公開日:2026-01-18
マンション共用部分リフォーム融資・ローンとは?管理組合・一棟オーナーの修繕積立金不足の解決策と金利比較

マンションの収益性や資産価値を維持するためには、外観やエントランス、廊下など共用部分のリフォームが欠かせません。
しかし、管理組合の修繕積立金やオーナーの自己資金だけでは費用をまかなえず、共用部を含めたマンションの大規模修繕を実施するのが難しいケースも少なくありません。
そのようなときに活用したいのが、マンション共用部分のリフォームに使える融資やローンです。
マンションの管理組合やオーナーが利用できる金融商品はいくつかあり、うまく活用することで長期返済によって負担を分散しながら共用部分のリフォームを実施し、収益性や資産価値を高めることが可能です。
本記事では、マンション共用部分のリフォームに使える融資・ローンの種類や金利情報などを分かりやすくまとめました。
分譲マンション、一棟所有の賃貸マンションどちらにも活かせる内容となっていますので、ぜひ経営計画にお役立てください。
- ・修繕積立金不足の分譲マンション管理組合は、無担保・無保証人で利用できる公的な融資制度などがあります。
- ・一棟所有の賃貸マンションの場合、不動産担保ローンやアパートローンなど、キャッシュフローに合わせて選ぶことが大切です。
- ・マンション共用部分リフォームの融資・ローン金利は、固定金利型・変動金利型の特徴を理解し、返済シミュレーションを行うことが重要です。
目次
■マンション共用部分リフォームの融資・ローンとは?

マンションの外壁や屋根、エントランス、廊下やエレベーターなどの共用部分リフォームは、資産価値を維持し、入居者の満足度を高めるために欠かせない取り組みです。
しかし、共用部分は大規模改修になることが多く、専有部分のリフォームより多くの資金が必要になるため、自己資金や修繕積立金だけではまかなえないケースも少なくありません。
資金不足によって共用部分リフォームが後回しになると、マンションの資産価値や収益性がどんどん低下し、悪循環に陥るリスクが高くなります。
このようなリスクへの対策として、マンション共用部分リフォーム向けの融資やローンを活用するのがおすすめです。
※マンション共用部分リフォームで融資・ローンを活用するメリット
・資金不足でも計画的にリフォームを実施可能
融資やローンを利用すれば、積立金が不足していても必要な修繕を先送りせずに着手できます。
・長期返済で負担を分散できる
数千万〜億単位の費用がかかる大規模修繕でも、返済期間を長期に設定することで管理組合やオーナーの負担を軽減できます。
・資産価値の維持につながる
適切なタイミングで外観や設備の更新を実施することで、築年数が経過してもマンションの資産価値を保ち、入居者の定着率や賃料水準を維持しやすくなります。
・キャッシュフローの安定化
一棟所有の賃貸マンションでは、融資を活用することで手元資金を温存しつつ修繕を進められ、賃貸経営のキャッシュフローを安定させる効果があります。
融資やローンを活用してマンションの共用部分リフォームをすることで、上記のようにさまざまなメリットが生まれます。
なお、融資は設備投資や運転資金などの事業目的資金調達、ローンは個人向けの金融商品を指すことが多いですが、マンション共用部分リフォーム向けの場合は特に違いを気にしなくてもOKです。
融資とローンの名称の違いはあまり気にせず、具体的な条件や金利など内容をしっかりチェックしましょう。
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■マンション共用部分リフォーム融資・ローンの種類と特徴

