公開日:2024-03-17  更新日:2024-12-19

中古マンションは維持費が高い?毎月・年間平均はいくら?新築との比較シミュレーションも

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中古マンションは維持費が高いって本当?平均額や算出方法、新築との比較について

 

「中古マンションを購入したいけど維持費が高そう」

 

という方のために、中古マンションの”月々払う・年単位で払う”維持費をそれぞれ詳しく解説します。

 

シミュレーション例や新築マンションとの比較も紹介しますので、中古マンションの購入を迷っている方は参考にしてください。

 

このコラムのポイント

・中古マンションを維持し続けるためには、月々のコストと年間コストを購入前に把握しておくことが大切です。

・「マンションの維持費が高い」と言われるケースと理由を知ってその対策をとれば、維持コストを最小限に抑えられます。

・中古マンションの物件探しは毎月・年間の維持費を踏まえたワンストップリノベーションで総合的なコストシミュレーションするのがおすすめです。

 


 

中古マンションの月額で払う維持費

 

中古マンションの月額で払う維持費

 

マンションの維持費には、毎月支払うものと、年に一度支払うものがあります。

 

月々支払う維持費は、特に家計への影響が大きいので、事前に金額目安を把握しておきましょう。

 

では、それぞれ詳しく解説します。

 

 

管理費

 

マンションを所有している人が必ず支払わなくてはいけないのが、管理費です。

 

共用部の清掃や運営など日頃の整備にかかる費用で、各区分所有者がそれぞぞれ負担します。

 

国土交通省が行った調査によると、管理費の平均額は「毎月15,956円/戸(駐車場使用料等からの充当額含む)」です。(参考:国土交通省|マンション総合調査|平成30年度

 

管理費の金額は、マンションのグレードによって左右されます。

 

例えば、ジムや図書館、パーティールームなど共用部の空間やサービスが充実しているハイグレードマンションは管理費が高めです。

 

国土交通省の調査によると、古いマンションほど管理費の滞納率が高いというデータもあるため、要注意です。

 

管理費が正しく徴収されていないと、共用部の管理が行き届かず、マンション全体の資産価値を下げかねません。

 

古いマンションほど高い管理費滞納率

(引用:国土交通省|平成30年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状

 

ポイント

中古マンションを購入する際は、事前に不動産仲介業者を通じて管理費の金額と利用できるサービスを確認しましょう。

継続的に支払い続けられるかだけではなく、その額に「コスパの良さを感じられるか」もポイントです。

 

 

修繕積立金

 

修繕積立金も管理費同様にマンションを所有している限り必ず納めなくてはいけない維持費です。

 

定期的に行われる大規模修繕工事の費用を蓄えるための資金で、どちらもマンションの資産価値を維持するために欠かせません。

 

国土交通省が行った調査では、修繕積立金の平均額は「毎月12,268円/戸(駐車場使用料等からの充当額含む)」で、年々上昇傾向にあります。(参考:国土交通省|平成30年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状

 

マンションの管理費は年々上昇傾向に

(引用:国土交通省|平成30年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状

 

インフレによって修繕工事に使う材料や人件費が値上がりすることを想定して、定期的に管理費見直しを行うマンションが大半です。

 

ポイント

中古マンションを買う前に、その時点での修繕積立金額を確認するだけではなく、今後どのように金額が見直されるかについても聞いておくことをおすすめします。

 

 

駐車場・駐輪場代

 

マイカーを持っている方は、月々の駐車場・駐輪場代も気になるでしょう。

 

多くの分譲マンションは、駐車場・駐輪場は賃貸方式をとっているため、賃料を管理組合へ納める必要があります。

 

マンションの敷地内駐車場賃料は、「5,000〜50,000円/月」とエリアによってかなり差があります。

一方、敷地内駐輪は「数百円〜5,000円/月」程度のところが大半です。

 

ちなみに、首都圏にあるマンションの中には、全世帯分の駐車場・駐輪場が用意されていない物件や、そもそも駐車場・駐輪場が全くない物件も少なくありません。

 

マンションの駐車場・駐輪場設置率を都道府県別に見ると、最も低いのが「東京都24.5%」で、それに続き「神奈川県52.0%」「埼玉県54.7%」と続きます。(参考:東京カンテイ|リリース|新築マンションにおける駐車場・駐輪場の設置率

 

つまり、首都圏ではおよそ半数のマンションに駐車場・駐輪場がないということです。

 

マンション敷地外の月極駐車場料金は、東京23区内や駅近エリアが特に高く、中央区では平均で52,000円/月程度かかります。(複数ポータルサイトより算出)

ポイント

敷地内の駐車場・駐輪場を利用するには、抽選に参加する必要があり、万が一外れた場合を想定して、近所に月極駐車場があるかや、いくらかかるのかを必ず確認しておきましょう。

 

 

