公開日:2020-02-14 更新日:2024-07-04
戸建リノベとマンションリノベのメリットとデメリット
中古物件を購入して新築同様に作り変えるリノベーションにはメリットが沢山あるため、年々注目度が高まっているように思います。
リノベーションを検討する際にまず悩むのは、戸建てにするかマンションにするかという点。
そこで今回は、戸建てとマンションそれぞれをリノベーションする際のメリットとデメリットを比較してご紹介します。どちらにすべきか悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください!
■ 戸建てリノベのメリットとデメリット
まずはマンションと比較したときの、戸建てリノベーションのメリットとデメリットです。ご自身のライフスタイルと照らし合わせて、どちらが自分に合うのかイメージしながらご確認ください。
・メリット
間取りやデザインの自由度が高い
日本の戸建て住宅のほとんどに採用されている木造軸組工法は、一部の柱や耐力壁を除いて間取りの変更をしやすいのが大きなメリットです。
また、給排水や電気配線の変更もマンションに比べて容易なため、水回りの移動など大幅な変更にも対応しやすいのが特徴です。
増改築や窓の変更・増設も可能なため、内外観のデザインや住み心地を大きく変えることも難しくありません。こだわりの間取りやデザインを持っている方は、戸建てリノベーションの方が実現しやすいといえるでしょう。
購入価格が安い場合が多い
日本の戸建て住宅は中古価格が下がりやすく、築20年を過ぎると建物価格はほとんどゼロに近くなります。ほぼ土地の価格だけで物件を購入できるため、初期費用を抑えやすい点がメリットです。
浮いた購入費用をデザインや設備のランクアップに充てることもできます。新築より安い価格で、グレードの高い新築同様の住まいを手に入れられるコストパフォーマンスの高さは大きな魅力ですね。
ライフスタイルの変化に対応しやすい
増築や大幅な間取り変更が可能な戸建て住宅は、家族の人数や年齢によるライフスタイルの変化に対応しやすいです。子供が生まれて部屋が足りなくなったら増築で一部屋増やすといった対応は、マンションでは難しい方法です。
将来車いすが必要になったときに備えてバリアフリー設計にしたり、廊下を広くしたりといった対応も可能です。駐車場からリビングに直接入れる入り口を新設するなど、大掛かりなリノベーションが可能なのも将来にわたって住みやすいポイントです。
・デメリット
耐震リフォームが必要なケースがある
地震の多い日本では建築基準法で建物の耐震性能を定めていますが、築年数が古い物件では現在の基準に満たない場合があるため注意が必要です。
建築基準法の耐震基準は1981年に大きな変更があり、以前の基準で建てられた家は大きな地震で倒壊する可能性が高くなります。現在の耐震基準に対応させて長く住むためには耐震改修をする必要があり、規模にもよりますが数百万円の費用が掛かるケースも。
なるべく1981年以降に建てられた物件を探し、どうしても古い物件が欲しい場合は多めに予算を組んでおきましょう。
基礎や土台の状態に注意が必要
中古物件は柱や土台といった建物の内部構造まで確認できないため、悪い状態の家を購入してしまうと余計な費用がかかってしまいます。
水漏れによる土台の腐れやシロアリ被害など、床や壁をはがしてみたら修繕が必要な状態だという可能性もゼロではありません。築年数の古い中古戸建てを購入する際は特に注意しましょう。
老朽化が予想される場合は、多少費用がかかっても有料の住宅診断を検討するのも有効です。「価格や条件は満足しているけど老朽化が心配」という場合は積極的に活用してみてください。
土地の制限を受ける可能性がある
住宅を建てられる土地には、国や自治体が定める様々な制限があり、リノベーション内容によっては制限がかかるケースがあります。
例えば土地に対する床面積の上限を決める建ぺい率や容積率ぎりぎりに建てられていると、増築で部屋を増やすことができません。
また、防火地域に指定されている物件は建物に使用する材料や製品の防火性能が求められ、思い通りのデザインが実現できないことがあります。材料のコストも高くなるため、リノベーション費用自体も高くなってしまいます。
建物だけでなく土地にも注目し、特殊な制限がかかっていないかよくチェックしましょう。
周辺環境の影響を受けやすい
隣の家や周辺の建造物など、自宅周りの環境から影響を受けやすい点には注意が必要です。リノベーションとともに耐震改修をして耐震性能を上げても、隣の家が脆くて地震で倒れてくることは防げません。
中古戸建てのリノベーションを検討する際は、周辺の住宅などもよく観察してどのようなエリアなのか把握しましょう。
また、周辺の都市計画情報などもチェックしておくことをオススメします。例えば隣接する道路の拡張計画があると、将来的に庭や建物がセットバックで削られてしまう可能性があります。開発計画のあるエリアだと、大きなマンションが建って景観や日照が悪くなってしまうかもしれません。
自治体に問い合わせたりホームページをチェックしたりすることで、こうした計画がわかる場合もありますので、購入する前に調べてみましょう。
