公開日:2025-03-30
マンション建築費の相場と推移を解説|坪単価や3~20階建ての費用シミュレーションも
鉄骨造や鉄筋コンクリート造のマンションは、木造アパートより高い収益性が期待でき、賃貸経営や不動産投資で人気の選択肢です。
しかし、マンション一棟を新築する場合、建築費の負担が気になりますよね。
そこでこの記事では、マンション建築費の相場や推移、階数別のシミュレーションなどをご紹介します。
マンションを新築する際にどれくらいの建築費がかかるのか分かるようになっていますので、ぜひ参考にしてください。
・2024年度のマンション建築費の平均坪単価は、鉄骨造103万円、鉄筋コンクリート造110万円です。
・マンションの新築では、本体工事費・別途工事費(付帯工事費)、諸費用などさまざまな費用がかかります。
・マンション建築費は年々上昇しており、今後も高くなることが予測されます。
目次
■マンション建築費の相場と階数別シミュレーション
まずは、マンションの構造別に建築費の相場、3~20階建ての費用シミュレーションをチェックしてみましょう。
鉄骨造・鉄筋コンクリート造マンションの坪単価
一般的な3階建て以上のマンションは、鉄骨造か鉄筋コンクリート造で建築されることが多いです。
国土交通省の建築着工統計調査から構造別の工事費予定額と床面積の合計をピックアップして、平均坪単価を計算してみました。
商業ビルや店舗などを省いたA住居専用住宅のデータを参照しています。
構造 |
床面積の合計 |
工事費予定額 |
坪単価 |
鉄骨造 |
7,354,579㎡ |
229,933,391円 |
約103万円 |
鉄筋コンクリート造 |
11,441,250㎡ |
381,380,893円 |
約110万円 |
出典:建築着工統計調査 2024年A住居専用住宅のデータを参照
全国平均だと、鉄骨造の坪単価は約103万円、鉄筋コンクリート造の坪単価は約110万円になりました。
地域 |
鉄骨造の坪単価 |
鉄筋コンクリート造の坪単価 |
埼玉県 |
91万円 |
124万円 |
千葉県 |
99万円 |
129万円 |
東京都 |
146万円 |
142万円 |
神奈川県 |
122万円 |
130万円 |
出典:建築着工統計調査 2024年都道府県別のデータを基に弊社計算
首都圏の地域別に平均坪単価を計算してみると、かなり開きがあることが分かります。
同じ首都圏でも、人件費や建材などの相場が高い東京都や神奈川県は、平均より坪単価が高い傾向がありますね。
実際の建築費や坪単価は、延床面積や建物の仕様で変動しますが、1つの目安として活用してみましょう。
3~20階建てマンションの建築費シミュレーション
先ほど計算した平均坪単価を基に、3~20建てのマンションの建築費をシミュレーションしてみましょう。
ワンフロアあたり5戸、50坪(約165㎡)と仮定して、構造ごとの建築費をシミュレーションしてみます。
|
鉄骨造 (坪単価103万円) |
鉄筋コンクリート造 (坪単価110万円) |
3階建て(15戸) |
1億5,450万円 |
1億6,500万円 |
5階建て(25戸) |
2億5,750万円 |
3億2,500万円 |
10階建て(50戸) |
5億5,150万円 |
5億5,000万円 |
15階建て(75戸) |
7億7,250万円 |
8億2,500万円 |
20階建て(100戸) |
10億3,000万円 |
11億1,000万円 |
鉄骨造と鉄筋コンクリート造の坪単価はそれほど変わらないように見えますが、階数や延床面積が増えるほど差が大きくなります。
また、20階建て以上のマンションは「タワーマンション」と呼ばれ、建築費だけでなく、立地や容積率などの要件をクリアするための土地取得費用もかなり高額になる傾向があります。
マンションの規模が大きくなるほど収益性も期待できますが、自己資金やローン審査のハードルも高くなるためバランスが重要です。
また、このシミュレーションはあくまで平均坪単価と延床面積で単純計算した結果で、実際の建築費はさまざまな要因で変動する点にも注意が必要です。
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■マンション建築費の内訳
マンションを1から新築する場合、建築費以外にかかる費用もあります。
建物自体にかかる費用の内訳は「本体工事費・別途工事費(付帯工事費)・諸費用」の3つに分かれます。
建築費の見積もりをチェックする際に必要になる知識なので、それぞれの費用の内訳を把握しておきましょう。
