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"SHUKEN Re"

INTERVIEW
お客様インタビュー|リノベのその後

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Aさまのお住まいは築15年のマンション。新築で購入して以来、単身でお住まいになってきました。途中で地方転勤があり、お部屋を知人に貸し出していた時期を経て、2022年にリノベを決意されました。

 

「それほど不満があったわけではないのですが、キッチンや水回りの使い勝手など、小さなところにストレスがあって。一人暮らしですし、もうちょっと面白くしてもいいのかな?と感じるようになったんです」

 

転勤中からリノベについて調べはじめ、雑誌「リライフプラス」などを参考に数社のリノベ会社にコンタクト。私たちSHUKEN Reを選んでくださった決め手は「プラン提案の前にしっかり現地調査をしてくれたこと、担当者が女性で話しやすかったこと、でしょうか。リノベは住まいをすみずみまでお見せして、プライベートなことも伝えなければなりませんよね。だからかっこつけずに話せる関係性がよかったんです」

 

「リノベでいちばん大きく変わったポイントは、何といっても生活動線です」とおっしゃるA さま。今回はその動線のスムーズさを疑似体験していただけるよう、玄関スタートで各スペースをご案内していきましょう

 

 

玄関と寝室をつなぐウォークスルー洗面室

 

 

まずは玄関ホール。土間や靴収納には手を加えず、既存のままお使いになっています。石張りの土間にもともとの仕様のよさが表れていますね。

 

 

玄関を入って右へ進むと、突き当たりはLDK。こちらの動線はのちほどご紹介します。

 

 

こちらが玄関の正面です。手前が洗面室で、その奥は寝室&バルコニー。窓のある部屋まで空間が一直線につながり、明るい光が玄関まで届いています。

 

「ここはリノベ前も水回りだったのですが、寝室とは壁で仕切られていたので、玄関は照明をつけないと真っ暗でした。当時はそれが当たり前と思っていたけれど、こうなってみるとやっぱり快適!特に毎朝の出勤のとき、朝日を感じながら出かけられるのが気持ちよくて、自然と『行ってきます!』の言葉が出るようになりました」

 

そしてもちろん、出かける前や帰宅したときの動線も劇的にスムーズに。寝室・水回り・玄関が直結したことで、身支度して外出→帰宅して手洗い&着替えがワンエリアだけで済むようになりました。

 

「以前は寝室から洗面室へ行こうとすると、いったんリビングを通って廊下まで回り込まなければならなかったんです。それが今では直線でほんの数歩。洗面室は毎日、何度も行き来する場所なので、この違いは大きいですよね」

 

 

洗面室にはトイレも取り込み、コンパクトなワンルームに。ここは脱衣室も兼ねています。洗面台とタンクレストイレは「TOTO」、ミラーつきのメディシンボックスは「サンワカンパニー」。宙に浮いたようなシンプルな洗面台が軽快な印象を与えます。

 

 

前面の壁にはオレンジ色のタイルをあしらいました。「暖色系の明るい色を選んでよかった。毎日これを見ていると元気が出るんです」

 

 

浴室にはガラスドアと小窓を採り入れて圧迫感をなくし、光も届くようにしました。モダンデザインのスツールは「カルテルショップ」。インテリアのアクセントとしても素敵ですが、ちょっと小物を置いたり湯上がりに腰掛けたりと活用しているそうです。

 

 

「TOTO」のバスタブは念願だった1600サイズ。以前は浴室もバスタブも狭く、リノベするなら広くしたい!という思いを長年あたためていたとか。浴室では洗濯物の乾燥も行うため、物干しバーも用意しました。

 

 

寝室から洗面室を見たところ。ほんとうに寝室から数歩で洗面台やトイレがあり、まるでホテルのようなレイアウトです。ここを通って玄関まで行けるなんて、想像するだけでも便利そう!

 

「毎日の動線はもちろん、格段にラクになったのが出張や旅行の準備。以前は洗面グッズや化粧品を荷物に入れるために、洗面室と寝室を何度も行き来していたのですが、今はそのパッキング作業もここだけで完結します。生活動線がスムーズって、こういうことだったんですね」

 

ちなみに、洗面室にいちばん近いクローゼットの中には洗濯機が隠れています。洗濯が終わったら数歩で浴室乾燥機へ。乾いたらクローゼットに戻すだけと、洗濯動線も最短になりました。

 

 

クローゼットは寝室の全面に設け、衣類やバッグ、季節外の寝具などをすべてまとめています。「パナソニック」の白い建具で統一したことで、一見すると壁のようなすっきりした雰囲気に。

 

 

扉を開けると現れたのは、キュートなハリネズミのクロス!こちらは「リリカラ」で選びました。「見えないところで遊んでみました(笑)」とおっしゃる通り、Aさまのさりげない遊び心が感じられます。

 

 

寝室の奥はLDに通じる出入口です。ここでいったん玄関に戻り、もう1つの動線をたどってみましょう!

