公開日:2022-01-11 更新日:2024-12-18
自然素材を取り入れて安らぐお部屋に。 メリット・デメリットや施工事例を紹介
リノベーションの素材選びをする時に、デザインや価格など、検討するポイントはいくつかありますが、最近は「自然素材」であることを条件に内装材などを選ぶ方が増えています。特に、小さなお子さんがいるご家庭では、自然由来の材料を使った材料なら安心して暮らせます。
そこで、今回はリノベーションの際におすすめの「自然素材」について詳しく解説します。メリットとデメリットを十分理解した上で、是非採用を検討してください。最後には、当社で手がけた施工事例も紹介していますので、素敵なマイホーム作りの参考にしてください。
〈コラムのポイント〉
- ・自然素材の建材は、柔らかく温もりがあり、おしゃれな印象になる。
- ・メンテナンスが必要などのデメリットもあるので注意が必要。
リノベーションで用いられる“自然素材”とは?
「自然素材」と言っても、実際どのようなものがあるかを知らない方も多いでしょう。実は、リノベーションでも用いられる自然素材建材はいくつかあります。主なものは下の4つです。
- ・塗り壁材(漆喰、珪藻土、シラス壁など)
- ・無垢材(フローリング、ドア、枠材など)
- ・自然塗料(オイルステイン、ワックスなど)
- ・木絹(もっけん)クロス
では、それぞれ詳しく解説します。
塗り壁材(漆喰、珪藻土、シラス壁など)
石灰石が主原料の「漆喰」や、植物プランクトンが蓄積してできた「珪藻土」、マグマの超高温で焼成された無機質セラミックから作られている「シラス壁」など、塗り壁の材料には多くの自然素材が含まれています。それぞれ、臭い成分を吸着させる働きや調湿機能を持つため、意匠的理由だけではなく機能面からも選ぶケースが多いです。
人工的な質感やツヤがないため、よりナチュラルな雰囲気なるのもメリットです。また、色柄がプリントされているビニルクロスとは異なり、塗り方次第で様々なテクスチャーを表現でき、高級感も増します。
ただし、製品によっては手垢などの汚れが定着しやすいのが注意点です。キッチンなど、汚れが気になる場所に塗る場合には、じっくり検討しましょう。
無垢材(フローリング、ドア、枠材など)
無垢材は、自然の生んだ美しい木目が特徴で、触り心地が柔らかいのがメリットです。床材に関しては、「無垢材=無垢材フローリング」とイメージする方も多いですが、表面に薄い無垢材板を貼った挽板(ひきいた)フローリングや、突板(つきいた)フローリングもあります。
表面の無垢材板の厚さによって、触り心地・施工安定性・キズの目立ちやすさが異なるため、床材選びの際にはそれぞれを比較して検討してみましょう。
無垢材はフローリング材以外にも、ドアや窓枠などの枠材に用いられます。木目をプリントしたシート材材とは異なり、少々のキズや汚れや研磨と再塗装で補修できる点がメリットです。ただし、温度や湿度によって伸縮や反りが発生し、建て付けが悪くなったり床鳴りしてしまうこともあります。
また、マンションの規約によってフローリングの仕様が決められているところも多いため、材料選びの際には事前確認は欠かせません。
自然塗料(オイルステイン、ワックスなど)
木酢液や柿渋液、ヒバ油、ミツロウなどの自然素材を使った塗料やワックスもおすすめです。添加物や、塗料を早く乾燥させるための揮発成分(シンナーなどの有機溶剤)が含まれていないため、施工中はもちろん、住み始めたからも健康被害の心配がありません。また、木目を生かした塗装となるため、無垢材の質感を損なわずに、自然な光沢を持った落ち着いた仕上がりになります。小さなお子さんのいる家庭では、万が一口にしてしまっても安全です。
ただし、「自然塗料」と銘打っていても一部の製品には石油などの材料が含まれているものも少なくありません。自然素材に特にこだわりたい方は、原材料も細かくチェックしましょう。
木絹(もっけん)クロス
引用:サンゲツ|SGB2123
木絹(もっけん)クロスとは、セルロース繊維やリサイクル紙由来の糸で織った壁紙材を指します。ビニール由来の一般的なクロスよりも価格は高いものの、調湿性に優れていて、商品によってはシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドを吸着する働きがあるものもあります。
“自然素材”を取り入れるメリット・デメリットは?
