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"SHUKEN Re"

INTERVIEW
お客様インタビュー|リノベのその後

ふたりで育てる「白い箱」

 

 

 

この日訪ねたHさん夫妻のお宅は、どこかのんびりした雰囲気の東京西部の私鉄沿線にあります。さっそく室内へ案内していただくと、真っ白な壁とパーケットフローリングが印象的なリビングダイニング(LD)が登場!

 

スタッフからは「おしゃれ~!!」と歓声が上がり、素敵なアートやデザイナー家具が並ぶ空間を全員でキョロキョロ。興奮冷めやらぬうちに(!?)、紆余曲折があったというリノベストーリーをうかがいました。

 

理想の条件のリスト化からスタート!

 

ご夫婦ふたり暮らしのHさん夫妻。以前は同じ沿線の賃貸マンションに暮らしていましたが、年齢的に物件購入を考えるようになったとか。

 

物件探しにあたって、奥様は理想の条件をリスト化。具体的には「大きな公園や河川敷など、自然豊かな場所が近くにある」「大きな駅でなく、こぢんまりした駅」「チェーン店でないよい感じの飲み屋やカフェがある」「抜け感がある」などで、ほとんどがこの住まいに当てはまっています。

 

リスト化するのは、ご自分たちが大事にしたいことが明確になって、とてもいいアイディアですね。

 

 

条件に合う物件はなかなか見つからなかったそうですが、「1階だし、日当たりがよくないのでは?」と、現在のこの物件をあまり期待せずに内見。

 

意外にも窓からたっぷり光が入って明るく、窓いっぱいに広がる敷地内の植栽や借景のグリーンも魅力的に感じ、すぐに購入を決めたといいます。

 

 

「購入を決めたこの物件は、本来はリノベ済み物件として販売される予定の物件だったのですが、内見時にはまだ工事がおこなわれていなかったので、このまま購入したいとダメ元で交渉してみたんです」と奥様。

 

無事OKが出て、物件価格から工事分を差し引いてもらうこともできましたが、リノベ工事は物件購入でやりとりした不動産会社の関連会社と進めてほしいと言われ、まずはその会社とリノベの打ち合わせがスタートしました。

 

希望のイメージがなかなか伝わらない!

 

ところが、打ち合わせを進めるなかで、「自分たちの希望が伝わらない……」と感じたHさん夫妻。当初の予算からもオーバーして不安に思っていたところ、物件購入時の担当者まで「このままだとHさんの夢は叶えられない」と顔面蒼白に。

 

最終的に「大丈夫です! リノベ会社、お好きなところに依頼してください!」と言ってもらい、リノベ会社を自由に選べることになったそうです。よかった~!

 

 

リノベ会社の“しばり”がなくなり、リノベの情報サイトから、急いで自分たちの好みに合う会社を4社ほどピックアップしたおふたり。

 

最終的に当社を選んでくださった理由をうかがうと、「SHUKEN Reさんは、建築のプロ集団である秀建グループのリノベ会社ということで信頼できましたし、引き渡し後もきちんとフォローしてもらえそうなところにもひかれました」とご主人。

 

奥様も「webサイトの施工事例もチェックして、自分たちのやりたいことを叶えてくれそうという印象を持ちました。世田谷のショールームも素敵で、リノベの参考にしたい部分がたくさんあったのもよかったです」と、うれしいお答えをいただきました。

 

 

リノベでおふたりがテーマにしたのが、「シンプルな白い箱」。さらに、床と壁の素材感にもこだわりたいという思いがありました。

 

LDの床は、その中でも特にこだわった部分。ヘリンボーンなど、さまざまな床の施工事例をチェックして検討したそうですが、「パーケットのこの床が、ずっと飽きずに好きでいられる気がしたんです」とご主人。

 

仕上げの塗料までこだわったパーケットフローリング

 

なんと、担当プランナーと一緒に床の仕上げに使う「オスモカラー」のショールームまで出向いたというおふたり。

 

「カラーバリエーションや、一度塗りと二度塗りの違いなどを見せてもらったりしたのですが、最後の最後まで本当に悩みました。現場で立ち合いもさせてもらい、その場で一度塗りに決めたくらい(笑)。当初はLDに隣接するサンルームだけをパーケットフローリングにしようかと思っていましたが、プランナーさんにLDも含めた全面に使うことを提案してもらい、大正解でした」とご主人。

 

 

リビングスペースには、テレビの位置に合わせて可動棚を設置。お気に入りの雑貨類が白い壁に映えて、とってもおしゃれです!

