公開日:2024-03-24 更新日:2024-12-19
〈中古マンションの買い方〉流れや後悔しないためのポイント・注意点を解説
「初めてのマイホーム購入で買い方が分からない」「中古マンションは大きな買い物なので、流れをしっかり知っておきたい」という方も多いはずです。
確かに、中古マンションの買い方は、やってみないと分からないことだらけですよね。
そこで、今回は「中古マンションの買い方」について、流れや注意点・ポイントを詳しくお話しします。
中古マンションの購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
・中古マンションの買い方や物件選びのコツ、流れを事前に知っておくと、安心して冷静にマイホーム計画を進められます。
・市場に出ている多くの中古マンションがリノベーションを必要としている可能性があるため、早い段階からリノベーション計画も並行して検討しましょう。
・リノベーション前提で中古マンションを購入する方には、物件探しから住宅ローンなどの資金計画、設計施工まで、総合的に相談できるワンストップリノベーションがおすすめです。
目次
政府の中古住宅・中古マンション市場やリフォーム市場活性化に向けた取り組み
リフォーム・リノベーション事例を見る:Case182「Cinematic」
国土交通省の調査によると、2022年時点のマンションストック総戸数(既存マンション総戸数)は「約694.3万戸」とされています。(参考:国土交通省|我が国の住宅ストックをめぐる状況について(補足資料))
近年、このマンションストックで問題視されているのが、「空室問題」です。
平成30年度マンション総合調査によると、2018年時点のマンション空室率は「37.3%」で、建築時期が古いほどその割合が高いことが分かっています。
この現状を打開すべく、政府は2021年に新たな「住生活基本計画」を公表し、“良質な住宅ストックの形成”に取り組んでいます。
具体的な内容は以下の通りです。
【ライフスタイルに合わせた柔軟な住替えを可能とする既存住宅流通の活性化】
●生活に欠かせない基本的な性能(耐震性など)が確保された既存住宅の情報が購入者に分かりやすく公表される仕組みづくり
●基本的な性能(耐震性など)が確保された既存住宅や、改修履歴等の整備された既存住宅等を重視した、既存住宅取得のサポート体制づくり
●既存住宅に関する瑕疵保険の充実や紛争処理体制の拡充による、購入者の安心につながる環境整備
【長寿命化に向けた適切な維持管理・修繕、老朽化マンションの再生(建替え・マンション敷地売却)の円滑化】
●長期優良住宅の維持保全計画実施や、住宅の計画的な点検・修繕、履歴情報保存の推進
●耐震性・省エネルギー性能・バリアフリー性能向上のためのリフォームや建て替えの推進
●マンションの適正管理や老朽化に関する基準策定による、長寿命化推進
【世代を超えて既存住宅として取引されうるストックの形成】
●2050年カーボンニュートラル実現に向け、長寿命でライフサイクルCO2排出量が少ない長期優良住宅ストックや ZEHストックを拡充
●ライフサイクルでCO2排出量をマイナスにするLCCM住宅の普及を推進
●住宅の省エネルギー基準の義務づけや省エネルギー性能表示に関する規制整備
●住宅や自動車におけるエネルギーの共有・融通を図るV2Hの普及推進
これらの成果指標として、政府は中古住宅(中古マンション)の流通及びリフォーム市場の規模を、2030年までに 14兆円まで拡大させることを掲げています。(2018年は12兆円)
合わせて、認定長期優良住宅の既存物件数を2019年の113万戸から2030年までに約250万戸まで増やすことも目標とされています。
これらの目標を着実に達成に近づけるため、「子育てエコホーム支援事業」をはじめとした補助事業や、中古物件購入やリフォームを対象とした税控除が実施されています。
〈おすすめコラム〉
【2024年 中古住宅購入補助金一覧】リフォームでもらえる?減税控除の注意点も解説
中古マンションの買い方①物件選びは資産価値の落ちにくさを重視
リフォーム・リノベーション事例を見る:Case104「Smart Style」
