公開日:2024-10-10  更新日:2024-10-11

マンションを親から相続|手続きの流れや税額の計算方法、メリット・デメリット、減税制度を解説

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マンションを親から相続|手続きの流れや税額の計算方法、メリット・デメリット、減税制度・補助金を解説

 

「相続したマンションを売却するか自分で住むか迷っている」「将来マンションを相続した時に備えて税金について知っておきたい」という方のために、マンションを相続した時の手続き方法や税金種類、税額目安を解説します

 

あわせて、事前にできる節税対策や相続したマンションを「自ら住む・売る・貸す」場合のメリット・デメリット、ローン控除、減税制度、補助金についてもお話ししますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

この記事のポイント

・東京をはじめとする地価の高いエリアでは、相続時の課税対象者割合が増えています。
・マンションを相続する前に、手続きの流れや課税される税額目安、節税方法を知っておきましょう。
・マンションを相続し、ご自身が住むためにリノベーションすると、減税制度や補助金の対象となる可能性があります。
・相続したマンションをリノベーションしたい方は、施工実績が豊富なSHUKEN Reへご相談ください。

 

 

 

■マンションを相続した時の「手続き手順」と「税金の計算方法」

 

マンションを相続した時の手続き手順

 

マンションを相続した時にまず何から始めればいいか分からない方は少なくないでしょう。

 

マンションを相続した場合は、必ずしなくてはいけないことがいくつもあります。

 

では、手順ごとにポイントを紹介します。

 

 

①遺言書の有無を確認する

 

被相続人が亡くなったら、速やかに遺言書があるかどうか確認しましょう。

 

遺言書がある場合は、原則として遺言書に記載された被相続人で遺産を引き継ぎます。

 

遺言書がなければ、法定相続人の範囲と割合に合わせて遺産が分配されます。(参考:国税庁|No.4132 相続人の範囲と法定相続分

 

 

②遺産をリストアップする

 

相続人が誰なのかを確認するのと並行して、遺産をリストアップします。

 

遺産は資産だけではなく負債も含まれますので注意しましょう。

 

(相続対象の主な遺産)

  • ・マンションなどの不動産(土地については小規模宅地等の特例の軽減措置あり)
  • ・現金
  • ・有価証券
  • ・自動車などの動産
  • ・著作権などの利益を生む権利
  • ・ローンなどの負債
  • ・未払いの税金
  • ・未払いの家賃など

 

上記に加えて、被相続人が亡くなる7年以内の生前贈与も相続財産に加算しなくてはいけない可能性もあります。(参考:国税庁|No.4103 相続時精算課税の選択

 

 

③遺産分割協議を行う

 

遺言書がない場合は、法定相続人全員で遺産の分配について話し合います。

 

原則、法定相続割合で分配されますが、「誰がどの資産を相続するか」が主なポイントです。

 

話し合いがまとまったら遺産分割協議書を作成し、全相続人が署名捺印すると公的な効力を持ちます。

 

相続放棄する場合は、相続の開始があったことを知った日(原則、被相続人が亡くなった日)から3ヶ月以内に手続きしましょう。(参考:民法第915条「相続の承認又は放棄をすべき期間」

 

 

④相続税を算定する

 

相続税は税理士に相談しない限り、相続人ご自身が算出して申告書を作成します。

 

相続税は、課税対象の遺産から葬儀などにかかった経費と法定相続人数によって異なる基礎控除額を差し引いた分に課税されます。

 

(相続税額の計算方法)

「相続した遺産の課税価格合計」−「非課税財産※(墓地や退職金・保険金の一部)」−「債務や葬儀費用」=【純資産価格(マイナスの場合は0とする)】

※非課税財産:(参考:国税庁|No.4108 相続税がかからない財産

 ↓

「純資産」+「加算対象となる生前贈与資産」-「基礎控除額(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)」=【課税遺産総額】

 ↓

課税遺産総額によって相続税率は以下の通り

課税遺産総額 税率
1,000万円以内 10%
1,000万円超3,000万円以内 15%
3,000万円超5,000万円以内 20%
5,000万円超1億円以内 30%
1億円超2億円以内 40%
2億円超3億円以内 45%
3億円超6億円以内 50%
6億円超 55%

(参考:国税庁|身近な税Q&A

 

上記流れで相続税総額を求めて相続割合でそれぞれの相続人に按分された後、実際の納税額が決まります。

 

