合、以下のリフォーム工事等も補助対象になります。
- ④子育て対応改修(ビルトイン食洗機や浴室乾燥機など家事負担軽減になる設備設置、防犯・防音性向上のための窓交換など)
- ⑤防災性向上改修
- ⑥バリアフリー改修
- ⑦空気清浄機能・換気機能付き
- ⑧リフォーム瑕疵保険等への加入
子育てグリーン住宅支援事業のリフォーム補助金は、工事依頼者の年齢に関係なく利用でき、条件を満たせばさまざまな工事が補助対象になるため、2025年にマイホームのリノベーションを考えているなら、積極的に検討したい補助金です。
②先進的窓リノベ2025事業
先進的窓リノベ2025事業は、マンション・戸建ての窓や玄関ドアなど、住宅の開口部の断熱リフォームに対する補助金事業です。
補助率は工事費用の1/2相当で、1戸あたりの最大補助金額は200万円となっています。
先進的窓リノベ2025事業の補助金の対象となるのは、具体的には以下の3種類のリフォームになります。
- ①「内窓設置」…既存のサッシの内側にもう1枚窓を設置する
- ②「外窓交換」…既存のサッシを高性能タイプに交換する
- ③「ガラス交換」…窓ガラスを断熱性の高い製品に交換する
なお、リフォームの際にはあらかじめ事務局に登録された製品を用いて、断熱性能の基準(Uw(熱貫流率)1.9以下)を満たす必要があります。
「子育てグリーン住宅支援事業」にも窓の断熱リフォームに対する補助金はありますが、先進的窓リノベ2025事業の方がより高い性能を求められる代わりに補助率も高くなっています。
「子育てグリーン住宅支援事業」と「先進的窓リノベ2025事業」は同時に申請できるため、窓リフォームについては条件を満たしていればより補助額の大きい「先進的窓リノベ2025事業」で補助が下りるようになっています。
③給湯省エネ2025事業
給湯省エネ2025事業は、新築・リノベーション時にエコキュートやエコジョーズなどの高効率給湯器を設置する場合の補助金事業です。
補助金額は1台あたり最大20万円+αとなっており、給湯器の種類や既存の電気温水器などを撤去するかどうかで補助上限額が変わります。
〈給湯省エネ2025事業の補助対象工事と補助額〉
工事の内容 |
補助額 |
補助上限 |
---|---|---|
①ヒートポンプ給湯機(エコキュートなど) |
基本額:6万円/台 加算要件達成で最大13万円/台 |
戸建住宅:いずれか2台まで 共同住宅等:いずれか1台まで |
②ハイブリッド給湯機(エコジョーズなど) |
基本額:8万円/台 加算要件達成で15万円/台 |
|
③家庭用燃料電池 |
基本額:16万円/台 加算要件達成で20万円/台 |
|
撤去加算額 ①蓄熱暖房機の撤去:8万円/台(上限2台まで) ②電気温水器の撤去:4万円/台(高効率給湯器導入により補助を受ける台数まで) |
(参考)給湯省エネ2025事業【公式】
なお、高効率給湯器は「子育てグリーン住宅支援事業」でも補助対象(3万円/戸)になっていますが、給湯省エネ2025事業の方がより高い性能を求められる代わりに補助額が高くなっています。
「子育てグリーン住宅支援事業」と「給湯省エネ2025事業」は同時に申請できるため、設置する給湯器の種類などに応じて、条件の良い補助金が自動的に選ばれるようになっています。
住宅全体をフルリノベーションする場合は、複数の補助金利用について施工会社と相談した上で申請することで、制度をフル活用しながらお得に希望の住まいが実現しやすくなりますよ。
住宅省エネ2025キャンペーンの補助金は、令和6年11月22日以降に対象工事に着手し、令和7年12月31日までに工事が完了するものが対象となります。
交付申請期限は令和7年3月下旬~予算上住宅省エネ2025キャンペーン限に達するまでで、遅くとも令和7(2025)年12月末までの予定です。
住宅省エネ2025キャンペーンの補助金申請は個人ごとではなく、事業者登録を行っている建築業者や宅建業者が申請者となり、補助金は交付後に事業者を通じて還元されます。
登録のない事業者との契約は補助対象とならないため注意しましょう。
【マンション・戸建て】既存住宅における断熱リフォーム支援事業
中古マンションリノベーション事例を見る:Case204「comfort×industrial」
既存住宅における断熱リフォーム支援事業とは、環境省が主導する、中古住宅で省エネや低炭素化に貢献する高性能建材を用いた断熱リフォームに対する補助金事業です。
対象となるリフォーム工事は以下の2パターンがあります。
補助対象のリフォーム工事 | 補助上限額 |
---|---|
|
|
上記の高性能建材を用いた断熱リフォームと同時に実施する場合に限り、戸建てとマンションの両方で熱交換型換気設備、戸建てのみですが家庭用蓄電システムや蓄熱設備、EV充電設備に対しても補助が出ます。
(参考)既存住宅の断熱リフォーム支援事業|公募情報 【令和7年3月公募】
補助金の公募は定期的に行われ、2025年3月現在では「令和7年3月公募」として、令和7年3月24日(月)~令和7年6月13日(金)までの期間で募集が始まっています。
