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"SHUKEN Re"

INTERVIEW
お客様インタビュー|リノベのその後

Flexible Living

この記事の見所ポイント

  • 給湯器の故障がきっかけで、いずれ…と思っていたリノベを決意!
  • 20年以上暮らした住まいだからこそ改善したいポイントが明確で、プランニングにも積極的に参加 。
  • テーマは「自在に使える部屋」。収納式ベッドを導入してフレキシブル空間に。
  • 水回り設備は掃除の負担が軽減できるものに一新。

 

ニュアンスのあるグリーンのアクセントクロスに、北欧のヴィンテージ家具が映えるSさまのお宅。幼少期から長く海外で暮らされていて、雑誌やSNSで海外のインテリアを見るのもお好きだそう。オリジナリティあふれる色彩感覚に、「海外のお部屋みたい!」とおじゃましたスタッフも大盛り上がりでした。

 

築23年になるこちらのマンションは、ひとり暮らしにちょうどいい36㎡の1LDK。「賃貸は家賃がもったいない」とお父さまからすすめられ、新築でこちらの物件を購入されたそうです。

 

都心のビジネス街という便利な立地で、当時の勤務先からもアクセスがよかったことも購入の決め手に。それから20年ほど経過して、リノベに取り組むことにしたのはどんな理由があったのでしょう?

 

 

「水回り設備が古くなってきたのがそもそものきっかけでした。キッチンや洗面台のカウンター高が低く、使いにくさも感じていたので、そこも改善したいと思っていました」とSさま。

 

当初は漠然と考えていただけでしたが、冬に給湯器の調子が悪くなり、一気に本気モードに。「部屋が寒いので新たに床暖房を入れたいという希望もあって、そうなると給湯器の仕様が変わってくるんですよね。給湯器だけを交換するのではなく、いずれ…と思っていたフルリノベに着手することにしました」

 

さっそくSさまは、リノベや新築の経験があるご友人たちからのアドバイスをもとに、住宅設備のショールームを訪ねたり、リノベ会社のリサーチを始めてみたそう。リノベのポータルサイトで知った当社にコンタクトをとってくださり、「わかりやすさや進めやすさを感じた」という当社に依頼していただけることになりました。「担当のかたが女性ということも大きかったです」とSさま。

 

 

壁に飾っているのは、カナダ出身の写真家グレゴリー・コルベールの作品。「2007年に東京・お台場で開催された作品展に感銘を受けて、会場で購入したポスターを額装しました」

 

色とりどりの生花は、毎週末に近所で開催されるファーマーズマーケットで購入したもので、とても元気で日持ちするのだとか。北欧ヴィンテージのサイドボードは「イデーショップ」でひと目惚れしたもの。個性あるアイテムがSさまらしい素敵なコーナーをつくり上げています。

 

 

窓辺のコーナーには以前はテレビを置いていましたが、リノベでテレビを壁掛けにしたため、光がさんさんと入るサンルームのようなコーナーに。画家のアンリ・マティスも大好きだそうで、ここには「赤の大きな室内」という作品のポスターが飾られていました。

 

「リノベの前は結露に悩まされていて、この窓の周辺が特にひどかったんです。リノベでインナーサッシを設置したのですが、今年の冬は全然結露が起こらなくてびっくりしました」

 

 

窓辺のフロアランプをよくよく見てみると、支柱に流木がプラスされていてオブジェのよう! Sさまのクリエイティビティが垣間見えるワンシーンです。

 

 

窓辺から移動したテレビはこちらに。もともとこのスペースは観音開きの扉が付いた物入れでしたが、すぐ前にベッドを置いていたため「開かずの扉だったんです(笑)」

 

扉を外して棚板を渡し、空間と一体化したテレビコーナーにするアイディアはSさまからの発案だったとうかがってびっくり。作家ものの鳥のオブジェが楽しいアクセントになっています♪

 

 

もともとLDと洋室の間には間仕切り戸がありましたが、扉を外してワンルームとして使っていたそう。リノベで梁状についていた建具枠を撤去して、ひと続きの空間に一新しました。テレビ左手の白いドアの奥は水回り。右手にも白い扉のようなものが見えていますが、ここは一体何だと思いますか?

 

 

なんと、壁の中にベッドが隠れていました~! Sさまのリノベの大きなテーマでもあった収納式ベッド。Sさま自ら国内で収納式ベッドをオーダーできる会社をリサーチして、「リノファニチャー」という会社に依頼しました。

 

「以前は普通のベッドを使っていたのですが、日中に使うことはないベッドで部屋の大半が占領されてしまい、ぎゅうぎゅうの印象だったんです。もう少しゆとりの感じられる部屋にしたくて、収納式ベッドを導入したいと思いました」

 

 

就寝前にパタンと開くだけでベッドが登場。「アメリカではマーフィーベッドと呼ばれていて、ゲストルームや子ども部屋などによく使われているようです」とSさま。開けたときにベッドヘッド側の壁が真っ白だとさびしいかもしれないと、布やフレームでデコレーションしています。

 

 

ベッドを収納した状態を改めてご紹介。ここにベッドが収まっているとは思えないほど空間になじんでいますよね。日中はラウンジチェアやローテーブルを部屋の真ん中に置いて、ゆったりとくつろぐことができます。

 

ワンルームだからこそ、自由に、自在に使える部屋にしたい――。そんなご希望を収納式ベッドで叶えることができました。

 

次は、上の画像の右側にちらっと見えているキッチンをくわしく見せていただきましょう!