ペット管理費

 

ペットを飼う方は、マンション管理費とは別にペット管理費を支払います。

 

これは、共用部をペットが汚すリスクや足洗い場などの特別な施設を利用することを考慮し、ペットを飼っている世帯とそうでない世帯の費用負担を明確にするために設けられています。

 

ペット管理費はマンションや用意されている設備・サービスによって異なりますが、「1,000〜5,000円/頭」程度のところが大半です。

ポイント

マンションでペットを飼う場合は、ペット管理費を納めるだけではなく、管理規約に基づくルールを守らなくてはいけません。

飼育可能頭数や種別、共用部での移動など、複数のルールが決められているところが多いため、購入前に内容を確認しておきましょう。

 

〈おすすめコラム〉

“ペット可”中古マンションの物件探し|購入時のチェックポイントと気になるQ&A

 

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中古マンションの年額で支払う維持費|保険・税金

 

中古マンションの年額で支払う維持費|保険・税金・ローン減税

 

マンションを維持するために、月々のコストだけではなく、年に一度支払う費用についても把握しておきましょう。

 

まとまった費用を支払わなくてはいけないため、その分の用意が必要です。

 

では、それぞれ詳しく解説します。

 

 

固定資産税

 

その物件を所有する限り納めなくてはいけないのが、「固定資産税」です。

 

所有する中古マンションの評価額(課税標準額)に、標準税率をかけて算出されます。

 

【固定資産税】= 評価額(土地・建物それぞれの課税標準額)× 標準税率(1.4%)

 

※固定資産税の税率は原則として1.4%ですが、自治体によって多少差がありますので、所轄の税務署や税務課へご確認ください。

 

ちなみに、土地の課税標準額(固定資産税評価額)は路線価格を元に自治体によって設定されるため、地価が上がれば高くなり、下がれば安くなります。

 

建物の課税標準額(固定資産税評価額)は、その建物を再建築した場合の費用が根拠とされ、仕様やグレードによって自治体が設定し、築年数に応じて減額係数が適用されます。

ポイント

固定資産税額の目安を事前に知りたい方は、売主へ過去の固定資産税納付書などを確認してもらいましょう。

 

 

都市計画税

 

固定資産税と同様に、所有している間に毎年納めるのが「都市計画税」です。

 

【都市計画税】= 固定資産税評価額(課税標準額)× 制限税率(0.3%)

 

※都市計画税率は自治体によって異なりますが、上限0.3%と定められていますので、それ以上にはなりません。

ポイント

都市計画税額は固定資産税納付書に合わせて表記されていますので、税額が気になる方は、売主へ確認しましょう。

 

 

火災保険・地震保険

 

住宅ローンの融資を受けてマンションを購入する場合、金融機関から火災保険への加入を求められます。

 

なぜなら、金融機関としては担保である対象物件が火災により消失すると、融資金を回収できなくなるリスクがあるからです。

 

ちなみに、地震保険のオプションを付けるかどうかは任意なので、ご自身で加入を決めなくてはいけません。

 

戸建住宅よりもマンションの方が地震によって全壊・半壊する可能性は低いですが、地震に伴う火災や津波被害、家財品の損害は火災保険だけではカバーできないので注意してください。

 

地震保険オプション付き火災保険の費用は、「10〜15万円/年」前後が目安です。 ※マンション価格4,000万円+家財品1,000万円の場合

 

5年分を一括支払いすると割安になるプランを設けている保険会社もありますので、少しでも維持費を抑えたい方はチェックしてみましょう。

ポイント

火災保険料(地震保険料)は、オンラインで簡易見積もりをとれます。

複数社の比較サイトもありますので、中古マンションを買う前に概算費用を調べておくのがおすすめです。

 

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中古マンション維持費のシミュレーション例

 

中古マンション維持費のシミュレーション例

 

中古マンションを購入してそれを維持し続けるためには、月々のコスト・年間のコストを把握することが重要です。

 

では、実際に「物件価格4,000万円」の場合の維持費をシミュレーションしてみましょう。

 

(維持費の種類) (月々の支払い) (年間支払額)
管理費 15,956円 (191,472円)
修繕積立金 12,268円 (147,216円)
駐車場(敷地内・1台) 20,000円 (240,000円)
駐輪場(敷地内・1台) 2,000円 (24,000円)
ペット管理費(1頭) 1,000円 (12,000円)
固定資産税(土地・建物) (32,666円) 392,000円
都市計画税(土地・建物) (7,000円) 84,000円
火災保険(地震保険) (10,833円) 130,000円
【合計】 98,723円 1,196,688円

 

※税率は固定資産税1.4%・都市計画税0.3%に設定

※固定資産税評価額は、物件価格の70%に設定

※管理費・修繕積立金・駐車駐輪場賃料・ペット管理費は平均値(中央値)で算出

※火災保険(地震保険)料は中央値で算出、家財用品1,000万円分

シミュレーションはあくまでも平均的な物件の場合です。

 

都心のハイグレードマンションですと、維持費が大幅に高くなる可能性もありますので注意してください。

ポイント

上記費用の他にリフォーム費用も準備しておくと安心です。

築10〜15年前後に1回ほど、内装や設備機器を取り替える工事費用を想定しておきましょう

 

〈関連コラム〉
【築年数別】中古マンション相場とおすすめリフォーム工事を解説

 

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新築マンションと比較すると高い?安い?

