【中古一戸建て住宅の火災保険】安い?高い?相場はいくら?選び方とシミュレーションのコツを紹介
中古の一戸建て住宅を買う際、万が一火災に遭って家財や建物が被災する場合に備えて「火災保険」に入るのが通常です。
そこで気になるのが、保険料ですよね。
ところが、家の築年数や販売価格、補償内容によって、費用は異なります。
「これから中古住宅を購入するが、どれほど保険料を用意すればいいか分からない」という方もいるでしょう。
そこで、今回は「中古一戸建て住宅にかける火災保険」について、種類や費用目安、築年数別費用シミュレーション、そのほか、支払いや契約のタイミングなど多くの方が気になる疑問にお答えします。
中古の一戸建て住宅購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
・火災保険に加入しておくと、家が火災や風災で損傷を受けた場合に補償金を受け取れるため、中古一戸建て住宅を購入する際は必ず加入しましょう。
・火災保険料は家の価格や築年数によって変わります。
・中古一戸建て住宅を購入する場合は、物件購入から火災保険料などの諸費用、リノベーション費用を含むトータルコストが分かるワンストップリノベーションサービスがおすすめです。
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Contents
中古一戸建住宅にかける火災保険の種類と補償内容
中古一戸建て住宅のリフォーム・リノベーション事例を見る:Case86「温もりヴィンテージ」
中古住宅を購入する場合、必ずと言っていいほど加入するのが「火災保険」です。
火災保険とは、人ではなく住宅などの建物や家財にかけられます。
対象物件が火災の被害に遭った場合、損害額を補償金としてカバーしてくれます。
住宅ローンを利用して住宅を買う場合は、火災などで対象住宅が損傷もしくは損失して担保能力を失っても、保険金から残債を返済できます。
100%自己資金で購入する場合も、火災で家が全焼した場合は新居・家財品を揃えたり、近隣の被災を補償するための費用を確保するために必要です。
そのため、中古住宅を買う際には火災保険へ加入が必須と言っても過言ではありません。
住宅用火災保険は、補償内容によって主に2種類に分けられます。
【住宅火災保険】
住宅(建物)と家財を対象に、「火災・落雷・破裂・爆発」と「風災・雹災・雪災」で被災した場合に補償金を受け取れるのが一般的です。
※地震保険はオプション
【住宅総合保険(オールリスク型保険)】
住宅(建物)と家財を対象に、「火災・落雷・破裂・爆発」や「風災・雹災・雪災」に加えて、以下の理由で被害が出た場合もカバーされます。
- ・水災(台風や洪水)
- ・不測・突破的な事故(破損・汚損など)
- ・盗難
- ・給排水設備事故の水漏れ
- ・車両又は航空機の衝突
- ・外部からの物体衝突
- ・騒擾や労働争議等
※地震保険はオプション
住宅総合保険は火災保険よりも補償が手厚く、最近増えている台風や大雨など異常気象に伴う水災の損傷もカバーできますが、その分保険料は高めです。
そのため、火災保険を選ぶ際は、支払い額と補償内容のバランスを見て、ご自身に合うプランを選びましょう。
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火災保険料算出のベースとなるのが、「再調達価額」と「時価」です。
再調達価額 (新価) |
保険対象である建物(家財)と同等のものを再築・再購入する場合に必要となる金額 |
時価 | 再調達価額から経年・消耗・劣化した分を減価した金額 |
再調達価額 − 経年減価額(経年・使用による消耗分)= 時価
新築住宅の火災保険料には「再調達価額」が用いられ、中古住宅には「時価」を使います。
「再調達価額 > 時価」という式が成り立つため、これだけ見ると、新築住宅の方が火災保険料は高くなると思われがちですが、実際はそうではありません。
築年数の経っている古い住宅の場合は、電気設備・給排水設備や構造が老朽化していることを前提として、火災(出火)・水漏れや風災による損壊リスクが高めに設定されています。
そのため、火災保険料は築年数が古い家ほど高い場合が一般的です。
では、ここで新築と築10年・20年・30年の中古住宅にかかる火災保険料をシミュレーションして比較みましょう。
シミュレーション共通条件 |
・保険種別:住宅総合保険 ・所在地:東京都 ・構造:H構造(木造)※ ・建物価格:2,500万円 ・家財品:300万円 ・地震保険特約:なし |
※木造住宅であっても、建築基準法で定められている「耐火建築物」「準耐火建築物」「省令準耐火建物」の条件をクリアしている場合は、鉄筋コンクリート造や鉄骨造など火災に強いT構造とみなされて保険料が安くなります。
【築年数】 | 【保険料(1年)】 | 【保険料(5年)】 |
新築 | 33,000〜40,000円 | 152,000〜178,000円 |
築10年 | 41,000〜54,000円 | 190,000〜230,000円 |
築20年 | 50,000〜67,000円 | 230,000〜267,000円 |
築30年 | 55,000〜71,000円 | 254,000〜360,000円 |
※複数保険会社のプランをシミュレーションして算出
上の表からも分かる通り、新築と築30年の中古住宅の火災保険料を比べると、2倍以上になる可能性もあるのです。
そのため、中古の一戸建て住宅を購入する際には、事前に火災保険の概算を調べ、家計の支出に組み入れておくことが肝心となります。
▶︎中古物件の購入・リノベーションに関するファイナンシャル相談はこちらから
火災保険に関するFAQ|時期・節約方法・条件について
中古一戸建て住宅のリフォーム・リノベーション事例を見る:Case6「古民家の空気をそのまま感じる家」
ここで、中古の一戸建て住宅購入を検討している方からよくいただく質問を紹介します。
Q.「契約と支払いはいつするの?」
A.「契約は引き渡し日の2〜3週間前までに行い、支払いは保険始期日の前日までに済ませるのが基本です。」
