公開日:2022-07-05 更新日:2024-07-04
フルリノベーションするマンションの制限と施工事例
フルリノベーション済みのマンションを購入する場合は、既に内装が完成しているので思い悩む必要はありません。
ただ、現在住んでいるマンションをフルリノベーションする場合には、リノベーションにかかる期間や費用、そして何よりもどこまで自由に間取りを変更できるのかといったことを明確にしておくことが大切です。
・フルリノベーションには、部分的なリフォームと違い、中古マンションを新築のマンションのように蘇らせる魅力があります。
・その良さを知った上で、耐震性やマンション全体の外観に影響する為できない変更について確認し、リノベーションの計画を進める準備の一環にしてください。
■マンションでのフルリノベーションに生まれる制限
戸建て住宅のフルリノベーションには、スケルトンリフォームという柱や梁以外はすべて撤去するという方法があります。
この方法でリノベーションをすると、外壁もなくなるので、窓の位置やサイズを自由に決められます。
この部分がマンションのリノベーションと戸建て住宅のリフォームの大きな違いです。
戸建て住宅では周辺の環境の変化に合わせて新しい窓の位置を決められますが、マンションのリノベーションは、窓の位置が変えられません。
この他にもマンションのリノベーションには間取りの自由度に影響する制限があります。
リノベーションをすると決めて計画を進める際に制限に阻まれることのないよう、あらかじめマンションのリノベーションの制限について確認しておきましょう。
【構造上の制限】
マンションの構造には壁式構造とラーメン構造があり、どちらにも、耐震性を維持する為に構造上の制限があります。
・壁式構造
壁式構造の特徴は、柱と梁の代わりに耐力壁で建物を支える為、出っ張りのないすっきりした空間です。
ただ、耐力壁の位置を変更したり取り外したりすることは、著しく耐震性を低下させてしまうので不可能です。
間仕切壁を入れて空間を仕切る、部屋数を増やすなどはできますが、より広々とした空間にすることはできません。
・ラーメン構造
ラーメン構造の特徴は、柱と梁と耐力壁で頑強な外枠を作り、内部には耐力壁を配置しない空間です。
ただ、外枠を構成する柱の出っ張りをなくすことは、外枠自体を壊すことになるのでできません。
【マンション全体の外観に関わる制限】
個人で購入したマンションであっても、マンション全体の外観デザインに影響を与えるような変更はできません。
・窓
窓のサイズや位置は変えられませんが、断熱性を向上させるために内窓の設置はできます。マンションの規約によっては窓交換ができる場合もあります。
・玄関ドア
玄関ドアもマンションの外観の一部にあたるので交換できません。
・換気扇
外壁に穴をあけることになるので、間取り変更に合わせて換気扇の位置を移動することはできません。
【マンションの排水に関わる制限】
壁の中には排水竪管と排水横引き管があり、それぞれに異なる制限があります。
・排水縦管
壁の中に埋め込まれた排水縦管は、外部埋設管と各住戸の配管を垂直に繋いでいるマンション全体の共有部分です。
一戸だけが位置を移動させたり、点検口を塞いだりしてしまうと、マンション全体の排水に影響を与えてしまうので変更はできません。
・排水横引き管
排水横枝管とは、水回りからの排水を排水主竪管に流す床下に通っている排水管ですが、排水縦管と比較すると、排水横引き管には、多少の自由度があります。
排水勾配と、排水縦管との距離が確保できる場合は、水回りの移動ができるからです。
ただし排水勾配や排水縦管との距離により、移動できる距離が制限されます。
【マンションの規約による制限】
マンションにはそれぞれ管理組合があり、個々の規約が定められています。
リノベーションに際しては、変更部分に関して規約違反にならないかどうかを確認する必要があります。
・床材
マンションでは、上階の足音や生活音が下の階の住民の生活にストレスを与えないよう、床の遮音性に対する規約を定めていることがあります。
リノベーションにあたっては、フローリングにしたいという希望が多いことと思いますが、使用が許可されるフローリング用の床材について確認しておくことが大切です。
■マンションのフルリノベーションでできること
