Living in Flow
この記事の見所ポイント
- 廊下~洗面室~キッチン~WTC~リビングをつなぐ回遊動線をプラン。
- キッチンはクローズドからオープンに変更し、気持ちよく家事ができる空間に。
- インテリアはグレージュで統一し、ネイビーの差し色と柄クロスでアクセントを。
- 細部までこだわりを重ねた理想のクローゼットには遊び心も添えて。
- 2WAYのWTCや玄関のシューズクローゼットで収納スペースをたっぷり確保。
2005年に現在のマンションを新築で購入し、20年ほどお住まいになってきたSさま。「数年前から水回りを中心にリフォームを考えていましたが、せっかくの機会なので、壁や床も一新したいと考えるようになりました」と、リノベのきっかけを話してくださいました。
「検討に当たってはいろいろなリノベ会社をウェブサーチしましたが、大手のリノベ会社はファミリー向けの広い物件の事例が多く、1LDKの事例を掲載していたSHUKEN Reさんのインスタグラムに目が留まりました」
その後、SHUKEN Reのウェブサイトで『ふんわり相談会』があることをお知りになり、リフォームを検討されていたお友達と一緒に、青山店にご来店くださいました。
「プランナーさんとお話をして、私がやりたいのはリフォームではなく、リノベーションなのだということを認識しました。リノベーションで可能性が広がることを、実際に複数の完成現場見学会へ足を運ぶなかで確信し、SHUKEN Reさんにお願いしようと決心しました」
Sさまの主なリクエストは「できるだけスペースをつなげて回遊できるようにしたい」「壁や床を好みのデザインにしたい」「広めのウォークインクローゼット」の3点。このご要望がどんなふうに形になったのか、さっそく完成したお住まいをご紹介していきましょう!
グレージュがベースの洗練されたLDK

Sさまが選ばれた内装のテーマカラーはグレージュ。「以前の壁は無機質な白いクロスで、好みの色や柄を取り入れたクロスに変えたいな、と思っていました」
落ち着いたニュアンスカラーが上品な印象を与え、さりげない大人のエレガンスが感じられます。

いちばん広い壁面は「LIXIL」の「エコカラット」。こちらの「ネオトラバーチン」はSさまがぜひ使いたかったもので、石素材のようなナチュラルな表情が魅力的です。

フローリングもイメージを揃えて「朝日ウッドテック」の「ナイトグレー」というくすみカラーを選択。ベージュの壁と合わせて柔らかなトーンでまとめられています。

ダイニングの収納は扉なしのオープンスタイルに。「Panasonic」の部材を使ってシェルフを造作し、棚の奥に「リリカラ」のアクセントクロスを採り入れました。淡いイエローと大人っぽい花柄が素敵です。

Sさま宅にはさまざまなカラーと柄の壁紙が使われ、それがインテリアの大きな見せ場となっています。このあとたっぷりご紹介しますので、ぜひクロスの選び方、使い方の参考にしてみてくださいね!

リビングには大きなソファを置かず、空間を広く使われています。パーソナルチェアは「天童木工」。旅行先の山形県の旅館で目にして気に入られ、張り地を指定して同じものを購入されました。背もたれのデザインが後ろの格子とお揃いなのもポイントです。
「壁掛けテレビも採り入れたかったもののひとつ。背面のアームで向きを変えられるので、ダイニングやキッチンにいても見られるのが嬉しいですね」

窓際の床は「サンゲツ」のフロアタイルでインナーテラス風に仕上げました。「外に出入りすると傷みやすい場所なので、この素材にして正解でした」
カーテン生地は、ウィリアム・モリスの「いちご泥棒」。こちらの柄は色違いで寝室の壁紙にも使われています。Sさま宅に漂うさりげないイギリス感は、こうしたディテールに隠されていたのですね。
水回り~収納を直結して暮らしをスムーズに
リビングの広さはほぼ変えなかったS さまですが、水回りとプライベートスペースでは間取りを大胆に変更し、念願だった回遊動線を実現されました。
「以前の間取りでは、洗面所は廊下から、キッチンはダイニングから、クローゼットはリビングから、というように、日常でよく使う動線がバラバラで使い勝手が悪いと感じていました。
その不便さを解消できないかと相談してみたところ、洗面室~キッチン~ウォークスルークローゼット(WTC)~寝室を直線でつなぐプランの提案をいただき、リノベーションの可能性に大変驚きました。想像以上でした!」