自然素材の建材は、ナチュラル志向の方から絶大な支持を受けていますが、具体的にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?ここではそれぞれ詳しく解説します。
メリット
メリットは主に下の4点です。
- ・化学物質過敏症体質の人にとって低リスク
- ・調湿機能が高い
- ・柔らかい質感と趣のある見た目
- ・生産工程のエネルギー負荷が少ない
実は、化学物質過敏症体質の方の半数以上が、室内の空気汚染が原因であると言われています。建材や塗料、接着剤から放出されるホルムアルデヒドや揮発性有機化合物(VOC)が症状を引き起こします。最近は、F★★★★(エフ・フォースター)などこれらの物質をできるだけ使わない商品がほとんどを占めているものの、特に過敏な方は微量でも安心して生活できません。自然素材の建材なら、どんな体質の方でも健康的に暮らせる可能性が高まります。
また、調湿機能のある材料を使えば、カビや細菌の繁殖も軽減できるため、住まいの長寿命化や健康生活にも効果的と言えます。さらに、柔らかい質感と趣のある見た目は、おしゃれというだけではなくリラックスできる落ち着いた雰囲気を醸し出してくれるでしょう。
そして、近年では地球温暖化対策はCO2削減の観点から、生産エネルギー量の少ない自然素材の建材の価値が見直されています。自然由来の建材を使うことは、健康的・意匠的メリットだけではなく、社会的意義も達成できるのです。
デメリット
メリットの多い自然素材の建材ですが、取り入れる前に必ず知っておくべき注意点もあります。
- ・伸縮や反り、変色などが起こりやすい
- ・メンテナンスが必要
- ・色柄が不均一
まず、無垢フローリングなどは湿度や温度など環境の変化によって、伸縮や反り、割れが生じます。そのため、使っていくうちに軋んできたり、歪んできたりすることは否めません。また、余計な添加物の入っていない自然塗料やワックスは、日焼けや色褪せが起こりやすいという欠点もあります。ですから、化学材料を使った建材と比べると、こまめなメンテナンスは欠かせません。無垢フローリング材やドアなどを用いる場合には、小まめに再塗装するなどのお手入れ手間は覚悟しておきましょう。
また、施工時期や材料の生産ロットによって色柄が変わってしまうのも注意点です。しかし、逆に言えばランダムでナチュラルな印象が際立つため、場合によってはメリットと言えるかもしれません。自然素材は、経年劣化による“味”や、メンテナンスなどのDIY作業を楽しめる方におすすめします。部屋を“育てる”楽しさがを満喫したい方は、ぜひ積極的に自然素材をインテリアに取り入れてみてください。
自然素材を使ったリノベーション施工事例
私たちSHUKEN Reでは、自然素材を用いたリノベーションを数多く手がけています。ここでは、その一例を紹介します。
漆喰壁でナチュラルな印象に
こちらは、壁の仕上げに漆喰を塗った事例です。ビニルクロスとは異なり、自然でマットな質感がモダンさを演出しています。また、施主様は猫を飼っているため、防臭機能も大きなメリットになります。
床には無垢フローリング材を採用。全体的にナチュラルで温もりを感じる雰囲気が、何ともおしゃれです。
ラワン製の建具枠がモダンインテリアを演出
既製品では感じられない“懐かしさ”が漂う、オリジナル建具と枠材が魅力的な実例です。既製品のドアや枠材は、お手入れしやすいなどのメリットはたくさんあります。しかし、どこか単調で平面的な印象になりがちです。
現場それぞれに合わて作る無垢材を使ったドアや枠材は、オリジナリティを生むだけではなく、ヴィンテージやアンティークな雰囲気にもなります。また、流行りの無垢フローリング材との相性も抜群です。
こだわりのオイル塗装が美しい
建具やフローリングにどんな塗装を施すかによって、仕上がりは大きく変わります。こちらは、木部にオイル塗装を使った事例です。
自然素材の塗料やワックスや、化学材料を使ったものよりも耐久性が低く、お手入れが大変という欠点があります。しかし、それらが放つ光沢や質感は、決して他の材料では真似できません。ヴィンテージたインダストリアルなインテリアに仕上げたい方は、ぜひ塗料にまでこだわってみましょう。
東京で自然素材を取り入れたマンションリノベーションを始めるなら…
自然素材の建材は、どこか懐かしさを感じつつも、洗練されたおしゃれな雰囲気を作り出します。また、私たちの体にとってもメリットは多く、どなたでも安心して生活できる空間になるでしょう。しかし、安易に取り入れては後悔の原因になることも…。十分メリットとデメリットを理解してから、プランニングに採用してください。
私たちSHUKEN Reでは、物件選びから間取りプランのご提案までワンストップでお手伝いさせていただきます。中古住宅を居心地良い住まいにフルリノベーションしたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。また、相談会や見学会など様々なイベント、リノベーションに関するWEBでの無料相談を随時実施しております。「どんなデザインにしたいか分からない」「マイホームを持ちたいけど何からしていいか分からない」そんな方は、今すぐお問い合わせください。