 

 

キッチンの位置は動かさず、システムキッチンを一新。間口が小さめのキッチンを選ぶことができたため、「トクラス」の製品を採用しました。レンジフードとガスコンロは過去に一度交換しているため、再利用したそうです。

 

以前はシンクの真上に吊り戸棚がありましたが、丸ごと撤去して圧迫感を解消。LDのアクセントクロスに合わせて、扉材はグリーンを選びました。「以前のキッチンは観音開き式だったので、憧れだった引き出し収納になったのがうれしいです」と笑顔のSさま。

 

デザインもさることながら、キッチンでいちばん重視したのは掃除のしやすさだったそう。「シンクとカウンターは継ぎ目のないものにして、排水トラップも汚れがたまりにくいシンプルな形のものを選びました」

 

 

キッチンの突き当たりには既存を生かした洗濯機置き場があります。内部をマスタードイエローのクロスで仕上げ、可動棚を新設しました。

 

 

キッチンの背面側には、「トクラス」の吊り戸棚と「パナソニック」のカップボードを組み合わせて設置。炊飯器などのキッチン家電を隠しつつ、引き出して使えるようにという希望を叶えました。

 

 

吊り戸棚&カップボード横の壁面にはニッチを設置。「素敵なディスプレイスペース♡」と思って見ていると、おもむろに黄色のフレームをはずしてみせてくれたSさま。そこにはインターフォンのモニターがありました! 無機質なものをインテリアになじませてしまう工夫、さすがです!

 

趣味のひとつがヨガというSさま。これまで何度か師事されている先生がいらっしゃるインドを訪れたそうで、インドの雑貨類が部屋のあちらこちらに飾られ、インテリアのスパイスになっています。

 

 

こちらは収納式ベッドの左手にあるWICの出入り口です。既存のWICを生かしつつ、出入り口の位置を左側にずらしました。出入り口の正面には、これまた素敵なヴィンテージのチェストが。コロナ禍をきっかけに着付けを習い始め、師範の資格も持つSさま。チェストには着物を収めているそうです。

 

 

WICの広さは既存のまま。以前はハンガーパイプがL字形に2本ついていましたが、全部を使い切っていなかったことから1本だけにしたそう。

 

「収納スペースというよりお部屋のような雰囲気にしたかったんです」とSさま。雑多な印象にならないように、ハンガーパイプをつけた面を丸ごと目隠しできるカーテンもつけました。

 

 

内部を印象的なクロスで仕上げたのも「入るたびにウキウキした気持ちになるWIC」にしたかったから。「リリカラ」のシックな植物柄のクロス、どこかオリエンタルなムードもあって素敵です♪

 

 

こちらはトイレと一体になった洗面室。落ち着いた雰囲気にしたいと、クロスとフロアタイルはグレー系に。トイレ本体は「ころっとした形がかわいくて」と、「TOTO」のタンクレストイレを選びました。

 

 

「洗面台はカウンター高が低くて本当に使いにくかったので、そこを何より改善したかったんです」とSさま。造作した洗面台は、キッチンと同様にボウル部分に継ぎ目のないシームレスデザイン。念願だった引き出し収納も採用できました。

 

壁一面が鏡のつくりは気に入っていたためそのまま踏襲し、扉付きのメディシンボックスはオープン棚に変更。広く見えるようにと、洗面台は床から浮かせたフロートデザインにしています、

 

 

「洗面台の水がかりの部分にはタイルを使いたかったのですが、タイルのショールームに行ったらもう“沼”で(笑)。1つに決めるのに本当に悩んだのですが、目地がないので汚れにくい、『アドヴァン』のシェルズモザイクという製品を選びました」

 

天然の貝殻が使われているそうで、キラキラの光沢感がモダンで上質感たっぷりです。

 

 

ユニットバスも「TOTO」の製品に。やはり掃除のしやすさを優先し、排水口のつくりがシンプルなことも決め手になりました。

 

実は、工事中に既存のユニットバスを撤去したところ、壁がカビで真っ黒になっていたそう。もともと結露がひどかったこともあり、断熱材を入れて小窓にはインナーサッシを追加。新しいユニットバスは以前より少しだけ小さなサイズになりましたが、快適性がぐんとアップしました。

 

 

こちらは玄関からリビングドアを見たところです。ドアは「パナソニック」の製品に。大きなガラス入りなので、LDの窓からの光が玄関にも届きます。

 

左手の壁面には、ハンドメイド品のマーケットプレイス「クリーマ」でオーダーしたアイアンバーを設置。コートハンガーとして重宝しているそうです。

 

 

リノベ後の住まいに暮らして8カ月ほど。リノベで床暖房やインナーサッシを導入したことで冬を暖かく過ごすことができ、「とてもわかりやすく快適さを実感できました」

 

いちばん気に入っている場所をうかがうと、「1つだけに絞れない~(笑)。全部です、全部!」とうれしいご返事。「20年以上住んでいる部屋ですが、リノベがとてもいいリフレッシュになりました。家に帰ってきたとき、キッチンに立っているとき、ベッドに横になったときと、あらゆる瞬間にリノベしてよかった~と思います」

 

 

設備の一新と収納式ベッドの導入が大きなテーマとなったSさま邸のリノベ。Sさまご自身のアイディアを盛り込みながら完成した「自在に使える部屋」で、これからの20年も楽しく快適に過ごしていただきたいです。

 

お忙しい中、取材・撮影にご協力いただき、ありがとうございました。

 

取材・文/ライター志賀朝子

撮影/カメラマン清永洋