管理規約とは

マンションの一棟リノベーションの打合せ

【管理規約(かんりきやく)】

 

1. 概要

 

「管理規約」とは、分譲マンションの区分所有者(所有者)全員が快適に暮らし、建物の資産価値を維持するために守るべき最も重要なルールブックです。

 

マンションの「管理組合」によって定められ、区分所有法という法律に基づいて作成されます。専有部分・共用部分の範囲、管理組合の運営方法、居住者の禁止事項や義務などが詳細に規定されています。

 

2. リノベーションとの関係と最重要性

 

中古マンションのリノベーションを計画する際、この管理規約の確認は、物件探しや設計プランニングに先立って行うべき最重要事項です。

 

なぜなら、リノベーションで「できること」と「できないこと」のすべてが、この管理規約によって定められているからです。管理規約を無視して工事を進めることはできず、すべての工事は管理組合へ申請し、規約に基づいた承認を得る必要があります。

 

  • 必ず確認すべき主な項目

    1. 専有部分共用部分の範囲: どこまでがリノベーション可能な範囲(専有部分)で、どこからが工事不可(共用部分)なのかが明記されています。(例:窓サッシ、玄関ドアの扱い)

    2. 床材の遮音等級(防音規定): 階下への音漏れを防ぐため、フローリングなどの床材に求められる遮音(防音)性能が「L値(LL-45、ΔLL(I)-4など)」で厳しく指定されていることがほとんどです。この基準を満たさない床材は使用できません。

    3. 工事に関する規定: 工事可能な曜日や時間帯(例:平日午前9時~午後5時まで)、資材搬入の方法、近隣住戸への挨拶の要否などが定められています。

    4. 設備に関する制約: 水回り(キッチン、浴室、トイレ)の移動に関する制限や、ガス容量、電気容量(アンペア数)の上限、エアコン室外機の設置場所などが規定されている場合があります。

    5. 申請手続き: 工事開始前に管理組合(理事会)へ提出が必要な申請書類、図面、工程表などの詳細が定められています。

 

 

3. 注意点

 

管理規約はマンションごとに内容が大きく異なります。「他のマンションでできたから」という理由が通用することはなく、そのマンション独自のルールに従う必要があります。

 

また、規約とは別に、より詳細なルールを定めた「使用細則(しようさいそく)」が存在する場合もあり、そちらも併せて確認することが不可欠です。

 

 

4. 関連語

 

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