公開日:2025-12-07
住み替えローンとは|住宅ローンが残っていても買い替え可能!仕組みや金利、審査対策を解説

住み替えローンとは、今の家の住宅ローンが残ったまま新しい家を購入する際、そのローン残高と新居の購入費用をひとつにまとめて借りられるローンのことです。
住み替えでは、今の家を売ったお金で新しい家を買うのが理想ですが、売却額よりもローン残高のほうが多く、自己資金での完済が難しいケースも多いですよね。
この記事では、約8,000件超のリノベーション実績があるSHUKEN Re(シュウケン・アールイー)が、住み替えローンの仕組み、金利、メリット・デメリット、審査が厳しいと言われる理由とその対策について解説します。
- ・住み替えローンは、今の家のローン残高と新しい家の購入費用を一本化できる便利な制度です。
- ・金利は少し高めで、審査も厳しめですが、売却を焦らずに希望の物件を購入できるメリットがあります。
- ・利用を検討する際は、借入額が大きくなることを理解して、しっかりとした資金計画と売却計画を立てることが重要です。
- ・SHUKEN Reでは、中古物件探しからの“ワンストップリノベーション”や、“ファイナンシャルプランナーによる無料相談”を実施しています。お気軽にご相談ください。
目次
■住み替えローンとは

まずは、住み替えローンがどのようなものか、基本から見ていきましょう。
住み替えローンは、現在の住宅ローンをまだ返済し終えていない状態で、新しい家への住み替えを希望する際に利用できます。
現在のローン残高と新居の購入費を一本化
通常、住宅ローンを借りている家を売却する場合、その売却金でローンを全額返済し、抵当権(金融機関が融資の担保として設定する権利)を抹消する必要があります。
しかし、家の売却額がローン残高より少ない場合、不足分を自分で用意しないと家を売ることができません。
住み替えローンは、このローン残高と新居の購入費用を合算し、新しい住宅ローンとして一本化できる仕組みです。
これによって、自己資金が少なくても住み替えがしやすくなります。
【補足】住み替えで使われる他のローンとの違い
住み替えローン以外にも、つなぎ融資やダブルローンといった選択肢があります。
| ローンの種類 | 主な用途と特徴 |
| 住み替えローン | (今回解説します) 今の家のローン残高と新居の購入費を一本化する。 主に「買い先行」で売却損が出る場合に利用。 |
| つなぎ融資 | 新しい家の代金支払いから、今の家が売れるまでの短期間をつなぐ融資。 売却益で完済することが前提。 |
| ダブルローン | 今の家のローンと新居のローンを2本同時に組む方法。 返済負担が非常に大きいが、売却損がなければ利用しやすい。 |
〈関連コラム〉
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住み替えローンが役立つケース
1. 家が想定より安くしか売れなかった場合(オーバーローン)
今の家の売却額がローン残高を下回ってしまっても、その不足分(残債)を上乗せして新しいローンを組むことができます。
2. 自己資金(貯金)をあまり使いたくない場合
売却損を補填するための手持ち現金が少ない場合や、貯金はリノベーション費用や引っ越し代に残しておきたい場合に役立ちます。
■住み替えローンのメリットとデメリット

住み替えローンは便利な反面、注意しておきたいポイントもあります。
利用するかどうかを判断するために、メリットとデメリットを確認しましょう。
住み替えローンのメリット
1. 売却損(赤字)が出ても買い替えができる
本来はローンを完済しないと家を売れませんが、住み替えローンを使えば、売却額で返済しきれない場合でもスムーズに買い替えを進められます。
2. 資金計画が立てやすく、手続きを一本化できる
借入先が1本になることで返済管理がシンプルになり、お金の流れも把握しやすくなります。
住み替えローンのデメリット
1. 借入額が大きくなりやすい
今の家のローン残高と新居の購入費用を合算するため、借入総額が高額になり毎月の返済負担が増えます。
2. 担保評価が厳しくなる傾向
新しい物件の価値だけで売却損も含めた融資総額をカバーするため、担保としての評価が厳しくなります。
3. 取り扱っている金融機関が少ない
通常の住宅ローンより取り扱い金融機関が限られるため、金利や条件の選択肢が少なくなります。
メリット・デメリットをまとめると、以下のようになります。
| 項目 | メリット | デメリット |
| 資金面 | 売却損もまとめて借り入れできる。 | 借入総額が増え、金利も高めになる傾向。 |
| 手続き | 資金計画が立てやすく一本化できる。 | 取扱金融機関が少なく、審査も厳しい。 |
■金利は一般的な住宅ローンより高い?