既存住宅における断熱リフォーム支援事業は、同じく国の補助事業である「住宅省エネ2025キャンペーン」との併用はできないため、どちらを活用すべきか、リノベーションの施工会社と事前にしっかり相談の上申請しましょう。
【マンション・戸建て】介護保険制度
介護保険制度では、要介護/要支援の認定を受けた方が、手すり設置などバリアフリー対応リフォームをする場合に、費用の一部について補助が受けられます。
補助額は実際のリフォーム費用の9割相当額で、上限は18万円です。
〈補助の対象となるバリアフリーリフォームの種類〉
- ・手すりの設置
- ・段差の解消
- ・滑りにくく移動しやすい床材への変更
- ・開き戸を引き戸へ変更
- ・洋式便器への取替え など
要介護/要支援の方がいるご家庭で、リノベーションを機に暮らしやすくバリアフリー化したい場合は、担当のケアマネジャー等へ相談しましょう。
【戸建て】長期優良住宅化リフォーム推進事業(令和7年度未定)
長期優良住宅化リフォーム推進事業は、国土交通省が主導する、中古戸建て住宅の長寿命化や、省エネ性能を高めるリフォームをする場合に補助金が出る事業です。
令和6年度の交付申請は、令和7年1月31日(金)で締め切られていますが、令和7年度も事業が実施される場合、2025年4月以降に情報が出ると予想されます。
長期優良住宅化リフォーム推進事業の令和6年度の補助内容は以下のようになっています。
- ・補助対象:省エネ性能等を有する住宅(省エネ基準相当)への改修工事
- ・補助率:1/3
- ・限度額:80万円/戸
※長期優良住宅(増改築)認定を取得する場合は160万円/戸
2025年の事業については、以下の公式サイト等で最新情報をこまめにチェックすることをおすすめします。
【マンション・戸建て】次世代省エネ建材の実証支援事業(令和7年度未定)
次世代省エネ建材の実証支援事業は、経済産業省が主導する、中古住宅において次世代省エネ建材を用いたリフォーム効果の実証を支援する補助金事業です。
次世代省エネ建材の実証支援事業の令和6年の公募受付は終了しています。
令和7年度(2025年)の公募についてはまだ発表されていませんが、住宅の省エネ化を推進する動きは続いているため、令和7年度も継続して実施される可能性があります。
リフォームの種類 | 住宅区分 | 主な要件 | 補助率・上限額 |
---|---|---|---|
外張り断熱 | 戸建て | 戸建住宅の外気に接する外壁全てを外張り断熱工法等にてリフォームする |
補助対象経費の1/2以内 補助金の上限額
|
内張り断熱 | 戸建て・マンション | 断熱パネルや、潜熱蓄熱建材いずれかを室内側から導入しリフォームする |
補助対象経費の1/2以内 補助金の上限額
補助金の下限額 戸建て・集合とも:20万円/戸 |
窓断熱 | 戸建て | 戸建住宅の全ての開口部を窓(防火・防風・防犯仕様)および玄関ドアを用いてリフォームする |
補助対象経費の1/2以内 補助金の上限額: |
2025年の事業については、以下の公式サイト等で最新情報をこまめにチェックすることをおすすめします。
(参考)一般社団法人環境共創イニシアチブホームページ|令和6年度 次世代省エネ建材の実証支援事業
自治体ごとのリノベーション補助金の例
リノベーションに関する補助金は、国が主導する他に、自治体ごとで実施している事業もあります。
東京都や千葉県、神奈川県で実施しているリノベーション補助金の一例を紹介します。
【東京都】既存住宅における省エネ改修促進事業
既存住宅における省エネ改修促進事業は、東京都が主導する、中古住宅の高断熱窓・ドア・断熱材・浴槽を用いたリフォームに対する補助金です。
令和6年度は、令和7年3月31日(月)で事前申込の受付は終了しましたが、令和7年度(2025年)も予算が成立次第実施予定です。
〈1戸あたりの助成率・上限額(令和6年度)〉
- ・高断熱窓:助成対象経費の1/3または100万円のうちいずれか小さい額
- ・高断熱ドア:助成対象経費の1/3または16万円のうちいずれか小さい額
- ・断熱材:助成対象経費の1/3または100万円のうちいずれか小さい額
- ・高断熱浴槽:助成対象経費の1/3または9万5,000円のうちいずれか小さい額
※国の補助金を併用する場合は補助額から控除の上計算されます。
(参考)東京都ホームページ|(令和6年度) 既存住宅における省エネ改修促進事業(高断熱窓・ドア・断熱材・浴槽)
令和7年度の事業の詳細は5月中旬公開、事前申込は5月末頃から受付開始予定となっています。
【神奈川県】既存住宅省エネ改修事業費補助
神奈川県では令和6年度に引き続き、既存住宅の省エネ改修に対する補助金事業が実施予定です。
令和6年度の補助額は、窓・壁・床・天井の断熱リフォームに対して、補助対象経費の3分の1または20万円のいずれか低い額が上限となっていましたが、令和7年度では変更になる可能性もあります。
さらに、神奈川県では令和7年度予算案に住宅用太陽光発電・蓄電池導入費への補助も組み込まれているため、併せて最新状況をチェックしておきましょう。
