公開日:2022-11-27 更新日:2024-07-04
中古マンションは配管リノベーションが必要|寿命のリスクを解説
リーズナブルな価格で素敵な住まいづくりができる中古マンションリノベーションですが、注意すべきポイントもたくさんあります。
今回はその中でも重要度が高い配管の交換について解説します。
マンション配管の種類や寿命、交換方法などを把握し、後悔しないリノベーションプランに役立ててください。
・マンション専有部分の配管は所有者に管理責任があります。
・マンションの配管種類や交換方法を覚えておくと、見積もりチェックに役立ちます。
目次
■マンション配管は誰のモノ?
マンションには「共有部分」「専有部分」があり、専有部分の配管は所有者が自己負担で管理するのが一般的です。
リノベーションできるのは専有部分なので、工事範囲内の配管は自分のモノと考えて良いでしょう。
専有部分の配管から水漏れした場合、お部屋の持ち主の責任になってしまいます。
一方共有部分の配管はマンション全体の修繕計画に組み込まれていて、管理会社によって交換や洗浄が行われることが多いです。
中古マンションを買ってリノベーションする際は、必ず専有部分の配管を確認し入れ替えを検討してください。
■マンション配管の種類
マンションに使われている配管は、次のような種類があります。
- ・給水管
- ・給湯管
- ・排水管
- ・ガス管
このうち特に重要度が高いのは、水漏れリスクにつながる給水管と給湯管です。
ガス管は腐食や劣化のリスクが少なく、排水管も定期清掃をしっかりしていれば詰まりなどのトラブルは少ないと言われています。
一方給水管・給湯管は常に水圧が掛かっているため、少しのすき間が発生するだけで水漏れが発生してしまうのです。
中古マンションは給水管と給湯管の劣化が進んでいるので、リノベーションと一緒に必ず交換を行う必要があるのです。
■マンション配管の寿命
マンションの給水管・給湯管に使われる素材は次のような種類があり、それぞれ寿命が違います。
- ・鉄管:15~20年
- ・鉛管:15~20年
- ・銅管:20~25年
- ・ステンレス管:30~40年
- ・硬質ポリ塩化ビニル管:20~25年
- ・架橋ポリエチレン管:30~40年
- ・ポリブデン管:30~40年
素材によって寿命目安は違うものの、長くても30~40年前後で交換が必要になります。
築20年以上の中古マンションをリノベーションする場合、配管を新しくする必要があることがお分かりいただけると思います。
特に寿命目安が短い鉄管・鉛管・銅管などの金属管は、ピンホールと呼ばれる穴や接続部からの水漏れリスクが高いので要注意。
また金属管は配管内部の錆びや腐食による水質悪化・つまりなどのリスクもあります。
錆びる心配のない架橋ポリエチレン管などの樹脂管も、年数が経つと水漏れリスクは高くなります。
中古マンションを比較検討するときは、点検口をチェックして使われている配管の種類にも注目してみてください。
■古いマンション配管をそのまま使うリスク
良心的でないリノベーション業者の場合、費用を安く見せるために古い配管をそのまま使ってしまうケースなども考えられます。
古い配管を使うと次のようなリスクが発生するので注意しましょう。
水漏れリスクが高くなる
繰り返しになりますが、マンションの古い配管を使い続けると水漏れリスクが高くなるので要注意です。
例えば昔給湯管に使われることが多かった銅管は、「潰食(かいしょく)」と呼ばれる現象で配管内部が薄くなっていきます。
寿命目安である20年前後になると、薄くなった場所に「ピンホール」と呼ばれる小さな穴が開いて水漏れが発生しやすくなります。
- ・鉄管内の錆びによる水漏れ
- ・樹脂管のひび割れによる水漏れ
- ・地震や振動で水道管接手が緩み水漏れ
材質の違う配管も、古くなって劣化が進むほど水漏れリスクが高くなるのは同じです。
専有部分からの水漏れで階下に発生した損害は、基本的にお部屋の所有者に請求されます。
水漏れ損害をカバーする保険もありますが、他の人に迷惑が掛かってしまうので古い配管は使い続けるべきではありません。
水質が悪くなる
配管が古くなって内部の劣化が進むと、水質が悪くなり健康被害が発生するリスクも高くなります。
1980年代まで使われていた鉛管は、古くなると水道水に鉛が混入して疲労感や便秘などの原因になります。
鉄管の錆び水は少量なら問題ないと言われていますが、毎日飲み続けるとやはり健康被害につながる可能性は高いです。
錆びの心配がない樹脂管も、長年使用すれば内部に水あかが溜まり水質悪化のリスクがあります。
ミネラルウォーターやウォーターサーバーの水を飲むことが多くなった現代ですが、水道水はお料理に使うこともあるので心配ですよね。
水圧が低くなる
配管内部の劣化は水の通り道が狭くなる原因にもなり、結果的にシャワーや蛇口の水圧低下も引き起こします。
仮にリノベーション直後は問題なくても、徐々に配管の劣化が進むとさらに水圧が低下してしまう可能性が高いです。
配管劣化による水圧低下は専有部分の問題なので、マンション全体のタンクやポンプでは改善できません。
数年後ムダな補修費用が掛かる
古い配管はそのまま表面だけリノベーションしてしまうと、数年後水漏れや詰まりが発生してムダな補修費用が発生するリスクが高くなります。
配管は基本的に床下や壁裏に隠れているため、交換するためには壁紙やフローリングを一度剥す必要があります。
せっかくきれいに仕上げた内装を一度壊して補修する必要が出るため、ムダな費用が掛かってしまうのです。
■マンション配管リノベーションの方法
マンションの配管方式は「床スラブ上配管」「床スラブ下配管」の2種類があり、交換方法や難易度が変わります。
床スラブ上配管の交換方法
床スラブとはマンションの躯体コンクリートのことです。
床スラブ上配管はコンクリートと室内床の間を配管が通っているので、フローリングを剥がせば簡単に交換できます。
管理規約で制限されているケースも少なく、基本的に自由に交換できることが多いです。
床スラブ下配管の交換方法
床スラブ下配管は躯体コンクリートの中を配管が通っていて、簡単に交換することができません。
床スラブ貫通配管と呼ばれることもあります。
床スラブ自体が共有部分にあたるため、個人の判断で勝手に交換できないケースも多いです。
仮に交換する場合も、コンクリートを解体しないといけないので手間と費用が多くかかります。
ただし床スラブに埋まっている配管は使わないようにして、新しい配管を引き直す方法もあります。
リノベーションと同時なら対処できるケースも多いので、床スラブ下配管のマンションはワンストップリノベーションで専門家に見てもらうのがおすすめです。
■マンション配管リノベーションの費用目安
中古マンションの給水管・給湯管をすべて交換する費用は、30万円前後が目安と言われています。
ただしPS(パイプスペース)から各設備までの距離や交換方法によって、費用は変動します。
また配管のみ交換する場合は、床や壁を解体して補修する費用も別途かかり、総額100万円以上かかるケースが多いです。
リノベーションと一緒に配管も交換すれば、解体・補修費用は掛かりません。
築20年以上の中古マンションを購入する場合は、必ずリノベーションと一緒に配管交換も検討してください。
■まとめ
マンション配管の寿命は15~40年前後が目安なため、築20年以上の中古物件は配管交換を検討しましょう。
リノベーションと一緒に配管を交換すればムダな費用が掛からず、難しいパターンにも対応しやすいです。
中古マンションの配管状況によって費用や交換難易度が変わるので、物件選びの際は専門知識のある人にサポートしてもらうのがおすすめです。
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