メリット・デメリットを踏まえ、次に返済額に直結する金利について解説します。
借入額が大きくなりやすい住み替えローンだからこそ、金利の傾向とタイプの選び方をしっかり確認しておきましょう!
金利はやや高めに設定されることが多い
結論から言うと、一般的な住宅ローンに比べて金利はやや高めに設定されることが多いです。
これは、金融機関にとって売却損の赤字分まで融資することはリスクが高くなるためです。
通常の住宅ローン金利に、年0.2%~0.5%程度上乗せされたり、金利の優遇幅が小さくなったり、といったイメージを持っておくとよいでしょう。
金利タイプの選び方
金利タイプ(変動・固定)は選べますが、借入額が大きくなることを考えて、慎重に選ぶ必要があります。
| 金利タイプ | 特徴 | 住み替えローンでのポイント |
| 変動金利 | 金利が低いが、将来上がるリスクがある。 | 借入額が大きいため、金利が上昇すると返済額への影響も大きい。返済に余裕がある人向け。 |
| 固定金利 | 金利は高めだが、返済額が変わらないので安心。 | 借入額が大きくても、将来にわたって返済計画が立てやすい。 |
■「審査が厳しい」と言われる理由と対策

住み替えローンは、金融機関にとってリスクが高いと見なされるため、審査が厳しいと言われています。
ここでは、審査が厳しくなる理由と、審査をクリアするための対策を解説します。
審査が厳しくなる理由
審査が厳しくなる背景には、主に以下の4つの理由があります。
1. 借入総額が高額になるため
通常の住宅ローンより借入額が大きくなるため、年収や勤続年数などの返済能力がより厳しく審査されます。
2. 返済比率の基準が厳しいため
年収に占める年間返済額の割合(返済比率)の基準が厳しく、自動車ローンなどが残っているとさらに不利になります。
3. 申込時の年齢が高くなりがちなた
30代後半~50代での住み替えも多く、完済時までの期間が短くなるため審査が厳しくなる傾向があります。
4. 売却予定の家の査定額も見られるため
「今の家がいくらで売れそうか」という売却査定額も審査対象で、査定額が低いと融資額が減る可能性があります。
審査をクリアするための対策
審査が厳しい理由を踏まえて、通過しやすくなるための4つの対策をご紹介します。
対策① 自己資金(頭金)をできるだけ用意する
自己資金を多く用意して借入総額を減らすことが、金融機関の信頼度を上げ、返済比率にも余裕を持たせる最大のポイントです。
対策② 他に借り入れがあれば整理しておく
カードローンや自動車ローンなど住宅ローン以外の借り入れを完済しておくと、返済比率が改善し審査で有利になります。
対策③ 現実的な売却査定額を把握する
不動産会社に依頼して、現実的な査定額を把握した上で資金計画を立てましょう。
対策④ 資産価値が下がりにくい物件を選ぶ
駅近など立地が良く資産価値が落ちにくい物件を選ぶことも審査対策になります。
■住み替えローン利用時の流れと注意点

続いて、実際に住み替えローンを利用する際の流れを解説します。
住み替えローン利用の6ステップ
<ステップ1 情報収集と資金計画>
まずは「今の家がいくらで売れそうか」を把握すると同時に、住み替えローンを扱う金融機関を探して相談を開始します。
(※SHUKEN Reのようなリノベーション会社にご相談いただければ、この段階からサポートが可能です)
<ステップ2 購入物件を選ぶ>
新しい物件を探し、中古物件をリノベーションする場合はリノベーション会社も選びます。
<ステップ3 金融機関に事前審査を申し込む>
購入したい物件が決まったら、売却査定額とあわせて金融機関に事前審査を申し込みます。
<ステップ4 売買契約とローン本申し込み>
事前審査に通過したら、新居の売買契約を結び、ローンの本申し込みを行います。
<ステップ5 新居の決済・旧居の引き渡し(同日決済)>
住み替えローンを利用する場合、原則として「新居の購入(融資実行)」と「旧居の売却(引き渡し・ローン完済)」を同じ日に行います(同日決済)。
そのため、引っ越しは決済日の前後の短い期間で調整するか、一時的に仮住まいが必要になるケースもあります。
<ステップ6 新生活スタート>
無事に決済が完了したら、リノベーション工事(必要な場合)を経て、新居への入居となります。
※金融機関によっては、売却が後になっても良い「買い先行」プランを扱っている場合もあります。
【注意点】融資条件となる「売却期限」に注意
住み替えローンを利用する際、金融機関から「旧居を一定期間内(例:融資実行から6ヶ月〜1年以内)に売却すること」を条件とされることがあります。
もし期限内に売れなかった場合、金利が上がったり、残りのローンの一括返済を求められたりするリスクがあります。
売却期限を守るためにも、無理のない売却計画と、信頼できる不動産会社選びが大切です。
■住み替えと「リノベーション」で賢く理想の暮らしを

