〈リノベ前提の物件探し〉中古マンション購入を失敗しないためのポイント16選
「リノベーション前提で中古マンションを買いたいが、物件探しのポイントが分からない」
「物件選びを失敗したくない」
そんな方のために、中古マンション探しを失敗しないためのコツを“物件探し・リノベのプロ”が紹介します。
これからマイホーム計画を始める方は、ぜひ参考にしてください。
・理想の間取りをリノベーションで実現させたい方は、管理規約の内容や、周辺環境、既存の間取りなど、さまざまな視点で物件を探す必要があります。
・リノベーション前提で中古マンションを購入する場合には、物件探しの際に「不動産知識」と「建築知識」の両方を持つ会社へ相談しましょう。
・中古マンションの物件探しから資金計画、リノベーションの設計施工、アフターメンテナンスまでフルサポートできるhowzlifeの「ワンストップリノベーション」なら、物件購入を失敗しません。
Contents
中古マンション購入を失敗しない物件選びのチェックポイント
首都圏における中古マンション市場は、2018年頃のピークと比べると落ち着きつつありますが、2022年だけでも、35,381件も売買が成立しました。
一年間で新規登録された物件数を見てみると、その数はなんと181,149件にも上ります。(参考:公益財団法人東日本不動産流通機構|首都圏不動産流通市場の動向(2022年度))
これだけ選択肢が豊富な中古マンション市場ですから、情報サイトを見ると、目移りしてしまいますよね。
ただ、「投資目的の場合」と「リノベーションして住む場合」とでは、適切な物件は異なります。
では、リノベーション前提で中古マンションを探す際のチェックポイントを詳しく見てみましょう。
「生活の利便性・交通アクセス」
リノベーションしてそこでずっと住み続けるには、やはり生活の利便性や交通アクセスは欠かせません。
ただし、どんな施設が近くにあると便利なのかは、ご家庭によって異なります。
小学校や保育園が近い方がいいのか、はたまた病院が近い方が便利なのか、ご家族で話し合ってロケーションを定めましょう。
不動産を資産として捉えるならば駅近の物件が有利ですが、リモートワークが主な方ですと、高いコストをかけて駅から近い物件を買うことのメリットはそれほどないかもしれませんよね。
むしろ、多少駅から遠くても、広くて周囲の騒音が聞こえない方が、書斎を作るのに適しています。
「災害リスクの有無」
せっかくお金をかけて中古マンション購入・リノベーションするのですから、ずっと安心して住める場所を選びたいですよね。
首都圏では台風などの被害が比較的少ないですが、川沿いは洪水などのリスクがないとも言い切れません。
買いたい物件の候補を見つけたら、国土地理院が運営している「重ねるハザードマップ」を確認してみてください。
(引用:国土地理院|重ねるハザードマップ)
また、各都道府県や市区町村が作成している「液状化マップ」も、合わせて忘れずにチェックしましょう。
2011年に発生した東日本大震災では、首都圏でも液状化現象が多数の地域で確認されています。
ただし、「液状化リスクが高い=被災リスクがある」とは言い切れません。
なぜなら、建築時期が2000年以降であれば、マンションを建てる際の地盤調査とそれに伴う地盤改良工事が事実上義務化されているからです。
そのため、液状化リスクの高いエリアで物件を探す場合は、建築時期も合わせてチェックしてください。
「共用部分の管理状況」
中古マンションを探す際、チェックを忘れてはいけないのが「共用部分の管理状況」です。
掃除が行き届いているかはもちろん、ゴミ置き場や駐輪場の秩序が保たれているかや、共用廊下に私有物がたくさん置かれていないかなどをチェックしましょう。
管理が行き届いていないと、管理体制に少々問題があるかもしれません。
入居してから不快な思いをするだけではなく、将来売却する場合、価格に影響する可能性も考えられます。
「旧耐震基準の場合は耐震改修履歴の有無」
1981年以前に建てられた「旧耐震基準」のマンションは、現在の建築基準法で定められている耐震基準と比べると、性能は劣ります。
旧耐震基準 |
