Visions
この記事の見所ポイント
- 当社のワンストップサービスで、ルーフバルコニーつきの開放感あふれる物件を購入。
- 和室をなくしてLDKを広げ、2人でゆったり家事ができるアイランドキッチンを実現。
- 窓際に収納を兼ねたベンチを造作し、インテリアのポイント&くつろぎのスペースに。
- ランドリールームにガス式乾燥機を設置し、クローゼットを兼用。衣類の管理がここだけで完結。
- LDKと水回りにコストを集中させ、玄関や個室は既存のままにして、予算内でのリノベに成功。
Kさまご夫妻はともに20代。2021年にご結婚されてから賃貸アパートにお住まいでしたが、お2人とも当初から持ち家を希望されていたそう。
「家賃がもったいないし、賃貸住宅では資産にもならないから、転職をきっかけに通勤しやすいエリアで家を探すことにしたんです」とご主人。
「本当は一戸建てを購入してリノベが理想でしたが、自分たちの生活はまだまだ流動的。これから家族構成やライフスタイルがどう変わっていくか分からないので、まずは中古マンションのリノベから、と考えました」
将来の変化を見据えながら、現在の暮らしよりちょっといい“+αの住まい”を目指す――そんなふうに考えて中古リノベに臨んだというKさま。もちろんお2人にとって、住宅の購入は初めての経験です。
「知らないことばかりですし、物件探しの段階からプロのアドバイスがほしくて、ワンストップでお願いできるリノベ会社を探しました。
そこで見つけたのがSHUKEN Reさん。InstagramやHPの事例を見て、おしゃれさと使いやすさのバランスがよさそう!と感じたのも依頼の決め手でした」
希望のエリアで内見したのは3軒。広さや価格のほかに重視したのは、窓の多さでした。
以前お住まいだった賃貸アパートは、なんと4面採光!お2人とも一戸建て育ちということもあり、バルコニー側と通路側にしか窓のない物件は避けたかったのだそう。
購入された物件は、3面採光の角住戸。バルコニー側と通路側のほかに、広いルーフバルコニーつきなのが決め手になりました。
「内見して一目で気に入りました。周囲に高い建物がないので見晴らしがよくて、晴れた日には富士山も見えるんですよ」
物件の魅力を最大限に引き出す
もとの間取りでは右側半分が和室でしたが、リノベでワンルームのLDK に。バルコニー側の2つの窓から光が入り、明るさ抜群のリビングが生まれました。
対面キッチンも空間に溶け込み、カジュアルなインテリアから肩肘張らずにくつろげる雰囲気が伝わります。ハニカムシェードやフロアスタンドは「IKEA」。「IDEE」のソファは中古で探しました。
内装はナチュラルな木の色と白のみでシンプルに。床は色合いにこだわって、黄色みが強すぎないチェリーの突き板を採用しました。「朝日ウッドテック」の防音タイプのフローリングです。
ダイニング側にはもう1面の窓が。角住戸ならではの明るさと抜け感を味わえます。窓の前にはTVボードと収納を兼ねたベンチを造作。ベンチは床に合わせてチェリー系の塗料で仕上げました。
「脚がアイアンの『LOWYA』っぽいテーブルは、『ジモティー』で1000円くらいで譲ってもらったもの。『イームズ』のリプロダクトのチェアは『ヤフオク』で在庫処分になっていました」
Kさまのお買い物センスにスタッフも脱帽!お手頃でも選び方しだいでこんな素敵なインテリアができるんですね★余白を生かしたゆったりとしたレイアウトもお手本になります。
リビングの入り口はかわいいアーチ型。こちらはInstagramで見つけたアイディアです。アーチの形を楽しむためにドアはつけず、ほどよい透け感になるように「IKEA」のレースカーテンを二重に吊るしています。
こちらの窓の外に、物件購入の決め手になったルーフバルコニーが広がっています。寝室の前まで続いていて驚くほどの広さ!
「初めて友達を招いた時、バルコニーまで使ってパーティしました。10人近く集まったのですが、キッチンやリビング、ダイニング、バルコニーと、好きな場所でくつろいでもらえました」
キャンプ好きのKさまは、いずれデッキ材を敷いたりタープを張ったりして、プチおうちキャンプをする予定なのだとか。マンションでも広い外空間があるだけで、暮らしの楽しみが大きく広がりますね♪
2人で料理を楽しめるアイランドキッチン
ご夫妻ともお仕事をされているKさまは、家事も半分ずつ。キッチンは2人で立っても狭くない広さを希望されました。
キッチンカウンターはLD側に向けて配置し、左右どちらからでもアクセスできるアイランドスタイルに。行き止まりがないので家事動線もスムーズです。
「遊びにきた友達とおしゃべりしながら料理できて、将来子どもが生まれたときには見守りもできる、理想的なレイアウトです」
窓際の小さなワークスペースは、リモートワークに備えてプラン。普段ちょっとパソコンを使うときなどにも便利だそう。
斜めになった壁の裏には、ランドリールームに設置したガス式乾燥機のダクトが通っています。シャープな三角形のデザインがかえっておしゃれ!