その際、相続人の方によっては以下の控除が適用されるので要チェックです。

 

税額控除 控除分
配偶者控除 配偶者の法定相続分もしくは1億6,000万円いずれか大きい金額に対応する税額分
未成年者控除 相続人が18歳に達するまでの年数 × 10万円
障害者控除 相続人が85歳に達するまでの年数 × 10万円(特別障害者の場合は× 20万円)

(参考:国税庁|身近な税Q&A

 

 

⑤相続税を申告・納税する

 

相続税の申告は、所得税申告(確定申告)と同様にe-taxでできる場合と書面を税務署へ提出しなくてはいけない場合があります。

 

相続資産が多岐にわたる方や高額になる方は税理士へ相談すると安心です。

 

申告書の提出先は、被相続人が亡くなった際の住所を所轄する税務署で、相続人の住所を所轄する税務署ではないので注意してください。

 

ポイント

相続税は、相続の開始があったことを知った日(原則、被相続人が亡くなった日)の翌日から10ヶ月以内に税務署への申告と納税を完了させる必要があります。(参考:国税庁|No.4205 相続税の申告と納税

10ヶ月は長いようですが、法定相続人の調査や遺産のリストアップに日数がかかるケースは珍しくありません。

そのため、生前にご家族でチェックしておくことをおすすめします。

 

 

⑥マンション相続人が名義変更(登記)手続きを済ませる

 

マンションを相続することになった人は、対象物件の所有権を名義変更しなくてはいけません。

 

2023年まで相続に伴う登記手続きは任意でしたが、所有者不明の空き家や荒地が増加し始めたことで2024年4月1日から義務化されています。(参考:東京法務局|相続登記が義務化されました(令和6年4月1日制度開始)~なくそう所有者不明土地!~

 

ポイント

不動産を相続によって取得した人は、遺産分割協議が成立した日から3年以内に相続登記を済ませましょう。

相続による所有権移転登記(相続登記)には「課税標準額 × 0.4%」の登録免許税がかかります。(参考:東京法務局|相続登記ガイドブック

ただし、土地の相続に伴う登録免許税は免除される場合もありますので、税理士や税務署へご確認ください。

登記手続きをうっかり忘れて期限をすぎてしまうと過料(10万円以下)のペナルティが課せられる場合もあります。

 

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■マンション相続時の税金を抑える方法や事前にできる節税対策

 

マンション相続時の税金を抑える方法や事前にできる節税対策

 

東京・千葉・神奈川など土地の価格が高いエリアにあるご実家を相続するだけで、相続税の支払い義務が発生する可能性は決して低くありません。

 

相続税は徐々に課税対象額が引き下げられており、東京国税局の公表によると、都内の相続税課税対象者割合は15%(6人に1人程度)にも及びます。(参考:東京国税庁|令和4年度相続税の申告実績の概要

 

そのため、事前にできる節税対策はチェックしておきましょう。

 

【配偶者居住権の活用】

配偶者が元々住んでいた住宅については、配偶者が相続人にならなくても継続して住み続けられるため、現金などその他の資産を多く相続できます。(参考:法務省|残された配偶者の居住権を保護するための方策が新設されます。

また、被相続人から配偶者ではなく子へダイレクトに相続すれば、夫の所有した家を妻に相続し、さらに妻から子に相続するという「二次相続」対策になり、将来かかる相続税を減らせる可能性がある点もポイントです。

 

【課税遺産総額を減らしておく】

被相続人が住んでいるうちにご実家をリノベーションしたり、さらに高価な物件に住み替えておくと、現金資産、ひいては課税遺産総額を減らせます。

遺産額が1,000万円でも減らせると相続税率が5%以上引き下げられるため、大きな節税効果を期待できます。

 

【年間110万円までを暦年贈与をする】

暦年課税制度による贈与であれば、1人につき年間110万円以下であれば、贈与税は発生しません。(成人が親や祖父母からうけとった財産に対しては110万円以上でも軽減措置あり)

ただし、贈与者(被相続人)が亡くなった7年以内に受け取った財産は、贈与された時点の価格で遺産へ加算されるのでご注意ください。

 

【子世代の教育資金・結婚資金・子育て資金・住宅取得資金として贈与する】

教育資金や結婚・子育て資金、住宅取得等資金には最高1,000万円の非課税措置が設けられています。

そのため、タイミングが合えばこれらの目的で現金を生前贈与すると相続税を減らせます。

 