10年に一度発生すると考えられる中規模の地震動(震度5強程度)に対して、家屋が倒壊・崩壊しない =「震度5強よりも大きな大規模地震(震度6強~7程度)は想定されていない」 |
新耐震基準 |
中規模の地震動(震度5強程度)で、家屋がほとんど損傷せず、大規模の地震動(震度6強~7程度)で、家屋に多少の損傷はあっても、倒壊・崩壊しない |
旧耐震基準のマンションは、全国におよそ「104万戸(2018年時点)」も残っているとされており、首都圏においては、約6,000棟・約450,000戸も現存しているという調査結果があります。(参考:国土交通省|マンション政策の現状と課題)
ただし、旧耐震マンションの全てにおいて、耐震性が低いとは言い切れません。
中層の鉄筋コンクリート造(RC造)や、壁式構造、プレキャストコンクリート工法(PC工法)の建物は、壁量が多いため、旧耐震基準のものでも比較的耐震性が高いとされており、地震の多い日本において過去の大地震でも大きな被害はほとんど報告されていません。(参考:国土交通省|マンション耐震化マニュアル)
また、それ以外の工法であっても、既に建物全体の耐震改修が済んでいる可能性もあります。
そのため、1981年以前に建てられたマンションを選ぶ際は、管理会社へ過去に耐震調査や耐震改修が行われたかどうかを確認しましょう。
「共用部の大規模修繕履歴と今後の長期修繕計画」
不動産仲介業者を通して、今まで「いつ・どのような」大規模修繕工事が行われたかを確認しましょう。
適切な改修工事が行われていなければ、構造躯体などに劣化が見られる可能性があり、資産価値に大きく影響します。
また、いざメンテナンスをする際に多額の費用がかかり、追加の修繕金が徴収される可能性もゼロではありません。
“適切な”改修工事のスパンは、一般的に「12年周期」です。
(引用:国土交通省|長期修繕計画標準様式・長期修繕計画作成ガイドライン・長期修繕計画作成ガイドラインコメント P.51)
ただし、比較的最近建てられた築浅のマンションですと、「15〜18年周期」で設定されている可能性もあります。
今までの大規模修繕工事履歴と合わせて確認することをおすすめするのが、今後の「長期修繕計画」です。
国土交通省が定めた「マンション標準管理規約」では、管理組合には長期修繕計画を作成して、それを定期的に見直し改変する義務があると明記されていますが、古いマンションですと、それが曖昧になっている可能性もあります。
長期修繕計画には、計画的な修繕工事スケジュールだけではなく、その計画を実行するために必要となる修繕積立金の資産額なども盛り込まれています。
そのため、長期修繕計画の精度が高いマンションですと、今後もきちんと共用部のメンテナンスが滞りなく行われる可能性が高いです。
「総戸数」
マンションの物件情報に書かれていないことも多いですが、総戸数も重要なチェックポイントです。
駅から離れた閑静な住宅地に建つマンションの中には、総戸数が10〜20戸程度と少ない物件もあります。
小規模なマンションのメリットは、住民同士のコミュニケーションが密に取れる点ですが、一方で各戸が負担する管理費や修繕金が高くなったり、管理組合の役員の順番が頻繁に回ってくる点は否めません。
仕事などで忙しい方は、それがストレスになる可能性もあるでしょう。
そのため、気になった物件が見つかったら、必ず総戸数がどのくらいなのかも確認することをおすすめします。
ちなみに、一般社団法人 マンション管理業協会の調べによると、首都圏におけるマンション一棟ごとの平均総戸数は、「50.20」戸です。(参考:一般社団法人 マンション管理業協会|平成28年マンション管理受託動向調査結果概要)
「管理費・修繕積立金の回収状況」
管理費や修繕積立金の滞納者が多いなど、円滑に回収できていないマンションには要注意です。
共用部分がきちんと手入れされないだけではなく、大規模修繕工事も計画通りに進まない可能性もあります。
国土交通省が2018年に行ったマンション管理組合へのアンケートによると、管理費・修繕積立金を3ヶ月以上滞納している住戸がある物件は、「24.8%」にも上ります。(参考:国土交通省|平成30年度マンション総合調査結果[概要編])
