Living with Cats
部屋と部屋を自由に行き来できるネコトンネルから、かわいい姿を見せてくれているのは、Iさん宅で暮らすマンチカンの「おもち」くん。まだ生まれて半年ほどの子ネコです♡
そして、こちらがラガマフィンの「むぎ」ちゃん、1歳です。テレビボードの上でじ~っとこちらを見る姿はモデルのよう!
2匹のネコちゃんと同居するIさん夫妻が、リノベでいちばんに考えたのは、もちろん「ネコと快適に暮らせる家に」というものでした。
ネコちゃんのことを考えたプランが反映されたI様邸を、さっそく見せていただきましょう!
ご主人の実家の別棟をリノベ
ご結婚を機に、ご主人のご実家で同居をスタートしたIさん夫妻。ご実家の家業の関係で、敷地内に1階は事務所+車庫、2階は住宅という別棟の建物があり、この別棟の2階をおふたりの新居にするためリノベに取り組むことになりました。
おふたりの好みを反映して、スタイリッシュに生まれ変わった別棟の2階。子どもの頃からこの建物を見続けていたご主人いわく、「リノベ前は長年空き家状態でボロボロだった」そう。とても想像がつきません~。
ご主人のご両親と弟さんも、完成後、「こんなに変わるんだ!」とびっくりしていたとか。「このまま放置して傷んでしまうより、ふたりに活用してもらえたら」とご両親はリノベに大賛成で、すべてをIさん夫妻に任せてくれたそうです。
2匹のネコちゃんが快適に暮らせる工夫をこらしたのが、こちらのリビングです。ネコちゃんたちが倒さないように、当初から「テレビを壁掛けにしたい!」と希望していたのは奥様。
実はちょうどテレビのあるあたりに窓があり、窓を残すか、ふさぐかで、ご夫妻の間で小さな論争(!?)が起きたのだとか。
既存の窓をふさいでテレビを壁掛けに
コストアップを心配して、窓は残しても……と考えたご主人に対して、壁掛けテレビ実現のために窓をふさぎたかった奥様。
「道路から室内が丸見えになるので、窓があっても閉め切ることになりそう」ということで奥様の希望が通り、窓をふさいで、テレビを壁掛けにすることができました!
テレビ台を、宙に浮いたようなフロートデザインにしたのもポイントです。床に落ちたネコの毛のお掃除対策として、「ルンバ」を使いたいという希望があり、「ルンバ」の走行に支障がないデザインで造作。ペットのいるお宅で参考にしていただけそうなアイディアですね。
もともと奥様は、黒やハードめの素材を生かしたインダストリアルな雰囲気がお好み。いっぽうご主人は、木の質感がお好きだとか。
奥様の希望に合わせて、コンクリート調の存在感のあるシステムキッチンを導入したので、リビングの床はご主人の希望に合わせた木目調のフロアタイルを採用。
ネコちゃんのために、できるだけすべりにくい製品をプランナーに推薦してもらい、色はキッチンと相性のいいグレー系を選びました。
「住んでから気づいたのですが、この床材、ネコの毛が目立ちにくいのもよかったです」と奥様。ご夫妻の好みの違いから、素敵なハーモニーが生まれました♡
ニッチのような埋め込み型のオープン棚も、実はネコちゃん対策です。「置き家具だと上に上っていたずらをするかもしれないので」と、最初からこの形を希望したのだとか。埋め込み型なら空間が広く使えて、ネコちゃんたちも床の上を思う存分、走り回れますね。
オープン棚は、棚板をCDに合わせたピッチの部分をつくったり、オーディオ類も置けるようにコンセントもつけたりと工夫をこらしました。音楽はご夫妻ともお好きで、奥さまは日本のヴィジュアル系、ご主人は海外から日本までいろいろ聴くとのこと。
そして、左の下のほうに、冒頭に登場したネコトンネルがあるのが分かるでしょうか~?
夜、自由に動けるようにネコトンネルを設置
ネコトンネルはリビングに隣接する寝室へと続いています。
Iさん夫妻と2匹のネコちゃんは、寝室で一緒に寝ていますが、夜中にトイレなどに自由に行けるようにネコトンネルを設けました。リノベだと、こんな工事も可能なんですよね。まだ幼いおもちくんも、すっかり使いこなしているのがかわいい~♡
リビングの対面には、奥様こだわりのキッチンがあります。
コンクリート風の黒っぽいキッチンが希望だった奥様。さまざまなキッチンメーカーのショールームに足を運び、好みに合うものを探しましたが、「納得のいくデザインのものは予算的に厳しくて……」。
いろいろ調べているうちに見つけたのが、こちらの「グラフテクト」のキッチンだったとか。「コスパのよさと、レイアウトのパターンが豊富だったことが決め手になりました。広くて作業がしやすいです」と奥様。
通路にゆとりがあり、「夫婦ふたりで作業してもぶつからないのがいいです」とご主人も気に入っているご様子です。
悩みに悩んだキッチンのレイアウト
以前からずっとここにあるように、空間になじんでいるキッチンですが、ここにたどり着くまでに紆余曲折がありました。アイランドキッチンが夢で、シンクもコンロもリビング側にまとめ、背面側はカウンターのみにしたかった奥様。
ところがその希望を反映するとキッチンの横幅がとても長くなり、一方の端が壁付けになるペニンシュラ型になってしまうことが判明!
