公開日:2025-01-05 

中古マンションが高すぎる?東京都の中古マンション価格推移と今後の見通しについて考察

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東京都の中古マンションが高すぎる理由と価格上昇がいつまで続くか考察

 

ここ数年で、港区などの都心部で1億円超えの中古マンションが販売されるなど、中古マンション価格の高騰に関するニュースを目にするようになりました。

 

都心部は好立地の中古マンションが多いこともあり、築年数が古くても価格が高騰するケースも見られます。

 

このような状況下で、「都内の中古マンションは高すぎて手が出せない」と感じている方もいるかもしれません。

 

しかし、23区内でもエリアごとに中古マンションの価格傾向にはばらつきがあり、タイミング次第では予算や条件に合った狙い目物件が見つかることもあります。

 

このコラムでは、東京都の中古マンションの価格推移と今後の見通しをデータにもとづき解説します。

 

都内の中古マンション価格が高水準で推移している理由と今後の見通しや買い時についてもまとめていますので参考にしてください。

 

 

この記事のポイント

・2024年10月の東京都の中古マンション平均成約価格は6,081万円で、前年比プラス3.2%となり、上昇傾向が続いています。

・特に都心3区(千代田区、中央区、港区)は2024年3月以降平均成約価格が1億円を超えており、「都内の中古マンションが高すぎる」と言われる要因の1つとなっていると考えられます。

・現在のような中古マンションの価格が上昇傾向にある局面では、金利や経済状況などを踏まえつつも、自分にとっての買い時を逃さないことが重要です。

 

 

■東京都の中古マンション価格推移

 

東京都台東区の中古マンション購入+リノベーション事例

 

初めに、首都圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)の最新の中古マンション価格がどのように推移しているかを見てみましょう。

 

公益財団法人東日本不動産流通機構の公表データによると、2024年7~9月期の首都圏における中古マンション成約価格は4,875万円で、前期(2024年4~6月期)から1.3%下落しました。

 

また、新規登録価格は4,487万円で、前期から5.5%上昇しています。

 

2021年~2024年の首都圏中古マンション成約価格の推移

(出典)公益財団法人東日本不動産流通機構|レインズデータライブラリー(季報マーケットウォッチサマリーレポート2024年7~9月期)

 

上記の表のとおり、2024年7~9月期は前期より下落はしているものの、ここ数年で見れば中古マンション価格は緩やかな上昇傾向が続いていると言えます。

 

 

前年比価格は首都圏は下落傾向、東京都は上昇傾向続く

 

次に、東京都に限定して中古マンションの価格推移を見てみましょう。

 

公益財団法人東日本不動産流通機構によると、2024年10月の東京都の中古マンション平均成約価格は6,081万円で、前年10月の5,894万円と比較して3.2%上昇しました。

 

 

2024年10月の首都圏中古マンション平均成約価格

 

地域 2024年10月中古マンション平均成約価格 前年比
東京都 6,081万円 3.2%
千葉県 2,837万円 -3.9%
神奈川県 3,734万円 -4.2%
埼玉県 2,989万円 1.7%
首都圏 4,739万円 -0.5%

(出典)公益財団法人東日本不動産流通機構|レインズデータライブラリー(月例マーケットウォッチ2024年10月度)より弊社で作成

 

首都圏全体では前年比-0.5%と価格上昇に落ち着きが見られます。

 

ただし、これは千葉県や神奈川県の前年比下落幅の大きさが、首都圏全体の平均を押し下げていると読み取れます。

 

東京都だけで見ると、中古マンションの成約価格は、この1年で多少の波はありながらも上昇傾向が続いていると言えるでしょう。

 

 

23区内のエリア別中古マンション価格動向

 

中古マンションは都内でもエリアによって平均成約価格がかなり変わってきます。

 

例えば、23区内の城東地区 (台東区、江東区、江戸川区、墨田区、葛飾区、足立区、荒川区)城南地区(品川区、大田区、目黒区、世田谷区)は、2024年10月の平均成約価格は前年比マイナスとなっています。

 

 

東京都の2024年10月中古マンション平均成約価格

 