本体工事費
マンションの本体工事費は、建物の材料や工事費が含まれ、建築費全体の7割を占めると言われています。
本体工事費は外壁や内装の建材のグレードや仕上げ方法、建物の形状や工法などによって変動します。
例えば、前述したように、鉄骨造と鉄筋コンクリート造では坪単価が異なり、坪単価にも差が出ましたね。
また、建物の形状や延床面積、現場に重機が入れるかどうかといった状況などさまざまな要素も本体工事費に影響します。
別途工事費(付帯工事費)
別途工事費には、マンションで実際に生活ができるようにするための工事が含まれます。
マンションの建築を依頼する会社によっては、付帯工事費と表記されることもありますが、基本的な内訳は同じです。
具体的には、屋外の給排水管・ガス管・電線などの引き込み、アプローチや駐車場などの外構工事、地盤改良工事、空調設備工事などが含まれます。
別途工事費の相場はマンション建築費全体の20%前後が目安と言われていますが、土地の状況によって大きく変動するため一概には言えません。
例えば、地盤が弱い土地は改良工事がかかりますし、給排水管の位置が遠い場合は引き込みの距離が長くなり費用が増加します。
また、施工会社によって、本体工事費と別途工事費の項目が違うことも多いため、坪単価を比較する際はどこまで費用が含まれているか確認が必要です。
諸費用
諸費用には、マンション本体の建築や付帯工事費以外にかかる、手続きや申請費用などが含まれます。
具体的には、ローンを組むための手数料や火災保険料、契約や登記の際に必要となる税金や司法書士報酬などが諸費用の内訳です。
一般的にはマンション建築費全体の10%前後が諸費用の目安と言われています。
諸費用はローンに組み込めず自己資金が必要になる項目も多いため、あらかじめ金額や支払いタイミングを把握しておくことが大切です。
■マンション建築費の推移と今後の見通し
近年はマンションを含めた建築業界全体の物価や人件費が高騰しており、建築費も年々上昇している傾向があります。
出典:国土交通省建設工事費デフレーターを基に弊社作成
国土交通省がまとめている「建設工事費デフレーター」の、マンション建築に関わる労務費や資材が含まれた「住宅総合」の指標をグラフにまとめてみました。
鉄筋コンクリート造・鉄骨造共に建築費は上昇傾向にあり、特に2020年度を境に急上昇しています。
これはコロナ禍やウクライナ情勢による建築資材の高騰が影響していると言われています。
2024年以降も高い水準で推移しており、今後もマンション建築費は上昇を続ける可能性が高いです。
■新築マンションを建てるとどれくらい儲かる?
前述したように新築マンションには多くの建築費がかかりますので、実際にどれくらいの利益が期待できるのかも気になるポイントです。
先ほど計算した建築費の相場から、どれくらいの利益が期待できるのかシミュレーションしてみましょう。
|
鉄筋コンクリート造の建築費 (坪単価110万円) |
年間家賃収入(満室想定) 8万円×15戸 |
3階建て(15戸) |
1億6,500万円 |
1,440万円 |
表面利回りを単純計算すると、「1,440万円 ÷ 1億6,500万円 × 100 = 8.7%」となります。
ただし、これは建築費相場と満室時の家賃収入による表面利回りで、維持管理費や空室率を含めた実質利回りはもっと低くなります。
また、築年数が経つほど入居率や家賃相場は低下していくため、表面利回りだけ考えてマンションを新築すると、赤字経営におちいるリスクもゼロではありません。
マンションの新築には多額の初期費用がかかるため、慎重に検討する必要があります。
■マンション経営なら中古+一棟リノベーションも検討
新築マンションは大きな利益が期待できる反面、多額の建築費がかかるため万が一失敗したときのリスクが高いのも事実です。
また、初期費用が高額になるため、事業用ローンの審査も高くなり、毎月の返済負担も大きくなります。
そこで、リスクを抑えてマンション経営を始める方法として、中古物件購入+一棟リノベーションを検討してみるのもおすすめです。
築年数の経った中古マンションでも一棟リノベーションで新築同様の見た目や収益性にすることができ、初期費用も抑えられます。
こちらのコラムで中古マンションの価格や一棟リノベーションの費用相場について解説していますので、参考にしてみてください。
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