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コラム

中古住宅の瑕疵保証とは?関連用語や注意点をわかりやすく解説

公開日:2023/05/14  更新日:2023/05/23

中古住宅の瑕疵保証とは

 

中古住宅は築年数が経つにつれて劣化が起こるため、新築住宅と比べて入居後の不具合が起こりやすくなります。

 

長い間、住む人を守ってきたため、建物の劣化は当然のこととも言えるでしょう。

 

しかし、中古住宅を購入して住んだ後に、建物の歪みや雨漏りがわかったら困ってしまいますよね。

 

そのため、契約前に建物の状態をしっかりと把握し、保証内容を理解することが大切です。

 

今回は中古住宅の保証や保険について、用語の意味や注意点などをわかりやすく解説します。

 

 

このコラムのポイント

・中古住宅を購入後に契約の内容に適合しない瑕疵が分かった場合、民法上では1年以内なら売主負担での修繕を依頼することができます。

・しかし、保証をつけない特約を定めている物件もあります。

・中古住宅購入やリフォーム・リノベーションは事業者によって保証内容が大きく異なるため、契約前に確認を必ず行いましょう。

 

 

■中古住宅にも保証ってあるの?

 

中古住宅の保証

 

結論から言うと、中古住宅でも保証がついている物件もあります。

 

しかし、新築住宅のような保証ではないため、すべてがカバーされているわけではありません。

 

また、築年数が経った物件の場合は、保証の取り決めを行わないケースも。

 

中古住宅の保証について調べると、次のような文言で説明がされていることが多いと思います。

 

一般的に、売主には契約不適合責任があります。

 

瑕疵保証の期間内に住宅の瑕疵が見つかった場合、売主負担で直さなければなりません。

 

また、任意ではありますが事業者が瑕疵保険に入って、瑕疵に対する補修などの費用に備えることも可能です。

 

何となく意味がわかるという方もいると思いますが、初めて聞く言葉ばかりで分からないという方も多いはずです。

 

しかし、中古住宅の購入の際に保証はとても重要なポイントなので、しっかりと意味を理解することが大切です。

 

 

■わかりやすく解説!瑕疵・契約不適合責任・瑕疵保証・瑕疵保険の意味

 

瑕疵保証や瑕疵保険の意味

 

中古住宅の保証について調べていると出てくる、次の4つの言葉の意味をわかりやすく解説します。

 

  • ・瑕疵
  • ・契約不適合責任
  • ・瑕疵保証
  • ・瑕疵保険

 

それでは確認していきましょう。

 

 

瑕疵とは

 

住宅における瑕疵(かし)とは、建物の欠陥や不具合のことです。

 

本来はあるべきの建物の品質や性能を欠いている状態を指しています。

 

具体的には、建物の強度に直接関係する構造体や、建物の劣化に直結する雨漏りが起こる屋根や外壁などの欠陥が瑕疵として認められています。

 

比較的簡単なリフォーム等で直せる設備の不具合などは、瑕疵として認められません。

 

 

契約不適合責任とは

 

契約不適合責任(けいやくふてきごうせきにん)とは、中古住宅の売主が負う責任のことです。

 

以前は「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」という言葉が使われていましたが、2020年4月から民法上で「契約不適合責任」へと改正になりました。

 

住宅以外のことに置き換えて、契約不適合責任をわかりやすく解説します。

 

知人から問題なく使えると聞いていた家電を購入したが、いざ使おうとしたら電源が入らずまったく動きませんでした。

 

この場合、ほとんどの人が次のどちらかを選択するはずです。

 

  • ・家電は返却するからお金を返してほしい
  • ・知人の負担で修理してほしい

 

使えると思って購入したのに使えなかったら、このような対応を考えますよね。

 

知人側も使えると言って家電を売ったので、返金や修理を行う責任があると考えるでしょう。

 

これが「契約不適合責任」です。

 

住宅の場合も同じで、雨漏りはしていないと契約書に記載があったから購入したが、住んでみたら雨漏りしていたとします。

 

この場合、買主は修繕を依頼することができ、売主は修繕費を負担して直す責任があります。

 

ただし、もともと買主側に知らせていた瑕疵は、売主が責任を負う必要はありません。

 

知人が「壊れてるけど自分で直して使うなら売るよ」と事前に言っていた場合、家電が使えないことはあらかじめわかっていますからね。

 

契約不適合責任は、契約の内容に適合しない瑕疵において責任を負うことと覚えておきましょう。

 

ちなみに、民法で定められている売買契約における契約不適合責任の期間は「買主がその不適合を知った時から一年以内」です。(民法第566条

 

 

瑕疵保証とは

 

瑕疵保証(かしほしょう)とは、契約時にはわからなかった(知らされていなかった)瑕疵があった場合に、売主に修繕などの責任を負ってもらえる保証です。

 

正式名称は「既存住宅売買瑕疵保険」です。

 

  • ・契約書に記載がなかった雨漏りが後から判明したため売主は修繕する責任がある(=契約不適合責任)
  • ・買主から売主に雨漏りがあったことを伝え、売主負担で直してもらう(=瑕疵保証)

 

先ほど解説した「契約不適合責任」を問われて、実際に履行する内容が「瑕疵保証」だと覚えておけば良いでしょう。

 

売主が「個人」の場合は個人や仲介した不動産屋などに、「事業者」の場合は不動産会社などの会社に直接請求を行います。

 