地域 2024年10月中古マンション平均成約価格 前年比
都心3区
(千代田区、中央区、港区)
1億1,455万円 24.3%
城東地区
(台東区、江東区、江戸川区、墨田区、葛飾区、足立区、荒川区)
4,770万円 -5.2%
城南地区
(品川区、大田区、目黒区、世田谷区)
6,213万円 -6.9%
城西地区
(新宿区、渋谷区、杉並区、中野区)
7,568万円 18.2%
城北地区
(文京区、豊島区、北区、板橋区、練馬区)
5,058万円 2.2%
多摩地区
(都区部・島嶼部以外)
3,796万円 4.2%

(出典)公益財団法人東日本不動産流通機構|レインズデータライブラリー(月例マーケットウォッチ2024年10月度)より弊社で作成

 

上記のデータを見ると、都心3区や城西地区では前年同月と比べて上昇幅が大きいものの、それ以外の地区は下落または緩やかな上昇にとどまっています。

 

 

東京都内でも狙い目中古マンションはある?

 

前章のデータから、都心3区では平均価格が1億円を超えていますが、23区内でもエリアによっては予算に応じて中古マンションが買える可能性は十分にあると言えるでしょう。

 

築年数などの条件次第では、都心でも購入が検討しやすいマンションが見つかることもあります。

 

築年数が経過していても、状態や管理状況の良い狙い目物件を選んでリノベーションすれば、好きなデザイン・間取りで、新築のようなきれいな住まいを手に入れることもできます。

 

都内で中古マンションを購入するなら、中古物件の知識が豊富で、リノベーションの実績の多い専門家と一緒に見極めた上で購入するのがおすすめです。

 

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■東京都の中古マンション価格が高騰している理由

 

東京都の中古マンションリノベーション事例

 

エリアによって多少のばらつきはあるものの、東京都の中古マンション価格は全体的に上昇傾向が続いています。

 

なぜ価格高騰が続いているのか、主な理由は以下の3点です。

 

 

新築マンションの供給数減少

 

新築マンションの販売戸数は、全国的に年々減少傾向にあります。

 

また、近年は円安や材料費・人件費のコストアップなどが要因で、新築マンションの価格も高騰しています。

 

そのため、高額で供給数が少ない新築マンションよりも、リーズナブルで供給数が豊富な中古マンションを選ぶという人も増えています。

 

新築マンションの供給減少に伴い中古マンションの需要が高くなることによって、価格も高騰していくと考えられます。

 

 

円安による海外投資需要の増加

 

近年、日本では大幅な円安傾向が続いています。

 

円安によって海外からの不動産投資需要が増えていることも、マンション価格高騰の一因になっています。

 

 

住宅ローンの低金利

 

住宅ローンの変動金利は、10年以上前から年利1%を切る低金利を維持しており、2022年以降は0.5%を切る超低金利状態となっています。

 

ゼロ金利政策が解除されても、当面は急激な金利上昇は抑制されると想定されています。

 

金利が低く住宅ローンが利用しやすいため、マンションの需要が全体的に増えたことに伴って、中古マンションの価格も上昇している状況と言えるでしょう。

 

 

■中古マンションの価格高騰はいつまで続く?今後の見通しを予測する材料

 

東京都港区の中古マンションリノベーション事例

 

現在の中古マンション価格は上昇傾向ですが、不動産価格は世界情勢や国内の景気、需要と供給のバランスなどさまざまな要素の影響を受けて変動します。

 

したがって、今後価格が下がる可能性もゼロではありません。

 

中古マンションなどの不動産価格に影響を与える要素は主に以下の2つが考えられます。

 

  • ①為替市場(円安・円高)による影響
  • ②金利上昇による影響

 

それぞれの要素について今後の見通しと、価格上昇局面で買い時を見極める方法についてまとめます。

 

 

①為替市場(円高・円高)による影響

 

2024年12月現在は、外国為替市場の円安による海外からの投資需要が増えており、中古マンション価格高騰の一因になっています。

 

逆に、今後円高方面に傾けば、マンション価格が下がる可能性があります。

 

しかし、為替相場は国内の政治や経済だけでなく世界情勢にも影響を受けるため、予想は難しく、今後円高に傾くのか、円安が進むのかは誰にも分かりません。

 

ただし、円安または円高になりやすい条件を知っておくことで、サインが出た後の為替相場の動きをある程度予測することは可能です。

 

 

