公開日:2022-10-20 更新日:2024-07-04
リノベーション相場の目安を戸建て・マンション別に解説
戸建てや中古マンションをリノベーションする際に、物件ごとにリノベーションの相場はわかりにくのが実際です。
そこで今回は、プラン内容や建物の状況など、リノベーション費用に影響を与えるポイントを詳しく解説します。
リノベーションの費用事例を見るときのチェックポイントにもなりますので、ぜひ覚えておいて下さいね。
・一戸建て、マンション別に、リノベーション相場の基本的な考え方を解説します。
■リノベーションの相場が分かりにくい理由
インターネットでリノベーションの相場を調べてみても、なかなかこれといった情報が見つからないのではないでしょうか。
そもそもリノベーションは一軒ごとのオーダープランなので、「〇㎡なら〇万円」といった相場を出すのは難しいのです。
ユニットバスやキッチン交換などのリフォームは、製品価格と標準工事である程度の相場が分かります。
製品グレードやオプションによる金額変動はありますが、定価があるので予測するのは難しくないでしょう。
しかし住まい全体のリノベーションの場合、間取り変更の規模や設備・建材など選択肢が多くなるため、費用の変動幅も大きくなります。
また築年数による建物の劣化状態、耐震性や断熱性など表からは見えない部分も相場予想が難しい理由の一つ。
同じ広さ・間取りのリノベーションでも、1000万円単位で費用が変わることも珍しくありません。
次の章からリノベーション相場に大きく影響するポイントをチェックしていきましょう。
■リノベーションの相場例
まず、私たちSHUKEN Reがご用意しているスタンダード・上位グレードの2つのプランで、大まかな相場を見てみましょう。
㎡・坪単価: 16.25万円/㎡・54万円/坪
㎡・坪単価: 20万円/㎡・66万円/坪
Reはゼロからのフルリノベーションのスタンダードプランで、㎡単価の目安は16.25万円です。
費用が変動する要素は後述しますが、内装や設備の更新、間取り移動など基本的なリノベーション工事が含まれています。
GRANTは素材やデザインにこだわる上位プランで、㎡単価の目安は20万円です。
少し予算に余裕があるため、選択肢が増えてより理想の住まいをつくりやすくなります。
■戸建てリノベーション相場のポイント
戸建て住宅は一軒ごとに工法や劣化の差が大きいため、リノベーション内容に加えて建物の状態が相場を考えるポイントになります。
・間取り変更の規模
木造戸建てのリノベーションは比較的間取り変更の自由度が高めですが、規模が大きいほど費用相場にも影響します。
- 距離の長い水回り設備の移動
- 大幅な壁の撤去や新設
- 玄関の移動
- 階段の移動
- 上下階の間取り入れ替え
- 吹抜けを作る
例えばキッチン・ユニットバスなどの水回りを大きく移動すると、その分配管の延長工事が必要になります。
タイル土間のある玄関や階段などの間取り移動も、相場への影響が大きいポイントです。
また壁の位置を大きく変更する場合も、解体・材料・工賃が増えるため相場より費用は高くなります。
筋交いと呼ばれる耐力壁に手を加える場合、
逆に言えば、間仕切りの撤去や壁のちょっとした移動など、小規模の間取り変更なら費用は抑えられるということです。
・造作・オーダーの有無
既製品を使わずオリジナルの造作設備をつくれるのもリノベーションの魅力ですが、オーダーするとその分費用は高くなります。
メーカーの既製品は大量生産のおかげでコストパフォーマンスが良く、価格を抑えながら便利な住まいをつくることができます。
しかし状況によっては、現場で造作したほうが暮らしやすくなることも少なくありません。
予算や理想のイメージに応じて既製品と造作を使い分け、場合によっては組み合わせることも大切です。
造作・オーダーすることが多いキッチン・洗面についてまとめていますので、こちらのコラムもぜひ参考にして下さい。
・耐震性
戸建て住宅は築年数によって耐震基準が違うため、補強工事が必要な場合は費用相場に大きく影響を与えます。
日本の耐震基準は1981年5月31日に改正されています。
- 旧耐震基準:震度5強程度の地震で倒壊しない基準
- 新耐震基準:震度6強~7程度の地震で倒壊しない基準
上記のような違いがあり、旧耐震基準で建てられている家は耐震性能が不足している可能性があるのです。