住み替えは、理想の暮らしを実現するチャンスです。
ここでは、住み替えとリノベーションを組み合わせる方法をご紹介します。
中古物件購入+リノベーション費用も一本化できる
住み替えローンでは、中古物件の購入費用だけでなく、リノベーションにかかる工事費用もまとめて借り入れることができます。
金利が低い住宅ローンでリノベーション費用までまかなえるため、後から金利の高いリフォームローンを別途組む必要がありません。
【ポイント】コンパクトな物件も住宅ローン減税の対象に?
これまで、住宅ローン減税(控除)の対象は、原則として床面積が50㎡以上の物件でした。(※所得要件などの特例を除く)
しかし、住宅価格の高騰や世帯人数の変化(単身・ご夫婦のみの世帯の増加)を受け、国は2025年度中にこの基準を「40㎡程度」に引き下げる検討を進めています。
緩和が実現すれば、これまで対象外だった40㎡台のマンションなども住宅ローン減税が使えるようになる可能性があります。
「住み替え+リノベーション」においても、都心の駅近にあるコンパクトな中古マンションを選び、減税制度を活用しながら理想の住まいを実現する、といった選択肢が広がりそうですね♪
「住み替え+リノベ」が選ばれる理由
新築物件は価格が高騰しており、希望の立地や広さで見つけるのが難しくなっています。
一方で「中古物件を購入してリノベーション」すれば、新築よりもトータルコストを抑えつつ、立地や広さの選択肢が広がります。
さらに、間取りや内装デザインも注文住宅のように自由に設計できるのも魅力です。
資金計画からワンストップで相談するメリット
「今の家を売却し、新しい家を探し、ローンを組み替え、リノベーションもする」 これをすべて自分で行うのは大変です。
SHUKEN Reのワンストップサービスなら、物件探しからリノベーションの設計・施工、資金計画まで、トータルでサポートします。
住み替えについてご不安なことがあれば、お気軽にSHUKEN Reにご相談ください。
〈関連コラム〉
知っているようで知らないリノベーションの“ローン”|基礎知識から審査・控除まで徹底解説
SHUKEN Reではファイナンシャルプランナーによる無料相談を実施しています。
リノベーション計画はもちろん、将来の資金計画についても、お気軽にご相談ください。
■住み替えローン に関するQ&A
最後に、お客様からよく寄せられる質問をQ&A形式でまとめました。
Q. いくらまで借りられますか?
A. 借入限度額は金融機関や個人の年収、返済比率によって大きく異なります。
特に住み替えローンは借入額が高額になるため、無理のない返済計画が立てられるかが重視されます。
Q. 諸費用もローンに含められますか?
A. 金融機関によっては、登記費用や仲介手数料などの諸費用もローンに含められる場合があります。
ただし、含められる範囲は異なるため、事前に確認が必要です。
Q. 売却が期限までに間に合わなかったらどうなりますか?
A. 金利の優遇が受けられなくなったり、一括返済を求められたりするリスクがあります。
売却活動は計画的に進め、不動産会社と密に連携することが重要です。
Q. 任意売却やリースバックとの違いは何ですか?
A. 住み替えローンは「前向きな買い替え」が前提ですが、任意売却は「ローン返済が困難な場合の売却」を指します。
リースバックは自宅を売却した後も賃貸として住み続ける仕組みで、目的が異なります。
Q. 地方銀行やネット銀行でも扱っていますか?
A. 取り扱いは金融機関によりますが、メガバンクや一部の地方銀行が中心で、ネット銀行での取り扱いは少ない傾向にあります。
まずは取引のある銀行や、住み替えに強い不動産会社・リノベーション会社に相談してみましょう。
■まとめ
住み替えローンは、現在のローン残高と新居の購入費用を一本化できる便利な制度です。
売却を急がずに物件を探せるメリットがある一方、借入額が大きくなりやすく、金利がやや高め、審査も厳しくなる傾向があります。
住み替えローンを上手に活用するには、自分の返済能力を把握し、しっかりとした資金計画を立てることが大切です。
SHUKEN Reでは、住み替えを機にしたリノベーションのご相談はもちろん、お客様の状況に合わせた資金計画やローン選び、物件探しからワンストップでサポートしております。
「うちの場合、住み替えローンは使える?」「リノベーション費用もまとめたい」など、お気軽にご相談ください。
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