壁式構造とは

【壁式構造】
1. 概要
「壁式構造」とは、その名の通り、柱や梁(はり)の代わりに、鉄筋コンクリート(RC)製の「壁(構造壁)」で建物を面で支える構造形式です。
柱と梁で「枠(フレーム)」を組んで支えるラーメン構造とは対照的で、壁で「箱」を作って支えるイメージです。主に5階建て以下の中低層マンションや公団住宅などで多く採用されています。
2. メリット
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高い耐震性
建物全体が強固な「箱」のようになっているため、地震の揺れを面全体で受け止め、分散させることができます。非常に剛性が高く、揺れ自体が少ないのが特徴で、耐震性に優れています。
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室内に「出っ張り」がないスッキリした空間
柱や梁(はり)がないため、部屋の隅や天井に「出っ張り(デッドスペース)」がありません。家具の配置がしやすく、室内空間をスッキリと広く使えるのが大きなメリットです。
3. リノベーション時のポイントと注意点
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間取り変更に大きな制約あり
壁式構造の最大の注意点です。建物を支えているのは「壁(構造壁)」そのものであるため、リノベーションであっても構造壁は一切撤去したり、大きな開口部(室内窓など)を設けたりすることができません。
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「構造壁」の見極めが必須
間仕切り壁の中には、単なる間仕切り(撤去可能)と、建物を支える「構造壁(撤去不可)」が混在しています。リノベーションのプランニングでは、図面を基にどれが構造壁なのかを専門家が正確に見極めることが不可欠です。
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空間の「つなげ方」が鍵
壁を撤去できないため、既存の間取りを活かしつつ、「壁で仕切られた空間同士をどうつなげるか」がデザインの鍵となります。例えば、壁は残したまま開口部(出入り口)をアーチ状にしたり、室内窓を設ける(※構造体力上問題ない範囲で)など、空間に広がりを持たせる工夫が求められます。
4. 対義語・関連語
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ラーメン構造:壁式構造とは対照的に、柱と梁で建物を支える構造です。構造壁を撤去できるため、間取り変更の自由度が非常に高いのが特徴です。
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