公開日:2022-01-25 更新日:2024-12-25
コンクリート打ち放しでスタイリッシュな空間に。 メリット・デメリットや施工事例を紹介
“コンクリート打ち放し”と聞くと、皆さんは何を想像しますか?建物の構造体や外壁をイメージする方が多いでしょう。
「固くて冷たそうだけど、内装に取り入れられるの?」と思うかもしれませんが、最近のマンションリノベーション事例では、インテリアにコンクリートを取り入れるケースが増えてきています。
そこで、今回はコンクリート打ち放しの魅力や、メリット・デメリット、インテリアに取り入れる際のポイントについて詳しくお話します。
当社で手がけた施工事例も合わせて紹介しますので、ぜひ皆さんマイホームデザインの参考にしてください。
〈コラムのポイント〉
- ・コンクリート打ち放しは、躯体を利用したインテリアデザインの手法。
- ・寒々しいイメージがあるが、その他の素材と組み合わせることでその印象を和らげられる。
- ・コンクリートを要所要所に取り入れれば、インダストリアルな雰囲気のお部屋になる。
目次
コンクリート打ち放しはインテリアに活かせる?モルタル仕上げとの違いは?
コンクリート打ち放しとは、マンションの構造躯体などについてコンクリートの型枠を外した状態のままで見せる工法のことです。
美しく滑らかな表面に仕上げるには高い技術が必要で、近代建築においては内外装の仕上げとして様々な部位に用いられています。
よく似た見た目で「モルタル」もありますが、厳密にはコンクリートとは少々性質が異なります。
構造体に用いられることからも分かる通り、コンクリートは高い耐久性が必要になり、セメント・水・砂・砂利を混ぜ合わせて作られます。
それに対して、モルタルは構造体には使われず、タイルなどの接着剤としてや仕上げ材として用いられ、セメント・水・砂のみで作られます。
一般の方が見ただけではコンクリート打ち放しとモルタルの違いは分かりにくいですが、「コンクリート打ち放しは構造体も兼ねている」「モルタル仕上げは表面だけ」と覚えておきましょう。
最近では、クールでスタイリッシュな内装にする場合には、コンクリートやモルタルをインテリアに取り入れるケースも増えています。セメントの持つ自然なグレーを活かしたデザインが人気の理由です。
コンクリート打ち放し・モルタル仕上げのメリット・デメリットは?
「コンクリート打ち放し」や「モルタル仕上げ」を取り入れたインテリアは、最近のトレンドでもありますが、施工する前に知っておくべきポイントがあります。
流行りだからと言って安易に取り入れるのではなく、メリットとデメリットを十分理解してから決断しましょう。
メリット
まず、コンクリートやモルタルを取り入れることで、モダンでスタイリッシュな印象に仕上がります。
また、最近人気のインダストリアルスタイルやブルックリンスタイルなど、武骨で“男前”なインテリアとの相性も抜群です。
デザイン的メリット以外にも、汚れに強い点や耐火性が高い点も魅力の一つです。手垢が気になる壁面や、キッチン、土間スペースに取り入れれば、掃除がしやすく経年汚れも気になりません。
マンションの場合は、構造躯体のコンクリートをそのまま見せれば、余計な造作工事費用はかかりませんし、壁や床、天井裏のデッドスペースがなくなるため、専有部分を無駄なく活用できます。
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デメリット
デザイン的にも機能的にも、さらにはコスト的にもメリットのある「コンクリート打ち放し」と「モルタル仕上げ」ですが、残念ながらデメリットもいくつかあります。
まず、コンクリートやモルタルの材料であるセメントは、熱伝導率が高いため、熱くなりやすく冷めやすいという特性があります。他の材料と比較すると、その熱の伝わりやすさは歴然です。
〈建材の素材〉 | 〈熱伝導率〉 |
コンクリート・モルタル | 1.5〜1.6 |
天然木材 | 0.12 |
ビニル系床材 | 0.19 |
畳 | 0.08 |
(「長期優良住宅認定等に係る技術的審査マニュアル2015」を基に作成)
特に、床に用いた場合には常にヒンヤリとして底冷えしてしまい、触り心地も硬いため、長時間立ちっぱなしになる床にはおすすめできません。
