公開日:2023-04-27 更新日:2024-07-04
水回りのリノベーション|間取り変更しなくても使い勝手を良くするアイデア
毎日使う水回りは機能性・広さ・動線などにこだわって、使い勝手の良い空間にしたいですよね。
水回りのリノベーションを行う場合、設備の移動を伴うケースも少なくありません。
しかし、水回りの間取り変更はデメリットやリスクもあるため、慎重に計画する必要があります。
今回は、水回りのリノベーションについて解説し、水回りの間取り変更をしなくても使い勝手を良くするアイデアを紹介します。
・しかし、マンションのリノベーションでは水回り設備の移動ができないケースも。
・水回りの間取り変更をしなくても使い勝手を良くするアイデアをチェックして、リノベーションに取り入れてみましょう。
目次
■水回りのリノベーションとは
水回りのリノベーションとは、次のような水回りの設備の交換や移動を行う工事のことです。
・キッチン
・洗面化粧台
・トイレ
毎日使う水回りの設備を交換することで、暮らしの快適性を高めることができます。
また、水回りの空間は湿気が溜まりやすかったり、水が飛び跳ねやすかったりしますよね。
そのため、リノベーション時に床・壁・天井などの内装も一新することも多いです。
水回りリノベーションの費用相場
水回りリノベーションの費用相場をお伝えします。
<水回り設備の交換費用>
- ・ユニットバス:約60〜200万円
- ・キッチン:約50〜200万円
- ・洗面化粧台:約10~50万円
- ・トイレ:約10~50万円
設備のサイズやグレードによって費用に大きな幅があります。
合わせて内装の交換も行う場合は、約10~50万円が費用の目安です。
さらに、水回りの位置を大幅に変更する場合は、配管移動や既存配管の解体撤去などの工事も必要なため、追加で費用がかかります。
<水回り移動する際の費用>
- ・ユニットバスの移動:約30〜70万円
- ・キッチンの移動:約70〜120万円
- ・洗面化粧台の移動:約20~40万円
- ・トイレの移動:約30~50万円
設備本体の費用は含まれていませんので注意してください。
移動する箇所や建物の現状によって費用に差がありますので、初めにリノベーション会社に現地を確認してもらうことが大切です。
費用についてはこちらのコラムで詳しく解説していますので、チェックしてみてくださいね。
<関連コラム>
・〈マンションの水回りリノベーション〉費用目安やポイント・注意点を解説
■マンションだと水回りの間取り変更ができないケースも
マンションによっては、水回りの間取り変更ができないケースもあります。
理由を解説します。
管理規約で水回りの移動を禁止しているから
マンションの管理規約で水回りの移動を禁止していることがあります。
給排水管の移設時に起こり得る水漏れのトラブルなどを防ぐことが理由です。
また、配管の移設工事は床下で行われる作業が多いため、下の階の住民にも大きな音が響くケースも。
これらの理由から、水回りの設備移動が規約によって制限されています。
床下の空間が狭いと排水管の勾配が確保できないから
床下のコンクリート躯体(床スラブ)と床自体が近く、床下空間が狭いと排水管の移動が困難になります。
なぜなら、排水管の勾配を確保できないからです。
床と水平に配管を設置すると排水の流れが悪くなってしまうため、排水管には一定の傾斜がついています。
マンションの場合、配管の接続口自体は移動できないため、移動先の配管を接続口までつながなければなりません。
水回りの場所と配管の接続口が遠いと、排水管を延長しつつ勾配をつけなければいけないため、広い床下空間が必要です。
そのため、床下スペースが狭い場合は、水回りの移動が難しくなります。
ただし、天井高を確保できるなら一部分の床を上げるなどの方法で、排水管の勾配を確保することは可能です。
リノベーション会社に相談をしながらベストな方法を提案してもらってください。
換気ダクトの移動ができないことがあるから
水回りの設備は給排水管だけでなく、換気ダクトともつながっています。
換気扇やキッチンのレンジフードが換気ダクトと接続されていて、空気を屋外へ排出する仕組みです。
しかし、中にはコンクリートの梁が邪魔になってしまい、換気ダクトが移動できないケースも。
梁は構造上重要な躯体ですしマンションの共用部ですから、個人が手を加えることは禁止されています。
換気ダクトの移動ができないために、水回り設備の間取り変更が行えないこともあるのです。
<関連コラム>
・マンションリノベーションで“水回り”は移動できる?注意点から費用まで解説
■水回りの位置を変えないリノベーションはメリットもある
水回りの位置を変えないことで得られるメリットもありますので紹介します。
現状の配管を活かすことができるため工期短縮になる
水回りの移動がなければ、設備の交換時に既存の配管や換気ダクトを使うことができます。
設備と配管をつなぐだけなので移動と比べて工程が少なく、工期を短縮することが可能です。
リノベーション期間をできるだけ短縮して、早く引越したい方にとってはメリットになるでしょう。
また、工期が短縮できれば近隣住民への負担も少なくて済むため、配慮にもつながります。
移動を伴う水回りリノベーションよりも費用を抑えられる
水回りの間取り変更を行わなければ、水回りリノベーションの費用を抑えることができます。
他の空間の内装にお金をかけたり、設備自体のグレードを上げることも可能です。
