Beautiful Life
この日訪ねたのは、江東区にお住まいのSさま邸。やさしいトーンでコーディネートされたLDKがとっても素敵ですよね♪
スタッフがさらに目を奪われたのは、広くて開放的なオープンキッチン! 大きなアイランドキッチンと壁付けの背面カウンターを組み合わせた、グレード感のあるキッチンです。
以前のキッチンはダイニング側に開口部がある独立型でしたが、リノベにあたり「もともとの部屋の広さをもっと感じられるようにしたい」「風の通りをよくしたい」というご希望があり、その一環としてオープンなプランを選ばれたそう。
「プランナーさんに現在のようなレイアウトを提案いただいて、そのプランを想定しながらキッチンメーカーさんのショールームを何軒か回ったのですが、なかなかしっくりくるものがなく、“キッチン迷子”になってしまって…(笑)」と奥さま。
そんななか、Sさま夫妻のお眼鏡にかなったのは「キッチンハウス」のキッチンだったとか。奥さまいわく、「すっきりシャープなデザインや、お手入れのしやすそうなところが決め手になりました」
背面側は、中央にある撤去できないパイプスペース(PS)をうまくなじませながらカウンターと吊り戸棚が設置されています。PSをスルーして(!?)下部に扉がついていますが、扉の中はごく浅い奥行きの収納スペースに。こんなふうに細やかに我が家にあったサイズへと調整し、必要なところはしっかりとアドバイスしてくださったところも、キッチンメーカー選びのポイントになったそうです。
フロートタイプの吊り戸棚は、アクセントになるように木目調のものをチョイス。キッチンの天板と側面は「この空間に何色を持ってくるとバシッと決まるだろうかと、とても迷ったのですが、この組み合わせが決まったら、もう迷いはなくなりました。さらに、ダイニングテーブルも天板と合わせて、リビングとの調和も図りました」と奥さま。
背面側の壁は、細長いタイルをヘリンボーン風に貼っているのが特徴的。同じ仕上げの洗面室の施工写真が目に留まり、最終打ち合わせのタイミングでタイル仕上げに変更したそうで、「プランナーさんに『これ、できますか?』と尋ねたら、その場で写真を撮ってタイル屋さんに確認してくれたんです」とご主人。プランナーからはすぐさま「できます!」という心強い返事があったそうで、奥さまはこのタイルの壁をとても気に入ってくださっています♪
購入を決めた時、すでに建物は完成間近。本来は選べた床や建具の色などを選ぶことができなかったため、内装にSさま夫妻の好みではない部分もあったそう。その後10数年ここに暮らして設備類が故障し始めたこともあり、これまでの暮らしの不満を解消するためにリノベに取り組むことにしたそうです。
「いちばん改善したいと思ったのは、面積の割に広さが感じられなかった LDK でした。せっかくハイサッシの窓からいい光が入って来るのに、壁と低い天井に囲まれたキッチンにさえぎられてしまい、もったいないなって」とご主人。
「そして、直床のためか、床鳴りが少しずつ気になってきた、それならば二重床したらどうだろう、だったら、天井も上げられるならできる限りそうしたい」と一大決心することに。
キッチンをオープンにしたことで明るく開放的なLDKが実現し、隣接していた和室も取り込んで、より広く感じられるLDKに生まれ変わりました♪
「リビングはごくシンプルに。これまであったソファーは今回、置かず、引っ越し後に見つけたイージーチェアーとスツールをキッチンと向き合うように配置しました。」
会話が弾みそうなお部屋ですね。
続いて、ブルーのアクセントクロスを用いたスペースが、もともと和室のあった場所です。こちらは、ご主人のワークスペースに変身!リノベでもっと活用できるスペースにしたいと考えたそう。
ご主人は、「壁を立てて、デスクも造り付けにして、リモートワーク用のガチガチの個室にしようと思っていた」そうですが、プランニング途中でコロナが落ち着き、リモートワークの頻度が減ったことで心境の変化があったそう。「もう少し自由度のあって使い勝手のいい形にしたいと思うようになって、最終的に現在の形に落ち着きました」
黒いフレームが効いたガラスのパーテーションは、ご主人のリクエストで設置したものです。このおかげで、リビングとのつながりを損なわずに“半個室感”が出ていますよね。「住宅設備メーカーのショールームで見かけて、こんな形で使ったら面白いかなと、プランナーさんに相談して採用してもらいました」
ここでSさま夫妻に、どうして当社をリノベのパートナーに選んでくださったのかうかがってみました。リノベをしようと気持ちが固まり、大手を中心に、最終的には10社近いリノベ会社とコンタクトをとって見積もりを出してもらったというSさま。
「SHUKEN Reさんにコンタクトをとったのは、正直、後半のほうだったんです。早い段階で声をかけた会社からの提案はどこも同じようなものでした。水回りの範囲を変えられない、といったマンション自体の構造のためか、費用はある程度かかるのに間取りはそのまま…というところも。ひとことでいうと、プランがどこも“無難”だったんですよね」
「その点、SHUKEN Reさんは攻める感じで(笑)、プランがいちばん斬新だったことが決め手になりました。他社には『それはできません』と言われてしまうような部分も、実現できるように調整してもらえましたし、こちらに寄り添ってもらえました」(ありがとうございます!)