無理にシンクとコンロを同じ側にまとめると、ダイニングテーブルを置けるスペースがなくなってしまうことから、当社のプランナーからコンロを背面側に配置するⅡ型キッチンを提案させていただきました。
「ダイニングテーブルが置けるスペースと、左右からまわり込める動線が確保できたので、結果的に現在の形にして正解でした」と奥様。
コンロは背面側になりましたが、シンク側のキッチン自体は壁付けでないアイランド型にできたので、冷蔵庫とパントリーへのアクセスがよく、買い物帰りに食材をすぐにしまえるところも気に入っているとか。
キッチンの一角に、お酒のディスプレイ棚を発見! ご夫妻ともにお酒が好きで、お酒の瓶を並べておける棚が欲しかったのだとか。これなら、味覚だけでなく視覚でもお酒を楽しめますね。
コロナウィルスの影響でお店に飲みに行く機会は激減したそうですが、リノベしたこのお部屋でお酒を楽しめているとうかがい、ホッ。
コーヒーも好きだというご主人用に、棚の下段がカフェコーナーになっているのもいいですね♪
冷蔵庫の横にはパントリーも完備しています。料理好きの奥様は「食材をいろいろストックしておきたいタイプ」とのことで、リノベ当初からパントリーをご希望でした。
大容量のパントリーが活躍中!
ケースを白で統一して、ラベリングもされて、機能美あふれるパントリーになりましたね。この先、冷凍庫を購入する可能性があるため、足元のほうにコンセントを設置。今は「ルンバ」の基地にしています。
パントリーはL字に棚を取り付けたスペースもあり、容量たっぷりです。「大きくて場所をとる猫たちのご飯やトイレの砂もここにストックしておけるので便利です」と奥様。
奥様は、お気に入りのキッチンが完成し、新しいメニューに挑戦するのが楽しいそう。「引っ越し祝いに製麺機をいただいたので、パスタを生地から手作りしたりしています。1時間近く生地をこねる工程があっても、対面式のキッチンなのでテレビを見ながらできるのがいいですね」。
リビングもキッチンも、おふたりのこだわりがたっぷり反映された空間に仕上がりました♪ ここからは、LDK以外のスペースを見せていただきましょう。
こちらは、ご夫妻とネコちゃんたちの寝室です。小さなベッドがかわいいですね~♡ 「むぎのために買ったのですが、全然使ってくれなくて(笑)」と奥様。
使いやすくゾーニングしたWIC
寝室は「寝るだけなので狭くてもいい」と考えて、隣接するWICを広めにしました。リビングにあったネコトンネルは、こちらにつながっています。
WICは、プランナーにほぼお任せだったそうですが、使い勝手がとてもいいそう。手前がご主人のコーナー、奥が奥様のコーナーで、奥のカウンターはアクセサリーなどの小物の収納に役立てています。カウンター下は、スーツケースやネコの移動用バッグの収納場所としてちょうどよかったとか。
そして、寝室の注目ポイントはもうひとつあります! 寝室から、廊下に出ずに洗面室&浴室に直接アクセスできる動線があるのです。
これは、奥様がネットで見つけたアイディアを反映したもので、お風呂上がりにすぐに寝室に移動でき、泊まり客があったときにも便利だとか。
寝室からも廊下からもアクセスできる洗面室。奥様は当初、モールテックス仕上げの洗面台を希望されましたが、コストの面で断念。
「でも、プランナーさんがモールテックスに近い見た目のリーズナブルな素材を提案してくれて、イメージ通りの洗面台を実現することができました」とにっこり。
ポジティブな提案が決め手に
Iさん夫妻がリノベを当社SHUKEN Reに依頼してくださったのも、(手前味噌ですが)そんな提案力が決め手になったとおっしゃってくださいました。
「こちらの予算を伝えたら、プランナーさんがその範囲内でいろいろ提案してくださったんです。『この部分は、こうしたらコストをおさえられますよ』と、常にポジティブな提案をしてくれたので、安心してお願いすることができました」。
こちらは、以前は和室だった部屋で、現在は奥様のマンガの保管場所兼ゲストルームです。コストは抑えめにして、洋室に変更する工事のみをおこないました。今後、いろいろな用途に使えそうですね。
玄関ホールには、現在ニッチがある部分の左手に造り付けの収納がありましたが、撤去したことで圧迫感がなくなり、玄関→廊下→LDKという動線がスムーズになりました。右手の靴箱も新しいものに交換してリフレッシュ。
こちらは戸建てのお住まいなので、リノベで玄関ドアも交換しています。もとは昭和チックなものだったそうですが、電子錠が搭載された最新式にチェンジ!「車のキーのようにピッとするだけなので、荷物が多いときに助かっています」と奥様。
昨年の9月初旬に入居されておよそ4カ月。新居の住み心地はいかがでしょう?
「住み心地はすごくいいです。毎日ここを走りまわっているネコたちも、この家を喜んでくれていると思います。キッチンで料理をしているときに、リノベしてよかった~!と思います」と奥様。
ご実家の別棟で、子ども時代からこの建物を見て育ったご主人は、「同じ家とは思えないです(笑)。ホテルで過ごしているような雰囲気を味わっています」。
ご主人は「くつろげるので」と、リビングが特にお気に入り。奥様は、リビングのニッチ風のオープン棚が気に入っているとか。こちらの住まいに暮らすようになって、こまめに掃除や片付けをするようになったのもリノベ後の変化だとか。
「オープンなつくりなので、物を出しっぱなしにすると目立つんです。でも、収納スペースが充実しているので、部屋をきれいに保てますし、家事動線もいいので生活しやすいです」。
おふたりに満足いただける住まいになって、スタッフもうれしいです! ペットの幸せは、飼い主さんが幸せであることが大前提。むぎちゃんとおもちくんは、おふたりのもとでこれからもずっと幸せに過ごせますね。
お忙しい中、取材・撮影にご協力いただき、ありがとうございました。
取材・文/ライター志賀朝子