中古マンションの築年数│相場の下落率と築年数ごとのポイントを解説
築年数は中古マンションの購入を検討する際の、大きなポイントです。
築年数によって価格の相場は決まりますし、建物の耐久性や耐震性、立地や構造なども関係してきます。
ではどの程度の築年数が買い時なのでしょうか?
今回は中古マンションを購入する際の検討材料になる築年数について、わかりやすくお伝えしていきます。
まずは築年数によって価格がどのように下落していくのかまとめましたので、購入価格の買い時を確認していきましょう。
さらに築年数ごとにマンションの特徴をご紹介するので、中古マンションの購入やリノベーション計画にお役立てください。
・マンションの販売価格は築年数と比例して下落しますが、どの程度の推移かまとめてご紹介していきます。
・マンションの築年数ごとの魅力や購入の際の注意点などを理解すると、理想のリノベーションに適した築年数を想定できるので、中古マンションが探しやすくなります。
Contents
中古マンションの相場│築年数での下落率の推移を解説
中古マンションの相場は一般的に、築年数に応じて下落していきます。
相場がどの程度の推移で下落していくのか、また下げ止まりはあるのかまとめてお伝えします。
公益財団法人東日本不動産流通機構が公開しているデータを参考に見ていきましょう。
こちらのデータを見てわかるように、築年数が経つごとに坪単価の相場は下落し続け、築30年頃で下げ止まりを見せます。
また築年数によって下落率が異なるようです。 上記のデータを基に、築年帯ごとの下落率を計算して表にまとめました。
築年帯 | 平均㎡単価(約) | 坪単価の下落率(約) |
0~5年 | 95 | |
6~10年 | 80 | ▲15.8% |
11~15年 | 70 | ▲12.5% |
16~20年 | 65 | ▲7.1% |
21~25年 | 55 | ▲15.4% |
26~30年 | 40 | ▲27.2% |
31年~ | 35 | ▲12.5% |
築10年程度であれば機能性や外観など、新築との違いをほとんど感じることがありません。
しかし築浅(築5年程度まで)であっても中古マンションになるので、下落率は▲15.8%と大きい傾向にあります。
また築16~20年あたりでいったん下落率が緩やかになっているので、リフォームや改修などで状態を整えたことが推測できます。
築25年を超えると住宅ローンの控除の適用条件が難しくなるので、また下落率が大きく伸び進んでしまうのでしょう。
このような結果を踏まえて、中古マンションの買い時ポイントを、築年数ごとにご紹介していきます。
中古マンションの築年数ごとの買い時ポイントまとめ
中古マンションの買い時ポイントとして、築年数ごとの状態・税法上の違い・購入後の利用方法などをまとめていきます。
マンションの構造や管理状態、立地などによって違いはありますが、中古マンションを探す際の目安としてお役立てください。
築10年までのマンション(築浅)
新築マンションを購入する予定であっても、築浅の物件を視野に入れるほどですので、住みやすさにそれほど違いはありません。
さほど違いがないにも関わらず相場は大きく下落するので、新築マンション・中古マンションのどちらを希望される方にも人気があります。
手を加えることなくそのままの状態で住みたい方にとっては、魅力の高い築年帯と言えるでしょう。
しかしその人気の高さと、市場に出回る件数の少なさから、理想のマンションを見付けることは簡単ではありません。
また築10年~15年程度で補修や点検、メンテナンスなどをすることが一般的です。
大規模修繕費の計画的な積み立てがされていないと、購入後すぐに費用を分割されかねません。
運営期間が短いと管理体制を確認することが難しい傾向にありますが、積み立て状況や管理計画を事前に確認しておきましょう。
・住みやすさに関して、新築と大きく変わりがない
・市場に出回りにくく人気も高いので購入しにくい
・運営歴が短いと管理体制を把握しにくい
築20年程度のマンション
築20年程度のマンションになると、リノベーションやリフォーム済みの状態で販売されているケースも増えてきます。
手間をかけずにリノベーション済みのマンションを購入できますが、自分好みに生まれ変えられるのがリノベーションの魅力。
こだわりを詰めるなら中古マンションを購入して、とことんリノベーションを楽しむことをおすすめします。
また自分でリノベーションすることで、マンションの状態を把握できるのも重要なメリットと言えるでしょう。
