公開日:2022-09-05 更新日:2024-07-04
マンションで床板を張り替える時には“要注意”|材料選びから注意点まで解説
マンションリフォームと言っても色々ありますが、ガラリとお部屋の雰囲気を変えたいなら、やはり「フローリングリフォーム」がおすすめです。
しかし、マンションの場合は使える床板が限定される場合も…。
そこで、今回はマンションで床板張り替えリフォームをする際のポイントについて紹介します。
材料の種類や選ぶ際の注意点もお話ししますので、これから内装リフォームを検討する方は、ぜひ参考にしてください。
・フローリング材は、材質などによっていくつかの種類に分けられ、それぞれ特徴が異なります。
・最近では様々な機能を持ったフローリング材があるため、ライフスタイルに合わせて検討してみましょう。
・マンションで床材を張り替える場合は、「材質+工法+機能」と総合的な視点で材料を選ばなくてはいけません。
目次
■フローリングにはこんなに種類があるって知っていましたか?
やはり床板と言えば木目のフローリングが主流ですが、実は一口にフローリングと言っても、材質などによって色々な種類があるってご存知でしたか?
主にマンションで用いられる床材は、以下の通りです。
では、それぞれ詳しく解説していきましょう。
無垢材(単層)フローリング
ナチュラル志向の方に人気が高いのが、やはり“無垢材フローリング”でしょう。
“木”本来の温かみある質感や調湿機能、自然な木目、天然の香り等が魅力で、自然素材であるオイルを塗装すると、マットな質感でおしゃれ度がアップします。
無垢材の一枚板を床板の厚さにカットしたの後に端部を実(さね)加工しており、複数枚を連結させて施工します。
複数の素材を使っていないことから、別名・単層フローリングとも呼ばれており、樹種によって価格も大幅に異なります。
複合フローリング
複合フローリングとは、その名の通り複数の素材を重ね合わせたフローリングで、主に表面の木目を表現する「表面材」と、その下の合板などの「基材」で構成されています。
ちなみに、表面材の厚さや材質によって、主に3つの種類に分類されます。
・挽板フローリング
挽板(ひきいた)とは、天然木を厚さ2mm程度にスライスした薄い板で、無垢板の質感を残しつつも反りや割れなどの変形が起こりにくいです。
また、価格も無垢材フローリングよりも安価な点も魅力と言えます。
・突板フローリング
突板(つきいた)とは、天然木を厚さ0.2mm〜0.5mm程度と薄いシート状にスライスしたもので、挽板よりもかなり薄いため木材の柔らかい質感はありませんが、見た目は天然木の木目そのものです。
同じ樹種で比較すれば、挽板フローリングよりもさらにコストが抑えられるため、多くの住宅などで用いられています。
・プリント系フローリング
表面材に木材を使わずに、プリントシート(オレフィンやメラミン、樹脂系フィルムなど)に木目柄を印刷したものが貼られています。
天然木を用いたものよりも硬くて冷たい質感ではあるものの、品質が安定しやすく表面加工によってはかなり耐衝撃性や耐摩耗性が高いものもあります。
また、表面の柄は木目に限らず、大理石調など石目柄も再現できるため、デザインのレパートリーがさらに豊富になる点も忘れてはいけません。
ビニル系床材
こちらは、一見“木目”に見えても、一切原料に木材を使っていない床材です。
基本的にはどちらも木目をプリントで再現しています。
・CF(クッションフロア)
塩化ビニル製の長尺なシート状の床材で、一般住宅では主に洗面室やトイレなどの水廻りに用いられます。
シート幅は一般的に182cmなため、他の床材よりもつなぎ目が少ないため、万が一水が溢れた場合でも下地に影響が出にくい点がメリットです。
ただし、どうしても年月が経過するとクッション性が落ちて劣化したり、端部からめくれ上がってしまうこともあるため、主に短期間で張り替えを行う賃貸住宅などに施工されます。
・フロアタイル
こちらも木目はプリントで再現した床材です。
ポリ塩化ビニルを主原料とした薄いタイル状の床材で、表面は色柄だけではなく凹凸もリアルに再現されているため、遠目で見るとまるで本物の木製のようにも見えます。
また、土足歩行にも耐えられるほど耐久性が高いため、店舗などにも施工されます。
厚さは2.5mmと、木質系フローリング材よりも格段に薄く、どうしても厚みのある床材では納まらない場合や、既存床へ上張りする場合にも重宝されています。
色柄は木目に限らず、石目や単色カラーなど多種多様なのも人気のポイントです。
このように、見た目が木目であってもその素材や構成によってこれほどの床材があります。
また、メーカーによって表面に特殊加工を施してあるものもあるため、フローリングリフォームを検討する際は、既存の状態と合わせて質感や機能も確認して選びましょう。
■フローリングの“直貼り用”と“捨て貼り用”はどう違う?
