コラム

中古マンションの不動産取得税はいくら?計算方法・目安や軽減措置を解説

公開日:2024/08/18

中古マンションの不動産取得税はいくら?計算方法・目安や軽減措置を解説

 

中古マンションを購入すると発生するのが「不動産取得税」です。

 

不動産取得税は不動産購入時に一度だけ支払う税金です。

 

そのため「一体いくらをいつ払うのか分からない」という方も多いでしょう。

 

そこで今回は、中古マンション購入時にかかる「不動産取得税」について、概要と計算方法、軽減措置を詳しく解説します。

 

物件価格が1,000・2,000・3,000・4,000・5,000万円の場合の税額シミュレーションや、支払いのタイミング、課税されないケース、手続き方法など、多くの方からいただく質問も紹介しますのでぜひ最後までご覧ください。

 

このコラムのポイント

● 不動産取得税は、中古マンションなどの不動産を購入した場合に払う地方税です。

● 不動産取得税には住宅用地や住宅が対象の軽減措置が設けられています。

● 不動産取得税など物件購入資金以外にかかるコストも踏まえた資金計画を立てたい方には、理想に合う中古マンション探しから資金計画、リノベーションの設計施工までフルサポートするSHUKEN Reの「ワンストップリノベーション」がおすすめです。

 

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不動産取得税の概要と計算方法|土地・家屋

 

不動産取得税の概要と計算方法|土地・家屋

 

「不動産取得税」とは、購入・贈与・新築・増築などによって、新たに土地や家屋を取得した人(※)へ課税される各都道府県が管轄の“地方税”です。

 

※不動産の取得:税法上は不動産所有権を得た場合を指し、そこに金銭の支払いがあったかどうか(有償か無償か)は問われない

 

取得した際に一度だけ課税され、固定資産税や都市計画税のように毎年支払うものではありません。

 

【不動産取得税の計算方法(住宅用地・住宅の場合)

 

課税標準額(※)× 標準税率3%(東京都における特例措置)

(上記税率は2027(令和9)年 3月31日まで適用)

 

※課税標準額:実際の価格ではなく、固定資産評価証明書に書かれた額で、土地は公示価格の70%程度、家屋は物件価格の50〜70%程度に設定されるのが一般的

 

ただし、住宅地や住居に対しては都道府県ごとに軽減措置が適用されます。

 

ポイント

不動産所得税だけではなく、購入後に支払う固定資産税や都市計画税の額を購入前に知りたい方は、以下の方法で課税標準額を調べましょう。

● 売主へ聞く(毎年所有者へ送付される固定資産税納税通知書に記載されている)

● 対象不動産がある市区町村の役場へ問い合わせる(申込書を記入して手数料を支払うと教えてもらえる)

 

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不動産取得税には軽減措置あり|東京・千葉・神奈川の場合

 

不動産取得税には軽減措置あり|東京・千葉・神奈川の場合

 

不動産取得税は、住宅用地や住宅に対して軽減措置があります。

 

詳細は自治体ごとに異なるため、購入前に確認が必要です。

 

【不動産取得税の軽減措置を受ける条件】

 

  • ①取得する不動産が「自身の居住用」であること

  • ②対象不動産の面積が「50㎡以上240㎡以下」であること

  • ③対象不動産が「1981(昭和57年)1月1日以後に新築されている」こと(新耐震基準建物であること)
    ※1980年までに建てられていたり旧耐震基準である場合は、耐震改修して現行の基準に適合していることが証明できれば軽減措置の対象になる

  • ④土地について軽減措置を受ける場合は、家屋部分が①〜③の条件を満たしていること

  • ⑤土地と家屋を別々に取得した場合は、家屋取得時の前後1年以内に土地を取得していること

 

ポイント

人気の高い東京都・千葉県・神奈川県では、既存住宅及びそれが建つ敷地に対して不動産取得税の軽減特例があります。

家屋分は建築時期によって不動産取得税の控除額が異なりますので、中古マンションの築年数を確認しましょう。

 

 

家屋の不動産取得税控除額

 

【家屋の建築年月日】

※築年数の目安は2024年時点(建築月によって前後)

【控除額】

平成9年4月1日以降

(〜築27年)

1,200万円

平成元年4月1日 ~ 平成9年3月31日

(築28〜35年)

1,000万円

昭和60年7月1日 ~ 平成元年3月31日

(築36〜39年)

450万円

昭和56年7月1日 ~ 昭和60年6月30日

(築40〜43年)