築年数が古く、住民の高齢化が進んでいるマンションほど、滞納率が高いというデータもあるため、管理会社へ管理費・修繕積立金がきちんと徴収されているか確認しましょう。
「管理規約の内容」
事例を見る:Case20「howzlife NEXT STYLE」
チェックを忘れがちなのが、「管理規約」の内容です。
ほとんどのマンションは、国土交通省が作成した「マンション標準管理規約」を基に管理規約を作成していますが、詳細は物件ごとに異なる可能性があります。
主なチェックポイントは以下の通りです。
これらの点を事前にチェックしておくと、いざ購入してから「こんなはずじゃなかった」という後悔を防げます。
「リノベーションの工事可能範囲」
構造躯体(コンクリートの床・天井・柱・梁)や、窓、玄関ドア、バルコニーなどは「共用部分」になるため、区分所有者の都合で工事することはできません。(引用:一般社団法人 マンションリフォーム推進協議会|リフォームできる範囲)
さらに、これらに加えて管理規約によって工事内容や内装材に制限があるマンションも少なくありません。
管理規約の内容によっては、リノベーションしても理想の間取りが実現できない可能性があります。
「定期借地権の有無」
そのマンションが「定期借地権付き」かどうかも確認しましょう。
定期借地権付のマンションは、土地を地主から期限付き(主に50年)で借りて、その上に建てられている物件を指します。
物件を購入した際に土地の所有権は付かないため、通常よりも20〜30%程度安い可能性が高いです。
ただし、その分毎年「地代(賃料)」を地主へ納める必要があり、新築時に設定された借地権期間が満了となったら、マンションを解体して地主へ土地を返却しなければいけない可能性もあります。
定期借地権付き分譲マンションは、2008年までに19,856戸建てられているため、中古マンションを選ぶ際には土地の所有権についても確認してください。(引用:国土交通省|全国定期借地権付住宅の供給実態調査)
「日当たり・風通し」
マンションの場合、窓の位置は動かせないため、日当たりや風通しをリノベーションで改善することはできません。
そのため、必ず購入前にチェックしましょう。
物件写真では部屋の中が明るく見えても、時間帯によっては日中でも真っ暗な可能性がありますし、南向きの部屋でも、周囲に高い建物があったり、距離が狭かったりすると、日射や通風を遮ってしまいます。
そのため、物件探しの際には、必ず現地を訪れ、ご自身の目で日当たりや風通しを確認してください。
「断熱性・結露の有無」
マンションの断熱性や結露の有無も重要なチェックポイントです。
特に、1979年以前に建てられたマンションですと、断熱工事はあまり重要視されていなかったため、今まで何も改修されていなければ、結露がひどい可能性もあります。
1979年 | 住宅金融公庫仕様書の工事項目に、初めて「断熱工事」についての内容が明記される |
1980年 | 「省エネルギー基準(旧省エネ基準・断熱等性能等級2相当)」が制定される |
1992年 | 省エネルギー基準が改定され「新省エネ基準(断熱等性能等級3相当)」が制定される |
1999年 | 再び省エネルギー基準が改定され「次世代省エネ基準(断熱等性能等級4相当)」が制定される |
2000年 | 住宅性能表示制度が制定され、「断熱等性能等級4相当」が求められるようになる |
2013年 | 再び省エネルギー基準が改定され「平成25年省エネ基準(断熱等性能等級4)」が制定される |
2016年 | 再び省エネルギー基準が改定され「平成28年省エネ基準(断熱等性能等級4)」へ見直される |
このように、断熱性能(省エネ性能)の変遷を見ると、新しい建物の方が求められる基準が高まっていることが分かります。
ただし、古いマンションでも既に専有部分内の断熱リノベーションが済んでいたり、共用部分である窓サッシや玄関ドアが断熱仕様のものへ交換されている可能性は少なくありません。
「購入後の諸経費・維持費」
マンションは「購入すればそれで費用はかからない」という訳にはいきません。
