公開日:2024-11-03 更新日:2024-12-13
築30年の中古マンション購入は後悔する?価値を見極める物件選び“14”のチェックポイントを解説
これから中古マンションを購入したい方が物件を探すと「築30年」を超える部屋を多く見かけるはずです。
しかし、「購入してから資産価値が大きく落ちないか心配」「長い期間住み続けられるのか不安」「古いマンションを買って後悔するのでは」と感じる方は少なくないはずです。
そこで今回は、「築30年の中古マンション購入」を後悔しないために知っておくべき物件選びのチェックポイントを紹介します。
「築30年を超えるマンションを買うと後悔する」と言われる理由や中古マンション市場の実情、築30年超えのマンションを買うメリットについてもお話ししますので、マイホーム購入を検討している方は、どうぞ最後までご覧ください。
● 築30年以上のマンションを買っても、必ずしも後悔する訳ではありません。
● 築30年以上のマンション購入で後悔を避けるには、「失敗しない14のチェックポイント」を押さえて物件を選びましょう。
● 古いマンションの購入やリノベーションは、東京・千葉・神奈川で8,000件超のリノベーション実績があるSHUKEN Reのワンストップリノベーションにご相談ください。
目次
「築30年の中古マンションを買うと後悔する」と言われる理由
【築36年】中古マンションのリノベーション事例を見る:Case182「Cinematic」
ブログやSNSを見ると「築30年以上の中古マンションを買うと後悔する」といったクチコミを見かけるかもしれません。
そのように言われる理由は何点かあります。
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・購入後に長く住めない
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・専有部や共用部の内装・設備が老朽化している
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・将来売却しにくい可能性がある
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・資産価値を維持できない可能性がある
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・住宅ローンの審査が通りにくい可能性がある
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・修繕積立金が新築マンションより高い
確かにこれらの条件に当てはまる古いマンションは少なくありません。
しかし、実際に築30年を超える中古マンションを購入した方の中には、ライフスタイルに合う物件で快適に暮らしている方はたくさんいらっしゃいます。
中古マンション市場には“築30年超え”の物件が多い実情も
【築39年】中古マンションのリノベーション事例を見る:Case178「Bookcafe」
中古マンション市場は年々拡大しており、特に新築マンションの価格や地価が高い首都圏においては、マイホーム購入で中古マンションを選ぶ方は少なくありません。
ここでポイントとなるのは、「市場に売り出される中古マンションは築年数が古い」という点です。
公益財団法人東日本不動産流通機構の調べによると、2024年1〜3月に首都圏で売買が成立した中古マンションの平均築年数は「23.58年」、4〜6月は「24.29年」とどちらも築25年が目前です。(参考:レインズデータライブラリー|マーケットデータ2024年)
さらに首都圏内の都道府県別に平均築年数を見ると、築30年に近いエリアもあります。
東京都 | 平均「築24.10年」 |
千葉県 | 平均「築28.90年」 |
神奈川県 | 平均「築27.49年」 |
埼玉県 | 平均「築25.17年」 |
(参考:レインズデータライブラリー|マーケットデータ2024年|9月度データ)
平均が築25年前後であるということは、売り出されている物件のうち、築30年を超えるものは少なくないということです。
そのため、中古マンションの購入を検討する際は、築30年以上の中古マンションについて寿命や物件選びのチェックポイントを知っておくことが重要になります。
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築30年以上の中古マンションを購入する場合、気になるのが「買ってから何年住めるのか」という点ですよね。
ここでまず知っておいていただきたいのが、耐用年数の種類です。
法定耐用年数 |
購入費用を減価償却(経費計上)できる期間 「RC造やSRC造のマンション=47年」 |
経済的耐用年数 |
不動産が市場で経済的価値(資産価値)を維持できる期間 「様々な条件によって変動」 |
物理的耐用年数 |
建物として使用できなくなるまでの期間 「構造種別やメンテナンス状況により変動」 |
期待耐用年数 (効用持続年数) |
改修などによって延命できる可能性のある期間 「正しく修繕され続けているマンション=65年以上、100年以上というデータも」 |
(参考:国税庁|No.2100 減価償却のあらまし、国土交通省|期待耐用年数の導出及び内外装・設備の更新による価値向上について)
建物の寿命は一般的に物理的耐用年数を指し、住宅ローンの融資審査では法定耐用年数に対して何年残っているかもしくは超過しているかが重視されます。
そのため、物件価格は法定耐用年数47年に近づくほど低くなるのが原則です。
しかし、築40年・50年を超えてもメンテナンスが行き届いてる中古マンションは快適な生活と資産価値を保てる可能性は十分考えられます。
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市場に多く出回る築30年以上の中古マンションを購入する場合は、これから紹介するチェックポイントを踏まえて物件を選びましょう。
中古マンション市場が活発な地域か
将来的な売却を視野に入れている方は、中古マンションの市場が活発なエリアかどうか確認しましょう。
新築マンションの開発が多く進められている地域では、古いマンションが売れるまで時間がかかるかもしれません。