■ マンションリノベのメリットとデメリット
次にマンションリノベーションのメリットとデメリットをチェックします。ご自身の住まいづくりで重視したいポイントについて特に注目してみてください。
・メリット
構造面での不安が少ない
大規模な建造物であるマンションは基本的にコンクリート造となっていて、木造と比べると地震や台風といった自然災害に対する構造面では有利です。
腐食による劣化なども可能性が低いため、築年数が経っている中古物件でも不安は少ないといえるでしょう。
資産価値が下がりにくい
建物の価値は基本的に年数が経つほど低下しますが、中古マンションは年数経過による価格の低下が少ないのがメリットです。転勤などどうしても手放さなければいけなくなった場合も、売却して次の住まいの資金にしやすいです。
リノベーション済み物件は設備などが新しくなっているため、普通の中古マンションより買い手が見つかりやすいのもうれしいポイント。ただし、売却で利益を得る目的の場合はリノベーション費用を回収するのは難しいため、あくまで居住のためのリノベーションが良いでしょう。
物件の選択肢が多い
発展している大きな都市の駅周辺はすでに多くの物件が建っているため、新築物件の数は多くありません。しかし、中古マンションも選択肢に入れると選べる物件が増えるため、希望の条件に巡り合いやすくなります。
新築では手が届かないエリアも、中古なら予算に収まる可能性もあります。新築で理想のマンションが見つからない場合は、中古リノベーションも選択肢に入れてみてください。
・デメリット
間取り変更の自由度が低い場合がある
フルリノベーションの場合でも、マンションの構造や規則によっては自由に間取り変更ができないケースもあります。
室内の間仕切り壁が木造の場合はある程度自由に間取り変更できますが、コンクリートの柱や壁があると移動はできません。
また、木造壁の場合でもマンションの規約によっては撤去や移動が禁止されていることもあります。床下の配管スペースが設けられていないマンションでは、水回りの移動が難しいケースも。
間取りにこだわりがある方は、マンション購入時にそういった事例があるかしっかり確認しましょう。
大規模改修の費用が掛かる
マンションには基本的に管理組合があり、住人が毎月管理費や修繕積立金を支払って建物の維持管理をしています。
築年数が経つほど建物の老朽化が進み、外壁塗装や水道管改修など大規模な改修の費用もかさんでいきます。新築のうちは維持管理費が安いため月々の費用も少ないですが、年数が経つにつれて値上される可能性も。
リノベーション用の中古マンションを検討する際は大規模改修のタイミングなどもヒアリングしましょう。
家族が増えた際の対応は難しい
マンションはあらかじめ決められている専有面積を増やすことができないため、部屋数を増やすことは難しいです。
間取りの工夫や同性の子供で1つの子供部屋にするなどやりくりすることも不可能ではありませんが、1人当たりのパーソナルスペースは狭くなってしまうでしょう。
マンションの場合は、新しく家族が増えた場合や、年を取ったご両親と一緒に暮らすことになった場合などの対応は難しいことを頭に入れておきましょう。
共有部分の改修ができない
構造や規則などの制限がなければ室内の専有部分は好きなデザインにできますが、廊下やベランダなどの共有部分はリノベーションができません。
窓ガラス交換はOKなマンションが多いですが、サッシ枠の交換は難しいため、築年数が多いマンションでは古い部分が残って気になることも。
玄関ドアも共有部分になるため基本的に個人では交換ができず、大規模改修で交換する場合もデザインが選べないことが多いです。せっかく玄関をきれいにしても、古いドアが残ってしまうのは悲しいですね。
ただし、内側は専有部なので、表面にシートを貼ったり塗装をして新品のように見せることはできる可能性もあります。
マンションのリノベーションを検討する際は交換できない共有部分の確認をして、難しい場合はデザインの邪魔にならない方法を検討しましょう。
■ 戸建てリノベーション事例
おしゃれな印象を与えるヘリンボーンの床材は、使える材料に制限のない戸建てリノベーションならではのデザインです。
たくさんの窓から入る自然光で明るい室内も戸建てならではの利点。
■ マンションリノベーション事例
優しい色合いの無垢フローリングと、ホワイトにまとめたナチュラルな室内は築31年の古さを全く感じさせません。
畳の小上がりスペースはお昼寝などにピッタリなうえ、収納にもなって一石二鳥。収納不足になりがちなマンションでぜひ取り入れてみてください。
■ まとめ
事例を見る:Case59「Carpenter’s house」
リノベーションは戸建て・マンションそれぞれにメリットとデメリットがあるため、しっかり比較検討することが大切です。
ライフスタイルや家族構成によってどちらが向いているか変わってきますので、慎重に選びましょう。
SHUKEN Reは戸建て・マンションともに豊富な施工経験をもとにしっかりサポートいたします。
どちらにすべきかお悩みの方は、ご希望のデザインや間取りに合わせてアドバイスさせていただきますので、お気軽にご相談ください。