そこでずっと住み続けるためには、それなりの諸経費や維持費が必要です。
住宅ローンのシミュレーションをする際には、下記の費用についても想定しておきましょう。
管理費 | 全国平均月々15,956円/戸(駐車場使用料等からの充当額を含む場合) |
修繕積立金 | 全国平均月々12,268円/戸(駐車場使用料等からの充当額を含む場合) |
固定資産税 | 年間10〜30万円程度 |
都市計画税 | 年間3〜5万円程度 |
専有部のリノベーション費用積立 |
フルリノベーション費用(床面積 × 15〜20万円)を20〜25年で積み立てる(例:専有部60㎡の場合:年間36〜60万円) |
「専有部のリノベーション履歴」
築25年を超えるマンションですと、今まで何かしらのリノベーションをしている可能性があります。
水回りの設備機器取り替えや、内装工事など、今までどのような改修工事がされてきたか確認しておけば、購入後に無駄な工事をしなくて済みますし、まだ新しい部分は活かすこともできますよね。
また、一見きれいに見えても、隠れている部分にある電気配線や設備配管が劣化しているかもしれないので、できるだけ詳細までチェックすることをおすすめします。
「ライフラインの種類や制限」
「リノベーションでオール電化にしたい」「リノベーションできれいになった新居でリモートワークしたい」そう思い描いている方も多いでしょう。
その場合は、そのマンションがオール電化に対応しているかや、各戸の電気容量に上限がないかを確認してください。
比較的新しいマンションでも給湯器スペースに電気式給湯器が収められない物件は多いですし、古いマンションですと、各戸の電気容量上限が「30Aまで」などと決められている可能性もあります。
ご家族構成にもよりますが、4人家族で各部屋にエアコンをつけて、IHクッキングヒーターや食洗機、浴室暖房乾燥機、電気式床暖房などを導入すると、最低でも「60A」は必要です。
また、マンションによっては光回線を引き込んでいないケースや、いまだに電話回線やLANケーブルでインターネットを利用しなくてはいけないケースもあるため、ご自宅でオンライン会議などをする方は、インターネット回線の状況も確認しておくことをおすすめします。
「理想的な間取りとの親和性」
リノベーション前提で物件探しをする場合は、理想の間取りとの“親和性”も大切です。
できるだけコストをかけずに要望を取り入れられるかや、構造上や管理規約上の制限によってリノベーションの弊害となる点はないかなどを確認しましょう。
ただし、これには事前に理想のプランを考えておかなくてはいけませんし、見極めるためには建築的知識も必要です。
リノベーション前提で中古マンションを探す際には、物件探しとリノベーション計画を並行して進められる会社へ相談することをおすすめします。
理想的な間取りを固めながら、同時にそれに合う物件を提案してもらえます。
リノベーション前提の物件探しは“ワンストップリノベ”がおすすめ
「物件に欠陥がないか心配」「果たしてどこまでリノベーションで生まれ変わるのか想像できない」「トータルの予算がどのくらいになるか不安」そんな方も多いでしょう。
不安の理由は、物件探しの段階で住まいの状態をしっかりと見極めることが難しいからです。
リノベーション前提で中古マンションを購入する場合は、物件探しの段階から建築知識・リノベーション知識が豊富な会社にサポートしてもらいましょう。
一般の方が見ただけでは気づきにくい欠陥や劣化も見つけてもらえますし、どれほどの費用でどこまでのリノベーションができるのかを早い段階で把握できます。
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中古住宅を購入してリノベする流れを解説|ワンストップの魅力とは
まとめ:リノベ前提の中古マンション探しは不動産知識と建築知識の両方が豊富な会社へ相談を
リノベーション前提で中古マンションを購入する場合、資産価値を見極める不動産知識と、構造体や劣化状況を見極められる建築知識の両方が欠かせません。
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