【千葉県】住宅の省エネリフォーム等補助事業の一例
千葉は市町村主導で省エネリフォームや省エネ設備の導入に対する補助事業が実施されています。
(補助金事業の一例)
【千葉市】住宅用設備等脱炭素化促進事業補助金
対象:太陽光発電システム設置やZEH化、窓の断熱リフォームなど
【木更津市】住宅用設備等脱炭素化促進事業補助金
対象:家庭用燃料電池システム、電気自動車、V2H充放電設備、窓の断熱改修など
【松戸市】住宅用省エネルギー設備の設置に関する補助金
対象:家庭用燃料電池システム、電気自動車、V2H充放電設備、窓の断熱改修など
市区町村単位でのリノベーション補助金は、「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」で検索できます。
なお、令和7年度の実施が未定の事業もありますので、詳細は各自治体に確認してください。
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千葉県のリフォーム補助金一覧2024年版|市町村の補助金情報や申請方法ガイド
■リノベーション補助金の注意点や知っておきたいポイント
中古住宅リノベーション事例を見る:Case203「Greige」
中古住宅のリノベーションで補助金の活用を検討する際の注意点や、賢く利用するためのポイントについて解説します。
工事完了時期に注意
補助金を利用するには、それぞれの補助の対象となる時期までにリノベーション工事を終える必要があります。
例えば、「住宅省エネ2025キャンペーン」の申請終了時期は2025年12月末となっていますが、申請は工事完了後となるため、工期次第では間に合わない可能性もあります。
フルリノベーションなどの大規模な工事は、施工面積や内容にもよりますが3か月~9か月程度かかります。
中古住宅は建物の状態によっても工期が大きく変動する可能性があるため、早めに着工して建物の細部を把握する必要があることも踏まえて、余裕を持ってスケジュールを立てましょう。
住宅省エネ2025キャンペーンはワンストップ申請でお得に
住宅省エネ2025キャンペーン
高断熱窓や高効率給湯器設置は、住宅省エネ2025キャンペーンの補助金事業のうち、「先進的窓リノベ2025事業」「給湯省エネ2025事業」「子育てグリーン住宅支援事業」のどれで申請すればよいか迷う方もいるかもしれません。
住宅省エネキャンペーンの3つの補助事業はワンストップで申請でき、窓リフォームや給湯器設置などの各工事に対して、審査の上で最も条件の良い補助金が適用される仕組みになっています。
自己判断で個別に申請するよりも、リノベーション工事全体を把握している施工会社に相談しながら、ワンストップ申請をすることをおすすめします。
国と自治体の補助金は併用できる
国の補助金と自治体の補助金は財源が異なるため、同じリノベーション工事に対して併用できる可能性があります。
ただし、併用する場合は国の補助額が控除され、自治体の補助金額が下がる場合があります。
例えば、東京都の「既存住宅における省エネ改修促進事業」は国の「住宅省エネ2025キャンペーン」と併用できるため、同時に申請することでよりお得にリノベーションが可能です。
「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」等で自治体の補助金をチェックし、より有利な補助が受けられる制度を活用していきましょう。
どの補助金が利用できるか分からない場合でも、リノベーションの施工会社に相談することで、最適な活用方法のアドバイスが受けられます。
また、複雑な制度ごとの交付申請についてもサポートが受けられる施工会社を選ぶと安心ですね。
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■まとめ
2025年の中古住宅リノベーションの補助金は、国が主導する子育てグリーン住宅支援事業、先進的窓リノベ2025事業、給湯省エネ2025事業などがあります。
多くの補助金で対象となっている「窓の断熱リフォーム」や「エコ設備の導入」など、省エネリフォームを含むリノベーションをすることで、お得に理想の住まいを実現できます。
リノベーション補助金の活用を検討する際は、対象となる工事・補助額の違いをチェックした上で、ご自身の実施するリノベーションに対してより有利な制度を選ぶことがポイントです。
また、補助金の予算には限りがあり、申請期限も決められているため、できるだけ早めに動き出すことも重要になります。
2025年に戸建てやマンションのリノベーションを検討している方は、信頼できる施工会社に補助金の活用も含めて相談し、早めにプランを確定し着工に入ることで負担を抑えられます。
SHUKEN Reでは、補助金や減税制度を活用した中古戸建て・マンションのリノベーションのご相談が可能です。
施工エリアである東京都、千葉県、神奈川県の各自治体の助成制度も併用しながら、よりお得に理想のマイホームを実現するお手伝いをいたしますので、お気軽にご相談ください。