国税庁|No.4510 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税

国税庁|No.4511 直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税

国税庁|No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税→新築や購入だけではなく増改築(リノベーション・リフォーム)資金も対象

令和5年度税制改正によって2024年も継続中

 

【相続時精算課税で生前贈与する】

今後値上がりが予想される首都圏の土地などを相続する予定の方は、相続時精算課税制度で早めに生前贈与を受ける方法もおすすめです。

相続時精算課税制度で贈与を受けた財産は累計2,500万円までいったん非課税対象となり、その後相続が開始した時点で課税されます。

ただし、評価額はあくまでも「贈与時点」であるため、値上がりの影響は受けません。

 

※これらの方法で得られる節税効果は遺産額やご家族条件などによって異なるため、具体的には税理士などの専門家へご相談ください。

 

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■相続したマンションを「住む・売る・貸す」メリット・デメリットと注意点

 

 

マンションを相続した場合、その後の活用方法は主に「住む・売る・貸す」の3択です。

 

それぞれメリットとデメリットがありますので、ライフプランなどに合わせて最良な方法を選びましょう。

 

 

「自ら住む」

 

メリット
  • ・既に持ち家がある場合はそちらの売却益や賃料収益を得られる
  • ・賃貸に住んでいる場合は好条件の分譲マンションへ低コストで引っ越せる
  • ・物件購入費用がかからずリノベーションなどにより多くの費用をかけられる
デメリット
  • ・入居するまでも固定資産税や都市計画税、管理費、修繕積立金の支払い義務が発生する
  • ・相続したマンションの大半は間取り変更や設備交換、内装工事などのリノベーションが必要
  • ・築40年を超えるマンションは旧耐震基準で耐震性能が低い可能性もある
  • ・築50年近いマンションは建て替え計画が既に始まっており、所有すると建て替え費用の一部(1,000万円以上)を負担しなくてはいけない可能性がある
  • ・修繕積立金の未納率が高いマンションは、共用部の修繕ができずに老朽化が進んでいる

 

築25年を超えるマンションは、専有部のフルリノベーションを必要としているケースがほとんどです。

 

ポイント

マンションのフルリノベーションには「15〜20万円/㎡」程度の費用がかかりますが、その代わりにご自身のご家族構成やライフスタイルに合う住まいを物件購入費用なしで手に入れられます。

 

 

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「売却する」

 

メリット
  • ・まとまった額の売却益を得られる
  • ・売却すれば今後の維持費がかからない
デメリット
  • ・いついくらで売却できるか分からない(築年数や立地条件によって売却できる可能性が大きく異なる)
  • ・売却できるまでの間は固定資産税や都市計画税、管理費、修繕積立金を払い続けなくてはいけない

 

相続したマンションを売却したくても、希望金額で早く売れるかどうかは分かりません。

 

ただし、首都圏では近年中古マンション価格が値上がり傾向で築年数が25年を超える物件でも売買取引されています。

 

2024年8月の中古マンション平均価格は前年同月比+0,9%の74.77万円/㎡でした。(参考:レインズデータライブラリー|マーケットデータ2024年8月

 

そのため、売却を検討している方はそのエリアの市場傾向をプロに確認しましょう。

 

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「人に貸す」

 

メリット
デメリット
  • ・空室の間も固定資産税や都市計画税、管理費、修繕積立金、さらに賃貸募集を依頼している不動産会社へ報酬を払い続けなくてはいけない
  • ・借り手が変わるたびにハウスクリーニングや内装補修工事をしなくてはいけない

 

 

ポイント

ご家族の思い出が詰まったご実家で新たな生活を始めたい方は、相続を機会に快適に暮らせるようにフルリノベーションすることをおすすめします。

住みながら部分リノベーションを繰り返すよりも工期や費用を圧縮でき、ダイナミックな間取り変更も可能です。

ただし、築年数によっては隠蔽部の更新なども必要になるため、古いマンションのリノベーション実績が豊富な会社へ相談しましょう。

 

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■相続したマンションをリノベーションする際の減税制度・補助金

 

相続したマンションをリノベーションする際の減税制度・補助金

 

相続したマンションをご自身が住むためにリノベーションすると、減税特例や補助金の対象となる可能性があります。

 

お得に理想のマイホームを手に入れたい方は、対象条件を事前にチェックしておきましょう。

 

 