中古マンションを購入する際に、まず着目するのが「資産価値の落ちにくさ」です。
中古マンションは築年数が経つほど価格が下がることは避けられませんが、その下げ幅ができるだけ少ない物件を選びましょう。
ポイントは主に4点あります。
立地条件がいい
まずチェックするのが「立地」です。
利便性の高いエリアや人気のエリアは、比較的資産価値が落ちにくい傾向が見られます。
実際に、港区・千代田区・渋谷区などの超人気エリアは、築年数が古いマンションでも高値で取引されています。
ただし、お子さんやペットのいる家庭の場合は、これらのエリアが住みやすいとは言い切れませんよね。
そのため、投資物件ではなくマイホームを購入する場合は、資産価値の観点からだけではなく、学校や病院、公園など周辺施設も含めた物件選びが重要です。
人気の高い間取りである・希少性の高い間取りである
人気の高い間取りは、地域によって異なります。
例えば、オフィス街や繁華街に近いエリアでは、1LDK〜2LDKのような単身者もしくは二人暮らしにちょうど良い間取りが人気ですし、駅から少し離れたエリアや公園の近いエリアでは、お子さんのいる家庭が暮らしやすい3LDK以上が人気です。
つまり、大切なのは、そのエリアでどのような人が暮らしているのかをリサーチし、その人物像にフィットした間取りであるかチェックすることです。
人気の間取りに加えて、最上階でルーフバルコニー付きの物件や、メゾネットタイプの物件など、希少性が高い物件も資産価値が下がりにくいとされています。
眺望や日当たりがいい
マンションの資産価値は、日当たりや眺望でも左右されます。
ベランダに出て目の前がビルの壁である物件よりも、ひらけていて遠くの景色まで見渡せる物件の方が売却しやすい傾向にあります。
また、マンションを購入する人はどちらの方角に向いているかもチェックするため、日当たりのいい南側にベランダがある物件がおすすめです。
北向きのマンションと比べると、南向きマンションは資産価値が10〜15%程度上回る可能性もあります。
資産価値の目減りが少ない築年数である
中古マンションは新築マンションよりも価格が安い点が魅力ですが、中古マンションの中でも資産価値の目減りが少ない築年数があります。
下のグラフを見ると、マンションの資産価値は、築5年までで「10〜20%」、築15年までで「25〜50%」程度減っています。
ただし、中古マンションの資産価値は0%まで下がり続ける訳ではありません。
首都圏における中古マンション価格と築年数の関係を見ると、築30年以降は価格がほとんど減少していないことが分かります。
(出所:公益財団法人 東日本不動産流通機構|レインズデータライブラリー のデータをもとに作成)
その理由は明確で、マンション(建物)の価値は0に近づいていくとしても、土地の価値はそこまで下がらず、エリアによっては上がる可能性もあるからです。
つまり理論上は、既に資産価値が低下し終えている中古マンションを購入すれば、購入後の資産価値低下を避けられるということです。
そのため、中古マンションは資産を守るという観点からも注目されています。
〈おすすめコラム〉
中古マンションの築年数│相場の下落率と築年数ごとのポイントを解説
中古マンションの買い方②新築でなく中古にする理由を明確に
リフォーム・リノベーション事例を見る:Case88「古着viewリビング」
中古マンションを買う際に、「なぜ中古マンションにするのか」理由を明確にすることも重要です。
中古マンションのメリットは、主に6点あります。
●新築マンションより物件価格が安い
●新築マンションより資産価値の低下が緩やか
●新築マンションより立地条件や間取りの選択肢が多い
●部屋の実物やマンション内のコミュニティを確認してから購入できる
●税控除や補助金が充実している
●リノベーションで自由に間取りやデザインを変えられる
これらのうち、どのメリットを重視して中古マンションを購入するのかによって、適した物件が異なります。
特に、リノベーションで理想に近い間取りやデザインを実現させたい方は、管理規約による工事の制限がないかなどをチェックする必要があります。
中古マンションの買い方③築年数は何年が買い時?