 

「リノベのテーマを『シンプルな白い箱』にしたのは、シンプルで飽きのこない空間をつくって、暮らしていくなかで、アートや旅行のおみやげといった、自分たちの好きなものを飾って育てていきたいと考えたからでした」と奥様。「育てる」という考え方が、とても素敵ですね!

 

「まだちゃんとしたものを買っていなくて」と奥様は笑いますが、奥様の実家にあったというテレビ台代わりの小さなテーブルも、ほっこりムード満点です。

 

 

LDには、お気に入りのアートを飾るニッチも設けました。ブルーのアートは、ロナン・ブルレックというフランスのデザイナーの作品だとか。

 

右手にはキッチン、左手にはご主人の書斎でもあるサンルームが隣接しています。実は奥様は、キッチンまわりの壁を撤去して、アイランドカウンターのあるオープンキッチンにしたいという希望をお持ちでした。

 

オープンキッチンは叶わなかったけれど……

 

ところが、キッチンまわりの壁が撤去できないとわかり、「理想がガラガラガラ~と崩れてしまったんです(笑)」。でも、ここで立ち止まったりはせず、「この限られたスペースに、可能な限り希望を反映させよう」と、前向きに方向転換することにしました。

 

 

とはいえ、キッチンのプランニングは「限られた面積との闘い」だったとか。システムキッチンは、「奥行600ミリ以内」で、「築年数の古い物件特有の配管方法に対応できるもの」という制限のなかで、運よく好みに合うものを「TOTO」で発見。

 

省スペースのため、食洗機はもちろん、オーブンレンジもビルトインにしました。

 

 

「作業スペースが少ないので、お皿を置ける程度でいいので背面側にカウンターもほしかったんです。キッチンとカウンターを配置したときに、通路部分が最低でもどれくらい必要か、当時の賃貸の住まいでテープを貼ってサイズ感をシュミレーションしました」と奥様。

 

背面側には、奥様の念願だったデンマークのインテリアブランド「HAY(ヘイ)」のプレートラックも設置できました。当初の希望だったオープンキッチンは実現できなかったものの、「このコンパクトさが逆に作業しやすく、厨房のような機能性もあってとても気に入っています」と笑顔で語ってくださいました。

 

 

H邸のリノベーションは、おもに奥様が中心になって進めましたが、こちらのサンルームの主導権を握ったのはご主人。在宅勤務が増えたご主人のワークスペースを兼ねた空間です。

 

 

「住まい全体は白を基調にまとめましたが、木目調の少しダークな雰囲気も落ち着きそうと、壁の1面を羽目板仕上げにしました」とご主人。

 

サンルームはご主人のオアシスに

 

布製の折りたたみチェアで、仕事の合間に休憩したり、夕食後にくつろいだり。ここはご主人のお気に入りのスペースになりました。窓から光がたっぷり入って、見るからに居心地のよさそうな空間ですね!

 

 

デスクは造作工事で設けたものです。壁の向こう側がキッチンで、撤去できなかったというのがこの壁ですが、代わりに仕事がサクサクできそうなデスクができたので、結果オーライですね!

 

ご主人は有孔ボードが好きだそうで、プランニング中は「ここにつけたい、あそこにもつけたい」とよく言っていたとか(わかります、そのお気持ち!)。ご主人のリクエストどおり、このデスクコーナーのほか、WICや玄関土間にも有孔ボードを採用しています。

 

ここからは、個室と水回りを見せていただきましょう。

 

 

LD同様、スタッフから「素敵~」と歓声が上がったのがこちらの寝室です。「リラックスできるホテルライクな部屋にしたい」というご希望が、見事に実現されています。寝室内には出入り口のドアを省略したWICも完備。

 

ヘッドボードと照明でホテルライクに

 