住宅ローン控除(所得税・住民税)

 

住宅ローン控除は住宅ローンを利用して新築マンションや中古マンションを購入した方が対象のイメージが強いですよね。

 

実は、所有している物件をリフォームする際も対象となる可能性があります。(参考:国税庁|No.1216 増改築等をした場合(住宅借入金等特別控除))※令和4年税制改正により対象期限は2024年末に延長され、2025年も継続の予定

 

【対象借入額】  2,000万円
【最長控除期間】  10年間
【控除税額】 毎年末時点でのローン残高「0.7%」分(所得税もしくは控除しきれない場合は翌年の住民税より減額)
【物件の条件】
  • ・自らが居住するための住宅であること
  • ・引き渡しから6ヶ月以内に入居できること
  • ・1981年以降に建築されていること(それ以前の場合は現行の建築基準法に適合していること)
  • ・専有面積が50㎡以上かつ、その1/2以上が自ら住むスペースであること
  • ・対象工事※のいずれかとすること
【その他条件】
  • ・リフォーム工事費が補助金などを差し引いて100万円以上であること
  • ・確定申告すること
  • ・年間合計所得金額が3,000万円以内であること
  • ・ローンの借入期間が10年以上であること

(参考:国土交通省|住宅ローン減税国税庁|No.1216 増改築等をした場合(住宅借入金等特別控除)

 

※対象工事

第1号工事  増築、改築、建築基準法に規定された大規模な修繕または模様替え
第2号工事  マンション専有部内で、床・間仕切り壁などの過半以上に対する修繕または模様替え
第3号工事  居室・キッチン・浴室・トイレ・洗面などの床または壁全面に対する修繕または模様替え
第4号工事  一定の耐震基準に適合させるための修繕または模様替え→マンションの場合は実質工事不可能
第5号工事  特定のバリアフリー改修工事
第6号工事  特定の省エネ改修工事

(参考:国税庁|No.1216 増改築等をした場合(住宅借入金等特別控除)

 

 

リフォーム減税(固定資産税・所得税)

 

リフォーム減税は、相続したマンションに「省エネ(断熱)・バリアフリー・同居対応化(二世帯化)」改修工事をすると対象になる可能性があり、決められた額が所得税や固定資産税から控除されます。(参考:国土交通省|住宅リフォームにおける減税制度について

 

【対象リフォーム工事】  所得税の税額控除:バリアフリーリフォーム、省エネリフォーム、同居対応リフォーム、子育て対応リフォーム

固定資産税の軽減:バリアフリーリフォーム、省エネリフォーム

※上記いずれかに該当する工事でも細かい条件あり

【控除額】  所得税の税額控除:標準的な工事費用相当額の10%かつ62.5万円/戸以内(太陽光発電工事を含む場合は67.5万円/戸以内)

固定資産税の軽減:工事翌年度の固定資産税額1/3分(120㎡相当分まで)

【対象者の条件】
  • ・確定申告すること
  • ・リフォーム工事内容を示す書類をリフォーム会社から入手すること

(参考:国土交通省|省エネリフォーム税制(所得税・固定資産税)

 

ただし、所得税の控除と固定資産税軽減では、併用できるリフォーム工事とそうでない工事があるため注意してください。(参考:一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会|住宅リフォームの支援制度(P.49)

 

 

補助金

 

税控除・減税制度に加えて、今でしたらリノベーションに関する補助金も利用できます。

 

 

それぞれ対象要件や申請受付期限が異なりますので、リノベーションプランの検討と合わせて、詳細をチェックしておきましょう。

 

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■まとめ:マンションを相続して住むならフルリノベがおすすめ

 

マンションを相続する予定の方は、事前に相続手続きの流れや税額、節税対策について知っておきましょう。

 

相続したマンションをご自身が住んだり貸し出したりしたい方は、フルリノベーションをご検討ください。

 

ご自身の居住用にするのであれば、減税制度や補助金の対象となる可能性も期待できます。

 

SHUKEN Reは築40年以上の古いマンションをおしゃれにリノベーションした施工実績が豊富で、資金計画からリノベーション、将来の売却相談までご相談いただけます。

 

東京・千葉・神奈川エリアで約20年にわたり8,000件超のリノベーション施工実績がある専門会社なので、ぜひ安心してお問い合わせください。

 

「将来的なリノベーションを検討したい」という方向けの相談会も実施しております。

 

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