水回り以外にこだわりたい空間があるなら、まずは水回りを移動せずにリノベーションする方法を検討してみても良いでしょう。
元の間取りと大きく変わらないため完成をイメージしやすい
水回りを移動しなければ、元の間取りと大きく変わらないため完成をイメージしやすくなります。
広さや目線の感覚は実際に体感してみないとわからないことも多いですからね。
水回りが使いやすい中古住宅を選び、既存の住宅を活かしたリノベーションを行ってもいいでしょう。
■水回りを移動させずに使い勝手を良くするリノベーションアイデア
水回りを移動させなくても使い勝手を良くすることは可能です。
リノベーションアイデアを紹介しますので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
ダイニングの位置を変えて対面キッチンに
水回りの位置はそのままに、周辺の間取りを変更して利便性を高めることができます。
例えば、こちらの事例ではキッチン前の洋室をなくしてダイニングを配置しました。
元々壁付けだったキッチンは、壁を取り払って対面キッチンに交換。
家族とコミュニケーションが取りやすい、開放感のあるLDKへ生まれ変わりました。
設備の移動は変更しなくても、周りの空間の間取り変更を行うことで暮らしやすくすることができます。
壁を取り払うだけなどの居室同士の間取り変更は費用もかかりにくいです。
動線を変えて使い勝手を良くする
壁や扉の位置を変更するだけで、動線が良くなって使い勝手が良くなることもあります。
こちらの事例は、玄関ホールから洗面脱衣所へ行く間取りでした。
そこで、玄関ホールをコンパクトにして、LDKから行ける動線の良い洗面脱衣所へ変更。
キッチンから洗面脱衣所への距離が縮まり、家事のしやすい間取りになりました。
また、トイレも洗面脱衣所を経由せずに、廊下から直接入ることができる動線へ変更。
家族の入浴中にもトイレに入りやすく、来客にも気兼ねなく使ってもらうことができます。
少しの工夫で格段に水回りの動線が良くなることもありますので、検討してみましょう。
<関連コラム>
・【間取りあり】水回りの動線が良い住まい|リノベで意識するべき3つのポイント
元々ある配管を利用して水回りの位置を交換する
元々ある配管を利用して水回りの位置を交換できるケースもあります。
こちらは洗濯機と洗面台の場所を入れ替えた事例です。
浴室の近くに洗濯機置き場と収納を作ることができ、脱衣所としての利便性が上がりました。
また、トイレのすぐ横が洗面台になったため、手洗いもスムーズに行えます。
このように既存の配管を活かして、設備を入れ替えることもできます。
ただし、設備によっては不可能なケースもありますので、設計・施工会社に相談してみてくださいね。
キッチンのスタイルを変更するだけでも使い勝手は変わる
キッチンの位置を変えなくても、スタイルを変更するだけで使い勝手を良くすることはできます。
こちらの住まいは、元々コンロ前全体が壁になっているキッチンでしたが、構造上必要な柱だけを残して壁を取り払いました。
その結果、オープンキッチンを採用することができ、コンロを使っているときでも家族とコミュニケーションが取りやすい空間に。
また、ダイニング側に収納のあるキッチンを選んだため、住まいの収納量も上がっています。
同サイズ、同形状のキッチンでもさまざまな仕様があります。
他の水回り設備も同様ですので、自分の暮らしに合う使い勝手の良いものを選びましょう。
キッチンの向きを変えて両サイドからアクセスできるように
キッチンの大幅な間取り変更はせず、向きを変えるだけでも動線や使い勝手を良くさせることができます。
元々は一方向からしかアクセスできない対面キッチンでしたが、向きを変えて両サイドからアクセスできるようにしました。
閉鎖的なキッチンの窮屈感が無くなり、開放的な気分で料理を楽しむことができます。
【玄関ホールへの動線】
【ダイニングとキッチンが横並び】
二方向からキッチンに入れる回遊動線のため、買い出しや配膳が楽になります。
向きを変えただけなので、元々ある配管に接続することが可能です。
他の水回り設備でも向きの変更はできるため検討してみましょう。
扉を開き戸から引き戸にするだけで使い勝手がよくなる
わざわざ大きな間取り変更をしなくても扉の種類を変えるだけで、使い勝手が良くなることもあります。
こちらの事例は、トイレとリビングドアが干渉してしまい、さらに洗面所のドアを開けると通路を塞いでしまうという状況でした。
そこで、リビングドアの位置を少しだけずらし、トイレと洗面所のドアを開き戸から引き戸へ変更。
ドアが干渉せずスムーズに暮らせる、ノンストレスな間取りになりました。
小さなお子様がいる場合などは、ドアの干渉がケガにつながることもあります。
細かい点ですが必ず確認を行いましょう。
■まとめ:水回りは間取り変更しなくても工夫次第で使い勝手は良くできる
水回りのリノベーションを行う場合、設備の交換と同時に移動を検討される方も少なくありません。
しかし、水回りの移動にはデメリットがあったり、そもそも移動ができないケースも。
大幅な水回り設備の移動を行わなくても、他の空間の間取り変更を行ったり動線・目線を意識したりすれば使い勝手を良くすることは可能です。
水回り移動ができないときは、中古住宅の元々の間取りを活かしながらさまざまな工夫を取り入れてみてくださいね。
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