キッチンはこれまでクローズドタイプでしたが、ペニンシュラキッチンをLD側に向けたオープンスタイルに変更。こもって家事をするストレスがなくなり、テレビを見ながらゆったりお料理を楽しめるようになりました。シンプルなガラスのペンダントは「Panasonic」の製品です。


キッチンはグレーのカラーリングが気に入った「LIXIL」の「ノクト」。背面の家電棚やカップボードも同じシリーズで統一しました。シンクに採用したタッチレス水栓もお気に入りだそうで「手から水が落ちて水栓周りが汚れるプチストレスがなくなりました」

壁にあしらったのは「名古屋モザイク」のタイル。円をデザインしたかわいらしい柄で、色違いが洗面室にも使われています。
キッチンと洗面室は引き戸で直結。もともとキッチンのお隣は浴室で、洗面室はその先にありましたが、浴室と洗面室の位置を入れ替えることができたため、このプランを実現できたのだそう。「この動線が本当に優秀で、毎日の時短に大活躍しています」

洗面台は「アイカ」の「スマートサニタリー」と「ミラタップ」のミラーを組み合わせて造作しました。座ってドライヤーをかけられるよう、スツールが入るスペースも。
「既製品の洗面化粧台も検討しましたが、メイク道具は寝室のドレッサーにまとめるので、壁面の収納で十分かと思い、一面鏡のタイプを選びました」
大きな鏡を配置することで、空間をより伸びやかに感じられるようになっています。

「エッセンス」の壁づけ水栓はクラシカルなデザイン。キッチンと色違いのタイルも愛らしく、清潔感いっぱいのサニタリーが完成しました。

洗濯機はリノベを機に「Panasonic」のドラム式に買い替え、乾燥まで一気に行います。壁に取りつけた小さな棚は、洗濯物を畳んだりアイロンかけの時だけ跳ね上げ、ふだんは畳んでおける優れものです。

「TOTO」で選んだユニットバスもテーマカラーのグレージュ。丸みのある浴槽のデザインが決め手になりました。床の自動お掃除機能も便利だそうで「タッチレス水栓もそうですが、頑張らずにキレイを保てる機能は、多忙な日々でのプチストレスを軽減してくれる頼れる存在です」
プライベートな寝室にも「好き」を凝縮させて

担当プランナーとのお打ち合わせのなかで、Sさまがウォークインクローゼットにご興味をお持ちということを伝えたところ、プランナーより寝室の手前にウォークスルークローゼット(WTC)を設ける提案をされたとのことでした。
この提案をお気に召していただき、ファッションを愛するSさまは、海外ドラマやPinterestからインスピレーションを膨らませ、こだわりが詰まった理想のクローゼットを形にされました。
ウォークスルークローゼットはキッチンからもリビングからも入れる2WAY仕様。余計な動線がなく、ワードローブへの最短アクセスも叶えました。

クローゼット内にはハンガーバーを2列配置し、お手持ちのワードローブがゆとりをもって収納できるよう計画しました。
「収納量が増え、アクセスもしやすくなり、理想的なクローゼットになりました。私が思い描いていたイメージをプランナーさんが具体的な形にしてくれました」
寝室との間を仕切る壁にはやさしいアールをつけ、差し色となるネイビーの壁紙を。さらにハンガーバーの奥には廊下のニッチ収納とお揃いの柄クロスが隠れています。

ウォークスルークローゼットの床には、リビングよりも明るい色合いの「HAGS」のフレンチヘリンボーンを選ばれ、寄木張りの表情がクローゼット空間に軽やかな明るさをもたらしています。
フレンチヘリンボーンの趣に惹かれ、プランニングの段階では、寝室まで同じ床材をつなげることも検討されていたそう。最終的には担当プランナーの提案を受け、クローゼットのみに採用されました。
「アール壁に加えて床材にも変化をつけたことで、クローゼットと寝室を緩やかに区切ることができました」