逆に、人気エリアで既に古いマンションが頻繁に売買されている地域は、将来もその傾向が続く可能性があります。
大手の会社が建てたマンションか
大手のデベロッパーや不動産会社が建てたマンションは、好立地である可能性が高いため、古いマンションでも比較的資産価値は下がりにくいとされています。
どこが建てたかは不動産会社へ尋ねたり管理会社へ新築当時のパンフレットを見せてもらうと確認できます。
利便性や人気の高い立地か
一般的には、駅から徒歩5〜10分圏内であれば中古マンションの資産価値は下がりにくいとされています。
ただし、専用面積の広いファミリータイプのマンションは、雑多で騒音のある駅前よりも閑静な住宅地や車移動しやすいエリアの方が人気な可能性があるため注意しましょう。
近い将来に大規模な都市開発が予定されているエリアや大型ショッピングモールの建設が決まっているエリアは要チェックです。
管理会社は信頼できるか
マンションの資産価値を左右するのは「共用部の管理状況」と言っても過言ではありません。
共用部の清掃や大規模修繕が行き届いているかは重要なチェックポイントです。
必ずしも大手管理会社が良いとは限りませんが、名の知れたマンション管理会社は修繕積立金や管理費が滞りなく回収されている可能性が高く、大規模修繕計画が正しく実行されているマンションが多い傾向にあります。
共用部の劣化が少なく定期メンテナンスが徹底されている物件か
エントランスやゴミ置き場、駐輪場・駐車場など共用部がきちんと清掃されていて、目に見えた劣化がないか確認しましょう。
古いマンションでも共用部の定期点検や修繕・補修が定期的に実施されていれば、管理組合が円滑に運営されている証拠です。
外壁や屋上防水の補修などの大規模修繕工事が最低でも15年ごとに実施されているかも必ずチェックしてください。
築30年の場合は新築から2回目の大規模修繕工事が近々控えている可能性が高いため、その時期や工事内容も見ておくことをおすすめします。
共用部のサービスや設備が充実しているか
マンション購入者がチェックするポイントとして、「共用部のサービス・設備」も欠かせません。
人気の高いサービスや設備は以下の通りです。
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・24時間ゴミを捨てられるゴミステーション
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・宅配ボックス
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・コンシェルジュサービス
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・ペットの足洗い場
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・ライブラリーやジム、パーティルーム、ゲストルーム、キッズスペースなど
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・敷地内の公園
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・電気自動車の充電ステーション
これらのサービスや設備が整っているほど資産価値は下がりにくく、将来売却しやすいのが一般的です。
ただし、共用部のサービスや設備が充実しているほど管理費が高くなるため注意しましょう。
修繕積立金の金額が適正か・滞納率は高くないか
共用部のメンテナンスや修繕が正しく継続されるかどうかは、修繕積立金の額によって変わります。
近年、大規模修繕をする際にこれまで積み立てた修繕金が足りずに工事が滞るマンションは珍しくありません。
国土交通省の調査によると、大規模修繕を実行するために必要な金額に対して、修繕積立金が不足していると回答したマンションは「34.8%」で、そのうち20%以上不足しているマンションはなんと「15.5%」にも上ります。(参考:国土交通省|平成30年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状)
この原因は昨今の物価高騰だけではなく、設定していた修繕積立金の額が低すぎた可能性が考えられています。
築30年を超えているマンションは修繕範囲が広く工事費も高くなるため、適正な修繕積立金額かどうか確認しましょう。
国土交通省の調べでは、昭和60(1985)~平成6(1994)年に建設されたマンションの平均修繕積立金は「13,163円/月」です。(参考:国土交通省|令和5年度マンション総合調査からみたマンション居住と管理の現状)
築年数の古いマンションほど管理費・修繕積立金の滞納率が高くなる傾向があるため、そちらも事前に管理会社へ確認することをおすすめします。
修繕積立金・管理費を無理なく支払えるか
【築45年】中古マンションのリノベーション事例を見る:Case172「Quotes」
築年数の古いマンションほど修繕積立金は高くなり、共用部のサービスや設備が充実するほど管理費は高くなります。
マンションを購入してから毎月継続して支払うものなので、家計に無理ない金額かどうか確認しましょう。
築30年のマンションであれば、修繕積立金と管理費の合計相場は「3〜4万円」程度です。※70〜80㎡程度のファミリータイプ
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築40年以上の物件は既に耐震改修済みか
1981年5月末以前に建築確認を受けた(2024年時点で築43年以上の)マンションは、現行の基準よりも耐震性の低い「旧耐震マンション」です。
旧耐震マンションは地震が起きた時に被災する可能性が高く、さらに資産価値は大幅に下がります。
ただし、1981年以前に建てられた全てのマンションが地震に弱いとは限りません。
既に耐震改修や耐震補強を終えており、現行の建築基準を満たしている事例は増えています。(参考:国土交通省|マンション耐震化マニュアル )
そのため、古いマンションを選ぶ際は、これまでに耐震改修や耐震補強が済んでいるか、もしくは計画が進行中であるかを確認しましょう。
玄関ドアや窓の改修は済んでいるか