 

 

趣味を楽しめる小上がりを新設

 

 

こちらが玄関ホールから右を見たところ。廊下の先にメインのLDKがあります。

 

 

廊下の壁にはかわいい卵型のフックが並んでいます。「かなり前に『ザ・コンランショップ』で購入して、いつか使いたいと保管していたもの。リノベしてやっと活躍の場ができました。お客さまのコートを掛けたりと便利に使っています」

 

 

廊下から入ってすぐに現れるのは、畳敷きの小上がり。この場所はもともとキッチンでしたが、思い切ってレイアウトを変え、ご趣味である茶道や着付けを楽しむためのスペースを設けました。

 

「以前もリビングの一角に置き畳を敷いて、和のコーナーにしていました。リノベするならちゃんとした和室を設けて、そこでお稽古ができたら…と漠然と考えていたのですが、この広さの中でどこにどうつくるかが悩みどころでした」

 

いくつものプランを検討した結果、LDKのいちばん奥に、最小限の広さの小上がりをつくる案で決着。直射日光が当たらないので畳や木部が傷みにくく、落ちついて過ごせるメリットがあります。

 

「お茶のお稽古や着付けはもちろん、友達に泊まってもらったり、自分がゴロンと横になったりもするので、この場所で正解でした。畳の下は収納になっていて、お茶の道具などをおさめています」

 

 

カジュアルな小上がりとはいえ、ディティールは本格的。床に桐材を張り、アールの壁を立てて床の間風のスペースを演出しました。書や生け花が映える端正な空間です。

 

 

反対側にはお手持ちの桐箪笥を置いて、ご愛用の着物を収納しています。最近は京都の先生の元でお茶を習っているというAさま。すでに師範の免状もお持ちということで、いずれは教える側に、というお考えもあるそうです。

 

 

コンパクト&ハイスペックなキッチンを

 

 

しっとりと落ちついた小上がりから振り向くと、一転して明るく爽やかなLDKが広がっています。元の間取りから広さは変えずに、キッチンのみ移動させ、くつろぎや食事のスペースと家事スペースを同居させました。

 

 

シンプルなデザインが目を引くアイランドキッチンは「トーヨーキッチン」の「CUBE」。「マンションの規約でディスポーザーが必須なのですが、小さなサイズでディスポーザーがつけられる既製品のキッチンがほかになくて。オーダーキッチンでも大きくなってしまうということで、限られた選択肢の中からこちらを選びました」

 

以前のキッチンはクローズドの対面式で、使う機会の少ないオーブンがついている一方、収納が足りなかったり、浴室乾燥機から遠いキッチンにドラム式洗濯機がビルトインされていたりと、“必要なものと不要なもののバランス”に不満があったそう。

 

「料理はそれほどこまめにする方ではないのですが、キッチンに立っている時間はけっこう長いから、デザインや使い勝手にはこだわりたくて。これはサイズも機能も必要十分で、私にとっては理想的でした」

 

 

反対側にはスツールで食事のできるカウンタースペースも。すっきりと薄いカウンターや細めの脚など、無駄のないミニマムなデザインがかっこいいですよね。シンク横のIHは「ガゲナウ」の製品。こちらも薄くてスマートなタイプを選びました。

 

 

大好きなカラーをくつろぎのスペースに

 

 

LDKと寝室を仕切る壁はリノベで新設。右側の本棚はお手持ちのものですが、左側のシェルフは造作し、お好みの色のカラークロスを採り入れました。

 

 

えんじ色に近い深い赤は、上品でありながらインパクト大。余白を取りながら飾った小物も引き立ちます。「内装は白ベースで考えていましたが、白だけだと冷たくなりそうで。差し色を使うことで印象が柔らかくなればと思って、昔から好きなこの色を採り入れることにしたんです」

 

 

本棚の上にも愛らしいディスプレイが。海外を旅したときに出会ったものが多いそうで、ノルウェーやエストニア、ロシア、トルコ、インド、スペインなど、各国の表情豊かな雑貨が所狭しと並んでいました。

 

 

窓際には寝室の入口があり、先ほどの動線とつながりました。行き止まりがなく、ぐるぐる回れる回遊動線は、Aさまの日常生活を一気に変えたといいます。

 

「一日の行動を振り返ってみると、LDKを通る動線より、洗面室を通る動線のほうをよく使ってるんですよね。今まで水回りを通り抜けられなかったことが想像できないくらい便利です」

 

実はこのプランのヒントになったのは、数年前に放送されていた海外ドラマ「Sex and the City」だったという楽しいエピソードも。「主人公のキャリーの家が回遊型で、洗面室を通り抜けるシーンもよく出てきて。わが家もあんな風にできたら…と想像をふくらませていたんです」

 

念願だった回遊型プランと、欲しかった和の空間、理想のインテリアを手に入れたA さま。成功の理由は「背伸びしすぎない、等身大のリノベができたこと」だったといいます。

 

「デザイン重視のリノベはかっこいいけれど、そこに住んでいる自分をイメージしにくい面も。私にとっては毎日を気楽に過ごせることが大切だったので、暮らしやすさとデザインのバランスには気を配りました」

 

平日はお仕事で忙しく過ごし、休日には京都までお茶のお稽古に出かけたり、ご自宅でゆるりとくつろいだり。そんなメリハリのあるライフスタルを送られているAさま。「そのうちLDにパーソナルソファを置きたいと思っているんですよ」と、これからの模様替えの構想も語ってくださいました。

 

 

お忙しい中、取材・撮影にご協力いただき、ありがとうございました。

 

 

取材・文/ライター後藤由里子

撮影/カメラマン清永洋