ふとペンダントライトを見上げると、かわいいリスのオブジェが!「KARE」で見つけたという遊び心あふれるデザインです。

寝室内もグレージュ×ネイビーの落ち着いたカラーリング。「天井にネイビーを取り入れ、より落ち着きのある空間になりました。グレージュの壁との相性は想像以上でした」

ベッドヘッド側の壁紙は、リビングのカーテンと同じ「いちご泥棒」のパターンをリピート。「同じパターンの柄であれば、色味を控えめにすることで、柄が多くてもすっきりとした印象にまとまります」。「Panasonic」のクラシカルなブラケットも雰囲気にぴったりです。

リビングとの間を格子で仕切ったのもS さまのアイディア。リビングでつけたエアコンの風が、壁にぶつかって寝室まで流れてくるのを狙いました。グレージュに塗装した格子のデザインもインテリアのアクセントに。

天井にはシーリングファンを取りつけ、寝具の湿気を飛ばしたい時などに活用されています。窓際には「ザ・コンランショップ」で見つけた鳥かご型のスタンドが。色鮮やかな鳥たちのオブジェが並び、その愛らしい姿に癒されます。

寝室内のもうひとつの主役はチェストとドレッサー。「当初はドレッサーを造作することも考えましたが、青山の『サラグレース』にイメージするドレッサーがあることを知人から教えてもらいました。実際に足を運び、お店の方とお話をしたところ、サイズオーダーができるとのことで、袖壁の奥行きに合わせて制作していただきました」
「いちばん長く過ごすのはダイニングですが、寝室も同じくらい気に入っています。私はこまめに動くことが好きで、疲れたらリビングでのんびりするより即ベッド、というタイプ。だから寝室のくつろぎ感はとても重要でした」
機能を端正に収めたシューズクローゼット

玄関では土間を「名古屋モザイク」のグレージュのタイルに貼り替え、収納を充実させました。お仕事柄、出張が多いSさまは、キャリーケースがまるごと入る玄関収納を希望していたのだそう。
「今までは使うたびにキャスターを拭いて室内に上げていたので、そのまま土間に入れられたら便利だなと思っていました」
そこで扉の内側にシューズクローゼットを実現。開けると内部にゆったりしたスペースがあり、靴からキャリーケースまで余裕で収まります。掃除機を充電するためのコンセントも設置されていました。

玄関からリビングに向かう廊下の天井は寝室と同じネイビー。そのカラーがそのままリビングドアへとつながり、インテリアの統一感を生み出しています。「Panasonic」のドアはガラス入りを選び、廊下まで光を導きました。
リビングドアの手前には、ダイニングと同様に「Panasonic」の部材を使ってシェルフを造作。ウォークスルークローゼット(WTC)と同じ「サンゲツ」のアクセントクロスを使い、お気に入りを集めたコーナーを創りました。

「外出前にここに立ち寄って、アクセサリーやフレグランスをつけるのがルーティン。おかげで気分よく出かけられます」

トイレでも目を引くのは大胆なクロス使い!3 面に違うクロスを貼り分けて印象的な空間を演出しています。

「ここはSHUKEN Reさんの事例を参考にしました。特に右側の『リリカラ』の壁紙がお気に入り。あえてトイレの引き戸を開けておいて、普段から眺めて楽しんでいるくらいです」

トイレは掃除のラクなタンクレスタイプを選んだため、「toolbox」の手洗い器と水栓を設置しました。お客さまに使ってもらうことも意識したそうです。
ふたつの動線で日常生活にメリハリを

これまで動線がひとつしかなかったS さま宅ですが、リノベ後は廊下~リビングをつなぐ動線と、洗面室~キッチン~ウォークスルークローゼット(WTC)~寝室というふたつの動線ができました。
「廊下~リビングはパブリックな表動線、水回り~寝室はプライベートな裏動線という感じで、特に裏動線は便利に活用しています。同じマンション、同じ広さなのに、動線が2通りに増え
インテリアにもすみずみまでお好みを反映させ、特に壁紙選びを存分に楽しまれたS さま。「自分の頭の中にあったイメージを表現できて大満足です!」と語ってくださいました。
「自分のイメージを表現するのはとても難しいことですが、SHUKEN Reさんは対話を重ねながら丁寧に思いを引き出し、最適な素材の提案から施工まで形にしてくださいました。リノベーション後のお部屋を見たときの感動は、今でも忘れられません。SHUKEN Reさんにお願いして、本当に良かったと心から実感しています」
お忙しい中、取材・撮影にご協力いただき、ありがとうございました。
取材・文/ライター後藤由里子
撮影/カメラマン清永洋