 

 

「中古マンションは維持費が高そう」と思う方も少なくないでしょう。

 

そのように言われる理由はいくつかあります。

 

 

修繕積立金は築年数が古いほど高い?

 

修繕積立金は、建築時期からの年数が経っているほど値上がりするのが通常です。

 

なぜなら、古いマンションほど修繕工事の範囲が広くなるからです。

 

ただし、ここで特筆すべきなのが「管理費は新しいマンションほど高い傾向が強い」点です。

 

最近建てられたマンションは、他と差別化をはかるため、共用部の空間が充実していたり、コンシェルジュが常駐していたりするマンションも増えています。

 

そのため、管理費が高くなりがちなのです。

 

修繕積立金は築年数に比例して上昇する

(引用:公益財団法人東日本不動産流通機構|首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金(2022年度)

 

上のグラフを見ると、築年数による修繕積立金と管理費の合計額の変化は大きく見られません。

ポイント

新築マンションと中古マンションの「修繕積立金と管理費の合計額」を比べた場合、中古マンションの方が維持費が高いとは言えません。

管理費は築年数ではなく物件のグレードで決まるため、新築・中古で判断するのではなく、物件ごとに事前確認が必要です

 

 

中古マンションは光熱費が高い?

 

中古マンション、特に築30年超えの古いマンションの場合、新築マンションと比べると光熱費(電気代)が高くなる傾向があります。

 

その要因は、「物件の断熱性が低い」「設備機器の省エネ性が低い」という点です。

 

建築物における省エネルギー基準が初めて制定されたのは1980年で、それ以降も基準はどんどん高まっています。

 

つまり、古いマンションの断熱性能は物件によってまちまちなのです。

 

逆に言えば、古いマンションはそれほど断熱性を重視していないことを意味します。

 

また、設備機器や家電製品の省エネ性も年々向上しているため、設備の更新がされていない中古マンションですと、電気代が高くなるかもしれません。

ポイント

設備機器を取り替えると同時に、築年数の古いマンションは“断熱リフォーム”がおすすめです。

フルリノベーションと合わせて断熱材の充填、内窓の設置、最新設備への更新をすれば、断熱性や省エネ性を高めることができます

 

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固定資産税・都市計画税は築年数が経つほど安くなる

 

固定資産税・都市計画税は築年数が経つほど安くなる

 

まず大前提に知っておいていただきたいポイントは、「中古と新築で税率は変わらない」という点です。

 

ただし、建物分に課せられる固定資産税・都市計画税を算出する際の「固定資産税評価額」に差があります。

 

固定資産税評価額は、その建物を再建築した場合にかかる費用が元となりますが、築年数に応じて「減額係数」が適用されるため、古い物件ほど低く設定されるのです。

 

【非木造建築物の経年による減額係数】

  • 築1〜9年=0.9579〜0.7632
  • 築10〜19年=0.7397〜0.5288
  • 築20〜26年=0.5054〜0.3794
  • 築27年以上=0.3596〜

※築44年まで変動し、築45年以上は一律

(参考:東京法務局管内新築建物課税標準価格認定基準表

※上記係数は、東京都の情報ですので、詳細はお住まいの市区町村にご確認ください。

 

減額係数を見ると、築20年を超えた物件は、新築マンションにおける固定資産税評価額のおよそ半額になるということです。

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まとめ:中古マンション購入時には”維持費”を必ず想定しましょう

 

中古マンションを購入する際、月々のローン返済額と合わせて、維持費も必ずシミュレーションしておきましょう。

 

事前にしっかり確認しておけば、購入してからも無理なく安心して住み続けられます。

 

マンションの維持費は物件の状態により異なるため、新築・中古で一概にどちらがかかるとは言えません。

 

リノベーション前提で中古マンションを購入する場合は、物件探しの段階からリノベーション計画を進めて、トータルコストを予算内に収める点がポイント!

 

そんな時に頼りになるのが、物件探し、資産計画からリノベーションまでまとめて相談できる会社です。

 

SHUKEN Reでは、1998年からの20年以上にわたり8,000件超のリフォーム・リノベーションをお手伝いしてきた実績を踏まえファイナンシャル相談からリノベーションの設計施工、アフターメンテナンス、将来の売却相談まで、ワンストップでサポートしております。

 

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