マンション共用部分リフォームに利用できる融資・ローンは、管理組合が主体となる分譲マンションと、一棟所有の賃貸運用マンションで選択肢が異なります。
それぞれのケースでマンションの共用部分リフォームに活用できる融資やローンの種類をチェックしていきましょう。
分譲マンションの共用部分リフォーム融資・ローン
分譲マンションの共用部分リフォームでは、管理組合を対象とした専用の融資やローンを利用できます。
独立行政法人の住宅金融支援機構、民間の地方銀行である福岡銀行の2つを例に挙げてみましょう。
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対象者 |
管理組合 |
管理組合 |
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金利タイプ |
全期間固定 |
固定・変動 |
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融資限度額 |
融資対象工事から補助金等を除いた額 (最低額100万円) |
工事費の80%または150万円×住宅戸数のうちいずれか少ない金額 |
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返済期間 |
1年以上10年以内 ※指定工事の実施で11年以上20年以内にすることも可能 |
10年以内 |
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保証人 |
機構が承認する保証機関の保証が必要 |
不要 |
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担保 |
上記保証を受けられる場合は不要 |
不要 |
※2025年12月時点の参考情報です。実際の条件は変動する可能性がありますので、最新の情報は各金融機関へお問い合わせください。
それぞれ金利タイプや借入期間などの条件は異なりますが、管理組合が主体となって借入・返済をしていく金融商品で、個人の保証や担保は必要ない点は共通しています。
管理組合は法人格がなくても申し込み可能で、原則として理事長個人の連帯保証は不要です(保証機関の保証を利用する場合)。
申し込みには総会の決議が必要となり、審査では修繕積立金の滞納状況や管理規約の整備など、組合としての管理状況・信用力が重視されます。
※融資対象工事の例
- ・外壁塗装やタイル張り替え
- ・屋上防水工事
- ・受水槽や給排水管の補修・交換
- ・自転車置き場の設置や補修
- ・エントランスのスロープ・手すり・オートロックなどの設置
- ・エレベーターの改装
- ・耐震改修工事
- ・省エネ対策工事
- ・ゴミ置き場の設置
- ・駐車場の新設や増設、補修
対象となる工事は上記のように幅広く、マンション共用部分の補修や改修だけでなく、利便性や住環境を向上させることも可能です。
管理組合として申し込める共用部分リフォーム専用ローンはいくつかの金融機関が扱っているため、条件を比較検討してみましょう。
一棟所有マンションの共用部分リフォーム融資・ローン
オーナーが一棟所有し賃貸運用しているマンションの場合、管理組合がないため前述した共用部分リフォーム専用の融資やローンは使えません。
主な選択肢をいくつかピックアップしてみましょう。
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融資・ローンの種類 |
特徴 |
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不動産担保ローン |
マンションを担保にして評価額の一定割合まで借入できる。 資金使途の自由度が高く返済期間を長く設定しやすい。 |
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アパート・マンションローン |
マンションの資産価値や家賃収入を原資として借入できる。 共用部分リフォームも資金使途に含まれることが多い。 |
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リフォームローン |
担保や保証人不要でスピーディーに借入できることが多い。 金利は高めで上限金額が500万〜1,000万円程度のケースが多く、小規模な共用部分リフォーム向け。 |
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日本政策金融公庫 |
賃貸運用しているマンションの不動産賃貸業として借入できる。 金利が低いが自己資金や担保価値などのハードルが高い。 |
一棟所有マンションのオーナーが共用部分リフォームで使える融資やローンは、種類によって借入上限や金利などの条件が異なります。
どの融資・ローンが適しているかは、実施する共用部分リフォームの内容や金額、マンションの資産価値や収益性などによって変わってきます。
ご自身で判断するのが難しいときは、金融機関やマンション改修に詳しい専門家に相談し、共用部分リフォーム計画と合わせて資金計画を立てるのが確実です。
SHUKEN Reは、東京・千葉・神奈川エリアで多くのマンション改修をサポートして培ったノウハウを活かし、資金調達を含めて共用部分リフォームをトータルサポートいたします。
ぜひお気軽にご相談ください。
■マンション共用部分リフォーム融資・ローンの金利タイプと相場