 

瑕疵保険とは

 

瑕疵保険とは売主が加入する保険で、瑕疵があった際に保険会社から保険金を払ってもらい、修繕等に対応できるようにするためのものです。

 

中古住宅特有のトラブルに対応するために「検査と保険がセット」になっています。

 

売主と関係ない第三者の立場から瑕疵がないかをチェックしてもらえ、入居後に見つかった瑕疵に対しては補償が受けられるので、買主は安心して中古住宅を購入できますね。

 

新築住宅は10年間の瑕疵保険に加入が義務になっていますが、中古住宅は瑕疵保険の加入が任意です。

 

そのため、保証内容と合わせて瑕疵保険に加入しているか、確認することをおすすめします。

 

また、中古住宅は売主が個人か事業者によって保険加入者が異なります。

 

売主 瑕疵保険の加入者
個人(宅建業者でない) 仲介の宅建業者または
住宅の検査を実施する検査事業者
事業者(宅建業者である) 宅建業者

 

売主が瑕疵保険に加入していない場合は加入を依頼できますが、買主側にも費用負担をお願いされるケースも。

 

両者でしっかりと話し合いを行ったうえで、保険加入の有無や費用の負担割合を検討してください。

 

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■中古住宅の瑕疵保証・瑕疵保険は期間に注意

 

瑕疵保証・瑕疵保険の期間

 

中古住宅の瑕疵保証・瑕疵保険は、売主によって期間の定めが異なるため注意が必要です。

 

 

瑕疵保証の期間

 

売主が不動産会社などの「宅建業者」の場合は、引渡しの日から2年以上の契約不適合責任を負うことが宅建業法で定められています。(宅建業法第40条

 

しかし、売主が宅建業者でない「個人」だと、瑕疵保証の期間の定めはありません。

 

国土交通省が平成24年に発表した「中古住宅・リフォームトータルプラン」では、中古住宅売買の瑕疵担保期間について次のようなデータがあります。

 

中古住宅売買の瑕疵担保期

▶中古住宅・リフォームトータルプランについて – 国土交通省を基に弊社にて作成

 

宅建業者でない者が売主の場合、約6割は瑕疵保証をつけていないことがわかります。

 

次いで多いのが、1~7年と2~3ヵ月の保証をつけているケースです。

 

特に築年数が古い中古住宅は、何らかの瑕疵があると予測ができるため、契約不適合責任を免責にする個人の売主も多いです。

 

ただし、売主は、買主に対して、現状でわかっている欠陥や予測できる瑕疵について伝えたうえで、契約不適合責任を免責にすることを認めてもらう必要があります。

 

買主側は免責を拒否することも可能ですが、折り合いがつかないと売買が進めないため、免責にする事項と保証の対象になる事項の擦り合わせを行いましょう。

 

 

瑕疵保険の期間

 

瑕疵保険の期間も、売主が宅建業者であるかないかによって異なります。

 

売主 保険期間
売主である宅建業者 引渡しから2年・5年から選択
仲介の宅建業者(売主が宅建業者でない個人) 引渡しから1年・2年・5年から選択
検査事業者(売主が宅建業者でない個人) 引渡しから1年・2年・5年から選択

 

売主が瑕疵保険に加入している場合は、何年の保険期間なのか必ず確認しましょう。

 

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■中古住宅のリフォームやリノベーションに保証はある?

 

リフォーム・リノベーションの保証

 

中古住宅を購入して、リフォームやリノベーションを行った場合の保証について紹介します。

 

 

リフォームやリノベーション工事にも契約不適合責任はある

 

建物の売主と同様に、リフォームやリノベーションの設計・施工会社にも契約不適合責任はあります。

 

つまり、契約内容に適合しない瑕疵があった場合、民法上では欠陥がわかってから1年以内なら施工会社に直してもらうことが可能です。

 

ただし、これは任意規定なので、リフォーム・リノベーション会社によって内容が異なります。

 

契約前に保証内容についても確認しておきましょう。

 

 

リフォーム・リノベーション会社はアフターフォローが充実していることも

 

リフォームやリノベーション会社によっては、瑕疵の保証以外にも、入居後のアフターフォローが手厚いケースがあります。

 

水回りの設備を交換した場合は、採用した設備メーカーの保証があることも。

 

こちらも会社によって内容が異なりますので、必ず確認が必要です。

 

 

■まとめ:中古住宅の保証は契約前にしっかり確認を

 

保証が手厚い新築住宅と違い、中古住宅は最低限の保証であることが少なくありません。

 

築年数が古い建物は、保証がついていないケースも多いです。

 

中古住宅を検討するときは、建物の内容や金額だけでなく、保証内容も忘れずに確認してくださいね。

 

また、売主や会社の説明を聞いたうえで、契約書に記載されている内容をしっかりチェックすることも大切です。

 

「初めての中古住宅購入で不安‥」という方もご安心ください。

 

“howzlife”では、これまで培ってきた知見を踏まえて、リノベーションを前提とした中古物件探しのお手伝いをしております。

 

もちろん、契約不適合責任や保証、瑕疵保険などについても事前にご説明し、不明点を解消いただいてから安心して契約していただけます。

 

オンラインでの無料相談も承っておりますので、「中古住宅を購入してリノベーションしたい」「中古住宅やリノベーションの保証について知りたい」という方は、どうぞお気軽にご相談くださいね。

 

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