旧耐震基準の家が必ず倒壊するわけではありませんが、せっかくリノベーションした家が損壊したらお金の無駄になってしまいます。
必要な耐震補強の内容によって費用相場は変わりますが、数百万円単位になることが多いです。
築40年以上の戸建て住宅の場合は、耐震補強の有無も踏まえて費用を考えましょう。
・断熱性
木造戸建て住宅の断熱性は建築会社によって差が大きく、補強が必要な場合はリノベーション費用にも影響します。
戸建てで昔から多く使われているグラスウールは熱伝導率が高く、現代の断熱基準で考えると暑さ寒さが問題になることが多いです。
熱伝導率が低く気密性も高めやすいロックウールや硬質ウレタンフォームなど、断熱性を高めるとその分相場より費用は高くなります。
断熱性は目に見えない部分ですが快適性・省エネ性に大きく影響するので、しっかり検討しましょう。
・天井裏・床下の状態
戸建て住宅の目に見えない部分、天井裏や床下の状態が悪いと、補修費用が発生して相場より高くなります。
雨漏れや給排水管の水漏れは、長年続くことで土台や柱を腐らせてしまいます。
腐食した木部はシロアリの大好物になり、中身がスカスカになって耐震性が不足してしまうことも。
天井裏や床下のトラブルを見逃すと大きな追加費用が発生する可能性があるので、事前調査でしっかりチェックすべきポイントです。
■マンションリノベーション相場のポイント
集合住宅であるマンションは、基本的な建物の構造や管理規約、工事進行のしやすさなどが費用相場に影響します。
・間取り変更の規模&造作の有無
マンションリノベーションでも、間取り変更の規模と造作の有無が費用に与える影響は同じです。
水回りを大きく移動したり、造作キッチンをオーダーしたりすると、相場より費用は高くなると覚えておきましょう。
またマンションは構造によって間取り変更が難しいケースもあるので、これから中古物件を選ぶ場合はしっかり事前調査してください。
・マンションの構造と管理規約
同じように見える鉄筋コンクリート造のマンションでも、内部構造や管理規約の違いが費用相場に影響を与えることが多いです。
給排水管を例に挙げると、床下コンクリートスラブへの埋込配管、パイプスペースの転がし配管があり、工事方法や費用が変わってきます。
また管理規約で防音規定が決められているマンションは、防音性能の高い床材や工法が必要になり費用も高くなります。
ご自宅・中古マンションどちらの場合も、リノベーション計画前に図面・管理規約を用意しておきましょう。
一般の方が図面や規約を見て判断するのは難しいので、私たちリノベーション専門店にお気軽にご相談ください。
・部屋の階数とエレベーター
リノベーションするお部屋の階数やエレベーターの有無も、費用相場に影響を与えるポイントです。
マンションリノベーション中は、材料・工具の搬入、解体廃材の搬出が頻繁に発生します。
階数が高くエレベーターが使えない場合、荷揚げや搬出の人件費が多くかかることがあるのです。
エレベーターがあっても大きな材料が入らず手運びになるケースや、管理規約で使用できないこともあるので要注意。
特にこれから中古マンションを選ぶ場合は、階数と工事中の搬入出が費用に与える影響も考えてみてください。
■失敗しないリノベーション費用の考え方
費用が原因のリノベーションの失敗を回避するには、信頼できる施工店に早い段階から相談するのが一番確実です。
- ①早めに予算を決める
- ②建物の状態を施工店としっかり確認する
- ③やりたいコトに優先順位をつける
適切なアドバイスが期待できるお店を見つけて、上の3つのポイントを心がけてみてください。
予算と理想のバランスを取り、事前調査で見逃しや追加予算を防ぐことが失敗を回避するコツです。
また今回ご紹介したポイントに注目しながら、実際のリノベーション事例をチェックするのも大変効果的です。
100件以上のリノベーション事例を公開していますので、こちらも参考にしてみてください。
■まとめ
お金のことは誰もが頭を悩ませるポイントですが、クリアできれば理想の住まいづくりに大きく近づきます。
「いくらかければ良いの?」「この物件だとどれくらいの予算でリノベーションできる?」など、どんなギモン・お悩みもリノベーション専門店SHUKEN Reにお気軽にご相談ください。
世田谷・恵比寿・浦安のショップ相談のほか、オンライン相談会も実施しています。
ご自宅のリノベーション、これから購入する物件選びのことなど、住まいづくりに関することならなんでもお待ちしています♪