火災保険の補償開始日は「保険始期日」と呼ばれ、物件の引き渡し日と同日に設定するのが基本です。
保険会社によって見積もりから契約までかかる日数は異なりますが、引き渡し日の2〜3週間前までに済ませておくと安心です。
保険料の支払いは保険始期日までに済ませるため、1年分もしくは5年分の保険料を“現金”で用意しておきましょう。
Q.「火災保険を節約する方法はある?」
A.「火災保険は必ず加入した方がいいですが、保険料を抑える方法もあります。」
火災保険に加入しなかったり、補償内容を減らしてしまうと、いざ家が損傷した場合に大問題になってしまいます。
そのため、火災保険料を少しでも少なく抑えたい方は、プランの内容を変えるのではなく、以下の方法を試してみましょう。
「保険期間を長期にする」
保険料は1年契約よりも3年・5年と長期契約にすることで保険料がお得になる会社がほとんどです。一時的な出費は増えますが、1年あたりの保険料は少なくなります。
「各種割引プランを利用する」
多くの保険会社では、オール電化住宅割引やWEB申し込み割引、耐火性能割引など、中古住宅でも利用できる割引プランがあります。そのため、購入後にリノベーションした後、2年目からは割引プランをうまく活用するのもおすすめです。
Q.「地震保険はつけるべき?」
A.「地震保険をつけないと、地震によって発生する火災による被害は保証されないため、合わせて加入するのがおすすめです。」
火災保険だけでは、地震によって発生した火災による損傷は補償されません。
日本では全国どこでも地震で被災する可能性があるため、火災保険と合わせて地震保険へも加入することをおすすめします。
火災保険へ地震保険をつけた場合の差額は、年間5〜6万円程度です。(1年契約、築30年の場合)
ちなみに、地震保険に入ると、「地震保険料控除」の制度を受けられて、所得税・住民税が最高50,000円分控除されます。
Q.「築40年を超えた古い中古住宅でも火災保険を契約できる?」
A.「保険会社によって加入条件が厳しくなったり、契約できない場合もあります。」
築40年以上たった古い中古住宅でも、「火災保険に入れない」という公的な決まりはありません。
ただし、当然保険料は高くなりますし、保険会社によっては家財が対象外になるなど、条件が厳しくなるかもしれません。
築年数によって補償対象外となり、契約できない会社もゼロではありません。
しかし、古い住宅でも火災によって家が損傷すればなおさなくてはいけません。
ご自身の住宅以外に、近隣へ損害を与えてしまう可能性もありますので、それもカバーできる「類焼損害補償特約」をつけておくことをおすすめします。
築40年を超える中古一戸建て住宅の購入を検討している方は、加入できる火災保険を見つけてから、売買契約を取り交わしましょう。
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中古一戸建て住宅を購入する際は“その他”の費用も要チェック
中古一戸建て住宅のリフォーム・リノベーション事例を見る:Case18「自然に座ってしまう、畳小上がりの魅力」
中古一戸建て住宅を購入する際は、物件価格や火災保険料以外の諸費用を用意しなくてはいけません。
手付金 | 【購入価格×5~10%が相場】 |
【不動産仲介手数料】 |
【上限、物件価格×3%+6万円+消費税】 (物件価格が400万円超の場合) |
【印紙税】 売買契約書 |
【1〜3万円程度】 |
【不動産取得税】 |
【固定資産税評価額×4%】 (住宅用地特例による軽減措置あり) |
【固定資産税精算金】 | 【その年の固定資産税を売主・買主で日割り】 |
【頭金】 | 【購入価格×5~10%が相場】 |
【印紙税】 住宅ローン契約書 |
【2〜4万円程度】 |
【住宅ローン手数料】 | 【借入金額×2.2%が一般的】 |
【物件調査料】 住宅ローン審査 |
【4〜6万円程度】 |
【不動産登記費用】 所有権移転登記(土地・家屋) 抵当権設定登記 司法書士報酬・その他経費 |
【20〜100万円程度】 |
【リノベーション費用】 |
【800〜3,000万円程度】 (フルリノベーションの場合) |
※上記金額は目安です。実際と異なる場合もありますのでご了承ください。
全ての費用を合わせると、リノベーション費用を除いても数十万円以上のまとまった額になります。
基本的には現金で用意しなくてはいけないため、物件探しの段階から諸費用の額も把握しておきましょう。
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2023年に首都圏で成約した中古戸建住宅の平均築年数は「21.82年」、新規登録された物件の平均築年数は「24.08年」です。(参考:公益財団法人 東日本不動産流通機構|月例マーケットウォッチ2023年)
戸建住宅は築20年を超えると、様々な箇所が経年劣化してきます。
つまり、売り出されている中古一戸建て住宅の大半は、大なり小なりリノベーションしなくてはいけない可能性が高いということです。
そのため、中古一戸建て住宅を購入する場合は、「物件価格+火災保険料を含む諸費用+リノベーション費用」のトータル予算を早めに把握する必要があります。
ところが、不動産会社・金融機関・リノベーション会社と相談先を分けると、総費用を把握するのが難しいのが現実ですよね。
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まとめ:火災保険料は安心して暮らすために欠かせない費用
中古の一戸建て住宅を購入する際、その家に将来ずっと安心して暮らし続けるため、そして、大切な資産を守るために火災保険は欠かせません。
ただし、その保険料は家の価格や築年数によって異なります。
また、築40年を超える古い住宅では、加入できるプランが限定される可能性も否めません。
そのため、家を買う前に加入する火災保険のプランや保険料を確認しておきましょう。
そして、物件価格や火災保険料以外の費用目安も知っておくことをおすすめします。
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