また、躯体をそのまま利用する場合は、電気配線や配管が隠蔽できないため、そのまま露出させるか、木工事で周りを隠す必要があります。
そのため、床排水管を隠すためには床を上げ、天井の排気管などを隠すためには天井を低くしなければなりません。ただし、敢えて配管や配線を見せるインテリア手法もあります。天井高の低い古いマンションなどにはおすすめです。
寒々しい印象は“木”や“塗装”で中和
コンクリートやモルタルの寒々しい印象は、木目や塗装で和らげることができます。
例えば、天井材やフローリングに無垢材を利用したり、コンクリート打ち放しの上から塗装するだけで、がらりと雰囲気が変わります。
濃いめの木目と合わせればインダストリアルな雰囲気に、薄めの木目や白と組み合わせればナチュラルスタイルなど…、組み合わせによって様々なインテリアと調和します。
また、部屋の用途によって使い分ける方法もおすすめで、ウォークインクローゼットなど寒さや暑さがあまり気にならない場所に取り入れれば、工事コストの削減にもつながります。
コンクリート“風”インテリアも人気
コンクリートやモルタルをインテリアに取り入れることに抵抗がある方もいるかもしれません。
そんな方におすすめなのが、コンクリート“風”インテリアです。グレーを基調としたインテリアが流行していることもあり、様々な内装材でコンクリート調のクールでスタイリッシュなデザインを表現できます。
- ・フロアタイルなどのビニル系フロア材
- ・ビニル系シート材
- ・クロス
- ・漆喰などの左官材 …etc
それぞれの内装仕上げ材には、コンクリートやモルタルを思わせる色柄のラインナップがあるため、寒さや硬さが気になる方はこれらを取り入れるのもおすすめです。
ただし、本物と比較すると質感が異なるため、選ぶ際は必ず実物サンプルをチェックしましょう。
コンクリート・モルタルを取り入れた施工事例
SHUKEN Reのワンストップリノベーションは、これまで様々なコンクリート打ち放しやモルタル仕上げの事例を手がけてきました。ケースによって取り入れ方は多種多様。ぜひ、スタイリッシュなインテリアを目指している方は、参考にしてください。
個性的でクールなコンクリートキッチン
こちらは、インパクト抜群のコンクリートキッチンを採用した事例です。
キッチンは油ハネや水ハネがどうしても気になりますが、シンプルかつスタイリッシュなコンクリートキッチンなら、お掃除も簡単です。
こちらのように天板をステンレスにしてスッキリまとめるのも素敵ですが、天板をデザインコンクリートと呼ばれる材料で仕上げるのもおすすめ。
今までの概念を取り払ったオリジナリティのあるキッチンにしたい方におすすめです。
コンクリート躯体をそのまま見せた天井
こちらは、天井を躯体コンクリートそのままの仕上げにしている事例です。電気配線や換気扇のダクト配管は隠蔽できませんが、むしろそれがインテリアをかっこよくまとめています。
照明器具の位置をレール内で自由自在に変えられるライティングレールを取り付ければ、将来的に模様替えした時にもフレキシブルに対応できます。
モルタルの壁がクールな印象を強調
モルタル仕上げの内壁、濃いめの無垢フローリング材や天井材、各所に配置されたブラックアイアン調の家具や照明器具…それぞれがバランスよく配置されたモデルルームのような事例です。
モノトーンを基調としていて、まるで海外の住宅のようなインダストリアルな雰囲気が、とてもスタイリッシュです。さらに、各所に収納を十分備えることで、生活感を消しています。
東京でコンクリートを取り入れたおしゃれなマンションリノベーションを始めるなら…
コンクリート打ち放しやモルタル仕上げのインテリアは、冷たい印象で抵抗がある方もいるかもしれません。
しかし、他の素材と組み合わせたり、上から塗装することで、温かみのあるお部屋に仕上がります。また、ナチュラルなグレー色はインテリアを程よく引き締める効果もあり、家具などのアイテムを際立たせます。
流行りのインダストリアルスタイルやブルックリンスタイルを実現させたい方は、ぜひコンクリートやモルタルを取り入れてみましょう。
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