LDから見える壁面には、飾りながら収納できるオープンシェルフを。カラーは背面収納として採り入れた「unico」のキャビネットと揃えました。
シェルフに並ぶのはデザインのきれいな雑貨たち。アウトドア用の調理器具を普段からお料理に活用しているのだそう。
キッチンは「Panasonic」。実はこのモデルは壁づけ用でしたが、アイランド用より安価だったため、背面をきれいに仕上げて転用することに。
「予算調整のためにプランナーさんが提案してくれました。アイランド用に比べると奥行きがちょっと浅めですが、それさえ気にしなければ機能もデザインも十分です。
カウンタートップは人造大理石で、シンクの中まで同じ素材のものを選びました。ここだけステンレスだと生活感が出てしまう気がして。リビングから見えるキッチンなので、そこには気を使いました」
コストを賢く抑えながら理想のキッチンを実現されたKさま。お2人のときもゲストを招いたときも、使い心地のよさを実感されているそうです。
水回りでは使いやすさとデザインを両立
洗面室と浴室は場所を変えず、設備と内装を一新。洗面台は造作で好みのデザインに仕上げました。
白のカウンターと真鍮のパーツ、自然素材のかごがナチュラルな印象。洗練されたシンプルスタイルで素敵にまとめられています。
「ホテルのような特別感のある雰囲気にしたかったので、ここには予算をかけました。プランナーさんとイメージ画像を共有して、理想に近いパーツを探してもらったことも」
手洗いボウル、水栓、ミラーは「サンワカンパニー」。人造大理石のカウンターにボウルを載せたベッセル型のデザインを選びました。
スイッチやコンセントのプレートは「AXCIS ONLINE」。セラミックの質感とぽってりとしたデザインがナチュラル感いっぱい。
タオル掛けは「PASSEGE DUVE」、ブラケットは「TOWARDS」でセレクト。真鍮ならではのクラシカルな表情が、シンプルな空間にさりげない華やかさを添えています。
浴室では一転して大人っぽい雰囲気を目指し、「LIXIL」のブラックのユニットバスを採用しました。グレードにはこだわらず、手頃なモデルから選んだそう。
「トイレもタンクレスのほうがすっきりしますが、コストダウンのために『TOTO』のタンクつきを選択。ほかに手洗い器を設けなくてすむのもメリットです」
水回りの最後はランドリールーム。洗濯機のほかに「リンナイ」のガス式乾燥機「乾太くん」を導入したのがポイントです。
「『乾太くん』は賃貸住まいの頃から愛用していて、新居にもぜひ設置したかったもの。外干しいらずでしっかり乾くので手放せません(笑)。さらに、ランドリールーム内に衣類も収納できるようにしました」
洗う・乾かす・収納する、の一連の作業が、このスペースだけで完結。これまでお洗濯は週末にまとめてしていたそうですが、このスタイルになってからは平日でも気軽に洗濯できるようになったとか。
「洗濯や収納のストレスがなくなって、最高に便利です。このランドリールームは本当に作ってよかった!」とお2人。週末をゆったり過ごす時間のゆとりも生まれました。
今回ご紹介しなかった2つの洋室と玄関は、室内ドアを交換した以外は既存のままに。生かせる部分はできるだけそのまま生かして、予算調整に役立てました。
「本当は玄関に土間収納を作りたかったのですが、優先順位を考えてきっぱり諦めました。あれもこれもやろうとすると予算オーバーするし、全体的に安っぽい仕上がりになってしまうと思ったんです。
予算を調整する必要があったときは、どこが主役だっけ?と、その都度確認しながらプランを進めました。自分たちにとっての主役は、やっぱりリビング。だからほかのスペースは無理なく諦めがついたんですよね」
主役となるスペースに予算を集中させて、それ以外のスペースでは思い切ってコストカット。このゆるぎない姿勢がリノベを成功へと導きました。
さらに、お2人にとっての最終目標は一戸建てのリノベーション。今回のマンションリノベは1つのステップと捉えているのだそう。
「そうなると、このマンションはいずれ手放すことになりますから、売却のしやすさも考慮に入れました。特殊な間取りや内装をやめてニュートラルに抑えたのは、自分たちの好みはもちろんですが、売りやすさという理由もあるんです」
未来のビジョンをはっきりと描いて、それに向けて着実に備えながら、現在の理想をかなえたKさま。完成した素敵な住空間はもとより、住まいについての考え方や人生設計まで見習いたいお2人でした。
お忙しい中、取材・撮影にご協力いただき、ありがとうございました。
取材・文/ライター後藤由里子
撮影/カメラマン清永洋