ホテルライクな雰囲気づくりの立役者は、造作のヘッドボードです。単に既製のベッドを置くのではなく、リノベ事例を参考に造作でヘッドボードを設けたいと考えたそう。

 

 

「もう1つ、『裸電球風の照明を2つ、天井からベッドサイドに吊るす』というのもやりたかったんです」と奥様。左右2つある照明は、寝る前に本を読むときなどに重宝しているとか。心休まる素敵な寝室になりましたね。

 

 

北側の部屋のため、湿気がこもらないようにとオープンなつくりにしたWIC。「ハンガーパイプは上下2段にしてもらったところもあって、本来はハンガーがけしないようなTシャツなどもたくさん掛けられるようにしました。洗濯物をたたむ作業がぐんと減って、とてもラクになりました」と奥様。

 

 

以前の住まいで使っていた和の古い書棚が置かれているこちらは、納戸兼予備室です。「今のところ収納スペースとしてしか使っていないのですが、漫画喫茶か古本屋みたいな雰囲気になりました(笑)」と奥様。

 

窓がない部屋のため、左手にある玄関土間側に室内窓を設けて、採光と換気ができるようにしています。

 

 

こちらは、玄関からつながる玄関土間。ここでもご主人の好きな有孔ボードが活躍していますね! ご主人の趣味の自転車のほか、キャンプ道具や防災グッズの定位置にしています。

 

収納プランも事前にしっかり検討

 

今回のリノベを機に、「ものの置き場所を定める」ということも意識したというHさん夫妻。「たとえば土間は、本来は農作業の道具など、土がついているものを置いておく場所ですよね。そんな昔からの使い方にのっとって、屋外で使うものの収納場所として土間が欲しいと考えたんです」とご主人。

 

「ものの置き場所が定まれば、自然と片づく家になる」。そんな標語(!?)が思い浮かんでしまいましたが、H様邸がとてもいい見本なのは確かです!

 

 

左手につながる玄関土間の開口部に合わせて、上がり框(かまち)をななめに切った玄関。内装は白で統一していますが、ご主人からのリクエストで、天井だけテクスチャーのある少し暗めの色のクロスにして落ち着き感を演出しました。

 

 

玄関の靴箱の扉をミラーにしたのは奥様のアイディア。これなら、お出かけ前に全身のコーディネートチェックができますね。

 

 

「スペースに限りがあった洗面室は、洗面ボウルにこだわりました」と奥様。ショールームで「ビビッ」と来たこちらのボウルは、丸くてかわいらしいところが気に入ったとか。

 

水回りのプランにも紆余曲折が!

 

カウンターは、当初はモールテックス仕上げが希望でしたが、予算の都合でメラミン化粧材に変更しました。「色を近づけてもらったので、イメージに近い仕上がりになりました」と奥様。

 

希望の素材を採用できなくても、別の素材でイメージを再現できるケースが多々あるので、ぜひ当社のプランナーに相談していただきたいと思います!

 

 

内装について、意外に悩んだのがこちらのトイレだったとか。「コンセプトは“白い家”でしたが、水回りのプランニングは後半だったこともあって、だんだんと色を入れたくなってしまって……」とご主人。

 

最終的には、担当プランナーがおすすめした白のクロス仕上げに着地。プランナーいわく、「色はあまり使わず、当初のコンセプトをつらぬくほうがいいかもしれませんとアドバイスさせてもらいました」。

 

 

ご入居からおよそ半年が経過して、「住み心地はすばらしいです! 語彙力がなくてすみません(笑)」と、ご感想を聞かせてくださった奥様。

 

「素敵に仕上げてもらって、最初はホテルに住んでいる感覚になりました。季節を感じられる、外とのつながりを感じられる部屋になったのがなによりうれしいですね。在宅勤務も楽しくできます」と、ご主人からも素敵なコメントをいただきました。

 

リノベ会社の変更やキッチンのプラン変更を乗り越えて、前向きにリノベに取り組まれたHさん夫妻。「白い箱」が今後どんなふうに育っていくのか楽しみです!

 

お忙しい中、取材・撮影にご協力いただき、ありがとうございました。

 

取材・文/ライター志賀朝子