〈円安終了の条件とは?〉

 

現在の円安が終了し、円高に傾く可能性が高い条件は以下の2つです。

 

  • ①米国の物価上昇率が落ち着く、景気が減速する
  • ②政府・日銀による為替介入が行われる

 

「①米国の物価上昇率が落ち着く、景気が減速する」については、2024年10月のIMF世界経済見通しで米国の経済成長率予測値が7月の2.6%から2.8%へと上方改定されました。

 

現状では景気後退の兆候(=円安終了の兆候)は見られないと考えられます。

 

ただし、今後も世界経済の見通しは十分に注視していく必要があるでしょう。

(参考)独立行政法人日本貿易振興機構|IMFの経済見通し、米国の成長率は上振れも、関税引き上げなどに伴う下方リスクを警戒

 

「②政府・日銀による為替介入が行われる」については、今後急激な円安になれば、為替介入によって一時的にドル安・円高になる可能性はあります。

 

定期的に開催される日銀金融政策決定会合での決定内容や国内外のシンクタンクの予測を注視しておく必要があるでしょう。

 

(参考)日本銀行ホームページ|金融政策決定会合の運営

 

 

②金利上昇による影響

 

低金利で住宅ローンが利用しやすい状況下では、不動産需要が高まるため中古マンション価格は値上がりする傾向にあります。

 

逆に、金利が上昇すると住宅ローンが利用しにくくなるため不動産需要が低下し、中古マンション価格も下がると予想されます。

 

2024年に入って以降、日銀のマイナス金利政策の解除など、利上げを促す方向での金融政策決定が続いており、この決定に伴って大手銀行を中心に10月から住宅ローン変動金利の利上げが実施されました。

 

とはいえ、今後も急激な利上げが起こるとは考えにくいため、年内のマンション価格への影響も限定的と思われますが、少なくともこれまでのような物件価格の高騰はしにくい状況ではあります。

 

ただし、今後さらに政策金利の追加利上げが実施されるかどうかを予測するにあたっては、賃金や物価、海外経済などの状況を注視していく必要があるでしょう。

 

 

 

■価格上昇局面で中古マンションの買い時は?

 

東京都世田谷区の中古マンション購入+リノベーション事例

 

中古マンションの価格が今後も上がり続けるかどうかは、国内の景気状況や社会情勢など、さまざまな要素が関係してくるため、誰にも正確な答えは分かりません。

 

金利や経済状況などを踏まえつつも、自分にとっての買い時を逃さないことが、後悔を防ぐために重要と言えます。

 

自分にとっての中古マンションの買い時とはズバリ、予算や暮らしの希望など、さまざまな条件に合った物件が見つかった時です。

 

あらかじめ物件に求める条件や資金計画をしっかり検討しておくことで、良い物件に出会えた際に、スピーディに意思決定し動くことができます。

 

住宅ローンの借り方や借入金額などは、金利や景気の動向を踏まえながらも、収入や借入額、返済期間などご自身で予測しやすい部分を重視して判断することをおすすめします。

 

 

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■まとめ

 

2024年10月の東京都の中古マンション平均成約価格は6,081万円で、前年比プラス3.2%となり、上昇傾向が続いています。

 

特に都心3区(千代田区、中央区、港区)は2024年3月以降平均成約価格が1億円を超えており、「都内の中古マンションが高すぎる」と言われる要因の1つとなっていると考えられます。

 

ただし、都内でも城東地区や城南地区の平均成約価格は前年比マイナスで、平均価格も4,500~6,500万円と、都心よりは比較的リーズナブルで、購入検討しやすい物件も見つかりやすくなっています。

 

現在のような中古マンションの価格が上昇傾向にある局面では、金利や経済状況などを踏まえつつも、自分にとっての買い時を逃さないことが重要です。

 

あらかじめ物件に求める条件や資金計画をしっかり検討しておくことで、良い物件に出会えた際に、スピーディに意思決定し動くことができます。

 

SHUKEN Reでは、予算や暮らしの希望に合った物件探しや、一人ひとりに合わせた資金計画をサポートします。

 

物件やエリアの条件がまだ曖昧という方でも、まずはご自身の希望を明確にするところから、理想のマイホーム実現に向けてお手伝いします。お気軽にご相談ください。

 

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