築20年程度のマンションは価格がある程度下がっているので、購入後にリノベーションをしても、新築の購入価格より費用を抑えることができます。
設備や配管の状態によってはリノベーション費用も抑えることができるでしょう。
また住宅ローン控除の適用は築25年までなので、控除の対象となるのも嬉しいポイントです。
つまり築20年程度のマンションは購入価格もリノベーション費用もある程度抑えることができるので、総合的に考えてコスパがいいと言えます。
リノベーションをするためのマンション購入の場合、築20年以降に建てられたことを一つの基準として、中古マンションを探されることをおすすめします。
・中古マンションの購入費用をある程度抑えることができる
・中古マンションの状態によってはリノベーション費用を抑えることができる
・築25年まで住宅ローンの控除が適用される
参考コラム:リノベ物件を探すよりリノベできる物件を探そう
築30年程度のマンション
冒頭でお伝えしたように、中古マンションの相場は30年程度が下げ止まりになります。
そのため中古マンションの購入費用をできるだけ抑えたい方にとっては、築30年以降のマンションが買い時と言えるでしょう。
新耐震基準が定められたのが1981年なので、築30年代のマンションはこの基準をクリアしていることもおすすめポイントです(2022年時点)。
地震による倒壊のリスクが低いと言えるので、生活の安心材料になるでしょう。
またRC住宅の法定耐用年数が47年であることからも、築30年の建物に機能性と資産価値があることを理解できます。
しかし30年間の管理状況によっては、今後のマンションの老朽化が進んでしまうので、リノベーションで個人の所有スペースだけを整えても、資産価値は下がる一方です。
もし何かの事情があって賃貸や販売せざる得ない場合のリスクは高くなり、生活環境が整わず、さらには建て替えと言った問題に発展しないとは限りません。
そのような状況に陥らないためには、30年間の管理状況を確認する必要があります。
これまで外壁塗装や防水対策、設備の取り替えなどの大規模修繕が行われているか、履歴を確認させてもらいましょう。
さらに今後の管理計画と管理費の積み立て状況も把握しておくと安心です。
管理費の延滞があることは珍しくありませんが、あまりに額が大きいと管理体制の悪さが感じられるので注意しましょう。
・築30年のマンションは建物としての機能と資産価値はある
・新耐震基準をクリアしているので、地震での倒壊リスクは低い
・管理履歴や管理計画を確認して、建物の耐久性や環境の状況把握する
参考コラム:マンションの修繕積立金の相場は?中古の注意点も
築40年・50年のマンション
リノベーションをするための中古物件としては、築40年50年のマンションも魅力的です。
築30年でマンションの販売価格の下げ止まりがきますが、緩やかに価格は下がり続けるので、さらに購入しやすくなります。
高度成長期を時代に建てられたマンションは立地がいい傾向にあるので、交通の便や周辺環境が整っている物件を見付けることができるでしょう。
また法的な耐用年数が47年と先述しましたが税法上のことです。
建物としての機能は100年以上続くと考えられているので、築年数が40年・50年であっても住み続けることはできます。
とはいえ耐久性は管理状況に左右されるので、先にご紹介した築年数20年・30年の建物同様に管理履歴や管理計画の確認は必須です。
さらにこの時代のマンションは壁で支える「壁式構造」が多く、リノベーションをする際に壁の取り外しができない場合があります。
間取りの変更に制限がかかる可能性があるので、理想のリノベーションができるか慎重に確認しておきましょう。
・マンションの販売価格はさらに低くなるので購入しやすい
・建物としての機能は100年以上続くとされているので住み続けることはできる
・耐久性を確認するには管理状況の把握が必須 ・壁式構造が多い時代なので間取りの変更が可能か慎重に確認する
まとめ
中古マンションの「築年数による相場の下落率」「築年数ごとの特徴」をまとめてお伝えしました。
どの築年数にもそれぞれ魅力的な特徴があるので、どのようなライフスタイルを実現したいのか、またどのようなリノベ―ションができる物件なのかを十分検討する必要があります。
理想の生活環境が整う築年数を想定して、中古マンション探しの一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
私たちhowzlifeは、中古物件探しからリノベーションまでトータルにお手伝いをしています。
予算立てやローンの組み方などのご相談もお受けしていますので、お気軽にお問い合わせください。