リフォーム・リノベーション事例を見る:Case68「カラフルにのびのびと」
立地条件にもよりますが、首都圏における中古マンション価格は、新築から築10年頃までに急降下し、その後築11〜20年で一度落ち着きます。
そして、再度下降して、築26年を超えるとあまり値段が変わりません。
築年数 | 成約価格
(万円/㎡) |
新規登録時価格
(万円/㎡) |
築0〜5年 | 105.21 | 123.00 |
築6〜10年 | 93.76 | 105.55 |
築11〜15年 | 79.86 | 90.90 |
築16〜20年 | 74.01 | 86.23 |
築21〜25年 | 61.91 | 74.18 |
築26〜30年 | 44.57 | 55.23 |
築31年〜 | 38.98 | 52.07 |
(参考:REINS TOPIC|築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2022年))
つまり、“お得さ”を求める方には、築26年を超えている物件がおすすめということです。
ただし、古いマンションの場合、断熱改修や電気配線・給排水管の更新など、見えない部分に費用がかかる可能性があるため、物件価格とリノベーション価格を合わせたトータルコストで予算組みしましょう。
また、1981年以前に建てられた旧耐震基準建物のマンションでまだ耐震改修が済んでいない場合は、購入後に大規模な改修が行われる可能性や、建て替え計画が持ち上がる可能性があるため注意してください。
そして、住宅ローンの融資を受けて購入する場合も、古いマンションは要注意です。
古いマンションほど担保評価が低くなり、住宅ローンの審査が厳しくなったり、希望金額の満額を融資してもらえない可能性があります。
物件価格と設備・内装の経年劣化の両方を踏まえると、築15〜25年の物件がおすすめです。
ただし、築30〜40年経っていても共用部のメンテナンスが行き届き、それほど劣化が進んでいない好条件の物件もあるため、物件価格を抑えてその分リノベーションに費用をかけたい方は、建築知識のある会社に物件選びを相談してみましょう。
中古マンションの買い方④資金計画・物件選び・契約・引き渡し
リフォーム・リノベーション事例を見る:Case166「Design & Function」
中古マンションを買う際には、物件探し・資金計画・ローン相談など、いろいろな視点で検討すべきことが山ほどあります。
しかし、どれも並行して考えれば、混乱してしまいますし、冷静な判断ができなくなるかもしれません。
重要なのは、「考えなくてはいけないことから順序立てて情報を整理する」点です。
では、中古マンションを購入する際の主な9ステップを、それぞれ詳しく解説します。
年収チェック・資金計画
まず取り掛かるべきなのが、ご自身の年収チェックと資金計画です。
収入に対してどれくらいの価格帯から物件を探さなくてはいけないかを明らかにすると、効率よく中古マンションを選べます。
ここでポイントになるのが、「年収倍率と返済負担率」です。
【年収倍率】= 中古マンションの購入価額 / 世帯年収
年収倍率は購入する物件や年収によって目安が異なりますが、住宅金融支援機構の行った「2022年度フラット35利用者調査」によると、フラット35利用者の世帯年収と年収倍率は以下の通りです。
調査対象者の居住地 | 平均世帯年収 | 平均年収倍率 |
全国 | 621.4万円 | 5.9倍 |
東京 | 747.2万円 | 7.1倍 |
高価なマンション物件が多い東京は、世帯年収も年収倍率も全国平均を上回っていますが、他の都道府県を見ても、「6倍前後」に収まっているところが大半です。
【返済負担率】= ローンの年間返済額 / 世帯年収(額面年収)
返済負担額が高いほど、住宅ローンが家計に大きくのしかかります。
逆に、割合が少ないほど、無理なく返済できるということです。
最近は、50年ローンを提供している金融機関も多く、定年後も一定期間ローンの返済が必要になる場合があります。
そのため、マンション購入時の年齢によっては、できるだけ返済負担率を低くしておく必要もあるでしょう。
金融機関で審査時に設定している返済負担率は「30〜35%」ですが、20~25%以内が返済に無理のない割合で、20%以内が理想的とされています。
まず、平均的な世帯年収を確認して、当面の間、マンション購入以外に大きな支出がないか確認してください。
そして、年収倍率が6倍程度だといくらまでの物件が買えるのか、返済負担率を20%に設定すると年間返済額はいくらになるのかを把握しましょう。
お子さんの進学など人生設計で近々必要になる費用を除き、頭金をいくら用意できるのかチェックしておくことも重要です。
▶︎中古マンション購入のためのFP(ファイナンシャルプランナー)相談はこちらから
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【中古住宅購入時の住宅ローン】借入期間・借入金額の考え方や築年数との関係は?
住宅ローンの簡易審査
資金計画の大枠がまとまったら、住宅ローンの仮審査を受けましょう。
ローンの融資可能額は、年収だけでは決まりません。
ローン契約者の年齢や職業、勤務先によって、借りられる金額が変わる可能性があります。
住宅ローンの場合、正式な審査は購入物件が決まらないと受けられませんが、仮審査はオンラインなどで簡単にできます。
金利や返済額目安が分かるため、ご自身のシミュレーションと大きな差がないか早い段階で確認できるので、ぜひ活用してください。
ほとんどの金融機関は、1週間程度で結果が出ます。
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【リフォームローン・住宅ローン】中古住宅を買ってリノベーションするならどっち?