事例を見る:Case131 「Living with Cats」
やはり、温かみのある空間にしたい場合は“木質系フローリング”を選ぶ方が圧倒的に多いですが、カタログを見ていると、「直貼り(じかばり)用」や「捨て貼り(すてばり)用」という言葉を見かけるでしょう。
実は、施工する際の工法によってフローリング材の加工が異なり、それぞれに合わせた商品を製造しています。
「直貼り用」とは、マンションの床スラブ(コンクリート)に直接接着剤を塗布して貼り付ける床材です。
フローリング材の裏に、特殊なクッション材が貼られており、床スラブの多少の傾斜や不陸を平す役割があります。
一方「捨て貼り」は、木質下地の上に施工する床材で、マンションの場合は床スラブ上に根太(ねだ)組みをして、その上に合板を貼り、さらにその上に接着剤と釘でフローリング材を固定します。
直貼り用とは異なりフローリング材の下に空気層ができるため、床スラブの冷気が伝わりにくく、コンクリート躯体の不陸が大きい場合でもある程度調節できる点がメリットです。
ただし、リフォームの場合は既存の床レベルに合わせた納まりにしなくてはならないため、大規模改修工事でない限りは、現状が直貼りであればそのまま直貼りをしますし、捨て貼りであればそのまま捨て貼りをします。
つまり、床張りのみのリフォームをする場合は、現状に合わせた工法に対応した床材を選ばなくてはいけません。
■ライフスタイルに合わせた“機能性フローリング”もおすすめ
フローリングの種類は、材質や工法だけではなく、表面の機能性でも分類できます。
各メーカー競うように様々な機能性フローリングを開発していますが、その中でも特にポピュラーな7つを紹介します。
遮音(防音)フローリング
(引用:WOODONE|遮音フローリング)
遮音フローリングとは、裏に歩行音や物を落とした音を吸収するための特殊なクッション材(遮音材)が貼り付けられた床材です。
そのため、歩くと少し沈むような感覚があります。
ちなみに、日本建築学会は遮音材の厚さや仕様によって遮音性能等級を定めており、各メーカーはそれに沿って製品の性能表示をしています。
(引用:WOODONE|遮音フローリング)
床暖房対応フローリング
フローリングの原料である木材は、熱が加わることで乾燥して収縮し、冷めれば空気中の湿気を吸い込み膨張します。
そのため、何も加工されていないフローリング材を床暖房パネルの上に貼ってしまうと、伸縮を繰り返して反りや割れ、床鳴りの原因になってしまうのです。
特に、無垢材フローリングの場合はその影響が大きいため、床材を選ぶ際は必ず床暖房対応の床材かどうかを確認してください。
ペット対応フローリング
フローリングは、人間が歩行する分にはあまり気になりませんが、犬や猫が歩く場合はそのままでは滑りやすい床材です。
日常的に滑りながら歩行すれば、足腰を痛めてしまいます。
また、爪を立てて歩くのですぐに床材の表面が傷だらけになってしまうでしょう。
これらの問題を解決するために作られたのが、ペット対応フローリングです。
表面のザラザラとした加工が、滑り止めの役割を果たします。
(引用:DAIKEN|ペット用フローリング)
また、尿や吐き戻しを掃除しやすいように、汚れが落ちやすいコーティングがされてあるものもあります。
車椅子対応フローリング
車椅子でフローリングの上を走行すると、どうしてもタイヤの黒い擦り後が残ってしまいます。
それを付きにくくするためのコーティングが施されているのが、車椅子対応フローリングです。
また、どのメーカーも車椅子対応フローリングは耐衝撃性を高くしているため、傷も付きにくく、安心して車椅子移動が可能となります。
抗ウイルス・抗菌フローリング
新型コロナウイルスが流行して以後、注目が高まっているのが「抗ウイルス・抗菌フローリング」です。
床材表面に、ウイルスや菌の遺伝子を包みこむ殻(カプシッド)を破壊して無害化する働きのある薬品が塗られており、床に落ちたウイルス・菌の増殖を抑えられます。
(空気中に漂っているウイルス・菌には効果はありません)
(引用:WOODTEC|抗ウイルス・抗菌素材のフローリングとは?仕組みとQ&A)
ワックスフリー(ノンワックス)・高耐汚性フローリング
これらのフローリング材には、表面に汚れが付きにくい特殊コーティングがされており、ワックスの定期的な塗り替えをする必要はありません。
汚れがついても簡単に拭き取れるため、小さいお子さんのいるご家庭にもおすすめです。
この表面コーティングは、メーカーやグレードによって性能レベルが異なり、高性能なものになると耐摩耗性も高いため、家具の擦り跡などの細かい傷もつきにくいと言われています。
ただし、これらの表面加工は永続的ではなく、10年も経てば光沢が落ちて機能も低下するものがほとんどで、上から再塗装やワックスがけもできないものも少なくありません。
選ぶ際は、メンテナンス方法などについても必ず確認しましょう。
■床板張り替え工事の際は“マンションの管理規約”を必ずチェック
マンションで床板張り替え工事を行う場合、絶対気をつけなくてはいけないのが、「管理規約に違反していないか」という点です。
実は、ほとんどのマンション管理規約では床材の仕様ついての規定があります。
その内容は、「遮音」に関するものがほとんどで、床板を張り替える際には既存床以上の遮音性能でなくてはいけません。
具体的に、「遮音等級〇〇以上の床材」と明記されている場合や、「〇〇(メーカー)の〇〇という製品」や「木質フローリングは禁止」というかなり厳しい記載がある場合もあります。
これに違反して施工してしまい、後から近隣より騒音クレームが出てしまうと、大きな問題に発展してしまうでしょう。
そのため、基本的には床板張り替え工事を行う場合は、管理組合へ工事内容と使用する床材などを申請し、承認をもらわなくてはいけません。
申請から承認まで日数を要する場合もありますので、必ず余裕を持ったスケジュールで検討しましょう。
■まとめ:マンションの床張りリフォームは材料選びが重要
床板の張り替えは、お部屋の印象を大きく変えられるため、魅力的なリフォームのうちの一つでしょう。
しかし、材料選びを失敗してしまうと、後悔するだけではなく大きなトラブルに発展してしまう可能性も否めません。
ですから、床材を選ぶ際は施工会社のアドバイスを聞くことはもちろん、機能面やデザインなどを含めた総合的な視点で検討してください。
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