マンション共用部分リフォームに利用できる融資・ローンは、金融機関や商品によって金利の設定が異なります。
特に、固定金利型・変動金利型は借入時の金利や返済額に大きく影響するポイントのため、まず基本的な違いを把握しておきましょう。
・固定金利型
完済時まで返済額が変動しないため安定した資金計画を立てやすい
・変動金利型
市況に合わせて返済額が変動するが、借入時の金利が低い
固定金利型、変動金利型それぞれいくつかの融資・ローンをピックアップして、金利を比較してみましょう。
※固定金利型の金利相場
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金融商品 |
金利 |
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0.4~1.32% ※借入年数、工事の種類や申し込み方法で変動 |
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0.5~3.0% ※経済情勢や審査内容などで変動 |
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2.275~2.875% |
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5.75~7.15% ※借入年数によって変動 |
※2025年12月時点の参考情報です。実際の金利は審査結果や金融情勢により変動します。最新の金利は各金融機関へお問い合わせください。
上記のように、同じ固定金利型の融資やローンでも、金融商品や借入条件によって金利はかなり変動することが分かります。
管理組合主体で申し込むマンション共用部分リフォーム専用の融資やローンは比較的金利が低く、オーナー個人で申し込む資金使途が広いアパートローンは金利が高い傾向があります。
※変動金利型の金利相場
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金融商品 |
金利 |
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1.00%~7.25% |
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2.975% |
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2.275~2.875% |
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3.175~4.175% |
※2025年12月時点の参考情報です。実際の金利は審査結果や金融情勢により変動します。最新の金利は各金融機関へお問い合わせください。
変動金利型は賃貸マンションなどのオーナー向けの金融商品に多く、金利相場はやはり金融機関や申し込み条件によって幅が大きいです。
実際にマンション共用部分リフォームの資金調達で融資やローンを活用する際は、なるべく早い段階で複数の金融機関を比較検討して準備をするのがおすすめです。
また、実際の金利はリフォーム内容や金額、返済期間などによっても変動するため、マンション改修に詳しい施工会社に相談し、プラン内容や見積もりを作成する必要があります。
SHUKEN Reは共用部分を含むマンションの大規模改修を数多く手がけた実績を活かし、リフォーム・リノベーションプランづくりから見積もり、資金計画までトータルサポートいたします。
東京・千葉・神奈川でマンションの一棟リフォーム・リノベーションをご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
■マンション共用部分リフォーム融資・ローンについてよくある質問

最後に、東京・千葉・神奈川エリアで多くのマンションリフォーム・リノベーションを手掛けるSHUKEN Reが、共用部分リフォームの融資やローンを検討する際に「よくある疑問」にお答えします。
■マンション共用部分リフォームの融資・ローンは、修繕計画と同時進行しよう
マンションの共用部分リフォームは、資産価値や収益性を維持するために不可欠な投資ですが、修繕積立金や自己資金だけではまかないきれないケースも少なくありません。
資金不足で対応が後手に回らないように、マンション共用部分リフォームを対象とした融資やローンを活用し、マンションの資産価値や収益性を維持しましょう。
マンションの共用部分リフォームに使える融資・ローンの選択肢は複数あるため、状況に応じて選ぶことが大切です。
また、融資の審査には「工事見積書」や「修繕計画書」が必須となるため、金融機関に相談へ行く前に、マンションの改修に詳しい施工会社に相談し、適切なアドバイスやサポートを受けるのがおすすめです。

マンションの共用部リフォームのことは、私たちSHUKEN Reにご相談ください。
現状の調査から必要な工事の優先順位付け、融資審査に必要な精度の高い見積もりの作成までトータルでサポートいたします。
分譲マンション、賃貸運用している一棟所有マンションなど、どのような物件の共用部分リフォームや全体リノベーションもサポートいたします。
ぜひお気軽にご相談ください。
Q 融資・ローンはどのタイミングで検討すべきですか?
なるべく早い段階で検討するのが理想的です
マンション共用部分のリフォームの資金調達で融資やローンを活用する場合は、自己資金や修繕積立金の不足が見込まれる段階で早めに検討するのが理想です。
前述したように融資やローンを利用するためにはさまざまな工程があり時間がかかるため、タイミングが遅いと計画がスムーズに進まなくなる可能性があります。
工事直前ではなく、長期修繕計画の見直し時に金融機関や施工会社に相談するのがおすすめです。
Q どこに相談すべきですか?
金融機関やマンション改修に詳しい施工会社に相談するのがおすすめです
共用部分リフォームの資金調達は、対象となる金融商品を扱う金融機関や、マンション改修の実績が豊富な施工会社に相談するのがおすすめです。
一棟所有マンションの場合は、まず普段から取引のあるメインバンクに相談してみましょう。
管理組合が主体となる分譲マンションの場合は、前述した共用部分リフォーム専用の金融商品を扱う銀行や信用金庫に相談するのがおすすめです。
どちらの場合でも、審査や申し込みには共用部分リフォームのプランや見積もりが必要になりますので、まずマンション改修に詳しい施工会社に相談しておくとスムーズに計画を進めやすいです。
Q 保証人や担保は必要ですか?
利用する融資やローンによって異なります
管理組合向けの共用部分リフォーム専用ローンでは、保証人や担保は不要なケースが多いです。
一棟所有マンションを賃貸運用する法人や個人オーナーが銀行融資を受ける場合は、代表者保証や担保を求められることがあります。
どのような金融商品を利用する場合でも、保証人や担保が必要になる可能性はありますので、早い段階で確認をしておくのが確実です。