住みたい街探し
中古マンションを探す前に、まずは住みたい街を決めましょう。
既に候補のエリアがある方は、何度か時間帯を変えて現地へ訪れてみるのがおすすめです。
物件相場からエリアを決めたい方は、各種不動産物件紹介サイトを利用するのもいいですが、売り出し中の物件しか載っておらず、実際の成約価格が分かりません。
どのくらいの価格で中古マンションが売買されているのかを知りたい方には、「国土交通省|不動産取引価格情報検索」がおすすめです。
エリアを絞った条件検索ができ、最寄駅やそこからの距離、広さ、間取り、築年数などを一覧で確認できます。
物件探し
住みたい街が決まったら、いよいよ物件探しです。
探し始める前に、以下の点についてご家族で話し合って要望をまとめておきましょう。
ポイントは、住まいに求める要望に優先順位をつけることです。
【事前にまとめておくべきポイント】
- ・広さ
- ・間取り
- ・立地
- ・最寄り駅からの距離や交通手段
- ・生活に必要な施設とそこまでの距離(学校・病院・スーパーマーケット・図書館・役所・公園など)
- ・価格帯
- ・管理体制(管理会社が関与しない自主管理物件だと売却しづらい可能性も)
- ・重視する住宅性能(防音性・断熱性・耐震性など)
- ・ペット飼育の可否
- ・日当たりや通風
- ・リフォームやリノベーションのプラン(どのような部屋にしたいか)
これらの条件をまとめておくと、不動産会社に相談しやすいですし、理想的な物件から優先的に内覧できて効率的です。
候補物件の内覧・内見
候補になる中古マンションをいくつか選べたら、内覧・内見を申し込みましょう。
何度も同じ物件を見学できないため、確認しておきたい項目は事前にリストアップしておくことがポイントです。
【内覧時にチェックすべきポイント】
- ・共用部の劣化状況(外壁などのひび割れや雨漏り跡がないか)
- ・共有部の管理状況(ゴミ置き場・自転車置き場・エントランス・集合ポストなどが片付いているか)
- ・日当たりや風通しは悪くないか
- ・隣近所の部屋から騒音が聞こえないか(騒音が気になる方は、在宅率の高い夕方以降に見学するのがおすすめ)
- ・窓周りに結露による水シミがないか(断熱性不足の可能性あり)
- ・外壁に面した壁や天井に雨漏り跡がないか
- ・家具の裏やクローゼットの中にカビが生えていないか
内覧時には確認できない管理規約に関する項目や、売主に聞きづらいことは、内覧直後もしくは内覧前に、不動産仲介業者へ確認してもらいましょう。
【内覧前後にチェックすべきポイント】
- ・長期修繕計画の有無や過去の修繕履歴(正しく管理されているか)
- ・管理費や修繕積立金の額と今後の値上げ予定有無
- ・構造種別(ラーメン構造と壁式構造では間取り変更できる範囲が異なる)
- ・リフォームやリノベーションに関する管理規約の項目(工事内容に制限がある場合も)
- ・ペットに関する管理規約の項目(飼育可能種別や頭数、その他条件をチェック)
- ・専有部分の改修履歴(給排水管や電気配線など見えない部分についても)
- ・電気容量(古いマンションだと上限が小さい可能性も)
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物件の購入申し込み
買いたい物件が決まったら、購入申し込み(購入予約)をします。
価格交渉をしたい場合は、このタイミングがおすすめです。
買付証明書に、購入希望金額(手付金の額)や引き渡し希望時期、その他の条件を記載して売主へ提出します。
複数の購入希望者からオファーがあった場合は、この買付証明書を比較して、どの人に売却するかを選ぶのです。
売主と買主で条件が合致したら、売買契約に進めます。
住宅ローン事前審査
事前に受けておいた簡易審査結果で承認される場合もありますが、新たに金融機関やローン商品を検討し直す場合は、この時点で「住宅ローン事前審査」を再度受けてください。
事前審査は、売買契約を締結する前に本当に購入できるのかを売主に証明するために必要です。
つまり、売買契約の際には事前審査の結果が出ていなくてはいけないということです。
審査には一週間程度かかる可能性があるため、物件の購入申し込みをするまでには、金融機関へ相談しておきましょう。
不動産売買契約・手付金の支払い
住宅ローンの事前審査が承認されたら、不動産売買契約を結びます。
契約書へ捺印する前に不動産仲介会社から重要事項説明を受け、条件に間違いがないかを確認します。
ただし、多くの情報を一気に説明されるため、契約日前に重要事項説明書のコピーをもらい、内容をくまなくチェックしておきましょう。
契約が締結されたら、その場で手付金(頭金)を支払います。
基本的には現金払いで、その場で買主から売主の口座へ代金が振り込まれます。
振り込みをすぐに確認できるように、不動産売買は金融機関で行うケースが大半です。