マンションを暮らしやすくする方法には、部分的なリフォームとフルリノベーションがあります。
フルリノベーションは、内部の間仕切り壁を全て取り払い、箱のような状態に戻してから家族構成や暮らし方、家族の好みに合わせて新たに間取りを決めていきます。
新築と比べてリノベーションの場合、今までの暮らしで不満を感じていた個所が分かっているので、具体的な希望を出していける良さがあります。
・間取りの変更
今まではダイニングキッチンとリビングが仕切られていてキッチンに閉塞感があった上に、回遊できない家事動線だった、洗面所が狭く、朝の支度をする家族の合間を縫って洗濯をするのが大変だった、収納が不足している上に、分散していたので使い勝手が悪くリビングに物が溢れていた、
など、改善したい点をリストアップした上で、暮らしやすい生活動線がある間取り、開放的な空間のリビング、ストレスなく使える洗面所などが実現します。
・システムキッチンやシステムバスを交換
最新の住宅設備機器を導入できます。
マンション購入時にはあらかじめ備え付けられていたシステムキッチンやシステムバスを好みのタイプに交換できます。
欲しかった機能を付け、今までのタイプには備わっていたもののほとんど使わなかった機能は省く…というように、今までの経験を活かして最適なタイプが選べます。
・断熱性を向上させる
天井や壁、床の中に機能性の高い断熱材を入れる、断熱性の高い内窓をつけるなどの方法で、断熱性を高め、冬暖かく夏涼しい環境にできます。
その他に、床暖房を導入することもできます。
・好みに合わせて自由に内装を調えられる
天井も壁も床も好みの質感の素材を使って内装を調えられます。
無垢材や塗り壁、織物クロスなどでナチュラルテイストにすることも、黒やハードめの素材を生かしてインダストリアルな雰囲気にすることも自由自在です。
そして間取りと内装に合わせて造作家具を採り入れられることも大きな魅力です。
造作家具はその場で大工さんが作るので、デッドスペースが生まれない、内装の色と調和する家具になるといった良さがあります。
キッチンや洗面台を造作することもできます。
■リノベーションしたマンションの施工事例
制限事項があったとは思えないほど自在に夢が叶えられたマンションの施工事例をご覧ください。
・シャープ&シックに
モルタル仕上げの壁や板張りの天井が陰影を与えて、北欧ヴィンテージの家具が似合う空間に仕上がりました。
LDKに隣接する黒いフレームの間仕切りが映えるワークスペース
・ふたりで育てる「白い箱」
飽きのこない空間を“育てていきたい”そんな想いを叶えたリノベーションです。
壁の1面を羽目板仕上げにしたサンルームはご主人のオアシス
取り外せない耐力壁を活用し、造作デスクと組み合わせて生まれたちょうど良いサイズ感のワークスペース
コンパクトさを逆手にとって作業しやすい機能的な空間に一新されたキッチン
・コスト×満足フルリノベ
築41年65㎡のマンションの内装を一新したリノベーションです。
スタイリッシュ且つ柔らかく明るい空間に仕上げたリビング。
ホワイトで統一されたキッチン周り。
これらの事例のように、マンションノリノベーションは制限があっても、このように生まれ変わります。
■まとめ:暮らしの変化に合わせて生まれ変わるマンション
築年数が長くなり、暮らしの変化や、住宅設備機器の劣化、内装の褪色によって暮らしにくくさを感じるようになった時、リノベーションが新築のようにマンションをよみがえらせます。
スムーズに理想の住まいにする為には、様々な制限を克服したり活用したりする必要があります。
その為には専門家の知識が役立ちます。
マンションのリノベーションをしたいけれど、何から手を付けていいのか…理想のイメージは固まっているものの、現実的には第一歩が踏み出せない…そのような際にはぜひ私たちにご相談ください。
現在のマンションの状況と家族構成、ご家族の暮らし方に合わせて、理想の住まいが完成するようお手伝いさせていただきます。
この他にもたくさんの施工事例がございます。ぜひご覧ください。
リノベーションは、中古マンションを、家族の暮らし方や好みに合わせて暮らしやすく快適な住まいに蘇らせます。
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