場所は変わって、こちらはウォークスルー型の洗面室です。正面奥がキッチンで、背面側にある洋室と行き来できるつくりに。「既存の間取りもキッチンと洗面室が行き来できたので、それは生かしたいなと思っていたんです」と奥さま。
「でもそれだけではなくて、浴室の位置を動かすことで、洋室まで通り抜けできるようになったことが驚きでした。出入り口はどちらもルーバー引き戸にしたので、閉じていても通風できるところが気に入っています」
洗面台は「TOTO」の製品を選んだそう。ご夫婦2人で並んで身支度ができるよう、幅をたっぷりとったのがポイントです。「以前の洗面台では三面鏡が便利だったのですが、今回はすっきりまとめようと思って一枚鏡にしました」と奥さま。
洗面室内の洗濯機の近くに、おしゃれなバーを発見! 昨今は室内干し用のバーなどに黒を選ぶお宅が多いですが、真鍮のような落ち着きのあるゴールドがSさまらしさを感じます。こちらは、洗濯物を干すときや、外から取り込んで一時的に掛けておくのに重宝しているそう。
リノベにあたり位置を動かした浴室。こちらは「LIXIL」の製品です。「以前より少し狭くなることがわかっていたので、違いが気にならないようにワイドな浴槽を選びました。気に入っていたワイドミラーは今回も採用することにし、カルキ汚れを残さないよう、がんばって磨いています(笑)」と奥さま。
こちらは、ウォークスルーの洗面室とつながる玄関横の洋室です。現在は奥さまがヨガをする時のお気に入りの空間になっているそう。ウォークスルーの間取りを実現するために、クローゼットの位置を大きく変更しています。
このあと寝室内のWICを見せていただきますが、オープンなつくりにしたWICに対して、こちらのクローゼットは扉を付けてすっきりとさせました。
そして、右手の壁の一部がガラスブロックになっているのがわかるでしょうか? この裏側がどうなっているかというと……
玄関のシューズボックスに当たるスペースでした。もとは普通の壁でしたが、ご主人のアイディアでガラスブロックを採用。暗かった玄関に光が入るようになりました♪ スマートな印象のシューズボックスは「LIXIL」の製品です。
こちらは、玄関からLDK方向を見たところです。右手がヨガの部屋、左手には寝室があり ます。床材はLDと同じ明るめのブラウンにすることで、リビングから空間の広がりを感じます。
寝室の扉を開けると、正面に登場するのがオープンなつくりのWICです。こちらには「南海プライウッド」のシステム収納を採用。「ラグを敷いたら、ワクワク感のあるスペースになりました」と奥さまがおっしゃるように、まさに“気分が上がる”クローゼットですね♪
WICの袖壁の奥は寝室です。プランを決める前に購入していたキャメル色のベッドフレームに合わせ、相性のいいゴールドがかったグリーンのアクセントクロスを採用しました。海外のプチホテルのようで、素敵ですね♪
最後にご紹介するのはトイレです。カラフルな床のタイルは奥さまが選んだもので、「ここまで遊んでいいのか心配だったのですが、今は見るたびにこれで正解だったって思います(笑)」
既存のトイレにも独立した手洗い器があったそうですが、スリムな形で使い勝手がよくなかったとか。「リノベでは丸形のベッセルタイプの手洗いコーナーと鏡を設けることにしていました。すると プランナーさんがイメージにぴったりの鏡と合わせて、真鍮のぺーパーホルダーとタオル掛けをオススメしてくださり、即決しました」
「美しい」と感じられる住まいに
2023年の1月に仮住まい先からこちらに戻っていらした Sさま夫妻。生まれ変わった住まいでの暮らしは半年ほどになりました。住み心地をうかがうと、「とても快適で、目に入る シーンを美しいな、と思いながら気持ちよく過ごすことができます。キッチンでお料理をするのもとても楽しい」と奥さま
「LDKが明るくなってよかったです」とはご主人。「あと、細かいことなんですが、廊下の天井高を上げられたのがよかったですね。光が奥まで届くようになって、LDK側から見るとすごくきれいなので、よかったなぁって思います」
「天井をすっきりさせたくて、そのために照明もすべてダウンライトにしたんです」
取材も終盤にさしかかったころ、ふと奥さまがお話くださったのが「趣味はパンづくり」ということ。この広いキッチンがあれば、パン生地をこねたりするのもラクラクですね! コンロの下にビルトインしたガスオーブンも、パンづくりのために採用したのだとか。
「たくさんあるパンづくり用の道具がきちんと収まるキッチンになったこともうれしいで す。収納がしっかりあると、片付けも簡単で楽しいです(笑)」
住まいづくりはすっかり完成かと思いきや、「まだまだですよ」とご主人。現在ワークスペースに置く予定のシェルフの到着を待っているところで、今後ワークスペース用のチェアも購入したいと思っているとか。奥さまは、この空間にアンティークの品をプラスしてみたいと話してくださいました。
今後もさらに素敵に進化していきそうなSさま邸。取材スタッフの大変勝手な要望ですが、奥さまがこのキッチンで手作りパン教室を開いてくださったら、ぜひぜひ参加したい!と思いました~。
お忙しい中、取材・撮影にご協力いただき、ありがとうございました。
取材・文/ライター志賀朝子
撮影/カメラマン清永洋