手付金は、物件価格の5〜10%が一般的です。
その分の金額を契約日までに用意しておかなくてはいけません。
売買契約後に購入をキャンセルする場合、基本的にこの手付金は返金されないので注意してください。
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中古住宅購入時の“手付金”の相場は?手付金なしの場合はある?|基礎知識から詳細まで解説
住宅ローン本審査申し込み
無事に契約を結んだら、ただちにローンの本審査を受けます。
本審査では、購入する物件の担保価値や契約者の健康状態も含めてさらに厳しく審査されます。
稀にあるのが、「事前審査には通ったのに本審査に落ちてしまう」「事前審査より融資可能額が減ってしまう」というケースです。
心配な方は、契約時に「ローン特約」をつけてもらいましょう。
「ローン特約」が付いていれば、違約金などのペナルティなしで売買契約を解除できます。
無事審査に通った場合は、金融機関と「金銭消費貸借契約」を結び、融資が実行されるのを待ちましょう。
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引き渡し・登記変更
金融機関から残金の融資が実行されると、いよいよ引き渡しを受けます。
金融機関から売主の口座へ入金されたことが確認されると、司法書士などによって対象物件の「所有権移転登記」が行われます。
この手続きが終わるまでは、物件は売主の持ち物なので、入居やリフォームはできません。
所有者移転登記が済んで登記簿謄本(登記事項証明書)に記載された所有者が買主へ変わったことを確認した上で、初めて物件に堂々と立ち入れるようになります。
中古マンションの購入を思い立ってから引き渡しを受けるまで、最低でも3ヶ月、長い方は1年程度かかる可能性があります。
また、購入後にリフォームやリノベーションする場合は、入居できるまでさらに数ヶ月の期間が必要です。
そのため、入居希望時期が決まっている方は、早めにスケジュールを組んでおきましょう。
築浅の中古マンションを買う場合を除き、何かしらのリフォームやリノベーションが必要な場合がほとんどです。
なぜなら、市場に売り出される中古マンションの平均築年数はどんどん上昇しているからです。
2023年の新規登録中古マンション平均築年数は、なんと「29.41年」でした。(参考:公益財団法人東日本不動産流通機構|レインズデータライブラリー)
内装材は10年程度、水回りなどの設備機器は15年程度で寿命を迎えます。
そのため、築20年を超えた中古マンションは、ほとんどの場合、改修や修繕が必要です。
築年数の経っている物件を買う際は、資金計画の段階でリフォーム費用も念頭においておきましょう。
首都圏でマンションのフルリノベーションをする場合の費用目安は「15〜20万円/㎡」程度です。
市場に出ている物件の大半がリフォームを必要としている可能性が高いため、築浅物件を狙う方以外は、改修費用を予算に組み込んでおきましょう。
リノベーション前提で中古マンションを購入する方は、住宅ローン商品を選ぶ際に「リフォーム一体型ローン」も視野に入れておくことをおすすめします。
リノベーションする場合、気になるのが「いつ入居できるのか」という点ですよね。
リノベーションは物件を引き渡した後でないと着工できません。
そのため、新居の住宅ローンと今住んでいる住宅の家賃を両方払うことに不安を感じる方も少なくないはずです。
購入から引き渡しまでの期間をできるだけ短縮したい方におすすめなのが、ワンストップリノベーションです。
ワンストップリノベーションは、物件探しからリノベーションの設計施工までを一社に相談できるため、物件が決まる前からリノベーションのプラン相談を進められます。
中古マンションを買う前にリノベーション費用も含めたトータルコストを把握できる点も魅力です。
中古マンションを買う際には、不動産知識もリノベーション知識も豊富な会社へ相談することをおすすめします。
まとめ:中古マンションを買う際はリノベーションもセットで検討を
中古マンションの買い方や物件選びのコツ、流れを事前に知っておくと、安心して冷静にマイホームを選べます。
そして、リノベーションを前提に資金計画やスケジュールを検討することも重要です。
そこで頼りになるのが、物件探し、資産計画からリノベーションまでまとめて相談できる会社です。
SHUKEN Reでは、1998年からの20年以上にわたり8,000件超のリフォーム・リノベーションをお手伝いしてきた実績を踏まえファイナンシャル相談からリノベーションの設計施工、アフターメンテナンス、将来の売却相談まで、ワンストップでサポートしております。
オンラインでの無料相談も承っておりますので、「後悔のない中古マンション購入やリノベーションを実現したい」という方は、どうぞお気軽にご相談ください。