築30年を超えているマンションを選ぶ場合は、玄関ドアや窓の改修が済んでいるか確認しましょう。
玄関ドアや窓サッシは共用部に該当するため、区分所有者個人の意思では簡単に取り替えできません。
玄関ドアと窓サッシの寿命は20〜30年で古いものは断熱性が低く結露が発生しやすいので、近年は全戸一斉に交換リフォームするマンションが増えています。
住み始めてから交換工事が入ると日常生活に支障をきたす可能性や暑さ・寒さが気になる可能性があるため、既に改修済みの物件がおすすめです。
眺望や採光・風通しの良い物件か
快適な生活を送るだけではなく将来売却しやすい物件の条件として、眺望や採光・風通しの良さが挙げられます。
これらは後から変更できるものではありませんし、古いマンションでもその部屋の魅力や強みになります。
「窓やベランダの前が開放的」「リビングの日当たりが良い」「風通しがよく気持ち良い」などの特長をもつ部屋がおすすめです。
ただし、隣地で大型の建築計画が進むと眺望や採光・通風が妨げられる可能性があるため、周囲の土地もチェックしましょう。
希少性の高い間取りの物件か
築30年を超えていても、あまり市場に出回らない特長的で希少価値の高い物件は資産価値が下がりにくいのでおすすめです。
以下のような物件を見つけたら、購入を検討してみましょう。
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・最上階の部屋
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・ルーフバルコニー付きの部屋
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・専用庭付きの部屋
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・メゾネットタイプの部屋
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・吹き抜けのある部屋
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・ワンフロア全てを占めるペントハウスタイプの部屋
家族構成やライフスタイルにフィットしているか
マンションの価値は資産価値だけではありません。
投資目的でなくマイホームとして購入する場合は、何よりもご家族の“住みやすさ”が最も重要です。
そのため、「将来的に売却できるか」「価格が大幅に下がらないか」などの視点だけではなく、家族構成やライフスタイルにフィットしているかも必ず確認してください。
リフォームしやすい間取りか
築30年超えのマンションは、その大半が専有部のリフォームを必要としています。
設備や内装を取り替える表層的なリフォームであれば物件による差はあまりありませんが、間取りを大幅に変えるフルリノベーション・スケルトンリノベーションをご希望の方は、理想の間取りやデザインを実現しやすい物件かどうか確認しましょう。
構造の種類によって間取りや選べる設備に制限があるマンションは少なくありません。
しかし一般の方が購入前にそれを確認するのは難しいため、中古マンション探しの段階から並行してリノベーション相談できるワンストップリノベーションがおすすめです。
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新築マンションではなく、“敢えて”築30年以上の古いマンションを選んで購入する方が増えています。
その理由は、古いマンションならではのメリットがあるからです。
新築や築浅物件よりも価格が安い・落ちにくい
マンション価格は経年によって低下しますが、築30年を超えているマンションは既に価格が下げ止まりしている物件が多いため、安く購入できてその後の価値低下を抑えられる可能性があります。
新築もしくは築浅の中古マンションを購入すると、築15年までで価格はマイナス25%程度下落し、築30年を迎えるとその価値は半分程度になるケースは少なくありません。(参考:レインズデータライブラリー|築年数から見た首都圏の不動産流通市場)
それに対して、既に築30年近いマンションはその後ほとんど価格が落ちない可能性を期待できます。
管理状況や住民の雰囲気を知ってから購入できる
新しいマンションと比べて既に築30年を迎えているマンションは、管理状況や住民のコミュニティが確立している物件が多いため、雰囲気を確認してから購入できる点は大きなメリットです。
そのため、購入してから「住民の雰囲気と合わない」などの後悔を避けられます。
物件の選択肢が豊富
中古マンションの市場に出回る物件の平均築年数が30年に近づいているため、築浅物件や築20年未満の場合と比べて物件の選択肢が多い点もポイントです。
立地・広さ・間取りの条件に合うマンションが見つかる可能性が高まります。
好きな間取り・デザインにリノベーションできる
新築マンションや築浅の中古マンションは物件価格が高くまだ設備機器や内装が劣化していないため、リノベーションするにはあまりにももったいないですよね。
対して築30年以上のマンションは、物件価格が安く既に設備機器や内装材が寿命を迎えているため、心置きなく好きな間取りやデザインにリノベーションできます。
賃貸に出す場合もコスパがいい
築30年を超えたマンションは比較的リーズナブルに購入できるため、賃貸物件として活用したい方にもおすすめです。
なぜなら、賃貸マンションの賃料は築年数の影響は少なく、それよりも立地や間取り、内装・設備によって変動するからです。
そのため、リーズナブルな中古マンションを購入してからスタイリッシュにリノベーションして、デザイナーズ賃貸物件として活用する方が増えています。
築30年以上のマンションを購入する際は、「物件価格+リノベーション費用」を踏まえた予算計画を立てましょう。
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まとめ:築30年の中古マンションを購入する際は「物件選び」が成功の鍵
築30年を超える中古マンションを買う際は、新しいマンション以上に物件選びを慎重に進めましょう。
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