420万円

昭和51年1月1日 ~ 昭和56年6月30日

(築44〜48年)

350万円

昭和48年1月1日 ~ 昭和50年12月31日

(築49〜51年)

230万円

昭和39年1月1日 ~ 昭和47年12月31日

(築52〜60年)

150万円

昭和29年7月1日 ~ 昭和38年12月31日

(築61〜70年)

100万円

※1980(昭和56)年末以前に建てられた中古物件については、建築士等が行う耐震診断によって新耐震基準に適合していることが証明された場合のみ控除の対象

 

 

土地の不動産取得税控除額

 

【不動産取得税の軽減措置を受ける条件】

 

①と②の条件で大きい方の額を控除

 

  • ①45,000円
  • ②(土地の課税評価額/㎡ ×住宅の床面積(※)の2倍 × 住宅の取得持分 × 3%
    ※一戸につき上限200㎡

 

(参考:東京都主税局|不動産取得税千葉県|不動産取得税神奈川県|不動産取得税

 

ポイント

都道府県ごとに上記以外にも細かい条件が定められているため、詳しくは土地・家屋のある地域の役所や管轄の税事務所へ詳細をお問い合わせください。

 

 

 

不動産取得税の税額目安|1,000・2,000・3,000・4,000・5,000万円の中古マンションでシミュレーション

 

不動産取得税の税額目安|1,000〜5,000万円の中古マンションでシミュレーション

 

物件価格が1,000万円、2,000万円、3,000万円、4,000万円、5,000万円の場合の不動産取得税のシミュレーションを行います。

 

プランによって詳細は異なりますが、よくある例は以下の通りです。

 

(シミュレーションの共通条件)
 
  • ・中古マンション所在地は「東京・千葉・神奈川」のいずれか
  • ・物件価格の土地建物比率は「土地30%、建物70%」
  • ・建築時期は築30年(1994年竣工)= 家屋は1,000万円控除
  • ・土地の課税評価額は物件価格の50%、家屋は70%
  • ・地積(敷地権)は10㎡
  • ・専有部分の面積は80㎡
  • ・土地と家屋は共に単独所有(100%所有)

 

ポイント

不動産取得税には「免税点」が設定されており、不動産の課税標準額が基準額未満であれば課税されません。

【取得する不動産】 【免税点】
土地 10万円
家屋(新築・増築・改築) 23万円
家屋(売買、その他) 12万円

※1年以内に隣接する土地や家屋を追加で取得した場合は課税対象になります。

 

 

家屋の不動産取得税額

 

【物件価格】 【不動産取得税(家屋)】

1,000万円

土地:300万円
建物:700万円

(490万円-1,000万円)× 3% = 0円

※700万円の70%=490万円

※全額控除

2,000万円

土地:600万円
建物:1,400万円

(980万円-1,000万円)× 3% = 0円

※1,400万円の70%=980万円

※全額控除

3,000万円

土地:900万円
建物:2,100万円

(1,470万円-1,000万円)× 3% = 14.1万円

※2,100万円の70%=1,470万円

4,000万円

土地:1,200万円
建物:2,800万円

(1,960万円-1,000万円)× 3% = 28.8万円

※2,800万円の70%=1,960万円

5,000万円

土地:1,500万円
建物:3,500万円

(2,450万円-1,000万円)× 3% = 43.5万円

※3,500万円の70%=2,450万円

※上記シミュレーションはあくまでの概算なので、正確な税額を知りたい方は税理士などへお問い合わせください。

 

 

土地の不動産取得税額

 

【物件価格】 【不動産取得税(土地)】

1,000万円

土地:300万円
建物:700万円

150万円 × 3% – 150万円/10 ×(80 × 2)× 3% = 0円

※300万円の50%=150万円

※全額控除

2,000万円

土地:600万円
建物:1,400万円

300万円 × 3% – 300万円/10 ×(80 × 2)× 3% = 0円

※600万円の50%=300万円

※全額控除

3,000万円

土地:900万円
建物:2,100万円

450万円 × 3% – 450万円/10 ×(80 × 2)× 3% = 0円

※900万円の50%=450万円

※全額控除

4,000万円

土地:1,200万円
建物:2,800万円

600万円 × 3% – 600万円/10 ×(80 × 2)× 3% = 0円

※1,200万円の50%=600万円

※全額控除

5,000万円

土地:1,500万円
建物:3,500万円

750万円 × 3% – 750万円/10 ×(80 × 2)× 3% = 0円

※1,500万円の50%=750万円

※全額控除

※上記シミュレーションはあくまでの概算なので、正確な税額を知りたい方は税理士などへお問い合わせください。

 

ポイント

平均的な広さ・価格の中古マンションは、ほとんどのケースで土地の不動産取得税は課税されません。

 

 

 

【FAQ】中古マンションの不動産取得税に関するよくある質問

 

【FAQ】中古マンションの不動産取得税に関するよくある質問

 

最後に、中古マンションの不動産取得税に関するよくある質問を紹介します。

 

初めてマイホームを購入する方は、参考にしてください。

 

 

Q.「不動産取得税はいつ払う?」

 

A.「納税通知書が届いたら、記載されている期日までに納付しましょう。」

 

不動産を取得(所有権移転登記)後、法務局から各自治体へ情報が渡り、後日納税通知書が届きます。

 

通知書が届いたら、記載されている期日までに納付しましょう。

 

登記手続きをしてから納税通知書が届くまでの期間は自治体によって異なりますが、3〜6ヶ月程度で送付されるのが一般的です。

 

納付期限は30日程度で設定されている自治体が多いため、登記完了と同時にいつでも納税できるように準備しておくことをおすすめします。(参考:東京都主税局|不動産取得税

 

 

Q.「不動産取得税がかからない場合があるって本当?」

 

A.「一定の条件がそろえば、不動産取得税は非課税になります。」

 

不動産取得税がかからないケースは主に5つあります。

 

  • ・相続による不動産取得の場合
  • ・取得した不動産が免税対象範囲内の場合
  • ・特定法人(学校や病院など)による不動産取得の場合
  • ・土地区画整理に伴う換地を取得した場合
  • ・法人の合併や分割に伴い不動産を取得した場合

 

この中で個人が中古マンションを取得した際に最も関係するケースは、「相続」によるものです。

 

ただし、相続時精算課税制度を利用する場合や生前贈与する場合、等価交換によって土地や家屋を取得した場合は、不動産取得税の課税対象となるので注意してください。

 

 

Q.「不動産取得税の申告や軽減措置の手続き方法は?」

 

A.「中古マンションを購入したら、期日までに税申告もしくは登記を済ませた上で、所定の申請書を管轄の税事務所へ提出します。」

 

不動産を取得した(引き渡しを受けた)日から30日以内に管轄の都税事務所へ税申告するか、法務局で登記手続きをする必要があります。

 

その後、自宅へ不動産取得税納付書が届いたら、そちらを添付して都税事務所へ専用の申請書を提出します。(参考:千葉県|Q&A(県税)

 

自治体によって多少違いはありますが、一般的には下記の書類が必要です。※中古物件を取得した場合

 

  • ・不動産取得税申告書(申請書)
  • ・.自治体から郵送される不動産取得税納税通知書
  • ・住宅の登記事項証明書(登記簿謄本)
  • ・市区町村が発行する住宅用家屋証明書もしくは住民票

 

 

Q.「中古マンションを購入する時、不動産取得税以外にかかる諸経費はどのくらい?」

 

A.「中古マンションを購入したら、不動産取得税以外にも合わせて数十万円程度の費用が必要です。」

 

中古マンション購入時にかかる主な諸経費は以下の通りです。

 

不動産取得税 土地・家屋:課税標準額の3%
不動産仲介手数料 取引額(物件価格) × 3〜5% + 2〜6万円 + 消費税

登録免許税

(所有権移転登記の申請時に納税)

土地:課税標準額の1.5%
家屋:課税標準額の0.3%もしくは0.1%

※住宅用地・住宅の場合は軽減措置あり

登記を依頼する司法書士の報酬

登記申請時に必要な公的書類の発行手数料

5〜19万円程度

 

ポイント

中古マンションを購入すると、一時的にかかる諸経費だけではなく、マンションの管理費・修繕積立金や、固定資産税・都市計画税など、毎月もしくは毎年継続的に支払う経費が増えます。

そのため、購入後の収支計画も踏まえて、資金計画を立てましょう。

 

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まとめ:不動産取得税など購入時にかかる経費は購入前に確認を

 

中古マンションを購入すると、不動産取得税をはじめとした物件価格以外のコストがかかります。

 

そのため、購入前の資金計画には、諸税やその他経費も含めたシミュレーションが必要です。

 

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SHUKEN Re 編集部

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